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第192話 ユウのタイガーホース。
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第192話 ユウのタイガーホース。
「っ!! そこだァァァァァァァっっ!!!」
「グ、グガァァッ!!」
──ユウの斬撃が、一際大きな体の狼を仰け反らせる。ユウも、そこにすかさず双剣による猛攻を加える。
狼のボスは数発の剣撃は躱したり逸らしたりするが、やがて逸らしきれない攻撃が当たるようになり、ついには──
「グ、グォォォォ……。」
「…………っ、ふぅ~~~っ!! ……やっと倒せたぁ。」
ユウがトドメを刺して40階層ボス……ちなみに、調べたところ名前はハーデスフェンリルって言うらしい。・・・どうでもいいけど、ここ冥界じゃなくて地獄じゃね?
あ、話を戻すが、そのハーデスフェンリルは、満足そうな顔をして、息絶えていた。
・・・そう言えばこの狼、戦ってる時も自分が出せる全力を出そうとしてたな。……多分、相手と心残りがない戦いをしたかったんだろうな。
そう考えるとこいつ、潔いな。
あ、ちなみに、ハク達のことだが、2人は他の取り巻き全員を倒すのに全労力を使い果たしたみたいで、近くでぶっ倒れてる。
……ついでに、ハーデスフェンリルはこの2人にも攻撃したり人質にしたりしてこなかったな。
・・・マジであいつ潔いな。
「さてさて~。今回のドロップはな~にかな~? ・・・あれ~?」
ユウはハーデスフェンリルを倒したところで留まり、ドロップアイテムの確認をしていた。・・・のだが、何やら気になるなにかがあったらしい。
「どうした? ってなんだ? ソレ。」
ユウが片手に大きな動物の皮のようなものを持っていて……大方予想はできるけど、鑑定をしてみた結果、やっぱり神狼の毛皮ってやつだった。
・・・〝神~の~~〟ってやつ推すねぇ。
まぁそれはいいとして、神狼の毛皮と、もう片方の手には、さっきまでは持っていなかった、黒っぽい剣が握られていた。
・・・ふむ、鑑定した所。〝魔剣 冥魂狼〟ってやつらしい。……いやいや、神に魔剣って。
普通、魔剣って神とかに仇なすやつじゃね? その神が魔剣を持つって……どうなんだ?
「とりあえずボス討伐お疲れ。あとその手に持ってる剣。名前的にドロップ品だよな?」
「うん! そうっぽいね~! 見た感じ、かなりかっこいいし、僕の普段武器にしようかな~?」
・・・難なく振ってるところを見る感じ、別に神に対してデバフがかかるってわけじゃなさそうだな。
……いや、こいつの場合、デバフがかかろうとも効かずに、むしろ効果自体を打ち消しそうだが。
ってあんまり振りすぎると周りにあたって危なそうなんだが……。あ、地味に気をつけてるっぽいね。
「───、──。……ってゼロ~? 聞いてるのー?」
「ん、あぁ聞いてる聞いてる。その剣をユウが一口で全部飲み込むんだろ?」
「違うよっ!? というかそんなこと僕しないよっ!? もうっ〝次の武器は何使おうかな?〟って話だよっ!」
ユウは慌てて否定したあと、しっかりと要件を言ってくれた。
ってゆーか、武器、今決めるのね。まぁいいけど。
「んー、今まで出たのが剣、短剣、ハンマー、双剣だったよな……って剣に偏りすぎだろ。
あ、そうだ。ここは一発、全体的に変更してみるのとかどうだ? 例えば近距離じゃなくて遠距離武器とか。」
俺がそう言うと、ユウはやや俯いて、考え出した。そして数秒うーんうーんと唸ると、突然バッと顔を上げて「鞭にする!!」と言った。
・・・うん、いや、別に決めたことにどうこう言う気は無いけど、なぜ鞭にしたし。一応、ユウに聞いてみた。
「え~とね~。武器で遠距離って言われるとかなり限られてくるでしょ~? それでぱっと思いついたのが、鞭だったの~。
・・・なんで思いついたかって言うと、結構前にとある事でシュレイアを怒らせちゃってね~。その時に鞭を使って……この話やめようか~。」
なんか急にすげぇ震えだした。・・・たとえ神でも、嫁には敵わんか。
「まぁユウが決めたならそれでいいけど。・・・鞭で敵やれんのか?」
「あ、そこは大丈夫~。鞭って使い方次第で目とかを潰したり、首とかを締めたりとか……あとは技術でなんとかなるよ~。」
・・・聞いといてなんだけどなんか物騒だな。まぁ戦えるようならいいか。
「そうかい。・・・とりあえず、ユウはもう準備はいいみたいだな。ハク、ライム。そっちも準備はいいか?」
ハク達からはい、と返事がくる。
「よし、それじゃ次なる階層へGO!!」
「っ!! そこだァァァァァァァっっ!!!」
「グ、グガァァッ!!」
──ユウの斬撃が、一際大きな体の狼を仰け反らせる。ユウも、そこにすかさず双剣による猛攻を加える。
狼のボスは数発の剣撃は躱したり逸らしたりするが、やがて逸らしきれない攻撃が当たるようになり、ついには──
「グ、グォォォォ……。」
「…………っ、ふぅ~~~っ!! ……やっと倒せたぁ。」
ユウがトドメを刺して40階層ボス……ちなみに、調べたところ名前はハーデスフェンリルって言うらしい。・・・どうでもいいけど、ここ冥界じゃなくて地獄じゃね?
あ、話を戻すが、そのハーデスフェンリルは、満足そうな顔をして、息絶えていた。
・・・そう言えばこの狼、戦ってる時も自分が出せる全力を出そうとしてたな。……多分、相手と心残りがない戦いをしたかったんだろうな。
そう考えるとこいつ、潔いな。
あ、ちなみに、ハク達のことだが、2人は他の取り巻き全員を倒すのに全労力を使い果たしたみたいで、近くでぶっ倒れてる。
……ついでに、ハーデスフェンリルはこの2人にも攻撃したり人質にしたりしてこなかったな。
・・・マジであいつ潔いな。
「さてさて~。今回のドロップはな~にかな~? ・・・あれ~?」
ユウはハーデスフェンリルを倒したところで留まり、ドロップアイテムの確認をしていた。・・・のだが、何やら気になるなにかがあったらしい。
「どうした? ってなんだ? ソレ。」
ユウが片手に大きな動物の皮のようなものを持っていて……大方予想はできるけど、鑑定をしてみた結果、やっぱり神狼の毛皮ってやつだった。
・・・〝神~の~~〟ってやつ推すねぇ。
まぁそれはいいとして、神狼の毛皮と、もう片方の手には、さっきまでは持っていなかった、黒っぽい剣が握られていた。
・・・ふむ、鑑定した所。〝魔剣 冥魂狼〟ってやつらしい。……いやいや、神に魔剣って。
普通、魔剣って神とかに仇なすやつじゃね? その神が魔剣を持つって……どうなんだ?
「とりあえずボス討伐お疲れ。あとその手に持ってる剣。名前的にドロップ品だよな?」
「うん! そうっぽいね~! 見た感じ、かなりかっこいいし、僕の普段武器にしようかな~?」
・・・難なく振ってるところを見る感じ、別に神に対してデバフがかかるってわけじゃなさそうだな。
……いや、こいつの場合、デバフがかかろうとも効かずに、むしろ効果自体を打ち消しそうだが。
ってあんまり振りすぎると周りにあたって危なそうなんだが……。あ、地味に気をつけてるっぽいね。
「───、──。……ってゼロ~? 聞いてるのー?」
「ん、あぁ聞いてる聞いてる。その剣をユウが一口で全部飲み込むんだろ?」
「違うよっ!? というかそんなこと僕しないよっ!? もうっ〝次の武器は何使おうかな?〟って話だよっ!」
ユウは慌てて否定したあと、しっかりと要件を言ってくれた。
ってゆーか、武器、今決めるのね。まぁいいけど。
「んー、今まで出たのが剣、短剣、ハンマー、双剣だったよな……って剣に偏りすぎだろ。
あ、そうだ。ここは一発、全体的に変更してみるのとかどうだ? 例えば近距離じゃなくて遠距離武器とか。」
俺がそう言うと、ユウはやや俯いて、考え出した。そして数秒うーんうーんと唸ると、突然バッと顔を上げて「鞭にする!!」と言った。
・・・うん、いや、別に決めたことにどうこう言う気は無いけど、なぜ鞭にしたし。一応、ユウに聞いてみた。
「え~とね~。武器で遠距離って言われるとかなり限られてくるでしょ~? それでぱっと思いついたのが、鞭だったの~。
・・・なんで思いついたかって言うと、結構前にとある事でシュレイアを怒らせちゃってね~。その時に鞭を使って……この話やめようか~。」
なんか急にすげぇ震えだした。・・・たとえ神でも、嫁には敵わんか。
「まぁユウが決めたならそれでいいけど。・・・鞭で敵やれんのか?」
「あ、そこは大丈夫~。鞭って使い方次第で目とかを潰したり、首とかを締めたりとか……あとは技術でなんとかなるよ~。」
・・・聞いといてなんだけどなんか物騒だな。まぁ戦えるようならいいか。
「そうかい。・・・とりあえず、ユウはもう準備はいいみたいだな。ハク、ライム。そっちも準備はいいか?」
ハク達からはい、と返事がくる。
「よし、それじゃ次なる階層へGO!!」
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