44 / 87
フェルミト王国編
44 挨拶ですわ。 後編
しおりを挟む
「気になりますわ。」
急いでその場へ向かうと、聖女アリエンナが輝いていた。
王女と同様の雷を体に纏って……。
そして、それを止めようとするキャロルとギャモーの姿もある。
「どういう状況ですの?」
セリアが尋ねると、これまでの経緯を教えて貰った。
アリエンナとその母が強すぎるので、世界征服出来そうだね。と揶揄ったら突然アリエンナが王女の真似をしたそうだ。
体に雷を纏いながら。
雰囲気や声も結構似ていたそうだ。
「私がいない間、そんな楽しそうな事になっていたなんて……」
「こっちは気が気じゃなかったぜ。」
「でも本当に似てたよね。モノマネ芸人でもやっていけるんじゃない?」
「そんなに褒められると嬉しいですね。今後は……モノマネ聖女アリエンナと呼んで下さい。」
アリエンナは何かをやり切ったという雰囲気を醸し出し、得意気に言うのだった。
「いくら何でも長すぎますわ。普通にアリエンナ様ではいけませんの?」
すると、シュンと残念そうな表情になってしまうアリエンナ。
(可愛い。チューを……チューをして差し上げたいですわ!)
思わずアリエンナを抱きしめてしまうセリア。
「セリア様?」
「アリエンナ様。お友達は時に、こうやって抱き合う事もありますのよ?」
「友達って良いものですね。」
そう言いながらも恥ずかしそうにする聖女。
(あぁ……。このまま家に連れ帰ってしまいたいですわ。ギャモーさんも面白い方ですし、二人とも連れて行けたら良いのですが……)
セリアは要人誘拐で国際問題に発展しそうな事を考えていた。
「本日はパーティに参加頂き、誠にありがとうございました。改めまして、イリジウム王国には感謝申し上げます。特にベリア伯爵とベリオーテ公爵夫人による多大なご恩は私達の記憶に残る事でしょう。途中で体調を崩され、退席なさった方もおいでですが……」
王女の声が聞こえて来た。締めの挨拶をしているところを見れば、どうやらパーティも終わりのようだ。
「体調って……王女様が雷魔法を放ったからだよな。」
「だね。結構強めにぶっ放してたよ。」
実際、雷魔法をくらった貴族たちからは煙があがっていた。
そんな彼らは、良く無事だったものだと全員が感心している。
「そのお蔭で私達は助かりましたけどね。」
「面白れぇ王女様だったな。」
王女による聖女救出劇は全員の記憶に強く残る事となる。
「そうですね。お友達にもなれましたし、私は満足ですわ。」
「私も!」
「私もです。」
「では、私達も解散と致しましょうか。」
王女と友人になった4人は、今後もどこかで会う機会を設けようと約束しその場を去った。
急いでその場へ向かうと、聖女アリエンナが輝いていた。
王女と同様の雷を体に纏って……。
そして、それを止めようとするキャロルとギャモーの姿もある。
「どういう状況ですの?」
セリアが尋ねると、これまでの経緯を教えて貰った。
アリエンナとその母が強すぎるので、世界征服出来そうだね。と揶揄ったら突然アリエンナが王女の真似をしたそうだ。
体に雷を纏いながら。
雰囲気や声も結構似ていたそうだ。
「私がいない間、そんな楽しそうな事になっていたなんて……」
「こっちは気が気じゃなかったぜ。」
「でも本当に似てたよね。モノマネ芸人でもやっていけるんじゃない?」
「そんなに褒められると嬉しいですね。今後は……モノマネ聖女アリエンナと呼んで下さい。」
アリエンナは何かをやり切ったという雰囲気を醸し出し、得意気に言うのだった。
「いくら何でも長すぎますわ。普通にアリエンナ様ではいけませんの?」
すると、シュンと残念そうな表情になってしまうアリエンナ。
(可愛い。チューを……チューをして差し上げたいですわ!)
思わずアリエンナを抱きしめてしまうセリア。
「セリア様?」
「アリエンナ様。お友達は時に、こうやって抱き合う事もありますのよ?」
「友達って良いものですね。」
そう言いながらも恥ずかしそうにする聖女。
(あぁ……。このまま家に連れ帰ってしまいたいですわ。ギャモーさんも面白い方ですし、二人とも連れて行けたら良いのですが……)
セリアは要人誘拐で国際問題に発展しそうな事を考えていた。
「本日はパーティに参加頂き、誠にありがとうございました。改めまして、イリジウム王国には感謝申し上げます。特にベリア伯爵とベリオーテ公爵夫人による多大なご恩は私達の記憶に残る事でしょう。途中で体調を崩され、退席なさった方もおいでですが……」
王女の声が聞こえて来た。締めの挨拶をしているところを見れば、どうやらパーティも終わりのようだ。
「体調って……王女様が雷魔法を放ったからだよな。」
「だね。結構強めにぶっ放してたよ。」
実際、雷魔法をくらった貴族たちからは煙があがっていた。
そんな彼らは、良く無事だったものだと全員が感心している。
「そのお蔭で私達は助かりましたけどね。」
「面白れぇ王女様だったな。」
王女による聖女救出劇は全員の記憶に強く残る事となる。
「そうですね。お友達にもなれましたし、私は満足ですわ。」
「私も!」
「私もです。」
「では、私達も解散と致しましょうか。」
王女と友人になった4人は、今後もどこかで会う機会を設けようと約束しその場を去った。
5
お気に入りに追加
246
あなたにおすすめの小説
【完結】いてもいなくてもいい妻のようですので 妻の座を返上いたします!
ユユ
恋愛
夫とは卒業と同時に婚姻、
1年以内に妊娠そして出産。
跡継ぎを産んで女主人以上の
役割を果たしていたし、
円満だと思っていた。
夫の本音を聞くまでは。
そして息子が他人に思えた。
いてもいなくてもいい存在?萎んだ花?
分かりました。どうぞ若い妻をお迎えください。
* 作り話です
* 完結保証付き
* 暇つぶしにどうぞ
婚約破棄とか言って早々に私の荷物をまとめて実家に送りつけているけど、その中にあなたが明日国王に謁見する時に必要な書類も混じっているのですが
マリー
恋愛
寝食を忘れるほど研究にのめり込む婚約者に惹かれてかいがいしく食事の準備や仕事の手伝いをしていたのに、ある日帰ったら「母親みたいに世話を焼いてくるお前にはうんざりだ!荷物をまとめておいてやったから明日の朝一番で出て行け!」ですって?
まあ、癇癪を起こすのはいいですけれど(よくはない)あなたがまとめてうちの実家に郵送したっていうその荷物の中、送っちゃいけないもの入ってましたよ?
※またも小説の練習で書いてみました。よろしくお願いします。
※すみません、婚約破棄タグを使っていましたが、書いてるうちに内容にそぐわないことに気づいたのでちょっと変えました。果たして婚約破棄するのかしないのか?を楽しんでいただく話になりそうです。正当派の婚約破棄ものにはならないと思います。期待して読んでくださった方申し訳ございません。
婚約破棄されたショックですっ転び記憶喪失になったので、第二の人生を歩みたいと思います
ととせ
恋愛
「本日この時をもってアリシア・レンホルムとの婚約を解消する」
公爵令嬢アリシアは反論する気力もなくその場を立ち去ろうとするが…見事にすっ転び、記憶喪失になってしまう。
本当に思い出せないのよね。貴方たち、誰ですか? 元婚約者の王子? 私、婚約してたんですか?
義理の妹に取られた? 別にいいです。知ったこっちゃないので。
不遇な立場も過去も忘れてしまったので、心機一転新しい人生を歩みます!
この作品は小説家になろうでも掲載しています
屋敷のバルコニーから突き落とされて死んだはずの私、実は生きていました。犯人は伯爵。人生のドン底に突き落として社会的に抹殺します。
夜桜
恋愛
【正式タイトル】
屋敷のバルコニーから突き落とされて死んだはずの私、実は生きていました。犯人は伯爵。人生のドン底に突き落として社会的に抹殺します。
~婚約破棄ですか? 構いません!
田舎令嬢は後に憧れの公爵様に拾われ、幸せに生きるようです~
記憶がないので離縁します。今更謝られても困りますからね。
せいめ
恋愛
メイドにいじめられ、頭をぶつけた私は、前世の記憶を思い出す。前世では兄2人と取っ組み合いの喧嘩をするくらい気の強かった私が、メイドにいじめられているなんて…。どれ、やり返してやるか!まずは邸の使用人を教育しよう。その後は、顔も知らない旦那様と離婚して、平民として自由に生きていこう。
頭をぶつけて現世記憶を失ったけど、前世の記憶で逞しく生きて行く、侯爵夫人のお話。
ご都合主義です。誤字脱字お許しください。
妹がいなくなった
アズやっこ
恋愛
妹が突然家から居なくなった。
メイドが慌ててバタバタと騒いでいる。
お父様とお母様の泣き声が聞こえる。
「うるさくて寝ていられないわ」
妹は我が家の宝。
お父様とお母様は妹しか見えない。ドレスも宝石も妹にだけ買い与える。
妹を探しに出掛けたけど…。見つかるかしら?
【完結】婚約者に忘れられていた私
稲垣桜
恋愛
「やっぱり帰ってきてた」
「そのようだね。あれが問題の彼女?アシュリーの方が綺麗なのにな」
私は夜会の会場で、間違うことなく自身の婚約者が、栗毛の令嬢を愛しそうな瞳で見つめながら腰を抱き寄せて、それはそれは親しそうに見つめ合ってダンスをする姿を視線の先にとらえていた。
エスコートを申し出てくれた令息は私の横に立って、そんな冗談を口にしながら二人に視線を向けていた。
ここはベイモント侯爵家の夜会の会場。
私はとある方から国境の騎士団に所属している婚約者が『もう二か月前に帰ってきてる』という話を聞いて、ちょっとは驚いたけど「やっぱりか」と思った。
あれだけ出し続けた手紙の返事がないんだもん。そう思っても仕方ないよでしょ?
まあ、帰ってきているのはいいけど、女も一緒?
誰?
あれ?
せめて婚約者の私に『もうすぐ戻れる』とか、『もう帰ってきた』の一言ぐらいあってもいいんじゃない?
もうあなたなんてポイよポイッ。
※ゆる~い設定です。
※ご都合主義です。そんなものかと思ってください。
※視点が一話一話変わる場面もあります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる