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第141話 何を召喚するのやら。

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第141話 何を召喚するのやら。


 一一下校時間

「一一じゃあねー! ハクちゃん! ライムちゃん! 凛さん!」

「うむ! ではまた明日なのじゃー!」
「また明日です!」
「またのぅ。帰り道に気をつけての。」

「ゼロ先生もまた明日ー。」

「おう。凛も言ってるが、日も暮れてるし、気ぃつけて帰れよ。」

「はぁーい!」

 一一今日の授業が終わり、生徒みんなが下校する時間。俺ら3人(+一匹)はまだ帰らずに教室に残っていた。

「ふぅ~~。……さて、3人とも。少し早いけど転校一日目、お疲れさん。」

「うむ!」「はい!」「うむ。」

 ・・・どうでもいいが、ハクと凛の言葉遣いがほぼほぼ同じせいで聞き分けにくいな。・・・言葉遣い変えるの失敗したなぁ。

っと、話を進めようか。

「転校初日ってこともあるし、他の生徒と馴染めるか少し心配だったんだが、それも杞憂に変わったみたいだし。無事に馴染めたようで何よりだ。
 ……とりあえず、話が長くなるはきついと思うし、今んところはそれだけだ。
 それじゃ他に言うこともないし、今日はかいさーん。各自あとは自由に帰るなり残るなりしててくれ。」


 一一そして3人とも俺の言葉に返事をすると、教室を出た。どうやら他の生徒と帰る約束をしていたみたいで、教室の外にいた女子生徒達と一緒に廊下を歩いていった。

 ……一人、本当に女子といっていいか怪しい奴(元俺)がいるが、まぁそこは別にいいだろう。

 ・・・さて、俺も早いとこ職員室に行こうかねっと。


 ~職員室~

 一一20分後くらい。

 一一んで明日はこの辺りを……。……あ、この資料少しミスってるな。後で直しとかねぇと。んであとは一一

「ゼロ先生、居ますか?」

 ん、リミィか。……っと。そうか、家庭教師の方を忘れていたぜ。……俺、いっつも忘れてんな。

「あー、はいはい。少しお待ちをっと。………よしっと。」

 とりあえずキリがいいところまで進めて職員室を後にする準備をした。

「……ちゃんと持ってくもんあるな。うん。そんじゃ、皆さんまた明日ですー!」

「さよならー。」×多数

 ・・・いっつもこの大人数からくる返事に少しびっくりするな。……大勢が一斉に言うから地味に音量的なのがね……。

「一一っと……んじゃリミィ。行こうか。」

「うん! あ、失礼しました。」

 一一俺とリミィは帰路についた。

◇◆◇◆◇

~帰路途中~

 ・・・さて、今日は何を教えようかねー?  

 前々回の宿題として出したヤツで人工使い魔は作ったみたいだし、召喚魔法系はいいとして……。今日はその人工使い魔を持ち運べるようにする小型化の術式とかにするか?
 それとも……空間魔法を使えるようにして自由に召喚できるようにさせるとかもいいかもなー。

 うーん。……よし、決めた! 空間魔法を覚えさせよう!

 あっ……でもそれだけだと絶対時間余るよなぁ。あと何か一つ余った時間でやれそうなもの……。
 ……あ、そうだ。空間魔法覚えるなら別に召喚獣が二匹くらいいても構わないよな? ……よっし、それならやっぱりちゃんとした使い魔を召喚させるか!

 うん、そうと決まったら早速準備だ。とりあえず収納の中で召喚陣でも作るか。・・・あぁー、でもただの召喚陣じゃつまらないし、最上級の召喚陣にしようか!

 ・・・何が召喚されるか……今から楽しみだな。ふっふっふっ。

「? どうかしたの? ゼロ? 悪戯っぽい顔してー?」

「ああ、なんでもないよー。それよりさっきの話の続き聞きたいなー?」

「あ、うん! それでね! お父様が過保護すぎて一一」

 ・・・うん、女の長話も慣れると意外と平気だわ。話を逸らすのにも使えるしこれからはなるべく利用するようにしよう。

◇◆◇◆◇

 ~ベルセント邸リミィの家


「お嬢様。到着致しました。」

 ・・・あ、マナについてはいつもの如くだ。

「そう、ではいつも通りよろしくね。セルス。」

 ・・・今更だけどリミィがもうこれくらいでいちいち突っかからなくなったな。・・・子供の適応率パない。

「はい。畏まりました。」

 そして執事についてもいつもの如くだ。

「では、こちらに。」

「ん。」

 ・・・正直、道順やら何やらはもう既に覚えているが、勝手に行くのもダメだとわかっているので、ちゃんと従う。


~歩くこと数分~

「では、こちらでお待ちを。」

「ん。」

 そしていつもの部屋に連れられ、いつものように待たされる。

 今日はこの間に先程できなかった資料の修正やら何やらをする。

 と言ってもそんな数十分もかかるやつじゃないし、戻ってくる頃にはちょうど終わるだろう。

◇◆◇◆◇

 一一そして修正やら何やらをして数分後。

 よしっ。これで終了っと。

「ゼロー。入るわよー?」

 お、ちょうどリミィも到着したみたいだな。

 ……うっし。それじゃさっき決めた通り、まずは空間魔法を教えようかね。

「今日の授業は空間魔法の習得だ一一

~省略~

一一っと、こんな感じだな。」

「えーと、こう……かな?」

 リミィが手を前に出し少し考え込むとリミィの目の前が少し歪み、半透明な穴が出てきた。

「お、今の聞いただけで出来たのか。さすがリミィ、天才だな。」

 ・・・正直、思ったよりも早くて驚いた。空間魔法は少し特殊だし、説明が抽象的だったからもう少しかかると思ったんだけどなぁ。

「えへへー。ありがとうー。」

 ・・・うん。さっきに一言だけでこの前みたいに溶けだした。・・・チョロすぎん? 俺、リミィの惚れやすさとかは操作してないよ?
 ・・・つまり、このチョロさは元から……リミィが少しだけ不安になるわ。

「っと、思ったより早く覚えちゃったから時間が余っちゃったな……。
 ……よし、余った時間がもったいないし、せっかくだからもう1つ教えるか。」

「え、本当っ!? やったァ!!」

 リミィは両手を挙げて体全体で喜びを表した。

「くくっ、嬉しいのはわかるが、少し落ち着きな。」

 俺が微笑みながら注意すると、リミィは恥ずかしそうに手を下げた。

「ふふっ。……さて、んじゃ早いとこやりましょうかね。」

「はぁい……。」

 俺が笑いながら進行させるとリミィはまだ恥ずかしそうに顔を赤くした。
 ふふっ。
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