2 / 211
1.
2.悪魔の鳥と蝙蝠の娘
しおりを挟む
この国が、五百年に及ぶ王政を廃したのは、十五年前。
自分はまだ乳児以上幼児未満だったから、よく覚えていない。
今であっても教科書でサラリと習う程の知識しかないが、革命も内戦も動乱も存在しない全くの宮廷主導よる民主化への執権移譲という、よく言えばスマートな、悪く言えば事務的なまでの政権交代であったという。
革命も動乱も無かったばかりか、王族も旧体制の誰も死なず、華やかな祭典で以て行われた王権の幕引きの異例さは、国外のマスコミには『国を挙げての催事』とまで揶揄された程だ。
驚愕と疑問と憧憬をもって報道されたのは、殆どの近代国家の革命には、混乱と少なくはない犠牲が付き物だと言う歴史があるからだ。
皇帝どころか王族の誰もが命も落とさず、亡命もせず、各々身分と住まいを変えただけに済んだと言う維新は後の時代に「王様の幸福なお引越時代」と呼ばれる事になる。
現在は迎賓館と美術館と博物館になっているかつて宮城と呼ばれた故宮があり、他にもシャトーやパレスと呼ばれるやはり指定文化財でありホテルや迎賓館としても使用されている元離宮がいくつも現存している。
孔雀は目の高さを茜に合わせて問いかけた。
「家令というのは、わかる?」
茜は小さく頷いた。
「・・・昔、お城にいた王様の召使いの人達ですよね?」
途端に金糸雀が笑い、白鷹がむっとした顔をした。
「召使い!?なんてことだろう。孔雀、お前の言うシフトされた時代は最悪よ。金糸雀、笑い事じゃないよ!」
「間違いでもないわよ。こんな便利屋。・・・そうねえ。そう。王様に仕える悪魔の鳥のことよ」
「・・・金糸雀お姉様、怖がらせないで」
め、と孔雀が金糸雀を軽く睨んでから、茜に向き直った。
「王様の近くでいろいろお仕事をするのが家令なの。他に茜ちゃんが知っていそうなのは官吏や女官という人達かしらね。彼らは今は特別国家公務員CO種・CL種という名前で各省庁に勤務しているんだけど」
「ああ、その職名。なんてひどい。本来もっと名誉のあるものよ」
またも白鷹は呆れたようだ。
「そしてね。家令というのは、皆、鳥の名前を頂くの。関係としては兄弟姉妹。だから、私達は、姉弟子妹弟子の関係」
だから、お姉様と呼ぶのか、と茜は納得した。
「女家令の産んだ子は産まれた時から家令になると決まっているのだけれど。男家令のその子供が家令になるかどうかは、自分で決めれる事ができるのよ。もちろん家令にならない者もいるけれど」
それをね、蝙蝠と言うのだけど。と笑う。
こうもり?と茜はまた戸惑った。
「蝙蝠のお話知らない?蝙蝠が、鳥には私は鳥ですよって言って仲間にしてもらって。動物には私は動物なんですよって言うの。そんな調子だから、結局最後はどっちからも仲間はずれにされちゃうの」
ああ、なんてろくでもない話なの。
女家令達がおかしそうに笑った。
茜はますます緊張して紅茶を飲んだ。
あまりにも自分から遠い話ではないか。
紅茶の甘い蜂蜜の香りが口から喉へと染み込んで心臓まで到達しそうに感じる。
何がなんだか分からない。
でも自分に何かが起きているという事だけはわかり、胸が苦しかった。
「あなたのお父樣のおじい樣は、家令だったのだけど」
金糸雀も両親を前にそんなことを言っていた。
白鷹が、じっと茜を見てから、首を振った。
「・・・鶍お兄様は、もっと美丈夫だった」
見た事も聞いた事もない父の祖父を知っているのか。この老婦人は一体何歳なのか。
「鶍お兄様は、金緑女皇帝様の総家令を務めた鶚お兄様の兄に当たる方。金緑帝様に総家令にと望まれたけれど、修文修学に身を捧げた身であるとして、総家令を固辞された程ストイックなお人柄だったわ」
感じ入ったように白鷹がつらつらと言った。
「ストイックなタイプが未亡人と駆け落ちする?」
金糸雀がからかうように笑った。
「・・・お黙り、金糸雀」
白鷹が妹弟子を睨みつけた。
金糸雀は肩をすくめてまた目の前の小さなケーキを口に放り込んだ。
見慣れない赤と白のケーキ。
孔雀がどうぞ、と皿にとってくれた。
「・・・ポン=ヌフというお菓子よ。新しい橋って意味の。これねえ、おいしいのよ。おすすめ。まあ、とにかく。・・・ええと・・・なんだったかしら・・・」
おかまいなしにマイペースで優雅な様子で焼菓子をつまんでしばらく考え込んでいた。
なんだっけ、と小さく呟く。
この人はこの人で大丈夫なんだろうかと茜は訝しんだ。
「あ、そうそう。そうなの。もし、貴女がよければ。そう、よければなんだけれど。家令になってもらえないかなあと思ったの」
はいこれ、と冊子を手渡された。
パンフレットを開いてみると、ひよこのキャラクターが、家令になるとこんないいことがあるよと吹き出し付きで宣伝している内容だった。
「福利厚生はバッチリよ。これもどうぞ」
エコバッグ、うちわ、反射材。
シルクハットを被ったニワトリが「君の活躍まってるよ」と言っているイラストが入っている。
「お前、こんなの作ったの」
白鷹が、やはりひよこがいっぱい描かれたうちわを仰いだ。
どういう仕組みなのか、煽ぐとうちわが光るのに驚いて目を眇めていた。
「だって。ほら、秋の就職ガイダンスで説明会に来てくれた若者に配ろうと思ったの。でも誰も来ないから余ってしょうがない・・・。このエコバッグのスパンコールなんて私、夜なべでつけたんですよ」
「お前、エコバッグよ?スパンコールつけたら洗えないじゃないの」
「・・・あの、なんで、私のところに来たんですか?わざわざ探すものなんですか?」
茜がそう尋ねた。
孔雀は微笑むと、お茶を注ぎ足してくれた。
「あのね、男家令の子供は家令にならない場合、蝙蝠でなくともね、それでも家令の管轄内にあるの。良くも悪くも干渉する、助けることができる。・・・あなたのおじいさまは、海外に出てしまって、いろいろあって名前も変わってしまっているし。それから子供達は家令には関わらなかったからなかなかわからなかったの。・・・苦労したわね。ごめんなさいね。おうちのことを調べたの。お父様が亡くなって、それから大変だったのね」
実の父親はあちこちに女を作り、家になど寄り付かなかった。それでも母が家計を支えていたのだが、その母がある日結婚することになったのだ。当然、再婚だと思っていたら、初婚だと言う。実の父と母は結婚していなかったのだ。
篠山という姓になったのは、母が義父と結婚し、義父の籍に入ってから。
以前は母の広瀬という姓名だった。
実父の姓など知らない。
「・・・父は生きていた方が迷惑でしたから。死んでいる方がいいくらいです」
初対面の人間に言いすぎたかと思ったが、当の女家令達は顔を見合わせて笑ったのだ。
「あの。なんでしょうか・・・」
茜は遠慮がちに尋ねた。
「家令だなあと思ったのよ。・・・でもあんたが大変だったのは事実」
金糸雀がため息をついた。
「・・・下に妹が産まれて。母も母の夫も私の扱いを持て余したのは、仕方ないと思います」
積極的にではないが、いわゆる放置に近い状態だった。
「苦労したのね・・・・」
孔雀がもう一度言った。
「・・・いえ、そんな。大変だったこともあったけれど・・・」
「大変だったのでしょ。それを苦労というのよね。気持ちがね、辛いものね」
そうか、とすとんと何故か腹に落ちた。いつも、そう、しんどかったのは、苦労していたからなのか。
「自分が大切にされなかったという体験は、とっても恥ずかしいような、腹立たしいというか、不当な気持ちよね。特に子ども時代というのは、甘やかであったと思い出せるようでなくては。・・・自分を諦めてしまうか、歪めてしまうか。でもあなたは頑張ったのね」
茜は紅茶のカップにそっと視線を落とした。
胸が苦しくなったけれど、自分の抱えていた正体不明の痛みを暴かれ、見出されて名前がついて、ほっとした。なぜか涙が出た。
その様子に孔雀がため息をついた。
「ごめんなさいね。もっと早く見つけることができたらよかったのだけど。あなたの選択がどうあれ、きっと私達助けになるから。あなたのお父様だって、もっと早く見つけられたら」
茜は首を振った。
「・・・変わりません。どうしようもないやつでした」
昨年死んだと聞いた。当たり前だと思う。生きていて、どこかで知らん顔で幸せになどなっていたら、私が殺しに行くところだと茜は言った。
それを聞いて女家令達が笑った。
「家令はね、何なのかしらねえ。どうしようもないひとが多いの。本当、仕事してなきゃただのろくでなしってひともいるし。家令が悪い鳥、と言うのはね、神話に出てくる悪魔の鳥の事をもじったものなの。群れでやって来ては毒を吐いたり畑を荒らしたり人を食い殺したりそれはそれはひどい事をしていたのですって。ステュムパーリデスの鳥と言うのよ」
茜は聞いたこともない呪文の様な鳥の名前にただ戸惑った。
自分はまだ乳児以上幼児未満だったから、よく覚えていない。
今であっても教科書でサラリと習う程の知識しかないが、革命も内戦も動乱も存在しない全くの宮廷主導よる民主化への執権移譲という、よく言えばスマートな、悪く言えば事務的なまでの政権交代であったという。
革命も動乱も無かったばかりか、王族も旧体制の誰も死なず、華やかな祭典で以て行われた王権の幕引きの異例さは、国外のマスコミには『国を挙げての催事』とまで揶揄された程だ。
驚愕と疑問と憧憬をもって報道されたのは、殆どの近代国家の革命には、混乱と少なくはない犠牲が付き物だと言う歴史があるからだ。
皇帝どころか王族の誰もが命も落とさず、亡命もせず、各々身分と住まいを変えただけに済んだと言う維新は後の時代に「王様の幸福なお引越時代」と呼ばれる事になる。
現在は迎賓館と美術館と博物館になっているかつて宮城と呼ばれた故宮があり、他にもシャトーやパレスと呼ばれるやはり指定文化財でありホテルや迎賓館としても使用されている元離宮がいくつも現存している。
孔雀は目の高さを茜に合わせて問いかけた。
「家令というのは、わかる?」
茜は小さく頷いた。
「・・・昔、お城にいた王様の召使いの人達ですよね?」
途端に金糸雀が笑い、白鷹がむっとした顔をした。
「召使い!?なんてことだろう。孔雀、お前の言うシフトされた時代は最悪よ。金糸雀、笑い事じゃないよ!」
「間違いでもないわよ。こんな便利屋。・・・そうねえ。そう。王様に仕える悪魔の鳥のことよ」
「・・・金糸雀お姉様、怖がらせないで」
め、と孔雀が金糸雀を軽く睨んでから、茜に向き直った。
「王様の近くでいろいろお仕事をするのが家令なの。他に茜ちゃんが知っていそうなのは官吏や女官という人達かしらね。彼らは今は特別国家公務員CO種・CL種という名前で各省庁に勤務しているんだけど」
「ああ、その職名。なんてひどい。本来もっと名誉のあるものよ」
またも白鷹は呆れたようだ。
「そしてね。家令というのは、皆、鳥の名前を頂くの。関係としては兄弟姉妹。だから、私達は、姉弟子妹弟子の関係」
だから、お姉様と呼ぶのか、と茜は納得した。
「女家令の産んだ子は産まれた時から家令になると決まっているのだけれど。男家令のその子供が家令になるかどうかは、自分で決めれる事ができるのよ。もちろん家令にならない者もいるけれど」
それをね、蝙蝠と言うのだけど。と笑う。
こうもり?と茜はまた戸惑った。
「蝙蝠のお話知らない?蝙蝠が、鳥には私は鳥ですよって言って仲間にしてもらって。動物には私は動物なんですよって言うの。そんな調子だから、結局最後はどっちからも仲間はずれにされちゃうの」
ああ、なんてろくでもない話なの。
女家令達がおかしそうに笑った。
茜はますます緊張して紅茶を飲んだ。
あまりにも自分から遠い話ではないか。
紅茶の甘い蜂蜜の香りが口から喉へと染み込んで心臓まで到達しそうに感じる。
何がなんだか分からない。
でも自分に何かが起きているという事だけはわかり、胸が苦しかった。
「あなたのお父樣のおじい樣は、家令だったのだけど」
金糸雀も両親を前にそんなことを言っていた。
白鷹が、じっと茜を見てから、首を振った。
「・・・鶍お兄様は、もっと美丈夫だった」
見た事も聞いた事もない父の祖父を知っているのか。この老婦人は一体何歳なのか。
「鶍お兄様は、金緑女皇帝様の総家令を務めた鶚お兄様の兄に当たる方。金緑帝様に総家令にと望まれたけれど、修文修学に身を捧げた身であるとして、総家令を固辞された程ストイックなお人柄だったわ」
感じ入ったように白鷹がつらつらと言った。
「ストイックなタイプが未亡人と駆け落ちする?」
金糸雀がからかうように笑った。
「・・・お黙り、金糸雀」
白鷹が妹弟子を睨みつけた。
金糸雀は肩をすくめてまた目の前の小さなケーキを口に放り込んだ。
見慣れない赤と白のケーキ。
孔雀がどうぞ、と皿にとってくれた。
「・・・ポン=ヌフというお菓子よ。新しい橋って意味の。これねえ、おいしいのよ。おすすめ。まあ、とにかく。・・・ええと・・・なんだったかしら・・・」
おかまいなしにマイペースで優雅な様子で焼菓子をつまんでしばらく考え込んでいた。
なんだっけ、と小さく呟く。
この人はこの人で大丈夫なんだろうかと茜は訝しんだ。
「あ、そうそう。そうなの。もし、貴女がよければ。そう、よければなんだけれど。家令になってもらえないかなあと思ったの」
はいこれ、と冊子を手渡された。
パンフレットを開いてみると、ひよこのキャラクターが、家令になるとこんないいことがあるよと吹き出し付きで宣伝している内容だった。
「福利厚生はバッチリよ。これもどうぞ」
エコバッグ、うちわ、反射材。
シルクハットを被ったニワトリが「君の活躍まってるよ」と言っているイラストが入っている。
「お前、こんなの作ったの」
白鷹が、やはりひよこがいっぱい描かれたうちわを仰いだ。
どういう仕組みなのか、煽ぐとうちわが光るのに驚いて目を眇めていた。
「だって。ほら、秋の就職ガイダンスで説明会に来てくれた若者に配ろうと思ったの。でも誰も来ないから余ってしょうがない・・・。このエコバッグのスパンコールなんて私、夜なべでつけたんですよ」
「お前、エコバッグよ?スパンコールつけたら洗えないじゃないの」
「・・・あの、なんで、私のところに来たんですか?わざわざ探すものなんですか?」
茜がそう尋ねた。
孔雀は微笑むと、お茶を注ぎ足してくれた。
「あのね、男家令の子供は家令にならない場合、蝙蝠でなくともね、それでも家令の管轄内にあるの。良くも悪くも干渉する、助けることができる。・・・あなたのおじいさまは、海外に出てしまって、いろいろあって名前も変わってしまっているし。それから子供達は家令には関わらなかったからなかなかわからなかったの。・・・苦労したわね。ごめんなさいね。おうちのことを調べたの。お父様が亡くなって、それから大変だったのね」
実の父親はあちこちに女を作り、家になど寄り付かなかった。それでも母が家計を支えていたのだが、その母がある日結婚することになったのだ。当然、再婚だと思っていたら、初婚だと言う。実の父と母は結婚していなかったのだ。
篠山という姓になったのは、母が義父と結婚し、義父の籍に入ってから。
以前は母の広瀬という姓名だった。
実父の姓など知らない。
「・・・父は生きていた方が迷惑でしたから。死んでいる方がいいくらいです」
初対面の人間に言いすぎたかと思ったが、当の女家令達は顔を見合わせて笑ったのだ。
「あの。なんでしょうか・・・」
茜は遠慮がちに尋ねた。
「家令だなあと思ったのよ。・・・でもあんたが大変だったのは事実」
金糸雀がため息をついた。
「・・・下に妹が産まれて。母も母の夫も私の扱いを持て余したのは、仕方ないと思います」
積極的にではないが、いわゆる放置に近い状態だった。
「苦労したのね・・・・」
孔雀がもう一度言った。
「・・・いえ、そんな。大変だったこともあったけれど・・・」
「大変だったのでしょ。それを苦労というのよね。気持ちがね、辛いものね」
そうか、とすとんと何故か腹に落ちた。いつも、そう、しんどかったのは、苦労していたからなのか。
「自分が大切にされなかったという体験は、とっても恥ずかしいような、腹立たしいというか、不当な気持ちよね。特に子ども時代というのは、甘やかであったと思い出せるようでなくては。・・・自分を諦めてしまうか、歪めてしまうか。でもあなたは頑張ったのね」
茜は紅茶のカップにそっと視線を落とした。
胸が苦しくなったけれど、自分の抱えていた正体不明の痛みを暴かれ、見出されて名前がついて、ほっとした。なぜか涙が出た。
その様子に孔雀がため息をついた。
「ごめんなさいね。もっと早く見つけることができたらよかったのだけど。あなたの選択がどうあれ、きっと私達助けになるから。あなたのお父様だって、もっと早く見つけられたら」
茜は首を振った。
「・・・変わりません。どうしようもないやつでした」
昨年死んだと聞いた。当たり前だと思う。生きていて、どこかで知らん顔で幸せになどなっていたら、私が殺しに行くところだと茜は言った。
それを聞いて女家令達が笑った。
「家令はね、何なのかしらねえ。どうしようもないひとが多いの。本当、仕事してなきゃただのろくでなしってひともいるし。家令が悪い鳥、と言うのはね、神話に出てくる悪魔の鳥の事をもじったものなの。群れでやって来ては毒を吐いたり畑を荒らしたり人を食い殺したりそれはそれはひどい事をしていたのですって。ステュムパーリデスの鳥と言うのよ」
茜は聞いたこともない呪文の様な鳥の名前にただ戸惑った。
2
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説
独身寮のふるさとごはん まかないさんの美味しい献立
水縞しま
ライト文芸
旧題:独身寮のまかないさん ~おいしい故郷の味こしらえます~
第7回ライト文芸大賞【料理・グルメ賞】作品です。
◇◇◇◇
飛騨高山に本社を置く株式会社ワカミヤの独身寮『杉野館』。まかない担当として働く有村千影(ありむらちかげ)は、決まった予算の中で献立を考え、食材を調達し、調理してと日々奮闘していた。そんなある日、社員のひとりが失恋して落ち込んでしまう。食欲もないらしい。千影は彼の出身地、富山の郷土料理「ほたるいかの酢味噌和え」をこしらえて励まそうとする。
仕事に追われる社員には、熱々がおいしい「味噌煮込みうどん(愛知)」。
退職しようか思い悩む社員には、じんわりと出汁が沁みる「聖護院かぶと鯛の煮物(京都)」。
他にも飛騨高山の「赤かぶ漬け」「みだらしだんご」、大阪の「モダン焼き」など、故郷の味が盛りだくさん。
おいしい故郷の味に励まされたり、癒されたり、背中を押されたりするお話です。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
高貴なる人質 〜ステュムパーリデスの鳥〜
ましら佳
キャラ文芸
皇帝の一番近くに控え、甘言を囁く宮廷の悪い鳥、またはステュムパーリデスの悪魔の鳥とも呼ばれる家令。
女皇帝と、その半身として宮廷に君臨する宮宰である総家令。
そして、その人生に深く関わった佐保姫残雪の物語です。
嵐の日、残雪が出会ったのは、若き女皇帝。
女皇帝の恋人に、そして総家令の妻に。
出会いと、世界の変化、人々の思惑。
そこから、残雪の人生は否応なく巻き込まれて行く。
※こちらは、別サイトにてステュムパーリデスの鳥というシリーズものとして執筆していた作品の独立完結したお話となります。
⌘皇帝、王族は、鉱石、宝石の名前。
⌘后妃は、花の名前。
⌘家令は、鳥の名前。
⌘女官は、上位五役は蝶の名前。
となっております。
✳︎家令は、皆、兄弟姉妹という関係であるという習慣があります。実際の兄弟姉妹でなくとも、親子関係であっても兄弟姉妹の関係性として宮廷に奉職しています。
⁂お楽しみ頂けましたら嬉しいです。
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
エリート警察官の溺愛は甘く切ない
日下奈緒
恋愛
親が警察官の紗良は、30歳にもなって独身なんてと親に責められる。
両親の勧めで、警察官とお見合いする事になったのだが、それは跡継ぎを産んで欲しいという、政略結婚で⁉
我が家の家庭内順位は姫、犬、おっさんの順の様だがおかしい俺は家主だぞそんなの絶対に認めないからそんな目で俺を見るな
ミドリ
キャラ文芸
【奨励賞受賞作品です】
少し昔の下北沢を舞台に繰り広げられるおっさんが妖の闘争に巻き込まれる現代ファンタジー。
次々と増える居候におっさんの財布はいつまで耐えられるのか。
姫様に喋る犬、白蛇にイケメンまで来てしまって部屋はもうぎゅうぎゅう。
笑いあり涙ありのほのぼの時折ドキドキ溺愛ストーリー。ただのおっさん、三種の神器を手にバトルだって体に鞭打って頑張ります。
なろう・ノベプラ・カクヨムにて掲載中
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる