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聖女が村人をブッ叩くまで
第3話 魔女の聖女
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「やっと着いたわ。」
ドゥーは周辺国で最も栄えた国だ。田舎出身のアリエンナにとってはまるで、毎日お祭りでもやっているのかと思うほど人で賑わっている。
「よぉ! ねえちゃん可愛いねえ。俺と遊びに行かない?」
突然変な男に話しかけられた。勝手に『元気いっぱい』が発動していたようで、その男は既に極度の興奮状態だ。
「ごめんなさい。これから仕事を探しに行かないといけないの。」
「それなら、冒険者はドゥーだい? 俺と組めば守ってやるぜ。」
親切な人だったみたい。襲い掛かってこないし……ちょっと癖のある喋り方で顔面の作りが失礼だけど……。
「じゃあお試しでやってみようかしら。」
「着いてきな。冒険者ギルドゥに案内するぜ。」
道中自己紹介を行った。彼の名前はギャモー。戦士だそうだ。話し方からは想像出来ないが、さりげなく歩く速度を合わせてくれたり紳士的な面も見られる。
失礼なのは顔だけだ。
彼に付いて行くと立派な建物に案内された。中に入り受付へと進む。
「ギルドゥへようこそ。本日はドゥーなさいましたか?」
この人も変な喋り方。『ドゥー』ではこの話し方が一般的なのかもしれない。
「冒険者になりたいです。」
「では、あなたの戦闘スタイルと名前を教えて下さい。」
「仲間にした魔物に戦って貰ってます。名前はアリエンナです。」
「ではアリエンナさんをテイマーとして登録しますね。」
受付のお姉さんが私にカードを渡してくる。
「これが冒険者カードゥです。」
カードにはクエスト達成回数0回と書かれている。
「クエストをこなしていくと、自動で表示されている数字が更新されます。999回までは数字で表示されますが、1000回に到達するとそれ以降は『ドゥー』と表記されチヤホヤされるようになりますよ。」
魔女と迫害された私だ。チヤホヤされたい。
周りを見れば、チヤホヤされている冒険者が何人かいる。
羨ましい。私もいつかはドゥーになりたい。
後、力を付けて故郷の村人をもっとブッ叩きたい。
「頑張ります!」
「へー。ねえちゃんテイマーだったんか?」
案内してくれたギャモーが声を掛けてくる。
「テイマーが何かは良くわかりませんが、魔物を仲間にするのが得意です。」
「それをテイマーって言うんだ。よし! 一緒にクエストやってみっか!」
「はい!」
そしてゴブリン討伐クエストを一緒に受ける事にした。
<クエスト詳細>
ゴブリンによって若い女性のパンツが盗られる被害が急増している。
周辺にいるゴブリンを討伐せよ。
最低討伐数5 報酬50ドゥル
※討伐数に応じて報酬は増えます。
「奴らは若い女と見れば、パンツをいきなり脱がしにかかるから気を付けろよ?」
「わかりました。」
なんて破廉恥な魔物なの?
でも村の男たちも破廉恥だったし、ゴブリンと良い勝負かも。
何を隠そう、魔女と呼ばれた私は頻繁にパンツを盗まれていたのだ。
あまりにも頻繁に無くなる為、私は時々洗濯物の近くで張り込みをしていた。結果として、現行犯で89回も村の男を捕まえる事が出来たのだ。
聞けば、私のパンツは凄く価値があるのだそう。村の男達はこぞって私のパンツを手に入れようと、虎視眈々と機会を狙っていたんだとか。
私は村の男達を何度もブッ叩いたのだが、彼らはそれでもパンツ泥棒をやめてくれなかった。
私の魔法『みんな友達』が効いていないのかとも考えたのだが……どうやら村の男には私のパンツを欲しがる習性があるようで、魔法でも覆せない程の本能に根差した行いのようだった。
(また辛い過去を思い出してしまったわ……。)
ギャモーと私は街から出てすぐの野原を探索すると、すぐにゴブリンと遭遇した。
「相手は6匹だ。いくぞ!」
ギャモーは剣を振り、ゴブリン2匹を瞬く間に切り裂いた。
私は自分の所へ向かってきた4匹を真心込めてブッ叩いてやる。そしていつものように治療してやると、彼らは心を入れ替えて私の仲間になった。
「なぁ…。それってまさか、回復魔法か?」
もしかしてこの国でも魔法は禁忌なのだろうか…。そう思って私は身構えるが、その心配は杞憂であった。
「アリエンナは聖女様だったのか!?」
「性女? 良くわかりませんが、違いますよ。」
「違うじゃなくてよ。回復魔法が使えるのは聖女様しかいねえんだ!」
「私はそんなにはしたない女ではありませんけど…。」
失礼なのは顔面だけにして欲しい。
「何言ってんだ? 聖女様がはしたない訳ないだろ。」
ギャモーはやれやれと言った顔だ。
「でも性女ですよ?」
(きっとパパ活みたいな感じなんだわ。ギャモーったら、様付けするくらい性女が好きなのね…。)
「だから、聖女様は回復魔法を使える聖なる乙女なんだよ。」
(私ったら、いけないわ。恥ずかしい勘違いをしていたみたい。)
「聖女だったんですね。」
聖女がどんな立場かは分からないけど、良いもののような気がする。
「だから、さっきからそう言ってんだろ?」
「失礼なのは私の方だったみたい。顔面が失礼と思ってごめんなさい。」
「何でわざわざ言ったんだ? 思っとくだけにして欲しかったぜ。」
ギャモーはガックリしている。きっと、私が性女と聖女を勘違いしていたからだわ。
「私は、この不思議な力のせいで故郷では魔女と呼ばれていました。」
「あー…。もしや聖女様を知らない田舎の出なのか?」
「聞いたことがありません。」
「なるほど。とりあえずギルドゥへ報告しに行くか。」
聖女はお偉いさんに届け出が必要らしく、私が冒険者になった事情から一先ずはギルドへ報告するそうだ。
ドゥーは周辺国で最も栄えた国だ。田舎出身のアリエンナにとってはまるで、毎日お祭りでもやっているのかと思うほど人で賑わっている。
「よぉ! ねえちゃん可愛いねえ。俺と遊びに行かない?」
突然変な男に話しかけられた。勝手に『元気いっぱい』が発動していたようで、その男は既に極度の興奮状態だ。
「ごめんなさい。これから仕事を探しに行かないといけないの。」
「それなら、冒険者はドゥーだい? 俺と組めば守ってやるぜ。」
親切な人だったみたい。襲い掛かってこないし……ちょっと癖のある喋り方で顔面の作りが失礼だけど……。
「じゃあお試しでやってみようかしら。」
「着いてきな。冒険者ギルドゥに案内するぜ。」
道中自己紹介を行った。彼の名前はギャモー。戦士だそうだ。話し方からは想像出来ないが、さりげなく歩く速度を合わせてくれたり紳士的な面も見られる。
失礼なのは顔だけだ。
彼に付いて行くと立派な建物に案内された。中に入り受付へと進む。
「ギルドゥへようこそ。本日はドゥーなさいましたか?」
この人も変な喋り方。『ドゥー』ではこの話し方が一般的なのかもしれない。
「冒険者になりたいです。」
「では、あなたの戦闘スタイルと名前を教えて下さい。」
「仲間にした魔物に戦って貰ってます。名前はアリエンナです。」
「ではアリエンナさんをテイマーとして登録しますね。」
受付のお姉さんが私にカードを渡してくる。
「これが冒険者カードゥです。」
カードにはクエスト達成回数0回と書かれている。
「クエストをこなしていくと、自動で表示されている数字が更新されます。999回までは数字で表示されますが、1000回に到達するとそれ以降は『ドゥー』と表記されチヤホヤされるようになりますよ。」
魔女と迫害された私だ。チヤホヤされたい。
周りを見れば、チヤホヤされている冒険者が何人かいる。
羨ましい。私もいつかはドゥーになりたい。
後、力を付けて故郷の村人をもっとブッ叩きたい。
「頑張ります!」
「へー。ねえちゃんテイマーだったんか?」
案内してくれたギャモーが声を掛けてくる。
「テイマーが何かは良くわかりませんが、魔物を仲間にするのが得意です。」
「それをテイマーって言うんだ。よし! 一緒にクエストやってみっか!」
「はい!」
そしてゴブリン討伐クエストを一緒に受ける事にした。
<クエスト詳細>
ゴブリンによって若い女性のパンツが盗られる被害が急増している。
周辺にいるゴブリンを討伐せよ。
最低討伐数5 報酬50ドゥル
※討伐数に応じて報酬は増えます。
「奴らは若い女と見れば、パンツをいきなり脱がしにかかるから気を付けろよ?」
「わかりました。」
なんて破廉恥な魔物なの?
でも村の男たちも破廉恥だったし、ゴブリンと良い勝負かも。
何を隠そう、魔女と呼ばれた私は頻繁にパンツを盗まれていたのだ。
あまりにも頻繁に無くなる為、私は時々洗濯物の近くで張り込みをしていた。結果として、現行犯で89回も村の男を捕まえる事が出来たのだ。
聞けば、私のパンツは凄く価値があるのだそう。村の男達はこぞって私のパンツを手に入れようと、虎視眈々と機会を狙っていたんだとか。
私は村の男達を何度もブッ叩いたのだが、彼らはそれでもパンツ泥棒をやめてくれなかった。
私の魔法『みんな友達』が効いていないのかとも考えたのだが……どうやら村の男には私のパンツを欲しがる習性があるようで、魔法でも覆せない程の本能に根差した行いのようだった。
(また辛い過去を思い出してしまったわ……。)
ギャモーと私は街から出てすぐの野原を探索すると、すぐにゴブリンと遭遇した。
「相手は6匹だ。いくぞ!」
ギャモーは剣を振り、ゴブリン2匹を瞬く間に切り裂いた。
私は自分の所へ向かってきた4匹を真心込めてブッ叩いてやる。そしていつものように治療してやると、彼らは心を入れ替えて私の仲間になった。
「なぁ…。それってまさか、回復魔法か?」
もしかしてこの国でも魔法は禁忌なのだろうか…。そう思って私は身構えるが、その心配は杞憂であった。
「アリエンナは聖女様だったのか!?」
「性女? 良くわかりませんが、違いますよ。」
「違うじゃなくてよ。回復魔法が使えるのは聖女様しかいねえんだ!」
「私はそんなにはしたない女ではありませんけど…。」
失礼なのは顔面だけにして欲しい。
「何言ってんだ? 聖女様がはしたない訳ないだろ。」
ギャモーはやれやれと言った顔だ。
「でも性女ですよ?」
(きっとパパ活みたいな感じなんだわ。ギャモーったら、様付けするくらい性女が好きなのね…。)
「だから、聖女様は回復魔法を使える聖なる乙女なんだよ。」
(私ったら、いけないわ。恥ずかしい勘違いをしていたみたい。)
「聖女だったんですね。」
聖女がどんな立場かは分からないけど、良いもののような気がする。
「だから、さっきからそう言ってんだろ?」
「失礼なのは私の方だったみたい。顔面が失礼と思ってごめんなさい。」
「何でわざわざ言ったんだ? 思っとくだけにして欲しかったぜ。」
ギャモーはガックリしている。きっと、私が性女と聖女を勘違いしていたからだわ。
「私は、この不思議な力のせいで故郷では魔女と呼ばれていました。」
「あー…。もしや聖女様を知らない田舎の出なのか?」
「聞いたことがありません。」
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