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未開の地で
74 フラスト② (改)
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気づいた時には既に首元に迫っていたフラストの剣を、殆ど無意識に魔力を走らせ、後方に飛びながら受け止める。
「ぐっ……!?」
フラストの剣は目に留まらないほどに速いだけではなく、その重さも以前剣を合わせた時とは段違いだった。
後方に飛んだこともあるが、フラストが片手で振った剣を受け止めた俺は、そのまま数メートル後方まで吹っ飛ばされてしまう。
そんな俺を追撃するでもなく、ほうっと感心した様子のフラスト。
「ふむ。木偶だ木偶だと見下してしまっていたが、ブラッドシフトにすら反応するとは少し見繰りすぎていたようだな。剣の腕は間違いなく俺より上だぞ。誇るがいい」
「へっ、そりゃどうもっ……!」
ちっ、まだ手が痺れてやがる……! なんなんだ今のは……!
ミシェルの下で魔力感知と魔力制御を磨いていなかったら、切られた事にすら気付かず殺されてたじゃねぇか……!
「俺の剣を受けて刃零れ1つしていないその剣も素晴らしいな。月光銀製の剣とは今時珍しい」
「……あ? シルバーライト?」
「なんだ貴様、自分の握る剣のことも知らんのか? 確かにシルバーライトを武器に用いる者は少ないがな」
全身に黒い魔力を纏ったフラストは、呆れたような視線を俺に向けてくる。
しかしさっきのフラストの攻撃速度を考えると、こうして話している次の瞬間に斬り付けられてもおかしくねぇから、一瞬たりとも気を抜くわけにはいかねぇ……!
「ミスリルとムーンストーン。魔力伝導率の高さで知られるこの2つを合金化すると、なぜか魔力を殆ど通さなくなる代わりに、軽量のままで凄まじい硬度を持つ物質に変わるのだ。それがシルバーライトだ」
ミスリルは勿論だがムーンストーンも知っている。冒険者にも人気の武器素材だからな。
だがその2つを合金化した素材なんて聞いた事がねぇぞ?
「シルバーライトは魔力を通さない故に武器の素材としては不人気だが、優れた軽さと硬度ゆえに重要拠点の建築材などに使われる場合が多い。王国軍に所属する者ならともかく、冒険者には馴染みの無い知識かもしれんがな」
「軍事拠点の建材に……」
「ふむ。魔力を殆ど持たない木偶の貴様には、確かに最も相応しい武器と言えるだろう。そんなものをどうやって用意したのかは知らんがな」
「魔力を持たない俺に、最も適した武器……?」
「フラスト将軍っ! いやフラストォッ! 貴様、サクションだけでなくブラッドシフトまで習得するなど、正気なのかぁっ!?」
フラストの言葉に考え込みそうになった俺の思考を、パメラの怒号が繋ぎとめる。
そうだ。この剣について考えるのは今じゃない。
今は目の前のフラストと、奴が使ってきたブラッドシフトのことを知らなければっ……!
「パメラァッ! ブラッドシフトってのはなんだ!? 今のも禁忌魔法の1つなのか!?」
「くくく……。聖騎士殿に聞かずとも目の前の俺に尋ねれば良かろう? 死に行く貴様らに隠し事などをする気は無いからなぁ?」
剣を下ろし、まるで子供が玩具を自慢するように得意げに語り出すフラスト。
「苛速魔法ブラッドシフト。本来体内に走らせる魔力を体外に纏い、魔力制御による超加速を得られる禁忌魔法の1つだ。効果は今貴様が体験した通り。魔力によって、人間に不可能な領域の身体能力を発揮することが出来るのだ」
「……要は身体能力強化魔法の一種ってことか。ただその効果が桁違いってだけで……!」
「解説してやった理由も分かっただろう? 単純で強力な効果ゆえ、魔法効果を知っても対策など取れないから、なぁ!」
言い終わると同時にフラストの姿が消え、俺の目の前で大上段から斬撃を放ってくるフラスト。
直ぐに全身に魔力を走らせ頭上からの剣を受け止めるが、その斬撃の重さに思わず地面に片膝を着いてしまう。
「く……そ……! 重すぎ、る……!」
「間に合うだけ大した物だ。誇るがいいぞ!」
「ぐはぁっ!」
剣を受けるので精一杯の俺に、フラストの回し蹴りが飛んでくる。
当然回避も防御も出来なかった俺はその蹴りを無防備な状態で喰らってしまい、これまた数メートルほど蹴り飛ばされてしまう。
「ソイルっ! フラスト、貴様ぁっ……!」
「ははは。そんなところで睨みつけずに、聖騎士殿も参戦されては如何かな? この木偶よりは善戦できるかもしれませんぞ?」
激昂した様子のパメラと、それをからかうように煽るフラスト。
しかしパメラは、挑発に乗ってフラストに切りかかるような真似はしないらしい。
2人が会話している間に立ち上がり、全身の状態をチェックする。
蹴られた脇腹はズキズキと痛みやがるが、恐らく骨まではいってねぇな。戦闘に支障はねぇはずだ。
「ふふ、禁忌魔法を知り尽くしている聖騎士殿のことだ。大方ブラッドシフトの長時間使用で俺の魔力が枯渇するタイミングを狙っているのでしょう? 役立たずを囮にして時間を稼ぐ判断も見事と言えましょう」
「…………」
フラストの問いに無言で答えるパメラ。
俺は囮かよ?
ま、それが勝利に繋がるんなら文句なんかねぇけどさぁ。
「ですがお忘れになってもらっては困りますなぁ? 俺の扱える禁忌魔法は1つじゃないというのに」
またしてもフラストの姿が掻き消え、次の瞬間パメラが連れて来た数名の冒険者たちの目の前に立っていた。
「なぜ聖騎士殿よりも木偶などを相手にしているのか、不思議には思わないのですか?」
「まずっ……! みんな、フラストから離れ……!」
「サクション」
冒険者たちの目の前で、奪命魔法サクションを発動するフラスト。
パメラ本人と、彼女の声に咄嗟に反応して散った者はなんとか逃れることが出来たみたいだけど、5名が逃げ送れてサクションで魔力を奪われてしまう。
「あ……あぁ……」
悲鳴を上げる暇も無く、一瞬にして魔力枯渇を起こして地面に倒れる5人の冒険者達。
こんなに一瞬で魔力を吸いきられるのかよ……!?
「お忘れのようですが、俺はこの通りサクションも使えるのですよ? ここにいる全員は俺にとって餌みたいなものです。ゆえに餌にすらならないほど魔力を持たない木偶の相手を優先しているわけですな」
「くぅ……! 複数の禁忌魔法を同時に使った者の記録など残されていないが、ただでさえ強力な禁忌魔法を組み合わせられるとこれほどまでに……!」
サクションの効果範囲外から悔しそうに歯軋りするパメラ。
膨大な魔力を消費する苛速魔法ブラッドシフトと、その魔力を吸収して補う奪命魔法サクションを同時に扱えるとか頭がおかしいだろ!?
片方だけでも強力無比なのに、組み合わせることで弱点らしい弱点が無くなっちまってるじゃねぇか!
「討伐隊の諸君も聖騎士殿もご安心を。俺が最初に殺すのはそこの木偶だと決めているのでね。木偶が頑張って生きている限りは誰も殺す気はありませんよ。餌にはなってもらいますがね」
そう言って俺に向き直り、獰猛な笑みを浮かべるフラスト。
説明は終わりってかぁ? 舐めやがって……。
「見た通りだ木偶。お前の腕は認めるが、ブラッドシフトは受け止めるのが精一杯、攻撃魔法による援護はサクションで期待できない、そして長期戦になってもサクションがある俺の方が有利だ。お前にはいったいどんな手が残されているのだろうな?」
「……っ」
「返す言葉も無いか? ブラッドシフト」
言い終えるなり再度禁忌魔法を纏うフラスト。
まったく、ご丁寧に解説までしてくれやがって。
俺に残された手段なんて、俺が知りてぇんだよ、クソがぁっ!
「ぐっ! あぁ……!」
そんな風に毒づきながらも、一瞬で接近してきたフラストの剣を受けて、俺はまたしても遠くまで弾き飛ばされてしまうのだった。
「ぐっ……!?」
フラストの剣は目に留まらないほどに速いだけではなく、その重さも以前剣を合わせた時とは段違いだった。
後方に飛んだこともあるが、フラストが片手で振った剣を受け止めた俺は、そのまま数メートル後方まで吹っ飛ばされてしまう。
そんな俺を追撃するでもなく、ほうっと感心した様子のフラスト。
「ふむ。木偶だ木偶だと見下してしまっていたが、ブラッドシフトにすら反応するとは少し見繰りすぎていたようだな。剣の腕は間違いなく俺より上だぞ。誇るがいい」
「へっ、そりゃどうもっ……!」
ちっ、まだ手が痺れてやがる……! なんなんだ今のは……!
ミシェルの下で魔力感知と魔力制御を磨いていなかったら、切られた事にすら気付かず殺されてたじゃねぇか……!
「俺の剣を受けて刃零れ1つしていないその剣も素晴らしいな。月光銀製の剣とは今時珍しい」
「……あ? シルバーライト?」
「なんだ貴様、自分の握る剣のことも知らんのか? 確かにシルバーライトを武器に用いる者は少ないがな」
全身に黒い魔力を纏ったフラストは、呆れたような視線を俺に向けてくる。
しかしさっきのフラストの攻撃速度を考えると、こうして話している次の瞬間に斬り付けられてもおかしくねぇから、一瞬たりとも気を抜くわけにはいかねぇ……!
「ミスリルとムーンストーン。魔力伝導率の高さで知られるこの2つを合金化すると、なぜか魔力を殆ど通さなくなる代わりに、軽量のままで凄まじい硬度を持つ物質に変わるのだ。それがシルバーライトだ」
ミスリルは勿論だがムーンストーンも知っている。冒険者にも人気の武器素材だからな。
だがその2つを合金化した素材なんて聞いた事がねぇぞ?
「シルバーライトは魔力を通さない故に武器の素材としては不人気だが、優れた軽さと硬度ゆえに重要拠点の建築材などに使われる場合が多い。王国軍に所属する者ならともかく、冒険者には馴染みの無い知識かもしれんがな」
「軍事拠点の建材に……」
「ふむ。魔力を殆ど持たない木偶の貴様には、確かに最も相応しい武器と言えるだろう。そんなものをどうやって用意したのかは知らんがな」
「魔力を持たない俺に、最も適した武器……?」
「フラスト将軍っ! いやフラストォッ! 貴様、サクションだけでなくブラッドシフトまで習得するなど、正気なのかぁっ!?」
フラストの言葉に考え込みそうになった俺の思考を、パメラの怒号が繋ぎとめる。
そうだ。この剣について考えるのは今じゃない。
今は目の前のフラストと、奴が使ってきたブラッドシフトのことを知らなければっ……!
「パメラァッ! ブラッドシフトってのはなんだ!? 今のも禁忌魔法の1つなのか!?」
「くくく……。聖騎士殿に聞かずとも目の前の俺に尋ねれば良かろう? 死に行く貴様らに隠し事などをする気は無いからなぁ?」
剣を下ろし、まるで子供が玩具を自慢するように得意げに語り出すフラスト。
「苛速魔法ブラッドシフト。本来体内に走らせる魔力を体外に纏い、魔力制御による超加速を得られる禁忌魔法の1つだ。効果は今貴様が体験した通り。魔力によって、人間に不可能な領域の身体能力を発揮することが出来るのだ」
「……要は身体能力強化魔法の一種ってことか。ただその効果が桁違いってだけで……!」
「解説してやった理由も分かっただろう? 単純で強力な効果ゆえ、魔法効果を知っても対策など取れないから、なぁ!」
言い終わると同時にフラストの姿が消え、俺の目の前で大上段から斬撃を放ってくるフラスト。
直ぐに全身に魔力を走らせ頭上からの剣を受け止めるが、その斬撃の重さに思わず地面に片膝を着いてしまう。
「く……そ……! 重すぎ、る……!」
「間に合うだけ大した物だ。誇るがいいぞ!」
「ぐはぁっ!」
剣を受けるので精一杯の俺に、フラストの回し蹴りが飛んでくる。
当然回避も防御も出来なかった俺はその蹴りを無防備な状態で喰らってしまい、これまた数メートルほど蹴り飛ばされてしまう。
「ソイルっ! フラスト、貴様ぁっ……!」
「ははは。そんなところで睨みつけずに、聖騎士殿も参戦されては如何かな? この木偶よりは善戦できるかもしれませんぞ?」
激昂した様子のパメラと、それをからかうように煽るフラスト。
しかしパメラは、挑発に乗ってフラストに切りかかるような真似はしないらしい。
2人が会話している間に立ち上がり、全身の状態をチェックする。
蹴られた脇腹はズキズキと痛みやがるが、恐らく骨まではいってねぇな。戦闘に支障はねぇはずだ。
「ふふ、禁忌魔法を知り尽くしている聖騎士殿のことだ。大方ブラッドシフトの長時間使用で俺の魔力が枯渇するタイミングを狙っているのでしょう? 役立たずを囮にして時間を稼ぐ判断も見事と言えましょう」
「…………」
フラストの問いに無言で答えるパメラ。
俺は囮かよ?
ま、それが勝利に繋がるんなら文句なんかねぇけどさぁ。
「ですがお忘れになってもらっては困りますなぁ? 俺の扱える禁忌魔法は1つじゃないというのに」
またしてもフラストの姿が掻き消え、次の瞬間パメラが連れて来た数名の冒険者たちの目の前に立っていた。
「なぜ聖騎士殿よりも木偶などを相手にしているのか、不思議には思わないのですか?」
「まずっ……! みんな、フラストから離れ……!」
「サクション」
冒険者たちの目の前で、奪命魔法サクションを発動するフラスト。
パメラ本人と、彼女の声に咄嗟に反応して散った者はなんとか逃れることが出来たみたいだけど、5名が逃げ送れてサクションで魔力を奪われてしまう。
「あ……あぁ……」
悲鳴を上げる暇も無く、一瞬にして魔力枯渇を起こして地面に倒れる5人の冒険者達。
こんなに一瞬で魔力を吸いきられるのかよ……!?
「お忘れのようですが、俺はこの通りサクションも使えるのですよ? ここにいる全員は俺にとって餌みたいなものです。ゆえに餌にすらならないほど魔力を持たない木偶の相手を優先しているわけですな」
「くぅ……! 複数の禁忌魔法を同時に使った者の記録など残されていないが、ただでさえ強力な禁忌魔法を組み合わせられるとこれほどまでに……!」
サクションの効果範囲外から悔しそうに歯軋りするパメラ。
膨大な魔力を消費する苛速魔法ブラッドシフトと、その魔力を吸収して補う奪命魔法サクションを同時に扱えるとか頭がおかしいだろ!?
片方だけでも強力無比なのに、組み合わせることで弱点らしい弱点が無くなっちまってるじゃねぇか!
「討伐隊の諸君も聖騎士殿もご安心を。俺が最初に殺すのはそこの木偶だと決めているのでね。木偶が頑張って生きている限りは誰も殺す気はありませんよ。餌にはなってもらいますがね」
そう言って俺に向き直り、獰猛な笑みを浮かべるフラスト。
説明は終わりってかぁ? 舐めやがって……。
「見た通りだ木偶。お前の腕は認めるが、ブラッドシフトは受け止めるのが精一杯、攻撃魔法による援護はサクションで期待できない、そして長期戦になってもサクションがある俺の方が有利だ。お前にはいったいどんな手が残されているのだろうな?」
「……っ」
「返す言葉も無いか? ブラッドシフト」
言い終えるなり再度禁忌魔法を纏うフラスト。
まったく、ご丁寧に解説までしてくれやがって。
俺に残された手段なんて、俺が知りてぇんだよ、クソがぁっ!
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