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第33話 化物
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「さ、先ずは貴女を解放するところから始めましょうか。」
「それはありがたいけど……。でも見張りもいるのよ? 一体どうやって……。」
「そんなの殺せば済むじゃない。」
メルトリアはまるで、食事前の手洗いや寝る前に歯を磨く事と同列なくらい当然な顔をして言ってのける。
相変わらず殺しを何でもない事のように言うのね。多分、精神構造が普通の人間とは違うんだわ。
「刑務所内で働いている人間を全員殺す。これから交代で来る奴らも殺す。そうすればケラトル家がここからいなくなってもすぐには発覚しない。」
「全員……?」
確かにここは貴族家や特別な犯罪者を収監する場所なので、詰めている人数としては少ない部類だと思う。
だからと言って、全員を殺害するなど現実的ではない。確か50人は詰めているはず。
「大丈夫よ。私、こう見えても強いのよ?」
それは知ってる。卒業パーティーの際に指を突き付けられた時は死を覚悟したもの。
「マリーベル、具合の悪いフリをして。面会室の外にいる見張りを呼び込むから。」
「分かったわ。」
私はその場にうずくまって胸を抑える。
「演技だとしても貴女の苦しそうな顔を見ると胸がスッとするわね。」
「早くしてくれない? 地べたに膝を付く趣味はないの。」
この女、私より腐ってるんじゃない?
「はいはい。時間も限られているし、とっとと殺しましょうか。」
メルトリアは慌てた様子で面会室を出て、見張りの人間を二人連れて来た。
「うっ……助け……て。む、胸が…………。」
「おい! 大丈夫か!」
「急いで医務室へ連れて行くぞ!」
私を心配する見張りの後ろで指に魔力を纏わせ準備するメルトリア。
私と会話している時となんら変わらないその態度。本当に殺す事を何とも思っていないんだわ。
普通の人間なら殺しに対して喜怒哀楽のいずれかの感情は必ず抱くもの。でもメルトリアにはそれがない。
「肩を貸すぅるん?」
見張りの一人が頭を撃ち抜かれてその場に倒れる。
「お、おい……びゃっ。」
更に残ったもう一人も頭を撃たれ、ドサリと倒れた。
「……凄いわね。」
「そうでしょう? ディアナから生き延びる為に鍛えたのよ。」
ディアナ公爵令嬢。以前メルトリアに絡んでいって裁判で殺された強力な魔法使いの一族だ。
「あの性悪クソ女か。」
「えぇ。出来れば私の手で葬ってあげたかったんだけど、あの時は裁判で決着させる他なかったし……。」
「あの女を直接殺すなんて言えるのは余程強力な魔法の使い手だけよ。」
「あら、ありがとう。」
たった今、私はメルトリアを凄いと言った。でもねメルトリア?
私は貴女の魔法が凄いと言ったんじゃないの。貴女が何でもないような顔で淡々と殺しを行った事を凄いと言ったのよ?
きっと、人間を同族とは思っていないのでしょうね。
メルトリアの手で私を含むケラトル家の人間が救い出された。
ケラトル家の人間は全員がメルトリアを恐れている。それはメルトリアの強さに依るものではなく、メルトリアの精神性に対してだ。
中でも暗殺者の叔父はメルトリアの周囲数メートルには絶対近づこうとしない。
決して視線も合わせようとせず、会話をしていないタイミングでは常にメルトリアの視界から外れるような位置を確保している。
余程恐ろしいと言う事? もしかして、この女は本当に化物なの?
私は叔父に近づき、こそこそと内緒話をする。
(叔父様。メルトリアがそれ程怖いの?)
(お前はアレが人間だと思っているのか?)
(化物だと思ってるわよ。)
絶対に化物よ。私だって怖いんだから。
(お前はアレをまだ人間だと思っているな。でなければ普通に会話出来るはずがない。俺は一目見て気付いたぞ。人間と同じ形をしているだけで完全に別物だ。)
(えっ?)
(これ以上話しかけるな。お前のせいでアレに見られている。俺はアレに見られるだけでも耐え難い苦痛を感じるんだ。)
そこまで……?
私は一体……何を相手にしてきたの?
「内緒話も良いんだけど、ちゃんと王族を殺してよね? そうすれば私はケラトル家を追わないから。」
「……分かりました。」
「マリーベル、貴女の叔父さんって強そうね。」
「え? えぇ。一応現役の暗殺者だし。」
その現役の暗殺者を見ただけで恐怖に陥れるメルトリアは何者なんだろう。
「数人はここに残って交代に来る見張りを殺しなさい。後は全員王族殺害の任務よ。しくじったら全員殺すわ。理解出来たかしら?」
ケラトル家の人間はメルトリアを明確な上位者として認識したようで、全員が黙って頷いた。
「素直で宜しい。使えるようなら今後も手元に置いておきたいわね。良かったら私に仕える気はない? 一度は捕まってるからあまり外には出してあげられないけど。」
「……遠慮しておきます。」
「そう? でも貴方、ちょっと遠慮が過ぎるわね。私の視界に入らない位置取りをするところなんて特に……。」
メルトリアが放つ特有の気配が色濃くなり、場の空気を支配する。
「私の視界から外れるな。殺すわよ?」
「は、はい……。」
叔父様が視界から外れている事に気付いていた?
もしかしてこの女、生まれついての暗殺者なんじゃないの?
「マリーベル、貴女の叔父さんを説得してくれない? 私も優秀な暗殺者が欲しいわ。」
成る程。殺しの手段はどうでも良いのね。
私は自分の手でやるのが楽しいタイプだけど、メルトリアにとっては手段の一つでしかないわけだから、自分じゃなくて代理の人間がやればそれで良いって事か。
「叔父様、メルトリアのところで働いてみない?」
「俺は仕事として殺しをしていただけで、殺しが好きなわけじゃない。」
「あら、気が合うわね。私も殺しはそんなに好きじゃないの。」
嘘つけ。眉をぴくりとも動かさずに息を吸うように殺すくせに。
「それはありがたいけど……。でも見張りもいるのよ? 一体どうやって……。」
「そんなの殺せば済むじゃない。」
メルトリアはまるで、食事前の手洗いや寝る前に歯を磨く事と同列なくらい当然な顔をして言ってのける。
相変わらず殺しを何でもない事のように言うのね。多分、精神構造が普通の人間とは違うんだわ。
「刑務所内で働いている人間を全員殺す。これから交代で来る奴らも殺す。そうすればケラトル家がここからいなくなってもすぐには発覚しない。」
「全員……?」
確かにここは貴族家や特別な犯罪者を収監する場所なので、詰めている人数としては少ない部類だと思う。
だからと言って、全員を殺害するなど現実的ではない。確か50人は詰めているはず。
「大丈夫よ。私、こう見えても強いのよ?」
それは知ってる。卒業パーティーの際に指を突き付けられた時は死を覚悟したもの。
「マリーベル、具合の悪いフリをして。面会室の外にいる見張りを呼び込むから。」
「分かったわ。」
私はその場にうずくまって胸を抑える。
「演技だとしても貴女の苦しそうな顔を見ると胸がスッとするわね。」
「早くしてくれない? 地べたに膝を付く趣味はないの。」
この女、私より腐ってるんじゃない?
「はいはい。時間も限られているし、とっとと殺しましょうか。」
メルトリアは慌てた様子で面会室を出て、見張りの人間を二人連れて来た。
「うっ……助け……て。む、胸が…………。」
「おい! 大丈夫か!」
「急いで医務室へ連れて行くぞ!」
私を心配する見張りの後ろで指に魔力を纏わせ準備するメルトリア。
私と会話している時となんら変わらないその態度。本当に殺す事を何とも思っていないんだわ。
普通の人間なら殺しに対して喜怒哀楽のいずれかの感情は必ず抱くもの。でもメルトリアにはそれがない。
「肩を貸すぅるん?」
見張りの一人が頭を撃ち抜かれてその場に倒れる。
「お、おい……びゃっ。」
更に残ったもう一人も頭を撃たれ、ドサリと倒れた。
「……凄いわね。」
「そうでしょう? ディアナから生き延びる為に鍛えたのよ。」
ディアナ公爵令嬢。以前メルトリアに絡んでいって裁判で殺された強力な魔法使いの一族だ。
「あの性悪クソ女か。」
「えぇ。出来れば私の手で葬ってあげたかったんだけど、あの時は裁判で決着させる他なかったし……。」
「あの女を直接殺すなんて言えるのは余程強力な魔法の使い手だけよ。」
「あら、ありがとう。」
たった今、私はメルトリアを凄いと言った。でもねメルトリア?
私は貴女の魔法が凄いと言ったんじゃないの。貴女が何でもないような顔で淡々と殺しを行った事を凄いと言ったのよ?
きっと、人間を同族とは思っていないのでしょうね。
メルトリアの手で私を含むケラトル家の人間が救い出された。
ケラトル家の人間は全員がメルトリアを恐れている。それはメルトリアの強さに依るものではなく、メルトリアの精神性に対してだ。
中でも暗殺者の叔父はメルトリアの周囲数メートルには絶対近づこうとしない。
決して視線も合わせようとせず、会話をしていないタイミングでは常にメルトリアの視界から外れるような位置を確保している。
余程恐ろしいと言う事? もしかして、この女は本当に化物なの?
私は叔父に近づき、こそこそと内緒話をする。
(叔父様。メルトリアがそれ程怖いの?)
(お前はアレが人間だと思っているのか?)
(化物だと思ってるわよ。)
絶対に化物よ。私だって怖いんだから。
(お前はアレをまだ人間だと思っているな。でなければ普通に会話出来るはずがない。俺は一目見て気付いたぞ。人間と同じ形をしているだけで完全に別物だ。)
(えっ?)
(これ以上話しかけるな。お前のせいでアレに見られている。俺はアレに見られるだけでも耐え難い苦痛を感じるんだ。)
そこまで……?
私は一体……何を相手にしてきたの?
「内緒話も良いんだけど、ちゃんと王族を殺してよね? そうすれば私はケラトル家を追わないから。」
「……分かりました。」
「マリーベル、貴女の叔父さんって強そうね。」
「え? えぇ。一応現役の暗殺者だし。」
その現役の暗殺者を見ただけで恐怖に陥れるメルトリアは何者なんだろう。
「数人はここに残って交代に来る見張りを殺しなさい。後は全員王族殺害の任務よ。しくじったら全員殺すわ。理解出来たかしら?」
ケラトル家の人間はメルトリアを明確な上位者として認識したようで、全員が黙って頷いた。
「素直で宜しい。使えるようなら今後も手元に置いておきたいわね。良かったら私に仕える気はない? 一度は捕まってるからあまり外には出してあげられないけど。」
「……遠慮しておきます。」
「そう? でも貴方、ちょっと遠慮が過ぎるわね。私の視界に入らない位置取りをするところなんて特に……。」
メルトリアが放つ特有の気配が色濃くなり、場の空気を支配する。
「私の視界から外れるな。殺すわよ?」
「は、はい……。」
叔父様が視界から外れている事に気付いていた?
もしかしてこの女、生まれついての暗殺者なんじゃないの?
「マリーベル、貴女の叔父さんを説得してくれない? 私も優秀な暗殺者が欲しいわ。」
成る程。殺しの手段はどうでも良いのね。
私は自分の手でやるのが楽しいタイプだけど、メルトリアにとっては手段の一つでしかないわけだから、自分じゃなくて代理の人間がやればそれで良いって事か。
「叔父様、メルトリアのところで働いてみない?」
「俺は仕事として殺しをしていただけで、殺しが好きなわけじゃない。」
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