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四章 そうだ、嫌がらせにいこう!
4-4 明日から大変だぁ・・・
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私の名はタガンログ。
今までの功績を評価され、爵位を頂いた元騎士であります。
今日は久しぶりに友人である魔女の元に遊びにきたんだけど、魔女の孫という冒険者を目の前にして、ついつい興味がわいて稽古をつけてみたんだけど、とっても良い運動が出来たので、久々に友人の元に遊びにくるのもまた悪くないなと思ったのよ。
「まごちゃんどうだった?」
使い魔のニャースケちゃんが差し出してくれたタオルで顔を拭きながら、心配そうに尋ねる友人の近くに座り、冷たい水を頂きながら落ち着くと、私から自然と言葉が出てきたのよ!
「あの子騎士団に頂戴!!!!!!!!!」
「駄目っ!あの子の人生はあの子が決めるの!」
「だってだって!あの子まだ15才でしょ?何あの打ち込み!体さばき!下手したら中隊長くらいの実力はあるわよ!最初は様子見で自分の体だけで勝負してきたみたいだけど、途中から身体強化してきた時はちょっと焦ったわよ!もう少しで一本入れられそうになったもの!」
「でしょー!さすが私のまごちゃんね!」
「ばか!それだけじゃないわよ!あの子途中から魔法の盾なんか出して、魔法の盾でシールドバッシュなんか仕掛けて来たのよ!あんなにはっきりした盾のイメージを瞬時に出せて、それを物理攻撃に利用するなんて・・・正直に言うわね、あの子天才よ!将来の勇者候補にでもなるんじゃないの?」
「えへへへ・・・うちのまごちゃん褒められちゃってる・・・言ってあげたいなぁ~」
「あんたねぇ・・・あれだけの人材欲しがる子は多いわよ。しっかり見てあげなさいよ」
ついつい本音を言っちゃったけど、あの子の実力は本物。
思わぬところでダイヤの原石を見つけたことを嬉しく思っていると、急に友人の顔が曇りだしてね、心配になって話を聞くととんでもない事を言い出したのよ。あの子は。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「あの子ね、いじめにあってたみたいなの」
そう言うと今まであった事を遠慮がちに話してくれたんだ。
一生懸命勉強して優秀な成績をおさめていた孫をねたんで嫌がらせをしてきたボンボンの話や、それらをかばうような真似をした学園の長に腹を立て学園に決闘を申し込んでぼこぼこにした話、そして、どうやらその首謀者がこの国の第二皇子だってことを。
そういえばいたなぁ~そんなはなたれ小僧。
王様の命令で第二皇子に稽古をつけたら10分で根をあげやがった。
練習場に入ってきた時から、俺は偉いんだって感じで入ってきて、礼もなく木刀を構えたから、遠慮なくぼっこぼこにしたら「父上にいいつけてやるぅぅぅ!!!」なんて鼻垂らして逃げて行ったから、気にもしてなかったけど、まさか友人の孫に影響がいってるとは思ってなくて、思わず申し訳ない気持ちになっていたらね、
「でも、あの子はそのいじめの事はどうでもいいんですって、今は弟子と一緒に冒険者として真面目に、でも楽しく冒険者稼業に取り組んでるし、私もこんな姿になっちゃったけど、もう少しだけそんな孫の成長を見ていきたいなぁって思ってるの」
なんて言うの。
そっか、あの子、そんなに心が強いんだって妙に納得してたらね、「でもね」って目の前の友人が話の続けるのよ。
「あたしは納得してないし許せない!誠心誠意孫に謝ってくるならともかく、今のいままで何もないってどういう事よ!証拠もつかんでるから目にモノ言わせて見せる!」
「うん・・・アナタならいろいろな手段使ってあの馬鹿ぼっこぼこに出来そうだからいいんじゃないの?」
「えっ?止めないの?」
「うん、あのはなたれ、国の害だもの。さっきの話を聞いたらあなたが手を下す前に私が再度ぼこぼこにしてさしあげたいって思ったわよ!・・・ただ、あなたはあなたの手でケリをつけたいんでしょ?」
そう言うと、目の前の友人はにや~っと笑ってどうしてくれようか?って言ってるの。
ただね、この子が見境なくやると困るんで、一応釘は差しておこうと思ったのよ。
「えっと、一応国の騎士としてお願いするわ。都民に被害が行くことは極力控えてね!あなたがお願いすれば王都が壊滅する手段なんていくらでもあるでしょうけど、あのはなたれとその周辺くらいにしておいてくれないかしら?」
「・・・・・・」
「例えば王都と周辺の5つの城塞都市を繋ぐ運送便を止めるとか、農作物の出荷を抑えるとか、あなたのブランド力を利用した国王を非難する攻撃とか、もしかしたら王都の住民を根こそぎ誘導して新しい都市建設とか・・・しないわよね・・・あなたならやりかねないから、一応釘は差しておくわ」
そう言うと、あーああなたには何もかもおみとうしね!なんて笑って紅茶を飲んでるの。
ま、基本いい子だからそこまではやらないでしょうけど、さすがはおしゃべり魔女様。
この子本当に顔広いし、その顔利用して数々の事業に参入してるから、この子を本気で怒らせたら国が亡んじゃうのよ!そして、タチの悪いことに、その事実を知ってる人が少ないから、何がきっかけでこの子が機嫌を損ねて爆弾投下するかって思うと本当に怖いのよ!
だけど、そんな彼女の素直な性格が好きだし、きっと彼女は人の周りを笑顔にさせることしかしないのもわかってるから、心配はしていないの。
ま、まぁ~あの素直で好感が持てるまごちゃんのために、私もおぜん立てくらいはしてあげようかしら?なんて言うと、さすが騎士様!話がわかるわぁ!なんて言う友人にあきれながらも、全く変わってない彼女が好きだなぁ~って思った私。
心なしかお日様の香りがする紅茶を頂きながら、今日のところはそんな友人と昔話で楽しみましょう。
明日から大変だ・・・こりゃ・・・
今までの功績を評価され、爵位を頂いた元騎士であります。
今日は久しぶりに友人である魔女の元に遊びにきたんだけど、魔女の孫という冒険者を目の前にして、ついつい興味がわいて稽古をつけてみたんだけど、とっても良い運動が出来たので、久々に友人の元に遊びにくるのもまた悪くないなと思ったのよ。
「まごちゃんどうだった?」
使い魔のニャースケちゃんが差し出してくれたタオルで顔を拭きながら、心配そうに尋ねる友人の近くに座り、冷たい水を頂きながら落ち着くと、私から自然と言葉が出てきたのよ!
「あの子騎士団に頂戴!!!!!!!!!」
「駄目っ!あの子の人生はあの子が決めるの!」
「だってだって!あの子まだ15才でしょ?何あの打ち込み!体さばき!下手したら中隊長くらいの実力はあるわよ!最初は様子見で自分の体だけで勝負してきたみたいだけど、途中から身体強化してきた時はちょっと焦ったわよ!もう少しで一本入れられそうになったもの!」
「でしょー!さすが私のまごちゃんね!」
「ばか!それだけじゃないわよ!あの子途中から魔法の盾なんか出して、魔法の盾でシールドバッシュなんか仕掛けて来たのよ!あんなにはっきりした盾のイメージを瞬時に出せて、それを物理攻撃に利用するなんて・・・正直に言うわね、あの子天才よ!将来の勇者候補にでもなるんじゃないの?」
「えへへへ・・・うちのまごちゃん褒められちゃってる・・・言ってあげたいなぁ~」
「あんたねぇ・・・あれだけの人材欲しがる子は多いわよ。しっかり見てあげなさいよ」
ついつい本音を言っちゃったけど、あの子の実力は本物。
思わぬところでダイヤの原石を見つけたことを嬉しく思っていると、急に友人の顔が曇りだしてね、心配になって話を聞くととんでもない事を言い出したのよ。あの子は。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「あの子ね、いじめにあってたみたいなの」
そう言うと今まであった事を遠慮がちに話してくれたんだ。
一生懸命勉強して優秀な成績をおさめていた孫をねたんで嫌がらせをしてきたボンボンの話や、それらをかばうような真似をした学園の長に腹を立て学園に決闘を申し込んでぼこぼこにした話、そして、どうやらその首謀者がこの国の第二皇子だってことを。
そういえばいたなぁ~そんなはなたれ小僧。
王様の命令で第二皇子に稽古をつけたら10分で根をあげやがった。
練習場に入ってきた時から、俺は偉いんだって感じで入ってきて、礼もなく木刀を構えたから、遠慮なくぼっこぼこにしたら「父上にいいつけてやるぅぅぅ!!!」なんて鼻垂らして逃げて行ったから、気にもしてなかったけど、まさか友人の孫に影響がいってるとは思ってなくて、思わず申し訳ない気持ちになっていたらね、
「でも、あの子はそのいじめの事はどうでもいいんですって、今は弟子と一緒に冒険者として真面目に、でも楽しく冒険者稼業に取り組んでるし、私もこんな姿になっちゃったけど、もう少しだけそんな孫の成長を見ていきたいなぁって思ってるの」
なんて言うの。
そっか、あの子、そんなに心が強いんだって妙に納得してたらね、「でもね」って目の前の友人が話の続けるのよ。
「あたしは納得してないし許せない!誠心誠意孫に謝ってくるならともかく、今のいままで何もないってどういう事よ!証拠もつかんでるから目にモノ言わせて見せる!」
「うん・・・アナタならいろいろな手段使ってあの馬鹿ぼっこぼこに出来そうだからいいんじゃないの?」
「えっ?止めないの?」
「うん、あのはなたれ、国の害だもの。さっきの話を聞いたらあなたが手を下す前に私が再度ぼこぼこにしてさしあげたいって思ったわよ!・・・ただ、あなたはあなたの手でケリをつけたいんでしょ?」
そう言うと、目の前の友人はにや~っと笑ってどうしてくれようか?って言ってるの。
ただね、この子が見境なくやると困るんで、一応釘は差しておこうと思ったのよ。
「えっと、一応国の騎士としてお願いするわ。都民に被害が行くことは極力控えてね!あなたがお願いすれば王都が壊滅する手段なんていくらでもあるでしょうけど、あのはなたれとその周辺くらいにしておいてくれないかしら?」
「・・・・・・」
「例えば王都と周辺の5つの城塞都市を繋ぐ運送便を止めるとか、農作物の出荷を抑えるとか、あなたのブランド力を利用した国王を非難する攻撃とか、もしかしたら王都の住民を根こそぎ誘導して新しい都市建設とか・・・しないわよね・・・あなたならやりかねないから、一応釘は差しておくわ」
そう言うと、あーああなたには何もかもおみとうしね!なんて笑って紅茶を飲んでるの。
ま、基本いい子だからそこまではやらないでしょうけど、さすがはおしゃべり魔女様。
この子本当に顔広いし、その顔利用して数々の事業に参入してるから、この子を本気で怒らせたら国が亡んじゃうのよ!そして、タチの悪いことに、その事実を知ってる人が少ないから、何がきっかけでこの子が機嫌を損ねて爆弾投下するかって思うと本当に怖いのよ!
だけど、そんな彼女の素直な性格が好きだし、きっと彼女は人の周りを笑顔にさせることしかしないのもわかってるから、心配はしていないの。
ま、まぁ~あの素直で好感が持てるまごちゃんのために、私もおぜん立てくらいはしてあげようかしら?なんて言うと、さすが騎士様!話がわかるわぁ!なんて言う友人にあきれながらも、全く変わってない彼女が好きだなぁ~って思った私。
心なしかお日様の香りがする紅茶を頂きながら、今日のところはそんな友人と昔話で楽しみましょう。
明日から大変だ・・・こりゃ・・・
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