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お兄ちゃんっ?!!(イデア視点)
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領主様の力で移動した私の目には、辺り一面に広がる小麦色のパノラマが見えます。
「昔は辺り一面荒れ地だったけど、偶然彼氏と出会い、二人で試行錯誤しこの地を豊かに出来た。今、田畑を耕し豊かな食生活が出来ているのも彼氏のおかげ。まだ領主として引き継ぎを行っている段階だけど、近い将来、地球に戻り彼氏さんと結婚をすることが夢なんだ」
なんて言いながらどんどん顔が赤くなる領主様を見て、私は少しだけ羨ましくなりました。
いろいろあって異世界に飛ばされ、村主家の皆さんと暮らすようになってから、普段の生活の中でもいろいろな人の恋愛模様を見るようになったんだけど、まだ自分の身直に感じる事が出来ないのか?正直ピンときません。
昔の拘束された生活から一変、今はいろいろな事が出来ているから、それだけでも十分過ぎるくらい楽しいからかも知れません。そんな私でも、人の恋愛話を聞くとちょっとだけ羨ましく思ってしまうのは、ちょっとだけ私が贅沢ものになってしまったからかもしれませんね。
そんなことをぼけーっとしながら思っていると 、領主様が自分の屋敷に私を案内してくれました。
お屋敷と言っても、村主家より少し大きいかな?と思うくらいの2階建ての建物で、中に入ると、特にこれといった装飾品もなく、ただ椅子と机、そして、必要な書類や筆記用具など実用的なものばかりが置いてあります。質素な室内を見ながら、窓から見える田園風景を見ていたら、後ろから大きな存在を感じて後ろを向くと、大きな鉈のような太い刀を肩に担いだ体格がとても良い若い女性が、こちらを見てニコニコ笑って近づいてきました。
慌てて挨拶すると、「あんたがお嫁さん候補かい?まぁよろしくな! アタシはかたっくるしいの苦手だから気軽に呼んでくれよ!」なんて言ってくれて握手を求めてくれました。そんな元気な笑顔を見ていると、私まで元気になれる気がしてとても嬉しく思っていると、領主様が普段着からドレスに着替えて来ました。
「これから王様のところに行くんだから、イデアちゃんも今からドレス着るんだからね!そんなにのんびりしてられないわよ!任されている以上しっかりサポートしちゃうから覚悟しておいてよ!あたしの力で王子様なんか余裕で射止められるようにしちゃうわよ☆」
そんな事を言いながら私の手を引っ張る領主様の顔を見るとなんとなく楽しそうで、とても王子様には興味はないなんて言い出せずにいると、知ってか知らずかこっちを振り向き「あちらの生活じゃドレスなんか着ないでしょ?こういう時でないと着る機会なんかないんだから、思い切り綺麗になっちゃいなさいよ!」なんて言われちゃった。
で、衣裳部屋というプレートがかかっている部屋に着くと、私や領主様と同じくらいの年の女の子が何人かいて、私の姿を見てあーでもないこーでもないっていきなり論争がはじまったの。
私の銀色の髪に似合う衣装の色や形。コルセットいらずのウエストがうらやましいとか、意外とあるのね・・・と私の胸を見て悔しそうにされたり、肩があるから思い切って出してみるのもいいかも?なんて方も背中もばっくり開けた衣装を勧められたりと、私が話す隙もないくらいあちらこちらに移動させられ、いろいろな衣装をとっかえひっかえされました。
結局、露出の少ないおとなしめの水色のドレスにドレスと同じ色の髪留めをされ、領主様にはその恰好のまま挨拶を練習をさせられ、あとは本番でなんとかするしかないわね!と言うと、スマホをかざしてどこかに繋がる道を作ってくれました。
「この先はお城だけど、私に任せなさい!これでも一応この国のいち領主なんだからね☆」
そう笑顔で先に進む領主様を頼もしく思いながら、慣れないドレスの端をつまみながら移動すると、目の前には大きくそびえ立つ太い柱に囲まれた白くて大きな建物がありました。まるで以前インターネットで見たパルテノン神殿という立派な建物と同じような感じで、思わずその大きさに圧倒され口を大きく開けてしまっていると、くすっと笑った領主様と目が合い、とても恥ずかしくなってしまいました。
「気持ちはわかるけど、そろそろ王様と王子様とのご対面よ。あと少しだけ窮屈なの我慢してね」
そう言いながら進む領主様が、入り口の両脇に立っている兵隊さんに声をかけると、兵隊さんの一人が奥に駆け出し、しばらくすると私たちは入室を許され中に入ることが出来ました。
「陛下。魔族領辺境地域領主クレア様・婚約候補者イデア様でございます」
そう言いながら礼をする兵士に首を縦に振る、目の前の大きな大きな方がきっとこちらの王様なのだろう・・・とぼけーーっとしてしまっていたら、目の前にいた領主様がひざまずき挨拶をはじめたので、私も慌ててそれに倣ってひざまずき挨拶をします。
「辺境地領主クレア、命により婚約者候補イデア様をお連れいたしました」
「イデアと申します。今まで私のためにいろいろありがとうございます。こちらの礼儀がわからずご迷惑をおかけするかもしれませんが、どうぞよろしくお願いします」
そう言う私達に対して、大儀であった!と一言いい、目の前の王様は一部の人達を残し人払いをしました。
そして、頭を下げ続ける私達に近づき、こう言ったのです。
「で、クレアよ。そろそろいいかな?この口調かなりきっついんだけどな」
そんな言葉を発する王様に思わずびっくりしていると、領主様も笑顔で顔をあげてにっこり笑います。
「あーあ、せっかく王様っぽくふるまってるんだから、もう少し威厳を出していればいいのに・・・渋面が勿体ないですよ☆ ま、そんな王様だから私達も気軽に話せるんですけどね」
そういうやりとりの中、戸惑っている私の前にもう一人、話の輪に入ってくる人がいました。
そして、その人の一言に、私は本当にびっくりしてしまったんです。
「おっ!久しぶりだな!元気でやってたか?イデア!」
「も、もしかして・・・・おにいちゃん?!!!」
「昔は辺り一面荒れ地だったけど、偶然彼氏と出会い、二人で試行錯誤しこの地を豊かに出来た。今、田畑を耕し豊かな食生活が出来ているのも彼氏のおかげ。まだ領主として引き継ぎを行っている段階だけど、近い将来、地球に戻り彼氏さんと結婚をすることが夢なんだ」
なんて言いながらどんどん顔が赤くなる領主様を見て、私は少しだけ羨ましくなりました。
いろいろあって異世界に飛ばされ、村主家の皆さんと暮らすようになってから、普段の生活の中でもいろいろな人の恋愛模様を見るようになったんだけど、まだ自分の身直に感じる事が出来ないのか?正直ピンときません。
昔の拘束された生活から一変、今はいろいろな事が出来ているから、それだけでも十分過ぎるくらい楽しいからかも知れません。そんな私でも、人の恋愛話を聞くとちょっとだけ羨ましく思ってしまうのは、ちょっとだけ私が贅沢ものになってしまったからかもしれませんね。
そんなことをぼけーっとしながら思っていると 、領主様が自分の屋敷に私を案内してくれました。
お屋敷と言っても、村主家より少し大きいかな?と思うくらいの2階建ての建物で、中に入ると、特にこれといった装飾品もなく、ただ椅子と机、そして、必要な書類や筆記用具など実用的なものばかりが置いてあります。質素な室内を見ながら、窓から見える田園風景を見ていたら、後ろから大きな存在を感じて後ろを向くと、大きな鉈のような太い刀を肩に担いだ体格がとても良い若い女性が、こちらを見てニコニコ笑って近づいてきました。
慌てて挨拶すると、「あんたがお嫁さん候補かい?まぁよろしくな! アタシはかたっくるしいの苦手だから気軽に呼んでくれよ!」なんて言ってくれて握手を求めてくれました。そんな元気な笑顔を見ていると、私まで元気になれる気がしてとても嬉しく思っていると、領主様が普段着からドレスに着替えて来ました。
「これから王様のところに行くんだから、イデアちゃんも今からドレス着るんだからね!そんなにのんびりしてられないわよ!任されている以上しっかりサポートしちゃうから覚悟しておいてよ!あたしの力で王子様なんか余裕で射止められるようにしちゃうわよ☆」
そんな事を言いながら私の手を引っ張る領主様の顔を見るとなんとなく楽しそうで、とても王子様には興味はないなんて言い出せずにいると、知ってか知らずかこっちを振り向き「あちらの生活じゃドレスなんか着ないでしょ?こういう時でないと着る機会なんかないんだから、思い切り綺麗になっちゃいなさいよ!」なんて言われちゃった。
で、衣裳部屋というプレートがかかっている部屋に着くと、私や領主様と同じくらいの年の女の子が何人かいて、私の姿を見てあーでもないこーでもないっていきなり論争がはじまったの。
私の銀色の髪に似合う衣装の色や形。コルセットいらずのウエストがうらやましいとか、意外とあるのね・・・と私の胸を見て悔しそうにされたり、肩があるから思い切って出してみるのもいいかも?なんて方も背中もばっくり開けた衣装を勧められたりと、私が話す隙もないくらいあちらこちらに移動させられ、いろいろな衣装をとっかえひっかえされました。
結局、露出の少ないおとなしめの水色のドレスにドレスと同じ色の髪留めをされ、領主様にはその恰好のまま挨拶を練習をさせられ、あとは本番でなんとかするしかないわね!と言うと、スマホをかざしてどこかに繋がる道を作ってくれました。
「この先はお城だけど、私に任せなさい!これでも一応この国のいち領主なんだからね☆」
そう笑顔で先に進む領主様を頼もしく思いながら、慣れないドレスの端をつまみながら移動すると、目の前には大きくそびえ立つ太い柱に囲まれた白くて大きな建物がありました。まるで以前インターネットで見たパルテノン神殿という立派な建物と同じような感じで、思わずその大きさに圧倒され口を大きく開けてしまっていると、くすっと笑った領主様と目が合い、とても恥ずかしくなってしまいました。
「気持ちはわかるけど、そろそろ王様と王子様とのご対面よ。あと少しだけ窮屈なの我慢してね」
そう言いながら進む領主様が、入り口の両脇に立っている兵隊さんに声をかけると、兵隊さんの一人が奥に駆け出し、しばらくすると私たちは入室を許され中に入ることが出来ました。
「陛下。魔族領辺境地域領主クレア様・婚約候補者イデア様でございます」
そう言いながら礼をする兵士に首を縦に振る、目の前の大きな大きな方がきっとこちらの王様なのだろう・・・とぼけーーっとしてしまっていたら、目の前にいた領主様がひざまずき挨拶をはじめたので、私も慌ててそれに倣ってひざまずき挨拶をします。
「辺境地領主クレア、命により婚約者候補イデア様をお連れいたしました」
「イデアと申します。今まで私のためにいろいろありがとうございます。こちらの礼儀がわからずご迷惑をおかけするかもしれませんが、どうぞよろしくお願いします」
そう言う私達に対して、大儀であった!と一言いい、目の前の王様は一部の人達を残し人払いをしました。
そして、頭を下げ続ける私達に近づき、こう言ったのです。
「で、クレアよ。そろそろいいかな?この口調かなりきっついんだけどな」
そんな言葉を発する王様に思わずびっくりしていると、領主様も笑顔で顔をあげてにっこり笑います。
「あーあ、せっかく王様っぽくふるまってるんだから、もう少し威厳を出していればいいのに・・・渋面が勿体ないですよ☆ ま、そんな王様だから私達も気軽に話せるんですけどね」
そういうやりとりの中、戸惑っている私の前にもう一人、話の輪に入ってくる人がいました。
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