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第163話 説明フェイズ。

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第163話 説明フェイズ。


 そして時は飛んで昼休み。今、俺の目の前には……数えるのも馬鹿らしくなるような数の生徒たちがいた。

「いやぁ……。なんでこんなことになったんかねぇ?」
「そりゃお主が中等部の三年を全員相手するって言ったからじゃろう?」

 誰に言うわけでもなく、この光景を見た感想をつぶやくと、横に立っていた校長が自業自得という意味を含めてそう返す。

「いや、そうは言いましても……。まさか相手してやってもいいって言ったらその中等部三年生全員が来るとは思わないじゃないですか。」

 そう、俺の。いや、どちらかと言うとジョージの放送効果により、まさかの中等部三年生全員が校庭に集まってきていた。

 うん、なんで言い換えたのかと言うと、少しでもジョージのせいにして俺に非がないよと言おうとしたからだ。

 ・・・今、元凶が何言ってんだって声が聞こえた気がするけど、気のせいだよね!


「さて、んじゃ時間もないことだし、早いところ特別授業を始める!
 ・・・と、言いたいところだが、今始めると昼休みの時間以内に終わらないだろうし、みんな周りを意識しすぎてあまり力を発揮できないと思う!
 だから先生、少し張りきって時間が止まってるすっごい広い空間を作ってみた!
 今からみんなをそこに転移させ」

 俺がさせ、と言ったところで周りの背景が一瞬にして切り替わる。もちろん、俺以外の校庭に集まっていた生徒全員(先徒、勇者、校長含む)も、だ。

「た!」

 そしてほぼ全員の生徒は頭がおかしいとツッコミを入れる。・・・いや、あんたらもやろうと思えばできるでしょ? そうできるくらいにまでは育てたんだし。

 ・・・あ、でも時止める方法はまだ教えてなかったかも? よし、今度の授業で時間の操作系を教えてやるか。


 閑話そんなことは休題おいといて。

 一応、これから戦うってことで生徒達にここの簡易的な説明とルールの説明をする。

「面倒だけど一応、簡潔に場所説明とルール説明だけするな。
 まずこの場所の説明だ。この空間はさっきも言ったとおり、外の世界と時間が切り離されていて時間が止まっている。だから昼休みのタイムリミットは気にせずに戦ってくれ。」

 ・・・ちなみに、ちょっと今気になってこいつらの心読んだ。そしたらこの説明を聞いた大半の生徒達はまず最初にすげーってよりも、どうやってるんだ? って意識の方が強くなってるみたいだった。
 ・・・だいぶ俺に毒されたね。いい傾向だ! ……うん、やっぱりこいつらも充分おかしいよね。

「あと、ここの壁や地面は壊そうと意図しない限り、壊れないように頑丈に作ってある。だから安心して本気を出してくれ。
それじゃあとなにか質問は?」

 俺が質問がないか聞くと、パラパラと手が上がる。どれも簡単な質問だったので簡潔に答えて行く。そして、最終的には誰も上げなくなったので、ここで一旦切り上げる。

「さて、それじゃ説明フェイズは終わりだ。ってことでこれから特別授業、『俺VS生徒全員(先徒、勇者、校長含む)』を始める!
 逃げる者、罠を仕掛けるもののために最初の30秒間、俺はこの円から出ないこととする!」

 俺はそう言いながら足元に直径1mくらいの円を書いた。

「俺がこの中にいる間も生徒達は攻撃をしてもらって構わない! それではみんな、準備はいいな?! ・・・では開始!」


 ……俺の開始の合図とともに、数名の生徒が攻撃をしてくる。俺はその攻撃を紙一重で避け、流し、反撃(衝撃をそのまま返す)する。

 ・・・まぁ円からは出ないとは言ったが、反撃はしないとは言ってないからね。もちろん攻撃を受けないためにも避けるし反撃もするさ。
 まぁ生徒たちも俺の性格を知っているから普通に攻撃避けたり反撃したことに驚きもしてなかったけどね。(比較的最近来た勇者組も察していた。)

 そして避け続けること30秒。生徒達はまともな一撃を与えることなく、俺の解放時間となった。

「それじゃ俺、出陣っ! ってね。
 あ、あとその剣撃を飛ばすの。いい案だと思うけど、直線上にしかいかないのが残念かな。せめて避けた際も考えて剣撃の横幅を長くすると良いよ。」
「は、はいっ!」

 あ、ちなみにもちろんアドバイスはするよ? これでも特別授業・・だからね! 職務は全うするのさ!

「さて、んじゃじわじわとなぶり殺し……はしないからなぶり半殺しにしていくか。……もしやりすぎても俺の能力があるからな。この際遠慮はしない。」

 そして誰も止めることが出来ない化け物ゼロが生徒達に向けて解き放たれた。

 生徒、逃げて、超逃げてー! ・・・まぁ絶対に逃がさないけどなっ!
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