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蠢く影
村へ
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南の門に大急ぎで向かうと既に騎士2人がいた。
「お待たせしました。キースさん……と…」
ソニアの説明に加わっていた騎士の名前を知らないことに気が付き言葉に詰まらせたマリはタチクリと瞬いた。
「申し遅れました。ブルーノ・オルグレンと申します。こちらはキース・オルグレン,私とキースは兄と弟になります」
2人は目元が似ていて優しげな細アーモンドの透明感のあるブルーラベンダーの瞳。鼻と口が微妙に形が違う。髪の色もブルーノは金髪な襟足は長いが短く切られている。キースは銀髪で、マリのように左へ流すように結んでいた。
「どうそ、私たちのことはブルーノ、キースとお呼びください」
2人とも兄弟のため家名は同じな為、家名では呼びずらい。
「わかりました。よろしくお願いします」
2人にペコっと頭を下げると、キースは黄緑色の怪我や体力回復ポーションと青色をした魔力回復ポーションを6本ずつ渡して、アイテムカバンに入れるのを確認して背の高い彼は腰をかがめた。
「少々失礼致します」
マリの返事はないが断りを入れたキースは腰と膝裏に手を増しフワッと持ち上げるとマリを用意していた馬に乗せた。
「この子に跨って倉を掴んでいてください」
マリの手を誘導するように鞍に手を持っていくと掴んだのを確認しマリが掴んでいない鞍の部分を持つとぐっとマリの後ろに後ろに乗る。
「っ…びっくりしたー」
バクバクと慌ただしく動く心臓を落ち着かせながら周りを見るといつもみている風景とだいぶ高さが違い体がこわばった。
視界の淵でブルーノも馬に乗っていて静かにこちらに近づいてきた。
「すみません。かなりスピードが出ますが、キースがしっかり支えているので頑張ってください」
「怖かったら腕や鞍にすがって構いませんからね」
「あっはいー!」
「ホー!」
バサバサと聞こえる羽根の音が緊張と恐怖で遠のいていく。
強張った声を出したマリ。ぎゅっと鞍を掴んでいるとキースの片腕が腰に回ってきたのを感じた頃には視界が揺れぐんぐんと進んでいく。
「っう!」
ネェージュに乗って飛んでいる時もスピードがあったが揺れが少なく落とされるという恐怖があまりなかった。
そもそもマリはジェットコースターが苦手である。馬に乗っている感覚がそれに似ていて更に体が強張る。ネェージュに乗っている時も本来なら怖いはずだが女神が何かしたのか怖さがない。
あまりの速さにぎゅっと目を瞑り自然と手がキースの腕にすがるように掴んむとキースの腕に力が入れられた。
ネェージュもマリが怯えているのでいつもは高く飛んでいるが視界に入る高さで飛んでいた。
「マリさん大丈夫なので、目を開けましょう。そうすると、少しは怖くないですよ」
隣で並走するように走っていたブルーノがマリの耳に聞こえるように大きく話す。
「ううっ……」
キツく瞑った瞼の力を徐々に抜き目を開けるが、背中にゾワリとした言葉で言い表せないものが走ったが、堪え忍びぐっと流れる景色を見る。
「ゆっくり息を吐いて、体の力をきましょう」
頭の梅からブルーノの声とは違う低い落ち着いた声が降りてきた。
ふぅーと力を抜き指の力を和らげると血が堰き止められたのか血液が巡る感覚が伝わってきた。
「そう、上手です。このまま止まらずこの速さで、一気に村まで行きます」
そう告げられたマリはやっとの思いで頷き、馬のかけるスピードで砂埃が舞う。
ドッドっドッと道を走り抜けていく。
初めての乗馬はマリにとっては災厄とも言えるスピードでもうしばらく乗りたくないと思いながらも早く着かないかと前方に目を凝らした。、
「お待たせしました。キースさん……と…」
ソニアの説明に加わっていた騎士の名前を知らないことに気が付き言葉に詰まらせたマリはタチクリと瞬いた。
「申し遅れました。ブルーノ・オルグレンと申します。こちらはキース・オルグレン,私とキースは兄と弟になります」
2人は目元が似ていて優しげな細アーモンドの透明感のあるブルーラベンダーの瞳。鼻と口が微妙に形が違う。髪の色もブルーノは金髪な襟足は長いが短く切られている。キースは銀髪で、マリのように左へ流すように結んでいた。
「どうそ、私たちのことはブルーノ、キースとお呼びください」
2人とも兄弟のため家名は同じな為、家名では呼びずらい。
「わかりました。よろしくお願いします」
2人にペコっと頭を下げると、キースは黄緑色の怪我や体力回復ポーションと青色をした魔力回復ポーションを6本ずつ渡して、アイテムカバンに入れるのを確認して背の高い彼は腰をかがめた。
「少々失礼致します」
マリの返事はないが断りを入れたキースは腰と膝裏に手を増しフワッと持ち上げるとマリを用意していた馬に乗せた。
「この子に跨って倉を掴んでいてください」
マリの手を誘導するように鞍に手を持っていくと掴んだのを確認しマリが掴んでいない鞍の部分を持つとぐっとマリの後ろに後ろに乗る。
「っ…びっくりしたー」
バクバクと慌ただしく動く心臓を落ち着かせながら周りを見るといつもみている風景とだいぶ高さが違い体がこわばった。
視界の淵でブルーノも馬に乗っていて静かにこちらに近づいてきた。
「すみません。かなりスピードが出ますが、キースがしっかり支えているので頑張ってください」
「怖かったら腕や鞍にすがって構いませんからね」
「あっはいー!」
「ホー!」
バサバサと聞こえる羽根の音が緊張と恐怖で遠のいていく。
強張った声を出したマリ。ぎゅっと鞍を掴んでいるとキースの片腕が腰に回ってきたのを感じた頃には視界が揺れぐんぐんと進んでいく。
「っう!」
ネェージュに乗って飛んでいる時もスピードがあったが揺れが少なく落とされるという恐怖があまりなかった。
そもそもマリはジェットコースターが苦手である。馬に乗っている感覚がそれに似ていて更に体が強張る。ネェージュに乗っている時も本来なら怖いはずだが女神が何かしたのか怖さがない。
あまりの速さにぎゅっと目を瞑り自然と手がキースの腕にすがるように掴んむとキースの腕に力が入れられた。
ネェージュもマリが怯えているのでいつもは高く飛んでいるが視界に入る高さで飛んでいた。
「マリさん大丈夫なので、目を開けましょう。そうすると、少しは怖くないですよ」
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「ううっ……」
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ドッドっドッと道を走り抜けていく。
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