21 / 57
蠢く影
ゴブリン
しおりを挟む
どのくらい走っただろうか。お尻と捕まっている腕が疲れてきた頃、視界の向こう側にうっすらと民家が見えてきた。
「見えました。チフン村です!」
自然と詰まっていた息が吐き出され体から力が抜けた。
そこからはあっという間に目の前に村が広がった。
村の近くに人間とは違う緑の肌色をした人型の小規模だが群れが村へ入ろうとしていた。
「ゴブリンだ。まずい!」
「おふたりとも魔法は?!」
「属性はありますが魔力が弱くて生活に使う程度です!」
キースに自信満々に言われた。そしてブルーノも首を縦に大きく上下させた。
ブルーノお前もか……じゃなくて…
馬に乗った状態で何処までいつも通りに行けるかわからない。
上で飛んでいるネェージュをマリは見ると声を張り上げた。
「ネェージュ、村の人たちをお願い!」
マリの言葉にまつってましたとスピードを上げて先に村に入っていくと村への侵入を阻むように入り口で竜巻が起こった。
お陰でこれ以上の村への被害は逃れられそうだ。
「凍てついて!」
声を張ったマリの声が辺りに響き、ゴブリンがいる場所に氷の結晶が辺りに広がると一気に囲むように氷漬けになり大きな塊と化した。
見事に凍りついたゴブリンに向かって氷の矢を放ち砕けるようにゴブリン達は散る。
ようやく村へ辿り着くと騎士2人は素早くおりマリを降ろすと村の中へと駆けていく。
「結界を張って侵入を防ごう」
村を囲うイメージで空間魔法を使い結界張る。
これで、後から来たゴブリン達の侵入も防ぐことができるだろう。
「キャァー!!」
ブルーノとキースを追うように村の中を駆けていくと悲鳴をあげる村の女性を襲おうと棍棒を振り上げているゴブリンが視界に入ると、素早くホルダーから投擲用の短剣を取り出すと素早く投げ、頭にヒットする。
倒れたゴブリンに押されるように尻餅をついてしまった。
素早く駆け寄るとゴブリンを退かし女性を助け起こした。
「あ、ありがとうございます」
「どういたしましてーここは危険ですから避難する場所があるならそっちへ行きましょう」
ここで別れても他のゴブリンに襲われては同じことの繰り返しだ。とりあえず一緒に向かってそこに結界をもう一つ張ってしまうのが一番いいだろう。
「そ、村長の家が避難場所に…」
「他の村人の方は?」
「たぶん、そこにいるかと」
「そうですっか!!」
「……ゴガッ…?」
マリは頷くと背後に近寄ってきたゴブリンに素早く抜いた短剣でザッと急所へ攻撃すると数秒動きを止め訳がわからないという表情のまま剣を振り下げようとした状態で生命活動を止め、その場に倒れた。
「行きましょうかー」
恐怖で顔をこわばらせ、固まっている女性の手を取り転ばないよう速度を落とした速さで気配察知で人が多く集まる場所を目指しかけていく。
ちらほらまだゴブリンがいる。
それらを女性を守りながら倒しつつ目的の場所までかけていく。
「ホォー!ホォ」
村何処かでネェージュも戦っている。
賢いネェージュはマリの考えを察して行動し、それが終われば心得たようにゴブリンを駆逐している。
キンキンキンっ!!カーンッ!
マリが走っている通路の民家を挟んだ向こう側で、手合わせしている時のような、それでいてその音は練習とは違った緊張が走った練習とはまたちがう刃を合わせる音が響いた。
「やっぱり上位種がいるのねー!」
足がもつれ始めた女性を支えながら村の中を駆ける。家と家の間の細い道から杖を持ったゴブリンメイジが現れマリに気づくと魔法を使おうと何かを唱え、周りに火の粉のようなものが集まる。
「っと…!この場合魔法より、武器の方が断然速い!」
ぐっと足を踏み入れ間合いを縮ませゴブリンメイジが息を呑んだように喉を引き攣らせ、後ろを下がるがマリは容赦なく攻撃を仕掛け倒す。
振り返り女性の元へ戻りながら素早く右に短剣を投げ隠れてこちらの様子を伺い奇襲をかけようとしていた。別個体の同種のゴブリンも倒す。
「はあっどんだけ、いるの………」
ため息をついたマリに困ったように首を傾げた。
女性に向かって言った言葉にないが肩をすくめ目的の場所へとまた足出すと目的の場所はすぐ見えた。
「氷よ悪しきものを弾く守りとなれ」
氷柱が村長の家を囲うように出現させ、その内側から結構を張る。
強い魔力を持つマリの氷は溶けるまで時間がかかる。
何より氷漬けにされた場合、その物体に攻撃するとそこを起点に中の物や人は砕けてしまう。
その原理を利用するため、水が得意と言いつつも氷魔法を使うことが多くなった。
無事結界を貼り終わらせると気配察知を使い村中に散らばるゴブリンたちを排除していった
「見えました。チフン村です!」
自然と詰まっていた息が吐き出され体から力が抜けた。
そこからはあっという間に目の前に村が広がった。
村の近くに人間とは違う緑の肌色をした人型の小規模だが群れが村へ入ろうとしていた。
「ゴブリンだ。まずい!」
「おふたりとも魔法は?!」
「属性はありますが魔力が弱くて生活に使う程度です!」
キースに自信満々に言われた。そしてブルーノも首を縦に大きく上下させた。
ブルーノお前もか……じゃなくて…
馬に乗った状態で何処までいつも通りに行けるかわからない。
上で飛んでいるネェージュをマリは見ると声を張り上げた。
「ネェージュ、村の人たちをお願い!」
マリの言葉にまつってましたとスピードを上げて先に村に入っていくと村への侵入を阻むように入り口で竜巻が起こった。
お陰でこれ以上の村への被害は逃れられそうだ。
「凍てついて!」
声を張ったマリの声が辺りに響き、ゴブリンがいる場所に氷の結晶が辺りに広がると一気に囲むように氷漬けになり大きな塊と化した。
見事に凍りついたゴブリンに向かって氷の矢を放ち砕けるようにゴブリン達は散る。
ようやく村へ辿り着くと騎士2人は素早くおりマリを降ろすと村の中へと駆けていく。
「結界を張って侵入を防ごう」
村を囲うイメージで空間魔法を使い結界張る。
これで、後から来たゴブリン達の侵入も防ぐことができるだろう。
「キャァー!!」
ブルーノとキースを追うように村の中を駆けていくと悲鳴をあげる村の女性を襲おうと棍棒を振り上げているゴブリンが視界に入ると、素早くホルダーから投擲用の短剣を取り出すと素早く投げ、頭にヒットする。
倒れたゴブリンに押されるように尻餅をついてしまった。
素早く駆け寄るとゴブリンを退かし女性を助け起こした。
「あ、ありがとうございます」
「どういたしましてーここは危険ですから避難する場所があるならそっちへ行きましょう」
ここで別れても他のゴブリンに襲われては同じことの繰り返しだ。とりあえず一緒に向かってそこに結界をもう一つ張ってしまうのが一番いいだろう。
「そ、村長の家が避難場所に…」
「他の村人の方は?」
「たぶん、そこにいるかと」
「そうですっか!!」
「……ゴガッ…?」
マリは頷くと背後に近寄ってきたゴブリンに素早く抜いた短剣でザッと急所へ攻撃すると数秒動きを止め訳がわからないという表情のまま剣を振り下げようとした状態で生命活動を止め、その場に倒れた。
「行きましょうかー」
恐怖で顔をこわばらせ、固まっている女性の手を取り転ばないよう速度を落とした速さで気配察知で人が多く集まる場所を目指しかけていく。
ちらほらまだゴブリンがいる。
それらを女性を守りながら倒しつつ目的の場所までかけていく。
「ホォー!ホォ」
村何処かでネェージュも戦っている。
賢いネェージュはマリの考えを察して行動し、それが終われば心得たようにゴブリンを駆逐している。
キンキンキンっ!!カーンッ!
マリが走っている通路の民家を挟んだ向こう側で、手合わせしている時のような、それでいてその音は練習とは違った緊張が走った練習とはまたちがう刃を合わせる音が響いた。
「やっぱり上位種がいるのねー!」
足がもつれ始めた女性を支えながら村の中を駆ける。家と家の間の細い道から杖を持ったゴブリンメイジが現れマリに気づくと魔法を使おうと何かを唱え、周りに火の粉のようなものが集まる。
「っと…!この場合魔法より、武器の方が断然速い!」
ぐっと足を踏み入れ間合いを縮ませゴブリンメイジが息を呑んだように喉を引き攣らせ、後ろを下がるがマリは容赦なく攻撃を仕掛け倒す。
振り返り女性の元へ戻りながら素早く右に短剣を投げ隠れてこちらの様子を伺い奇襲をかけようとしていた。別個体の同種のゴブリンも倒す。
「はあっどんだけ、いるの………」
ため息をついたマリに困ったように首を傾げた。
女性に向かって言った言葉にないが肩をすくめ目的の場所へとまた足出すと目的の場所はすぐ見えた。
「氷よ悪しきものを弾く守りとなれ」
氷柱が村長の家を囲うように出現させ、その内側から結構を張る。
強い魔力を持つマリの氷は溶けるまで時間がかかる。
何より氷漬けにされた場合、その物体に攻撃するとそこを起点に中の物や人は砕けてしまう。
その原理を利用するため、水が得意と言いつつも氷魔法を使うことが多くなった。
無事結界を貼り終わらせると気配察知を使い村中に散らばるゴブリンたちを排除していった
41
お気に入りに追加
239
あなたにおすすめの小説
知らない異世界を生き抜く方法
明日葉
ファンタジー
異世界転生、とか、異世界召喚、とか。そんなジャンルの小説や漫画は好きで読んでいたけれど。よく元ネタになるようなゲームはやったことがない。
なんの情報もない異世界で、当然自分の立ち位置もわからなければ立ち回りもわからない。
そんな状況で生き抜く方法は?
【完結】前世の不幸は神様のミスでした?異世界転生、条件通りなうえチート能力で幸せです
yun.
ファンタジー
~タイトル変更しました~
旧タイトルに、もどしました。
日本に生まれ、直後に捨てられた。養護施設に暮らし、中学卒業後働く。
まともな職もなく、日雇いでしのぐ毎日。
劣悪な環境。上司にののしられ、仲のいい友人はいない。
日々の衣食住にも困る。
幸せ?生まれてこのかた一度もない。
ついに、死んだ。現場で鉄パイプの下敷きに・・・
目覚めると、真っ白な世界。
目の前には神々しい人。
地球の神がサボった?だから幸せが1度もなかったと・・・
短編→長編に変更しました。
R4.6.20 完結しました。
長らくお読みいただき、ありがとうございました。
異世界母さん〜母は最強(つよし)!肝っ玉母さんの異世界で世直し無双する〜
トンコツマンビックボディ
ファンタジー
馬場香澄49歳 専業主婦
ある日、香澄は買い物をしようと町まで出向いたんだが
突然現れた暴走トラック(高齢者ドライバー)から子供を助けようとして
子供の身代わりに車にはねられてしまう
隠密スキルでコレクター道まっしぐら
たまき 藍
ファンタジー
没落寸前の貴族に生まれた少女は、世にも珍しい”見抜く眼”を持っていた。
その希少性から隠し、閉じ込められて5つまで育つが、いよいよ家計が苦しくなり、人買いに売られてしまう。
しかし道中、隊商は強力な魔物に襲われ壊滅。少女だけが生き残った。
奇しくも自由を手にした少女は、姿を隠すため、魔物はびこる森へと駆け出した。
これはそんな彼女が森に入って10年後、サバイバル生活の中で隠密スキルを極め、立派な素材コレクターに成長してからのお話。
神々の仲間入りしました。
ラキレスト
ファンタジー
日本の一般家庭に生まれ平凡に暮らしていた神田えいみ。これからも普通に平凡に暮らしていくと思っていたが、突然巻き込まれたトラブルによって世界は一変する。そこから始まる物語。
「私の娘として生まれ変わりませんか?」
「………、はいぃ!?」
女神の娘になり、兄弟姉妹達、周りの神達に溺愛されながら一人前の神になるべく学び、成長していく。
(ご都合主義展開が多々あります……それでも良ければ読んで下さい)
カクヨム様、小説家になろう様にも投稿しています。
異世界リナトリオン〜平凡な田舎娘だと思った私、実は転生者でした?!〜
青山喜太
ファンタジー
ある日、母が死んだ
孤独に暮らす少女、エイダは今日も1人分の食器を片付ける、1人で食べる朝食も慣れたものだ。
そしてそれは母が死んでからいつもと変わらない日常だった、ドアがノックされるその時までは。
これは1人の少女が世界を巻き込む巨大な秘密に立ち向かうお話。
小説家になろう様からの転載です!
みんなで転生〜チートな従魔と普通の私でほのぼの異世界生活〜
ノデミチ
ファンタジー
西門 愛衣楽、19歳。花の短大生。
年明けの誕生日も近いのに、未だ就活中。
そんな彼女の癒しは3匹のペット達。
シベリアンハスキーのコロ。
カナリアのカナ。
キバラガメのキィ。
犬と小鳥は、元は父のペットだったけど、母が出て行ってから父は変わってしまった…。
ペットの世話もせず、それどころか働く意欲も失い酒に溺れて…。
挙句に無理心中しようとして家に火を付けて焼け死んで。
アイラもペット達も焼け死んでしまう。
それを不憫に思った異世界の神が、自らの世界へ招き入れる。せっかくだからとペット達も一緒に。
何故かペット達がチートな力を持って…。
アイラは只の幼女になって…。
そんな彼女達のほのぼの異世界生活。
テイマー物 第3弾。
カクヨムでも公開中。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる