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第118話 家庭教師のゴリ押し。

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第118話 家庭教師のゴリ押し。


一一1時間半後

「一一わかったわ!術式のこの部分を繋げれば効率が一一。
ここの部分を一一。
さっきの式を一一。」

 おっす。いつもの如くゼロだぜぃ☆

 あれからずっと勉強を教えてて分かったんだが、リミィ、マジモンの天才だわ。

 教えたことは直ぐに理解してくれるし、そこから更に応用部分まで理解してくれる。
 その上1度指摘したことはそれ以降間違えず、なぜ失敗するかの原理なども理解する。

 ・・・嘘みたいだろ?これ、俺のギフト無しだぜ。

 ・・・このまま突き進んだら一体どれほどのチートになるのだろうか……。


 一一俺がリミィの頭の良さに感心していると、ドアの方からコンコンっと音がした。

「…ん。なにかしら?はーい!」

 リミィは席を立ち、ドアへと向かった。

「リミィ、私よ。」

「あっ!お母様!」

 扉を開けるとリミィの母(リリィ)がいた。

「あ、リミィのお母さん。どうかしましたか?」

「ええ、リミィも頑張ってるみたいだし、ご褒美にと思ってお菓子を作ってきたので、良かったら二人で・・・食べてくださいね。」

 ・・・『二人で』ってところを強調された。……この人リミィ母、リミィの気持ちわかってやってるな?

「もうっ。お母様ったら!」

 そしてリミィもこのあからさまな対応に顔を赤くして怒った。

「まぁまぁ、リミィ落ち着きなって。
 あ、リリィさん。お菓子ありがとうございます。あとでリミィと一緒に食べますね。」

「あらあら、いいのよ。お菓子作りの方は私の趣味みたいなものですからね。」

「・・・もう。お母様!用が終わったら早く行ってください!」

「はいはい、では私はもう行きますねー。」

 そういうと、リミィ母は部屋を出ていった。

「・・・むぅ。お母様ったら……。」

 リミィは少し顔を膨らませ、恨めしそうにドアを見つめた

 ・・・嫉妬かな?

◇◆◇◆◇

「一一よし、この辺りで一旦休憩挟もうか。」

「えー。もう少しやりたいんだけどー。」

「だーめ。気分が乗ってるのは分かるけど、適度に休憩をとること。ずっと続けると目とか頭が疲れちゃうしな。」

「……はーい。」

 あ、休憩ついでにリミィ母から貰ったお菓子も食うか。

「んじゃさっき貰ったこのお菓子でも食いながら休憩しようか。」

「はーい。・・・あ、ゼロ!お母様が作ったお菓子、私もよく食べるんだけどすっごく美味いんだよ!驚かないでね!」

 ほほぅ…。それは楽しみだ。

 俺はワクワクを胸にリミィ母から貰った袋の中を確認する。
 袋の中にあったのはいちごとかオレンジのジャムがついたハート型や星型のクッキー。

 おお、色々あるなー。……それでは、早速……いっただきまーす☆

 パクッ☆

「・・・おぉ。たしかにうめぇな、これ。」

「でしょっ!!」

 口に入った瞬間に広がるミルクのやさしい香り、飽きることの無いようないちごやみかんの甘い風味、サクッとしたいい食感。
 何をとっても完璧と言えるだろう。多分、料理レベルは10以上だな。

「いつもこんないいものを食べれるなんて、リミィが羨ましいな。」

「えー。そうー?えへへー。ありがとー。」

 リミィは嬉しそうに微笑んだ。

「……かわいいな。(ボソッ」

「・・・え?今なんて……」

 あ、やべ、声漏れた。

「さ、食い終わったら勉強を続けようか。」

「……え、今かw「リミィは何も聞かなかった。いいね?」あ、はい。わ、わかったわ。」

 ・・・ちょっとゴリ押しだったが気にするなっ☆
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