1 / 128
第一章
第1話 あの日の想い
しおりを挟む
「帰って来ると……約束したはずだ。」
「……。」
まるで世界が止まってしまったかのような沈黙が辛い。
彼女の瞳は揺れていて、その心を映しているようだと思った。
だが、俺にはもう……彼女の心は分からない。何を考えているのか予想もつかない。
今の彼女は酷く焦っているように見えるが、どうして焦っているのか想像もつかない。
こんな事になるなら、告白なんてしなければ良かった。
「帰って来れたんだね……。」
「あぁ。」
「……ごめんなさい。」
そんな言葉は聞きたくない。
戦場では彼女の事を思い出し、なんとしても約束を果たすのだと奮起し、なんとか生き残って帰って来た俺にこの仕打ち。
「帰って来なければ良かったよ。」
「そんな事言わないで!」
何故否定する?
俺が帰って来ないと思ったからこそ、こんな事になっているんだろうに。
彼女は結婚するのだそうだ。
帰ってきたら結婚しようと約束した俺を差し置いて。
「帰って来なければ……こんな思いをしなくても済んだのにな。」
「それは……。」
「俺はここを出るよ。」
「待って!」
「待ってだと? 君が結婚するのを指をくわえて見ていろとでも言うのか?」
俺にはそんな事出来ない。彼女が他の男と結婚するのに、それを見ながら今まで通りこの街で生活するのは不可能だ。
「結婚しない……。」
「しないでどうするんだ?」
「貴方と結婚する。」
俺達の認識には決定的なズレがあるようだ。
彼女は妊娠していると親から既に聞いている。
つまりは俺が死にそうな目にあっている最中、他の男と体の関係があったのは想像に難くない。
婚約者であった筈の俺でさえ、彼女とはそういう関係に至ってはいないというのに……。
そんな話があるか?
酷い裏切りだ。彼女を殴って、罵って、なんならこの場で犯してしまえば心が晴れるのだろうか?
とてもそんな気にはなれない。
「他の男の子供を宿して俺と結婚しようと言うのか?」
「……貴方が受け入れてくれるなら。」
「それは無理だ。」
即答した俺に対し、彼女は絶望的な表情を浮かべる。
確かに俺は彼女を愛していた。
しかし、裏切られたという憎悪も同時に持ってしまっている。
まともな結婚生活になるはずもないし、俺の精神が持たない。
「じゃあな。」
背中越しに泣いている彼女の声を聞きながら、その場を立ち去った。
もう二度と会う事は無いだろう。永遠にさよならだ。
愛していたよ……エイミー。
今日、俺は告白をする。
長い間幼馴染として確かな関係を築いてきた俺の大事な人、エイミー。
彼女に今まで秘めていた想いを打ち明けるのだ。
俺……レイベルトと近所に住むエイミーはどちらも騎士の家系。
15歳になるまで良好な関係を築いていながらも、俺達二人の仲は幼馴染止まりで男女の仲には進展しなかった。
俺に意気地が無いと言ってしまえばそれまでだが、好きだと伝える事で今まで築き上げてきた関係が壊れてしまうのではないかと恐怖し、なかなか想いを告げる決心が出来なかったのだ。
だがもう……関係が壊れるのではないか、などと悠長な事は言っていられない。
じきに戦争が始まる。
俺は騎士の家系であり、俺自身もまた騎士だ。
戦争が始まってしまえば駆り出されるのは当然の事で、既に前線への配属が決まってしまっている。
最悪な事に今回は確実な負け戦と言われていて、生きて帰れる可能性の方が低い。
二度と会えないかもしれない。そんな場面になって初めて告白する決心がつくなど、なんとも皮肉な事だ。
今日、俺はエイミーに想いを告げる。
いつも二人で訪れた、俺達が住む街を見渡せる小高い丘。幼い頃から何度も通った二人の思い出の場所で……。
彼女にあの場所へ行こうと誘いをかけ、二人で出掛ける。何度も通ったその丘は、あの場所……で通じる程俺達にとっては特別な所だ。
エイミーも俺が戦争に行く事を当然知っていて、快く誘いに応じてくれた。
彼女にとって、俺は仲の良い幼馴染。最後に別れの言葉を告げられると思っているのかもしれない。
実際、無事に帰って来られる可能性はかなり少ない……と戦争に行く自分自身が思っている。
街が一望できる丘……その景色は相変わらずいつ見ても美しかった。
俺が告白しようと思っているなど、彼女はきっと予想もしていないのだろうな。
「エイミー。」
今、俺達は二人並んで丘の上に腰かけ、街を見下ろしている。
声を掛けられ振り向く彼女は、少しだけいつもの元気がないようだ。
「どうしたの? レイベルト。今日はやけに口数が少ないのね。」
そういう彼女の方こそ普段よりも口数が少ない。
俺の雰囲気から何かを感じ取っているのか、はたまた俺が帰って来ない可能性に思い至り悲しさを覚えているのか……。
「戦争から帰ってきたら、結婚しよう。」
一世一代の告白に、俺が出す声は少しかすれてしまうが、それでも彼女の耳にはしっかり届いていたようだ。
エイミーの目には驚き、困惑、嬉しさ、そして……涙が浮かんでいる。
「絶対に帰ってきてね。死んだら許さない。それまで待ってるから……絶対に。」
そう言って彼女は……涙交じりのキスで返事をしてくれた。
こうなる事をどれ程待ち望んでいただろうか。
幼馴染から恋人へと関係が進む事を考えなかった日はない。
今まで何度も想いを伝えようとしては結局言い出せず終いであったが、とうとう告げる事が出来た。
戦争なんかが切っ掛けで関係が進むのというのは甚だ不本意だが、今はこの瞬間を素直に喜ぼう。
そして、帰って来る可能性は少ないだろうと半分諦めの気持ちが混じっていた俺だが、絶対に帰って来るのだと硬く心に誓った。
もしかすると死ぬかもしれない。
二度と彼女に会えないかもしれない。
そう思うと居ても立っても居られず、告白しようと決心したのだ。
俺の告白は見事に成功し、以前は出来なかった恋人らしいデートを重ね、愛しい彼女と何度もキスをした。
この国では戦争前に恋人になった人間は、婚約を結んで相手の無事を祈るという風習がある。
俺達もそれに習って両家公認での婚約を果たし、旅立ちまでの少ない日数を穏やかに過ごす。
両家は内々で祝わってくれ、俺は戦争へ向かう他の騎士や兵士達と共に戦場へと送り出された。
絶対に死ねない……生きて帰ってみせる。
エイミー、待っててくれよ? 今までに培った剣技と魔法で華々しく活躍し、お前を必ず迎えに行くから。
「……。」
まるで世界が止まってしまったかのような沈黙が辛い。
彼女の瞳は揺れていて、その心を映しているようだと思った。
だが、俺にはもう……彼女の心は分からない。何を考えているのか予想もつかない。
今の彼女は酷く焦っているように見えるが、どうして焦っているのか想像もつかない。
こんな事になるなら、告白なんてしなければ良かった。
「帰って来れたんだね……。」
「あぁ。」
「……ごめんなさい。」
そんな言葉は聞きたくない。
戦場では彼女の事を思い出し、なんとしても約束を果たすのだと奮起し、なんとか生き残って帰って来た俺にこの仕打ち。
「帰って来なければ良かったよ。」
「そんな事言わないで!」
何故否定する?
俺が帰って来ないと思ったからこそ、こんな事になっているんだろうに。
彼女は結婚するのだそうだ。
帰ってきたら結婚しようと約束した俺を差し置いて。
「帰って来なければ……こんな思いをしなくても済んだのにな。」
「それは……。」
「俺はここを出るよ。」
「待って!」
「待ってだと? 君が結婚するのを指をくわえて見ていろとでも言うのか?」
俺にはそんな事出来ない。彼女が他の男と結婚するのに、それを見ながら今まで通りこの街で生活するのは不可能だ。
「結婚しない……。」
「しないでどうするんだ?」
「貴方と結婚する。」
俺達の認識には決定的なズレがあるようだ。
彼女は妊娠していると親から既に聞いている。
つまりは俺が死にそうな目にあっている最中、他の男と体の関係があったのは想像に難くない。
婚約者であった筈の俺でさえ、彼女とはそういう関係に至ってはいないというのに……。
そんな話があるか?
酷い裏切りだ。彼女を殴って、罵って、なんならこの場で犯してしまえば心が晴れるのだろうか?
とてもそんな気にはなれない。
「他の男の子供を宿して俺と結婚しようと言うのか?」
「……貴方が受け入れてくれるなら。」
「それは無理だ。」
即答した俺に対し、彼女は絶望的な表情を浮かべる。
確かに俺は彼女を愛していた。
しかし、裏切られたという憎悪も同時に持ってしまっている。
まともな結婚生活になるはずもないし、俺の精神が持たない。
「じゃあな。」
背中越しに泣いている彼女の声を聞きながら、その場を立ち去った。
もう二度と会う事は無いだろう。永遠にさよならだ。
愛していたよ……エイミー。
今日、俺は告白をする。
長い間幼馴染として確かな関係を築いてきた俺の大事な人、エイミー。
彼女に今まで秘めていた想いを打ち明けるのだ。
俺……レイベルトと近所に住むエイミーはどちらも騎士の家系。
15歳になるまで良好な関係を築いていながらも、俺達二人の仲は幼馴染止まりで男女の仲には進展しなかった。
俺に意気地が無いと言ってしまえばそれまでだが、好きだと伝える事で今まで築き上げてきた関係が壊れてしまうのではないかと恐怖し、なかなか想いを告げる決心が出来なかったのだ。
だがもう……関係が壊れるのではないか、などと悠長な事は言っていられない。
じきに戦争が始まる。
俺は騎士の家系であり、俺自身もまた騎士だ。
戦争が始まってしまえば駆り出されるのは当然の事で、既に前線への配属が決まってしまっている。
最悪な事に今回は確実な負け戦と言われていて、生きて帰れる可能性の方が低い。
二度と会えないかもしれない。そんな場面になって初めて告白する決心がつくなど、なんとも皮肉な事だ。
今日、俺はエイミーに想いを告げる。
いつも二人で訪れた、俺達が住む街を見渡せる小高い丘。幼い頃から何度も通った二人の思い出の場所で……。
彼女にあの場所へ行こうと誘いをかけ、二人で出掛ける。何度も通ったその丘は、あの場所……で通じる程俺達にとっては特別な所だ。
エイミーも俺が戦争に行く事を当然知っていて、快く誘いに応じてくれた。
彼女にとって、俺は仲の良い幼馴染。最後に別れの言葉を告げられると思っているのかもしれない。
実際、無事に帰って来られる可能性はかなり少ない……と戦争に行く自分自身が思っている。
街が一望できる丘……その景色は相変わらずいつ見ても美しかった。
俺が告白しようと思っているなど、彼女はきっと予想もしていないのだろうな。
「エイミー。」
今、俺達は二人並んで丘の上に腰かけ、街を見下ろしている。
声を掛けられ振り向く彼女は、少しだけいつもの元気がないようだ。
「どうしたの? レイベルト。今日はやけに口数が少ないのね。」
そういう彼女の方こそ普段よりも口数が少ない。
俺の雰囲気から何かを感じ取っているのか、はたまた俺が帰って来ない可能性に思い至り悲しさを覚えているのか……。
「戦争から帰ってきたら、結婚しよう。」
一世一代の告白に、俺が出す声は少しかすれてしまうが、それでも彼女の耳にはしっかり届いていたようだ。
エイミーの目には驚き、困惑、嬉しさ、そして……涙が浮かんでいる。
「絶対に帰ってきてね。死んだら許さない。それまで待ってるから……絶対に。」
そう言って彼女は……涙交じりのキスで返事をしてくれた。
こうなる事をどれ程待ち望んでいただろうか。
幼馴染から恋人へと関係が進む事を考えなかった日はない。
今まで何度も想いを伝えようとしては結局言い出せず終いであったが、とうとう告げる事が出来た。
戦争なんかが切っ掛けで関係が進むのというのは甚だ不本意だが、今はこの瞬間を素直に喜ぼう。
そして、帰って来る可能性は少ないだろうと半分諦めの気持ちが混じっていた俺だが、絶対に帰って来るのだと硬く心に誓った。
もしかすると死ぬかもしれない。
二度と彼女に会えないかもしれない。
そう思うと居ても立っても居られず、告白しようと決心したのだ。
俺の告白は見事に成功し、以前は出来なかった恋人らしいデートを重ね、愛しい彼女と何度もキスをした。
この国では戦争前に恋人になった人間は、婚約を結んで相手の無事を祈るという風習がある。
俺達もそれに習って両家公認での婚約を果たし、旅立ちまでの少ない日数を穏やかに過ごす。
両家は内々で祝わってくれ、俺は戦争へ向かう他の騎士や兵士達と共に戦場へと送り出された。
絶対に死ねない……生きて帰ってみせる。
エイミー、待っててくれよ? 今までに培った剣技と魔法で華々しく活躍し、お前を必ず迎えに行くから。
10
お気に入りに追加
231
あなたにおすすめの小説
5時から俺は! 地獄の様な異世界から帰ってきた俺が更に地獄の様な生活を送りながら希望を見出す物語。
石のやっさん
ファンタジー
地獄の様な異世界の生活!そして帰って来てからも地獄は続く救いはあるのか
主人公の理人は異世界召喚で、異世界ブリエールに召喚された。他の生徒と同じようにジョブやスキルを貰ったが、特殊なスキルのせいで、同級生に嫌われ殺され掛かり…命は助かったものの、生きるより辛い地獄の日々を送る事になる。
暗闇の部屋で血を吸われ、精気を奪われる日々。
そんな絶望の中時間が過ぎ、同級生の勇者大樹が魔王を討伐した事により事態が変わる。
女神により呼び出された理人は『元の世界に帰るか、この世界で生きていくか』選択を迫られる。
理人が監禁されてから数年が経ち同級生たちは異世界に基盤を作り全員が残る事を決意した。
だが、理人は帰る事を決意した。
元の世界に戻る事を選んだのは理人だけだった。
ジョブやスキルを返し、元の年齢まで若返った理人を襲ったのは更に続く地獄だった。
そんな彼を救ったのは、地獄で身に付いた能力だった。
地獄の異世界生活からたった1人この世界に帰ってきた男の苦悩の物語。
逆転が始まる迄数話掛かりますし、鬱展開もあります。
他の小説もあるので更新はゆっくりになりそうです。
最初に数話 異世界のパートはありますが、ただ地獄で此処での主人公は何も活躍しません。
勇者のハーレムパーティを追放された男が『実は別にヒロインが居るから気にしないで生活する』ような物語(仮)
石のやっさん
ファンタジー
主人公のリヒトは勇者パーティを追放されるが
別に気にも留めていなかった。
元から時期が来たら自分から出て行く予定だったし、彼には時期的にやりたい事があったからだ。
リヒトのやりたかった事、それは、元勇者のレイラが奴隷オークションに出されると聞き、それに参加する事だった。
この作品の主人公は転生者ですが、精神的に大人なだけでチートは知識も含んでありません。
勿論ヒロインもチートはありません。
そんな二人がどうやって生きていくか…それがテーマです。
他のライトノベルや漫画じゃ主人公になれない筈の二人が主人公、そんな物語です。
最近、感想欄から『人間臭さ』について書いて下さった方がいました。
確かに自分の原点はそこの様な気がしますので書き始めました。
タイトルが実はしっくりこないので、途中で代えるかも知れません。
[完結:1話 1分読書]幼馴染を勇者に寝取られた不遇職の躍進
無責任
ファンタジー
<毎日更新 1分読書> 愛する幼馴染を失った不遇職の少年の物語
ユキムラは神託により不遇職となってしまう。
愛するエリスは、聖女となり、勇者のもとに行く事に・・・。
引き裂かれた関係をもがき苦しむ少年、少女の物語である。
アルファポリス版は、各ページに人物紹介などはありません。
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
この物語の世界は、15歳が成年となる世界観の為、現実の日本社会とは異なる部分もあります。
たとえば勇者パーティを追放された少年が宿屋の未亡人達に恋するような物語
石のやっさん
ファンタジー
主人公のリヒトは勇者パーティを追放されるが別に気にも留めていなかった。
ハーレムパーティ状態だったので元から時期が来たら自分から出て行く予定だったし、三人の幼馴染は確かに可愛いが、リヒトにとって恋愛対象にどうしても見られなかったからだ。
だから、ただ見せつけられても困るだけだった。
何故ならリヒトの好きなタイプの女性は…大人の女性だったから。
この作品の主人公は転生者ですが、精神的に大人なだけでチートは知識も含んでありません。
勿論ヒロインもチートはありません。
他のライトノベルや漫画じゃ主人公にはなれない、背景に居るような主人公やヒロインが、楽しく暮すような話です。
1~2話は何時もの使いまわし。
リクエスト作品です。
今回は他作品もありますので亀更新になるかも知れません。
※ つい調子にのって4作同時に書き始めてしまいました。
妻を寝取ったパーティーメンバーに刺殺された俺はもう死にたくない。〜二度目の俺。最悪から最高の人生へ〜
橋本 悠
ファンタジー
両親の死、いじめ、NTRなどありとあらゆる`最悪`を経験し、終いにはパーティーメンバーに刺殺された俺は、異世界転生に成功した……と思いきや。
もしかして……また俺かよ!!
人生の最悪を賭けた二周目の俺が始まる……ってもうあんな最悪見たくない!!!
さいっっっっこうの人生送ってやるよ!!
──────
こちらの作品はカクヨム様でも連載させていただいております。
先取り更新はカクヨム様でございます。是非こちらもよろしくお願いします!
俺が死んでから始まる物語
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていたポーター(荷物運び)のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもないことは自分でも解っていた。
だが、それでもセレスはパーティに残りたかったので土下座までしてリヒトに情けなくもしがみついた。
余りにしつこいセレスに頭に来たリヒトはつい剣の柄でセレスを殴った…そして、セレスは亡くなった。
そこからこの話は始まる。
セレスには誰にも言った事が無い『秘密』があり、その秘密のせいで、死ぬことは怖く無かった…死から始まるファンタジー此処に開幕
『異世界は貧乳が正義でした』~だから幼馴染の勇者に追放されても問題がない~ざまぁ? しませんよ!マジで!
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のリヒトは、とうとう勇者でありパーティリーダーのガイアにクビを宣告されてしまう。幼馴染も全員ガイアの物で、居場所がどこにもないことを悟った彼は、一人去ったのだった。
実は彼は転生者で幼馴染には全く興味が無かったからだ。
そして彼は…此処からは読んでからのお楽しみです。
『美醜逆転』『男女比』で異世界系のリクエストを貰ったので書き始めてみました。
ただ、それだと面白味が無いので少し捻ってみました。
実験を兼ねた思いつきなので中編になるか長編になるか未定。
1話はいつもの使いまわしです。
俺は先輩に恋人を寝取られ、心が壊れる寸前。でも……。二人が自分たちの間違いを後で思っても間に合わない。俺は美少女で素敵な同級生と幸せになる。
のんびりとゆっくり
恋愛
俺は島森海定(しまもりうみさだ)。高校一年生。
俺は先輩に恋人を寝取られた。
ラブラブな二人。
小学校六年生から続いた恋が終わり、俺は心が壊れていく。
そして、雪が激しさを増す中、公園のベンチに座り、このまま雪に埋もれてもいいという気持ちになっていると……。
前世の記憶が俺の中に流れ込んできた。
前世でも俺は先輩に恋人を寝取られ、心が壊れる寸前になっていた。
その後、少しずつ立ち直っていき、高校二年生を迎える。
春の始業式の日、俺は素敵な女性に出会った。
俺は彼女のことが好きになる。
しかし、彼女とはつり合わないのでは、という意識が強く、想いを伝えることはできない。
つらくて苦しくて悲しい気持ちが俺の心の中であふれていく。
今世ではこのようなことは繰り返したくない。
今世に意識が戻ってくると、俺は強くそう思った。
既に前世と同じように、恋人を先輩に寝取られてしまっている。
しかし、その後は、前世とは違う人生にしていきたい。
俺はこれからの人生を幸せな人生にするべく、自分磨きを一生懸命行い始めた。
一方で、俺を寝取った先輩と、その相手で俺の恋人だった女性の仲は、少しずつ壊れていく。そして、今世での高校二年生の春の始業式の日、俺は今世でも素敵な女性に出会った。
その女性が好きになった俺は、想いを伝えて恋人どうしになり。結婚して幸せになりたい。
俺の新しい人生が始まろうとしている。
この作品は、「カクヨム」様でも投稿を行っております。
「カクヨム」様では。「俺は先輩に恋人を寝取られて心が壊れる寸前になる。でもその後、素敵な女性と同じクラスになった。間違っていたと、寝取った先輩とその相手が思っても間に合わない。俺は美少女で素敵な同級生と幸せになっていく。」という題名で投稿を行っております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる