天邪鬼と真正直

邪悪

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10話・思い出

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それから2人は昼飯を食うことになった

空がなんと買ってきてくれるらしい
俺は待っててと言われたのでベンチに座って
周りを見てみた

 出店が色々並んでいる。
焼き鳥、焼きそば、たこ焼き...
焼き系統しか目に入らなねぇ...とベンチに座りながら海人は考えていた。

背後から聞き慣れた聞こえてくる 
空「ほーい買ってきたよ」   

海人「ん、ありがと」
と軽く返すが
焼き鳥、焼きそばなどなど...って買いすぎだろ!
と思いながら焼き鳥に手をつける。
左横では美味しそうにたこ焼きを頬張る空がいる
まぁ...悪くは無いな

左横をチラッと見てみる
美味しそうに食ってるな...
よくもまぁそんなに楽しそうにできるんだよ...
まぁ、この後俺は今までのことでは考えてもみないことをしようとしてるから緊張して楽しくないんだがな。
いや、楽しいけど。

いつしようかな
やっぱり花火を見ながら、とかか?
そんな王道でいいのかなぁ
  
空「...なにぃもっちみめぇるも?」   
と空がたこ焼きを頬張り、こっちを見ながら言ってくる
なんて言ってんだ?こいつは。
餅なんてないぞ?
空が食い終わると、
空「おっほん、なんであなたは私を見てたんですか?なにか付いてますか?」 

あ、やばい。また無意識に見てたようだ。

海人「...そんなに食ってて幸せそうで可愛かっただけだ。気にすんな」
って俺は何言ってんだ。
あぁ、終わった。
ついに...終わってしまったんだ。
 
空「...なっ...」
と空は顔を伏せた。

怒ったなこりゃ...
でも普通顔が赤くなるくらい怒るかなぁ…

空は1口たこ焼きを手にして食うと
こっちに向いてきた。

空「罰ゲーム、口開けなさい!」
えぇぇぇ
罰ゲーム?よく分からないぞ?
顔真っ赤だし、めちゃくちゃ怒ってるじゃねぇか!

海人「な、なんで罰ゲームなんだよ...」
と海人は言う

空「は...反則技だからだよ...」
反則技?時々お前は変なことを言うよな...

空「は、はやく!開けてって...」
と急かす

空「わ、分かったよ...」
とおそるおそる口を開ける

空「め、目は閉じて...」
何でだよ!
頭おかしいのか!? 
と思いながらも閉じてしまう俺氏

海人「へいへい...」
と口を開け、目を閉じる

空「あ、あーん」

と口の中にたこ焼きを放り込む。
うん、美味いよ。
美味いんだけど、全く今の状況把握出来ない。
今、あーんってしたのか?

え?

空「何その顔ーw」ニコニコ

と笑いかける
なんだその笑顔は...吹っ飛ばすぞ

海人「な、何してんだ...お前...吹っ飛ばすぞ」  
といつも通りの言葉遣い

空「いいじゃーん、別に減るもんじゃないんだし」
といつも通りの謎理論


あ、そうだ
買ったアクセサリー、いつ渡そうか
今...じゃ早いか...
とりあえずあいつが何を買ったか聞いてみようか

海人「なぁ、今日の午前中は何買ったんだ?」

空「え、え?いやぁ、その...色々...?」
焦ってる
なにか隠してるなこいつ、丸わかりだぞ
まぁ、深追いはしないけども

海人「なるほどねぇ...」

空「...海ちゃ...海人は何買ったの?」
ん?今なんて言いかけたんだ?

海人「いや、ブラブラしてただけだ」

空「へ、へぇ...あ、出店増えてる!行こ!」
と海人の腕を引っ張る

海人「わかった!わかったから手を離せ!」









すっかり時間が経ち、日が暮れてきた。
花火大会の時間も迫ってるようだ。
今年最後の花火を見るだろう。

告白か...。
なんて言うんだろうな...。
好きです!付き合ってください!
か...
うわぁハードル高いなぁ
しかしここで外したら恥だぞ...俺!




そして花火が上がる
夜空に光が輝き、そして散る
儚いが美しい
俺の恋は儚いものにはなって欲しくはない。


空「......。」

何故か黙っている。

海人「なんか...綺麗だな...」

空「ねぇ...」
と聞いてくる

海人「...なんだ?」
と聞き返す

空「...ほんとに海ちゃん覚えてないの?」

...え?
なんの事だ?
いきなりそんな事言われても
しかも真剣な顔で。

海人「え、何の話だ?」

空「...昔、海ちゃんと花火大会見に行ったんだぁ...楽しかったよ。すっごく。」

空「海ちゃんいっつも私に叱ってばっかだったけど、考えてくれてるんだなぁって...嬉しかった。」
泣いているようだった。

空「...記憶を失ったてから丁度今日で3年目だね。私は忘れられないよ...。」

全く分からない
記憶喪失?
誰がだ?
俺が?

空「で、でもやっぱり...覚えてるわけ...ないよね...。」

掴めない
状況が。

空「...三年前のあなたは私に告白した。」

え?

空「もし...今日『海ちゃん』が覚えててくれたら3年目、だね。」

一人残される。
自分は全く分からない。

空「三年前のこの日に私達は交通事故にあったの...」
と苦笑い
な、何笑ってるんだよ。

空「あなたは...事故で記憶を失くした」

海人「私は......」

海人「...おい...。」


しばらく時間が空いた。
泣いてるように俺は見えた。

空「私は...事故で医師に余命宣告を受けた。」

...は?
その瞬間
余命宣告という言葉の意味が分からなくなっていた。







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