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ミスリルの剣
93 光明 (改)
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1人1人が聖騎士であるパメラと同等の技量持つ襲撃者。
そんな実力者が完璧な連携を持って襲い掛かってくるのを、魔力感知を駆使していなしていく。
剣を合わせていて気付いたんだが、コイツらの厄介さは剣の技量だけじゃねぇ。
この完璧な連携こそがコイツらの本領だ。
左腕が動かない俺が受け太刀することは難しいだろうから、魔力感知と体捌きで相手の剣を掻い潜り、いなし、躱していく。
首元を狙ってきた横薙ぎを身を低くしてやり過ごし、がら空きの胴にカウンターの1撃を繰り出すが、横から伸びてきた別の相手の剣に阻まれ有効打にならない。
「ちっ! ならっ!」
手首を少し回して、俺の剣を受け止めている剣の表面を走らせるように剣を流して剣の持ち主に切りかかるが、それもまた違う相手の剣に阻まれてしまう。
くそっ! タイマンなら勝てそうなのに、この鉄壁の連携が厄介すぎるぜ……!
「……この技量、ただの野盗とは思えねぇ。テメェらいったい何者なんだよっ……!?」
「…………」
思わず毒づいてしまった俺に、返事の言葉は返ってこない。
なんなんだコイツらは……!?
1人1人の技術も高いのに連携も完璧で、なによりも怪我をしない戦い方に慣れ過ぎていやがる。
恐らくコイツら、常に自分たちよりも強い相手と戦うことを想定して訓練されているんだろう。
強敵相手に無傷でやり過ごす技術が高すぎるぜ……!
「馬鹿な……。4人がかりで仕留め切れないどころか、反撃を許すだと……? お、圧されているのか、この4人が……?」
さっきまでご機嫌に喧しかった野郎が静かになったことだけはありがてぇが、見当違いの事を言ってやがる。
圧されているのは間違いなく俺だ。
左手が使えりゃ話も違ったかもしれねぇが、右手1本で繰り出される軽い斬撃じゃあコイツらの堅牢な防御を突破できる気がしねぇ。
何度か反撃こそ出来ちゃいるが、それも余裕で受け止められちまっているし、相手方の動きに焦りや乱れも一切感じられない。
このまま続けば疲労で俺の方が先に潰れるのが分かっているんだろうな、くそったれ!
「っらぁ!」
全身のバネを使ったつもりの渾身の1撃も、あっさり受け止められてしまう。
くっそぉ……! 左手さえ使えりゃあ、防御なんざ無視して叩き切ってやるってのに……!
相手が誰であろうが、ミシェルを守るためには負けるわけにはいかない。
しかし片手でしか剣を握ることの出来ない俺の1撃は、襲撃者に対して有効打になってくれない。
……威力が出せないなら速度だ。もっと速度が要る。
失った力を補って余りあるほどの、まるで苛速魔法のような速度を発揮して、相手の防御を置き去りにするしかねぇ……!
「――――せいっ!」
全身に魔力を走らせ動作を加速。
魔力の流れに身を任せて剣を振るうが、あの時の1撃には遠く及ばずあっさりと受け止められてしまう。
深く強く集中し、走らせる魔力を極小にして、それを体内で爆発させるイメージで加速する。
が、やはり上手くいかず防がれる。
「ふん。中々やるようだがここまでのようだなぁ? 隻腕のテメェにコイツらを倒す術はねぇだろ。さっさと諦めたらどうだ?」
外野の声を無視して、自分自身との対話に集中する。
フラストを斬ってから毎日練習してきた魔力制御だ。
今の俺の技術があの時より劣っているとはどうしても思えねぇ。ならなんで成功しない?
今体内で破裂させた魔力の使い方は、フラストを斬った時に限りなく近い魔力制御だったはず。
なのにあの時の加速を得られないのは何故なんだ?
「くっ……! こいつ、どんどん早く……!?」
相手からの攻撃にも大分慣れてきた。
もう回避や防御に魔力を走らせる必要は無く、体捌きだけで4本の剣閃を掻い潜りながら、何が悪いのか検証していく。
魔力制御の再現が出来ているなら、何が再現出来ていないんだ?
あの時と今と、いったい何が違うってんだ?
「……ひょっとして」
フラストを斬った時は、直前までサクションを受け続けたせいで極限の魔力枯渇状態だった。
対して今の俺は魔力量に不安はあるものの、まだ魔力枯渇の症状も現れない程度には余裕がある。
あの時と今の俺に違いがあるとすれば……。
それは俺の体に残っている、残存魔力量か……?
「ふぅぅ……」
今まで破裂させるように全身に流していた魔力を、まったく逆の方向性で制御する。
僅かな魔力を破裂させて一瞬で全身を駆け巡らせる前に、全身の魔力を一点に集約させ、その一点以外の場所に一切魔力を流れない状態まで持っていく。
これで俺の体内は、擬似的な魔力枯渇状態に陥ったはずだ。
魔力を完全に失った俺の肉体に、集約された一点から閃光のように魔力を爆ぜさせ、一瞬のうちに全身の動きを加速する!
「な、にぃっ!?」
驚愕の声と共に右手に返ってくる衝撃。
先ほどまでと変わらず、硬い金属に斬りつけたような硬質な衝撃が剣を通して右手に走った。
……先ほどまでと違うのは、俺の剣が敵の剣に阻まれておらず、襲撃者の首元に打ち付けられているという点だけだ。
「ばっ、ばかなっ……!? み、見えなかったぞ……!?」
「……気を引き締めろ! どうやらコイツは妙な技を使ってくるらしいぞ……!」
先ほどまで完全にだんまりを決め込んでいた襲撃者の4人が、緊張感漂う声でお互いを鼓舞している。
へっ、テメエらにゃ悪いが確信したぜ。魔力制御だけで超加速を得る方法になぁ!
再度同じ魔力制御を行なって、今度は頭上から思い切り剣を振り下ろした。
「ぐあああ……!?」
「マッツォ!? くっ、下がれ下がれっ……!」
俺の1撃を恐らく金属製の兜で受け、泡を食って距離を取る襲撃者達。
今回も俺の右手には金属に衝突したような衝撃だけが返ってきた。さきほどの1撃の時もそうだった。
どうやらコイツら全員、金属製のプレートメイルでも着込んでいやがるみたいだ。
加速能力だけでは攻撃力は上がらない。
片腕の俺にはプレートメイルごと相手をぶった切れるような重みのある1撃を放つことは出来ない。
だかそれでも光明には違いねぇ!
反応できないほどの超速斬撃で鎧の縫い間を見つけるまで、斬って斬って叩き斬ってやるだけよぉ!
「うおおおおおっ!!」
後退する襲撃者達を超加速で追撃し、何度も白刃を叩きつける。
俺達に襲撃なんざしてきたことを、何よりミシェルをターゲットにしやがったこと、絶対に後悔させてやるからなぁぁぁ!!
そんな実力者が完璧な連携を持って襲い掛かってくるのを、魔力感知を駆使していなしていく。
剣を合わせていて気付いたんだが、コイツらの厄介さは剣の技量だけじゃねぇ。
この完璧な連携こそがコイツらの本領だ。
左腕が動かない俺が受け太刀することは難しいだろうから、魔力感知と体捌きで相手の剣を掻い潜り、いなし、躱していく。
首元を狙ってきた横薙ぎを身を低くしてやり過ごし、がら空きの胴にカウンターの1撃を繰り出すが、横から伸びてきた別の相手の剣に阻まれ有効打にならない。
「ちっ! ならっ!」
手首を少し回して、俺の剣を受け止めている剣の表面を走らせるように剣を流して剣の持ち主に切りかかるが、それもまた違う相手の剣に阻まれてしまう。
くそっ! タイマンなら勝てそうなのに、この鉄壁の連携が厄介すぎるぜ……!
「……この技量、ただの野盗とは思えねぇ。テメェらいったい何者なんだよっ……!?」
「…………」
思わず毒づいてしまった俺に、返事の言葉は返ってこない。
なんなんだコイツらは……!?
1人1人の技術も高いのに連携も完璧で、なによりも怪我をしない戦い方に慣れ過ぎていやがる。
恐らくコイツら、常に自分たちよりも強い相手と戦うことを想定して訓練されているんだろう。
強敵相手に無傷でやり過ごす技術が高すぎるぜ……!
「馬鹿な……。4人がかりで仕留め切れないどころか、反撃を許すだと……? お、圧されているのか、この4人が……?」
さっきまでご機嫌に喧しかった野郎が静かになったことだけはありがてぇが、見当違いの事を言ってやがる。
圧されているのは間違いなく俺だ。
左手が使えりゃ話も違ったかもしれねぇが、右手1本で繰り出される軽い斬撃じゃあコイツらの堅牢な防御を突破できる気がしねぇ。
何度か反撃こそ出来ちゃいるが、それも余裕で受け止められちまっているし、相手方の動きに焦りや乱れも一切感じられない。
このまま続けば疲労で俺の方が先に潰れるのが分かっているんだろうな、くそったれ!
「っらぁ!」
全身のバネを使ったつもりの渾身の1撃も、あっさり受け止められてしまう。
くっそぉ……! 左手さえ使えりゃあ、防御なんざ無視して叩き切ってやるってのに……!
相手が誰であろうが、ミシェルを守るためには負けるわけにはいかない。
しかし片手でしか剣を握ることの出来ない俺の1撃は、襲撃者に対して有効打になってくれない。
……威力が出せないなら速度だ。もっと速度が要る。
失った力を補って余りあるほどの、まるで苛速魔法のような速度を発揮して、相手の防御を置き去りにするしかねぇ……!
「――――せいっ!」
全身に魔力を走らせ動作を加速。
魔力の流れに身を任せて剣を振るうが、あの時の1撃には遠く及ばずあっさりと受け止められてしまう。
深く強く集中し、走らせる魔力を極小にして、それを体内で爆発させるイメージで加速する。
が、やはり上手くいかず防がれる。
「ふん。中々やるようだがここまでのようだなぁ? 隻腕のテメェにコイツらを倒す術はねぇだろ。さっさと諦めたらどうだ?」
外野の声を無視して、自分自身との対話に集中する。
フラストを斬ってから毎日練習してきた魔力制御だ。
今の俺の技術があの時より劣っているとはどうしても思えねぇ。ならなんで成功しない?
今体内で破裂させた魔力の使い方は、フラストを斬った時に限りなく近い魔力制御だったはず。
なのにあの時の加速を得られないのは何故なんだ?
「くっ……! こいつ、どんどん早く……!?」
相手からの攻撃にも大分慣れてきた。
もう回避や防御に魔力を走らせる必要は無く、体捌きだけで4本の剣閃を掻い潜りながら、何が悪いのか検証していく。
魔力制御の再現が出来ているなら、何が再現出来ていないんだ?
あの時と今と、いったい何が違うってんだ?
「……ひょっとして」
フラストを斬った時は、直前までサクションを受け続けたせいで極限の魔力枯渇状態だった。
対して今の俺は魔力量に不安はあるものの、まだ魔力枯渇の症状も現れない程度には余裕がある。
あの時と今の俺に違いがあるとすれば……。
それは俺の体に残っている、残存魔力量か……?
「ふぅぅ……」
今まで破裂させるように全身に流していた魔力を、まったく逆の方向性で制御する。
僅かな魔力を破裂させて一瞬で全身を駆け巡らせる前に、全身の魔力を一点に集約させ、その一点以外の場所に一切魔力を流れない状態まで持っていく。
これで俺の体内は、擬似的な魔力枯渇状態に陥ったはずだ。
魔力を完全に失った俺の肉体に、集約された一点から閃光のように魔力を爆ぜさせ、一瞬のうちに全身の動きを加速する!
「な、にぃっ!?」
驚愕の声と共に右手に返ってくる衝撃。
先ほどまでと変わらず、硬い金属に斬りつけたような硬質な衝撃が剣を通して右手に走った。
……先ほどまでと違うのは、俺の剣が敵の剣に阻まれておらず、襲撃者の首元に打ち付けられているという点だけだ。
「ばっ、ばかなっ……!? み、見えなかったぞ……!?」
「……気を引き締めろ! どうやらコイツは妙な技を使ってくるらしいぞ……!」
先ほどまで完全にだんまりを決め込んでいた襲撃者の4人が、緊張感漂う声でお互いを鼓舞している。
へっ、テメエらにゃ悪いが確信したぜ。魔力制御だけで超加速を得る方法になぁ!
再度同じ魔力制御を行なって、今度は頭上から思い切り剣を振り下ろした。
「ぐあああ……!?」
「マッツォ!? くっ、下がれ下がれっ……!」
俺の1撃を恐らく金属製の兜で受け、泡を食って距離を取る襲撃者達。
今回も俺の右手には金属に衝突したような衝撃だけが返ってきた。さきほどの1撃の時もそうだった。
どうやらコイツら全員、金属製のプレートメイルでも着込んでいやがるみたいだ。
加速能力だけでは攻撃力は上がらない。
片腕の俺にはプレートメイルごと相手をぶった切れるような重みのある1撃を放つことは出来ない。
だかそれでも光明には違いねぇ!
反応できないほどの超速斬撃で鎧の縫い間を見つけるまで、斬って斬って叩き斬ってやるだけよぉ!
「うおおおおおっ!!」
後退する襲撃者達を超加速で追撃し、何度も白刃を叩きつける。
俺達に襲撃なんざしてきたことを、何よりミシェルをターゲットにしやがったこと、絶対に後悔させてやるからなぁぁぁ!!
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