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一章 元最凶魔女ぶちキレる
1-5 アノヤロウタダジャオカナイワ
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私は昔、この学園に携わってた事があり、それなりにこの学園の事がわかっていたつもりでしたが、久しぶりに来た学園を見て、その異様な光景に驚きを隠せませんでした。
身分の差がなく、全ての生徒が平等に学べる環境はどこに?
無駄に派手な装飾が凝らされた建物と、ボロボロの校舎が左右対称にあり、真ん中にはひときわ目立つ美術品や走力に囲まれた事務所があり、そこに向かう学生は明らかに差別を受けているように見えたんです。
ボロボロの校舎に通う生徒の手には、あと少しで壊れそうな練習用のロッドや木剣が握られていたけど、以前だったら、後者はボロボロでも、生徒が持っているものはそれなりに手入れが行き届いていた良い品をそろえていたはずでしたし、教科書も使い古されたものを使っている。
対照的に、派手な装飾が施された場所にはキラキラした装備品と教科書を持ったぼっちゃんたちが、お付きのモノを連れて歩いているの。自分自身の目で見ていなかったのがいけないのだけど、私が知っている学園とは全く違った環境に驚いていしまっていたら、先生が申し訳なさそうな顔をしながら、校長室へ案内してくれたんです。
校長室の手前で先生が私が来たという事を伝えてくれると、中から
「どうぞ」
と、一言だけ声がありましたので中に入ると、そこには一目でお高いとわかる美術品などが並び、それらを背景に両肘を立てた状態の30代くらいの男性が、目の前の椅子に向かってどうぞとばかりに手を出したので、一瞬、この若造が!と思ってしまいましたが、大人の対応をしようと席に腰かけ、隣には親切についてきてくれた女性教諭の方に座ってもらいました。
「いつも孫がお世話になっています、この度、私がこちらに来た理由はご存じですよね」
そう言うと、目の前の若造は「なんのことでしょう?」と、膝を突きながら答えるのです。
「この度、こちらの女性教諭様や、学生さんが、私の孫の面倒を見てくれているので、てっきりご存じかと思いましたが、こちらの学園長様は、生徒がいじめにあっているにも関わらず、その事実をご存じないというのでしょうか?」
そう言うと、若造は表情を変えることなく「気のせいでしょう」とほざく。
「今回私が聴いた報告によりますと、彼は、第三皇子による個人授業という名の稽古を喜んで受け、その際不慮の事故から怪我をしてしまったという事です」
「殿下とお付きのものが、彼に熱烈な授業を行ってしまった為、彼には予想以上のけがを負わせてしまったと、こちらには謝罪の言葉がありました」
そんなぼんくらの言葉を耳にして、こめかみに青筋が浮かぶのを感じながらも、私は続けます。
「それならば、何故身内である私のところに正式な連絡がないのです!生徒を守るのが教師や学園長と名乗る人物のすべき正しきことではありませんか?美術品に囲まれ、皇帝を気取った態度をとるだけが貴方の仕事ではないと思いますが?」
「そちらにいらっしゃいます、教頭先生でございますか?貴方も同じような態度をお取りになっていますが、何か一言おっしゃったらどうです?私は説明のあった事には何一つ納得はしていませんよ」
そう言うと、ようやくしぶしぶと私と女性教諭の目の前に座る二人を見て、女性教諭は「私は謝る立場の人間ですので・・・」と二人の後ろに立ち深々とお詫びの礼をしました。
ただ、目の前に座っている二人の男性は違う様です。
急に言葉を荒げたかと思うと、
「伝統を重んずる我が学園に於いて、いじめなどあるはずがありません」
「我が学園の優秀な生徒が、個人授業という稽古をつけた事が原因かと考えられます」
「今回、お孫さんのいじめについての相談ということでございますが、あくまで友人同士の稽古の延長上で起こってしまったことでございますので、いじめと言うものはそもそも無かったと、当学園は判断いたしました」
「ただ、お孫様のように偶然が生んでしまった事故により、怪我をさせてしまったこと、大変申し訳なく思います。教師一同、管理不行き届きがありました事、誠に申し訳ありません」
そう一方的に言い、バッっと頭を下げ、どうぞお帰り下さいと手を出口に向けているのです。
さすがにこの態度は許せそうもない。
態度がとっても悪くて誰がどう見ても「早く帰れモンペが!」って言ってるようなものですもの。
で、私は思ったのです・・・
そっちがその気なら…
わかった。
コンナバショ、マゴニハイラナイ…
コワソウ…
コロソウ…
ナクシテシマオウ…
と。
そして、私はこう言ったのです。
今の説明は到底納得できません。
今の対応も保護者である私と被害にあった孫を侮辱した行為と捉えます。
それならば、私は孫の名誉のために戦います。
この学園に対して正式に決闘を申し込みますが、どうなさいますか?
このばばあは、貴方に「お前は糞野郎だ!孫に誠心誠意謝れ」と言うとります。
謝る気がなければ、どうぞお受け下さいませ。
そう言うと、決闘の内容をさらさらと紙に書き、強引にサインさせ、颯爽と退出いたしました。
アノヤロウタダジャオカナイワ・・・
身分の差がなく、全ての生徒が平等に学べる環境はどこに?
無駄に派手な装飾が凝らされた建物と、ボロボロの校舎が左右対称にあり、真ん中にはひときわ目立つ美術品や走力に囲まれた事務所があり、そこに向かう学生は明らかに差別を受けているように見えたんです。
ボロボロの校舎に通う生徒の手には、あと少しで壊れそうな練習用のロッドや木剣が握られていたけど、以前だったら、後者はボロボロでも、生徒が持っているものはそれなりに手入れが行き届いていた良い品をそろえていたはずでしたし、教科書も使い古されたものを使っている。
対照的に、派手な装飾が施された場所にはキラキラした装備品と教科書を持ったぼっちゃんたちが、お付きのモノを連れて歩いているの。自分自身の目で見ていなかったのがいけないのだけど、私が知っている学園とは全く違った環境に驚いていしまっていたら、先生が申し訳なさそうな顔をしながら、校長室へ案内してくれたんです。
校長室の手前で先生が私が来たという事を伝えてくれると、中から
「どうぞ」
と、一言だけ声がありましたので中に入ると、そこには一目でお高いとわかる美術品などが並び、それらを背景に両肘を立てた状態の30代くらいの男性が、目の前の椅子に向かってどうぞとばかりに手を出したので、一瞬、この若造が!と思ってしまいましたが、大人の対応をしようと席に腰かけ、隣には親切についてきてくれた女性教諭の方に座ってもらいました。
「いつも孫がお世話になっています、この度、私がこちらに来た理由はご存じですよね」
そう言うと、目の前の若造は「なんのことでしょう?」と、膝を突きながら答えるのです。
「この度、こちらの女性教諭様や、学生さんが、私の孫の面倒を見てくれているので、てっきりご存じかと思いましたが、こちらの学園長様は、生徒がいじめにあっているにも関わらず、その事実をご存じないというのでしょうか?」
そう言うと、若造は表情を変えることなく「気のせいでしょう」とほざく。
「今回私が聴いた報告によりますと、彼は、第三皇子による個人授業という名の稽古を喜んで受け、その際不慮の事故から怪我をしてしまったという事です」
「殿下とお付きのものが、彼に熱烈な授業を行ってしまった為、彼には予想以上のけがを負わせてしまったと、こちらには謝罪の言葉がありました」
そんなぼんくらの言葉を耳にして、こめかみに青筋が浮かぶのを感じながらも、私は続けます。
「それならば、何故身内である私のところに正式な連絡がないのです!生徒を守るのが教師や学園長と名乗る人物のすべき正しきことではありませんか?美術品に囲まれ、皇帝を気取った態度をとるだけが貴方の仕事ではないと思いますが?」
「そちらにいらっしゃいます、教頭先生でございますか?貴方も同じような態度をお取りになっていますが、何か一言おっしゃったらどうです?私は説明のあった事には何一つ納得はしていませんよ」
そう言うと、ようやくしぶしぶと私と女性教諭の目の前に座る二人を見て、女性教諭は「私は謝る立場の人間ですので・・・」と二人の後ろに立ち深々とお詫びの礼をしました。
ただ、目の前に座っている二人の男性は違う様です。
急に言葉を荒げたかと思うと、
「伝統を重んずる我が学園に於いて、いじめなどあるはずがありません」
「我が学園の優秀な生徒が、個人授業という稽古をつけた事が原因かと考えられます」
「今回、お孫さんのいじめについての相談ということでございますが、あくまで友人同士の稽古の延長上で起こってしまったことでございますので、いじめと言うものはそもそも無かったと、当学園は判断いたしました」
「ただ、お孫様のように偶然が生んでしまった事故により、怪我をさせてしまったこと、大変申し訳なく思います。教師一同、管理不行き届きがありました事、誠に申し訳ありません」
そう一方的に言い、バッっと頭を下げ、どうぞお帰り下さいと手を出口に向けているのです。
さすがにこの態度は許せそうもない。
態度がとっても悪くて誰がどう見ても「早く帰れモンペが!」って言ってるようなものですもの。
で、私は思ったのです・・・
そっちがその気なら…
わかった。
コンナバショ、マゴニハイラナイ…
コワソウ…
コロソウ…
ナクシテシマオウ…
と。
そして、私はこう言ったのです。
今の説明は到底納得できません。
今の対応も保護者である私と被害にあった孫を侮辱した行為と捉えます。
それならば、私は孫の名誉のために戦います。
この学園に対して正式に決闘を申し込みますが、どうなさいますか?
このばばあは、貴方に「お前は糞野郎だ!孫に誠心誠意謝れ」と言うとります。
謝る気がなければ、どうぞお受け下さいませ。
そう言うと、決闘の内容をさらさらと紙に書き、強引にサインさせ、颯爽と退出いたしました。
アノヤロウタダジャオカナイワ・・・
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