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第154話 *もりのなかにいる*。

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第154話 *もりのなかにいる*。


 さて、んじゃ早速狩りに行こうかねぇ。
 ・・・あ、そうだ。ついでにハク達も誘っ……っと思ったが、今のこんな朝早い時間帯に起こすのも苦か。
 っし、ここは一人で行ってくるかね。

「にゃーん?」

 ティアがジトーっとした目で見てくる。

「ああ、ごめんごめん。違ったね。そうだね、2人(1人と1匹)だったね。」

「にゃうん。」

 ティアが肯定するように笑顔で頷く。

 ・・・かわゆす。


 一一ゼロが走り進めること2~3分。ふと、周りに目を向けて人が増えてきたことに気づいた。

 ん、ちょっと人も多くなってきたな。
 あー……そろそろお年寄りの人とか宿屋の店主さんとかが起きて運動やら準備やらをし始める頃合いか。
 あ、よくよく見ると冒険者とかも増えてきたっぽいな。

 一一ゼロがすれ違う人を観察しながら行き進む。

 ・・・特にめぼしい人とかいなさそうだし別にいいや。

 あ、そうだ。そんなことよりも森に行くまでの間に今回の縛りも決めとこうか。ただ倒すだけじゃあっという間に終わってつまらんしな。

 えーと、まずステータスは一一

◇◆◇◆◇

 ~ゼロが門を出て移動すること十分ちょっと~


 よし、縛りも決まったことだし早速討伐しに向かうか。

 ・・・あ、でも道中薬草とか生えてたら摘みたいしゆっくり行こう。

 正直、薬草も完全上位を創れるからいらんけどなんかそういうのええやん? ロマンやん? わかるやろ? わかれ。

 ・・・まぁそんなことはどうでもいいさね。・・・にしても。

「やっぱ森って歩きにくいな。・・・いや、まぁ人が整備してるわけじゃないし、それが普通なんだろうけどな。」

「にゃーん。」

 ティアが何を当たり前のことを、というように呆れた視線を送ってきた。

「いやん、そんなに見られたら恥ずかしい。」

「・・・。」

 ・・・無言はキツいんで勘弁。


 一一ゼロとティアが雑談(傍から見たらゼロがただ猫に向かって話しかけてるだけ)をしていると、突如近くの草むらがガサガサと揺れ出す。

「おっ、早速目的のお出ましか?」

 ゼロが相手が飛び出すのを待っていると、一度草木が大きく揺れた!

「グギャッ!」

 そして、ゼロの予想とは違って出てきたのは少し大柄なゴブリンのグループだった。

「あぁー、違ったかー。……いやまぁそうだよな。そもそもまだ入口だし、ここら辺一体森だし暗いからゴブリンも普通に居るよな。」

「グギャ?」
「グギギガ?」
「グギャギャッ? グギャァ!」

 ゼロが考えている間にもゴブリンが3人ほど殴りかかってきた。

「うっるっさいっ!」

 ゼロが剣(普通の鉄の剣)を三振りほどすると、殴りかかってきたゴブリン3人の上半身と下半身が綺麗にお別れした。

「・・・お?」

 ゼロは何かを閃いたように両手に普通の剣を持ち、ゴブリンのグループと対峙した。

 ゼロが腕を楽にして剣を下に向けて足踏みをする。

「たんっ、たんっ、たたたんっ。」

 ゼロがリズムを口ずさむとゴブリンに向けて斬りかかった!

「グギ!」
「グギャァ!?」
「グッ!?」
「ギャっ!」
「グアァァ!?」

「らららー♪」

 ゼロは切った相手には目もくれず斬り進む。

 そして、全ゴブリンを倒し終わると、すぐに新しい群れを探してそこに突っ込んでいった。


~数分後~

「水木金っ~♪ 土日月火っ~♪  はぁー♪ はっはっはっはっ一一♪」
「にゃっにゃっにゃっにゃっにゃっ♪」

 途中でティアも混ざりながらも2人で楽しそうに笑顔で切り刻んで行ったそうな一一

◇◆◇◆◇

 いやぁー、すまんすまん。なんか音楽に合わせてきり進めてたら気分が乗っちゃってたわ。

 ・・・倒していくのが楽しいって俺ってもしかして戦闘狂ッ!? って今更、というかこの流れも飽きてきたな。
 ・・・飽きるほど戦闘狂じみたことを繰り返す俺氏。・・・もう戦闘狂でいいわ。だって戦うの物凄く楽しいし。

 ・・・自分で言って自分で認めるってなんか虚しいな……。ティアの肉球触って落ち着こ。

「あぁー、癒されるんじゃー。」

「にゃーお。」

 ふへぇ……。


 一一ゼロがティアと戯れながらも歩くこと数分。(ゼロはちゃんと歩いてたよ!)

「ふぅ、だいぶ落ち着いた。・・・って、薬草みっけ。……あ、そこにもある。・・・あれ? そっちにも?
 ・・・あ、ここ群生地か。」

 よくよく周りを見たら他にも薬草が沢山あった。

「おぉ、ラッキー。なんかいつの間にやらいい所にたどり着いてたみたいやな。・・・ってかなんでこんなに沢山あんのに採られた形跡がないんや?
 ・・・もしかしてあれか? 隠れた群生地見つけちゃった感じか? ・・・おぉ、さらにラッキー。
とりあえず何個かとっとこ。」

 ゼロが薬草を取っているとティアも口や爪を器用に使い、ゼロと一緒に集めだした。

「おお、ティアありがとうな。」

「にゃうん。」


 一一ゼロとティアが薬草を狩ること5分近く。

「ヒオォォォ、ヒイィォォォ!」

 かなり近くで、喉を鳴らすような、それでいて響くような高い音がした。
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