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転生 始まりの街
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少しして店主がやってきた。手には凹凸がある丸い物体がいくつも持たれていた。
「これは虹光鋼だ。これは魔法媒体にもなる石が含まれている。魔法媒体にも相性がある。一度魔力を通してくれ」
そう言われ魔力を通して見ると何も反応がなく、首を傾げつつ次々と起きていると、反応を示したものがあった。
銀色から水色を帯びた色に変わった。
「お嬢さんは水や氷に属性あるのか」
「はい、そうですね」
ニコリと笑った店主は腕まくりをしてずいっと顔を近づけた。
「魔法が強いやつで武器を使う奴なんてそういない。最高のものを打ってやる。デザインはどういうものが好きだ」
「蔦や小さい花が好きです」
「じゃあ、そういうのにしとくな。柄も幾つか握ってしっくりしたものを教えてくれ」
渡されたものを次々試し、細めのものがしっくりきた。
それを前に出す。
「じゃあ、それな」
今急ぎでやっているものがない為。夕方までには仕上げてくれるそうなので、一旦魔法具屋に行くことにした。2人は武器屋を後にする
4軒隣の店へと入って行った。
外見を見ても看板はなくマリは驚きながらモーガンの後を追う。
「兄さんいる?」
「あ?またお前か。今度は何のようだ」
「この間マジックアイテムが必要なだった子連れれてきたぜ」
「あん?あー魔力を隠蔽しなきゃいけないほどの子か」
「こんにちは」
どうやら顔見知りらしい店主とモーガンは話を進められどうしようか悩んでいるとモーガンの後ろをのぞいた為、顔を出し挨拶をしたが、柄が悪そうですぐに引っ込めた。
「お?アンタが左につけてる腕輪温度調整できるやつか?」
どうやらめざとくマジックアイテムを見つけたようだ。
「はい、母からもらいました」
「へぇーお前の母ちゃん結構金持ちか?」
「さあ?よく知りません。あまり多くは話す人ではなかったですから」
今のマリには母親という人物はいない。下手に話して探られても面倒だと多くは知らないし、自分のことは話す人ではないことにした。
「あの、お二人はお知り合いですか?」
「ああ、ここの店主が長男で俺が次男、ちなみにアーロン.イクス、俺の順番で生まれたな」
「魔法具屋の店主アーロンだ。弟が迷惑をかけると思うがこれからもよろしく」
「マリです。素敵なマジックアイテムをありがとうございました」
この店は、ある一定の人たちの紹介がないと見つけることも入ることもないという。アーロンは魔法具界隈では有名だそうだ。
「魔力の強いマリさんに一般向きのマジックアイテムじゃ、無理だと思ってな」
アーロンに頼まれて腕輪を外してみたが、近くにいた野良猫は血相を変えて逃げアーロン自身も数歩下がるほどだった。
「なるほどな、普通に多い人向けより強めじゃないと無理なわけだ。モーガンが最初っからウチで購入した理由がわかった気がするぞ」
「並みの職人者つけた瞬間割れる」
「何か違うんですか?」
「秘密。それで?顔見せにきた訳でもないだろ?」
人差し指で口に手をやったアーロンは硬めをつぶってからモーガンに視線を流した。その姿はどこかイクスさんに似ていた。3人とも似ていないとは言わないが仕草が似ている。
「ああ、マリさんの武器一体型の短剣を作りにな」
「ほう?彼女ならどのパーティにでも引っ張りだこだろうに」
「残念ながらマリさんは働く時間も量も他人に合わせず自由に生きたい人なんでね。誰かに合わせて行動するパーティなんてものに入ったら、ストレスで魔力漏れだな」
「なるほどな。武器屋で作ったものを最終調整して欲しいってわけか」
「ああ、おっちゃんのところでマリさんの魔力と相性がいい魔力媒体石が入った虹光鋼で作ってくれてる。夕方までにはって話しだな」
「セリックの旦那、マリさんに気に入ったか」
どうやら武器屋の店主はセリックというらしい。看板にも名前があったなとマリは思ったが気に入られたということはどういうことだろう。
「気に入ったとは?」
「ああ、あの旦那は普通の客にはその人が希望しない限りすでに出来上がってるものを見せる。だけど、球鋼を見せてそこから作ると言うことは相当気に入ったらしい」
ただサブで使うものは基本は出来たものと決めているらしく。その分値段はつくので、客自身もこだわりがなければ作ってあるものを選ぶらしい。
「まあ、俺も気に入ったけどな。マジックアイテムで欲しいものや作って欲しいものがあれば、言ってくれらば用意する。君の場合、下手な作りだとお金がいくらあっても足りない」
ちらっとモーガンを見ると頷かれた。どうやら一般向けの防具屋や魔道具ではないがマリ向けということ紹介してくれたらしい。
武器屋に関しても、専門店といったところだった。
とりあえずの顔合わせは済んだということで、金融ギルドに向かうことにした。
こちらの世界でも、午後3時には営業は を終了してしまうという。
お昼近くになり人が多い大通りを進み、中通りを南に進むとグレー色の壁の大きな建物博物館のような外見をした建物に入ると、受付嬢に木板を貰い、椅子に腰掛ける。
木板を見ると47と書かれていた。
モーガンからどこの店が美味しい。世間に流れている噂や話題の話を知りたいなら、マリーヌいうカフェに行けば女性たちの会話から聞けるというような裏話を教えてもらいながら呼ばれるのを待っているとマリの順番がやってきて、片眼鏡をしたいかにも真面目という感じの銀髪の長髪の男性が担当らしい。
「彼女の新規の金庫登録したい」
「かしこまりました。貴方は保証人ですか」
「ああ」
「ではそれぞれこちらの書類にご記入お願いします」
後ろの引き出しから2枚の紙をまりたちに差し出すとペンを二つ机の上に置いた。
新規登録金庫とカード申請と保証人証明書のようだ。
二つとも内容的には変わりなかった。
名前と年齢、職業と年間予想収入を記入していくモーガンに年間予想年収をどうするかと聞けば、不確定と記入すればいいと担当者から言われその通り書き。渡すと身分証明としてギルドカードを提示すると目を見開かれた。
毎度おなじみの水晶版は魔力を流すと、ガラスでできた棒付きの鍵が渡されたが渡された。
ホテルの鍵についているものとよく似てる。なんて言うか知らないけどねー
鍵は一つ一つ形が違うようで、魔力を通さないと開かない仕組みらしい。
保証人はもし、金庫の持ち主が犯罪や何か撒き込まれてしまって鍵の所有が不可、虹の橋を渡った場合の受取人。不正利用された場合の本人確認などの役割がある。
「登録は以上です。お疲れ様でした」
2人は立ち上がると武器屋へ足を運ぶ。夕方と言われていたがセリックの性格だと早めに終わると言うことだ。だからといって手を抜いてつくっまたわけではない。
「何というか、すぐ終わりましたねー」
「渡すものの形型構うだけで。やっていることは冒険者ギルドや門と変わらないからな」
「なるほどー」
保証人がいるということは審査などが必要だと思っていたが待っている時間の方が長かった。
アーロンの魔道具やに差し掛かったところで武器屋の店主セリックと鉢合わせた。
「おお、いい時に戻ってきたな」
「もう、出来たんですね」
マリの頭の中では1週間かかるとき思っていた。1日で出来上がると聞いて耳を疑ってモーガンを見たほどだ。
単に私の一点集中した結果だとわねー。たい焼きの養殖と天然みたいにー
普段は大量の同じ形のいわゆる既製品を作る為、同じ工程を繰り返して何十本も同じ日に完成させるそうだ。出来た分だけやるというやり方ぢ
特注品を作る場合、工程日を考えずその一本を作るために集中する為、早くできあがる。というよりそれしかやらない。
「ああ、俺の中ではかなりいい出来の。自信作だ」
布に包まれた短剣をポンとたたきアーロンの店を見る。
「全く商売やる気あるのかないのかわからないな。いつきても」
「売るより作る方が好きだからな兄さんは」
「ま、それが職人というものだな」
セリックとモーガンが話しながら店内に入っていくのを眺めてフッと息を吐いたマリは遅れて店内へ入る。
「なんだ、やけに早く出来たな」
「早く出来たからって手は抜いてねーぞ」
アーロンの軽口に、真面目に答えたセリックにモーガンは吹き出し、睨まれていた。
「さて、微調整に入りますかってね」
短剣を受け取ったアーロンは丁寧に布を取り払い短剣をテーブルの上に置くと手を翳すと短剣が光り出した。
「しっかし、いつ見ても何やってるかわからないな」
「理解できたら頭パンクするぜ」
2人は首を振りながらやれやれと言った感じで静かに眺めていた。
魔法媒体石に円滑に魔力を巡らせるための道を作っているという。作らなくても発動には問題ないが、暴走や破損といったものをさらに抑えるためのものだしい。
血の循環で体があったまるというような感じで循環させて一箇所にとどまらないようにしている。
「んでだ。他に欲しいものあるか?」
「投擲用のナイフのような物が欲しいです」
「じゃあ、もってくる、幾つだ?」
「出来るだけたくさん」
頷いたセリックは店に戻って行った。
しばらくして戻ってくるとペンチのようなものとベルトの紐とポーチが二つ。
「投擲用のナイフを16本」
短剣とカトラリーによく見る形状のナイフを1本ずつ見せてくれた。
「投擲用といえばこの二つが支流だ。東の国ではクナイとかいうやつとかあるとは聞くが」
「いえ、2種類助かります。今まで石でやってましたから」
投擲の練習や実践では石ころを使ってやっていたがスキルの数字も後半に差し掛かったため、少しでも攻撃パターンを増やすために専用武器を買うことにした。
的確に急所に当たれば短剣で斬りかかるよりも断然リスクも減るし、普段から使っていれば万が一の時に使える。
「ああ、だと思って二種類用意した。持ち運んでいるようには思えなかった。普段使ってるベルトに金具をつけてそこにこのベルトをつけようか」
二重にはなるが装着するには一回で済むように輪っかを取り付けそれを穴が開けてある場所でフックで止めて投擲用のポーチがずれないようになるように取り付けてくれた。左右一つずつ腰にポーチがつく。右はアイテムカバンがあるためどうしても二つになるが重さ的には大差ない。
「よし、出来た!」
アーロンのからそんな声が聞こえた。
「一度魔法を使ってみてくれ腰に下げてるだけでも、作用するようにしたが」
短剣を持ち空中にシャボン玉のように浮かぶ球を浮かべた
「水球」
五つの水の球が浮かびたコロコロと空中を自由に転がると店に置かれていたたらいにバシャリと弾けた。
「前より発動がしやすい」
「ならよかったぜ」
「切れ味も使いやすさも保証する。何かあれば相談してくれ。新しく見繕う。あと手入れもやるから面倒だったり、苦手だったりするなら持ってこい」
「ありがとうございます」
モーガンを通して出会った人は人情が厚いらしい。自由で気ままに生きて少しめんどくさ狩りのマリにはありがたい。
代金は金貨4枚と銀貨23枚をセリックに金貨2枚と銅貨12枚をアーロンに払った。
「これは虹光鋼だ。これは魔法媒体にもなる石が含まれている。魔法媒体にも相性がある。一度魔力を通してくれ」
そう言われ魔力を通して見ると何も反応がなく、首を傾げつつ次々と起きていると、反応を示したものがあった。
銀色から水色を帯びた色に変わった。
「お嬢さんは水や氷に属性あるのか」
「はい、そうですね」
ニコリと笑った店主は腕まくりをしてずいっと顔を近づけた。
「魔法が強いやつで武器を使う奴なんてそういない。最高のものを打ってやる。デザインはどういうものが好きだ」
「蔦や小さい花が好きです」
「じゃあ、そういうのにしとくな。柄も幾つか握ってしっくりしたものを教えてくれ」
渡されたものを次々試し、細めのものがしっくりきた。
それを前に出す。
「じゃあ、それな」
今急ぎでやっているものがない為。夕方までには仕上げてくれるそうなので、一旦魔法具屋に行くことにした。2人は武器屋を後にする
4軒隣の店へと入って行った。
外見を見ても看板はなくマリは驚きながらモーガンの後を追う。
「兄さんいる?」
「あ?またお前か。今度は何のようだ」
「この間マジックアイテムが必要なだった子連れれてきたぜ」
「あん?あー魔力を隠蔽しなきゃいけないほどの子か」
「こんにちは」
どうやら顔見知りらしい店主とモーガンは話を進められどうしようか悩んでいるとモーガンの後ろをのぞいた為、顔を出し挨拶をしたが、柄が悪そうですぐに引っ込めた。
「お?アンタが左につけてる腕輪温度調整できるやつか?」
どうやらめざとくマジックアイテムを見つけたようだ。
「はい、母からもらいました」
「へぇーお前の母ちゃん結構金持ちか?」
「さあ?よく知りません。あまり多くは話す人ではなかったですから」
今のマリには母親という人物はいない。下手に話して探られても面倒だと多くは知らないし、自分のことは話す人ではないことにした。
「あの、お二人はお知り合いですか?」
「ああ、ここの店主が長男で俺が次男、ちなみにアーロン.イクス、俺の順番で生まれたな」
「魔法具屋の店主アーロンだ。弟が迷惑をかけると思うがこれからもよろしく」
「マリです。素敵なマジックアイテムをありがとうございました」
この店は、ある一定の人たちの紹介がないと見つけることも入ることもないという。アーロンは魔法具界隈では有名だそうだ。
「魔力の強いマリさんに一般向きのマジックアイテムじゃ、無理だと思ってな」
アーロンに頼まれて腕輪を外してみたが、近くにいた野良猫は血相を変えて逃げアーロン自身も数歩下がるほどだった。
「なるほどな、普通に多い人向けより強めじゃないと無理なわけだ。モーガンが最初っからウチで購入した理由がわかった気がするぞ」
「並みの職人者つけた瞬間割れる」
「何か違うんですか?」
「秘密。それで?顔見せにきた訳でもないだろ?」
人差し指で口に手をやったアーロンは硬めをつぶってからモーガンに視線を流した。その姿はどこかイクスさんに似ていた。3人とも似ていないとは言わないが仕草が似ている。
「ああ、マリさんの武器一体型の短剣を作りにな」
「ほう?彼女ならどのパーティにでも引っ張りだこだろうに」
「残念ながらマリさんは働く時間も量も他人に合わせず自由に生きたい人なんでね。誰かに合わせて行動するパーティなんてものに入ったら、ストレスで魔力漏れだな」
「なるほどな。武器屋で作ったものを最終調整して欲しいってわけか」
「ああ、おっちゃんのところでマリさんの魔力と相性がいい魔力媒体石が入った虹光鋼で作ってくれてる。夕方までにはって話しだな」
「セリックの旦那、マリさんに気に入ったか」
どうやら武器屋の店主はセリックというらしい。看板にも名前があったなとマリは思ったが気に入られたということはどういうことだろう。
「気に入ったとは?」
「ああ、あの旦那は普通の客にはその人が希望しない限りすでに出来上がってるものを見せる。だけど、球鋼を見せてそこから作ると言うことは相当気に入ったらしい」
ただサブで使うものは基本は出来たものと決めているらしく。その分値段はつくので、客自身もこだわりがなければ作ってあるものを選ぶらしい。
「まあ、俺も気に入ったけどな。マジックアイテムで欲しいものや作って欲しいものがあれば、言ってくれらば用意する。君の場合、下手な作りだとお金がいくらあっても足りない」
ちらっとモーガンを見ると頷かれた。どうやら一般向けの防具屋や魔道具ではないがマリ向けということ紹介してくれたらしい。
武器屋に関しても、専門店といったところだった。
とりあえずの顔合わせは済んだということで、金融ギルドに向かうことにした。
こちらの世界でも、午後3時には営業は を終了してしまうという。
お昼近くになり人が多い大通りを進み、中通りを南に進むとグレー色の壁の大きな建物博物館のような外見をした建物に入ると、受付嬢に木板を貰い、椅子に腰掛ける。
木板を見ると47と書かれていた。
モーガンからどこの店が美味しい。世間に流れている噂や話題の話を知りたいなら、マリーヌいうカフェに行けば女性たちの会話から聞けるというような裏話を教えてもらいながら呼ばれるのを待っているとマリの順番がやってきて、片眼鏡をしたいかにも真面目という感じの銀髪の長髪の男性が担当らしい。
「彼女の新規の金庫登録したい」
「かしこまりました。貴方は保証人ですか」
「ああ」
「ではそれぞれこちらの書類にご記入お願いします」
後ろの引き出しから2枚の紙をまりたちに差し出すとペンを二つ机の上に置いた。
新規登録金庫とカード申請と保証人証明書のようだ。
二つとも内容的には変わりなかった。
名前と年齢、職業と年間予想収入を記入していくモーガンに年間予想年収をどうするかと聞けば、不確定と記入すればいいと担当者から言われその通り書き。渡すと身分証明としてギルドカードを提示すると目を見開かれた。
毎度おなじみの水晶版は魔力を流すと、ガラスでできた棒付きの鍵が渡されたが渡された。
ホテルの鍵についているものとよく似てる。なんて言うか知らないけどねー
鍵は一つ一つ形が違うようで、魔力を通さないと開かない仕組みらしい。
保証人はもし、金庫の持ち主が犯罪や何か撒き込まれてしまって鍵の所有が不可、虹の橋を渡った場合の受取人。不正利用された場合の本人確認などの役割がある。
「登録は以上です。お疲れ様でした」
2人は立ち上がると武器屋へ足を運ぶ。夕方と言われていたがセリックの性格だと早めに終わると言うことだ。だからといって手を抜いてつくっまたわけではない。
「何というか、すぐ終わりましたねー」
「渡すものの形型構うだけで。やっていることは冒険者ギルドや門と変わらないからな」
「なるほどー」
保証人がいるということは審査などが必要だと思っていたが待っている時間の方が長かった。
アーロンの魔道具やに差し掛かったところで武器屋の店主セリックと鉢合わせた。
「おお、いい時に戻ってきたな」
「もう、出来たんですね」
マリの頭の中では1週間かかるとき思っていた。1日で出来上がると聞いて耳を疑ってモーガンを見たほどだ。
単に私の一点集中した結果だとわねー。たい焼きの養殖と天然みたいにー
普段は大量の同じ形のいわゆる既製品を作る為、同じ工程を繰り返して何十本も同じ日に完成させるそうだ。出来た分だけやるというやり方ぢ
特注品を作る場合、工程日を考えずその一本を作るために集中する為、早くできあがる。というよりそれしかやらない。
「ああ、俺の中ではかなりいい出来の。自信作だ」
布に包まれた短剣をポンとたたきアーロンの店を見る。
「全く商売やる気あるのかないのかわからないな。いつきても」
「売るより作る方が好きだからな兄さんは」
「ま、それが職人というものだな」
セリックとモーガンが話しながら店内に入っていくのを眺めてフッと息を吐いたマリは遅れて店内へ入る。
「なんだ、やけに早く出来たな」
「早く出来たからって手は抜いてねーぞ」
アーロンの軽口に、真面目に答えたセリックにモーガンは吹き出し、睨まれていた。
「さて、微調整に入りますかってね」
短剣を受け取ったアーロンは丁寧に布を取り払い短剣をテーブルの上に置くと手を翳すと短剣が光り出した。
「しっかし、いつ見ても何やってるかわからないな」
「理解できたら頭パンクするぜ」
2人は首を振りながらやれやれと言った感じで静かに眺めていた。
魔法媒体石に円滑に魔力を巡らせるための道を作っているという。作らなくても発動には問題ないが、暴走や破損といったものをさらに抑えるためのものだしい。
血の循環で体があったまるというような感じで循環させて一箇所にとどまらないようにしている。
「んでだ。他に欲しいものあるか?」
「投擲用のナイフのような物が欲しいです」
「じゃあ、もってくる、幾つだ?」
「出来るだけたくさん」
頷いたセリックは店に戻って行った。
しばらくして戻ってくるとペンチのようなものとベルトの紐とポーチが二つ。
「投擲用のナイフを16本」
短剣とカトラリーによく見る形状のナイフを1本ずつ見せてくれた。
「投擲用といえばこの二つが支流だ。東の国ではクナイとかいうやつとかあるとは聞くが」
「いえ、2種類助かります。今まで石でやってましたから」
投擲の練習や実践では石ころを使ってやっていたがスキルの数字も後半に差し掛かったため、少しでも攻撃パターンを増やすために専用武器を買うことにした。
的確に急所に当たれば短剣で斬りかかるよりも断然リスクも減るし、普段から使っていれば万が一の時に使える。
「ああ、だと思って二種類用意した。持ち運んでいるようには思えなかった。普段使ってるベルトに金具をつけてそこにこのベルトをつけようか」
二重にはなるが装着するには一回で済むように輪っかを取り付けそれを穴が開けてある場所でフックで止めて投擲用のポーチがずれないようになるように取り付けてくれた。左右一つずつ腰にポーチがつく。右はアイテムカバンがあるためどうしても二つになるが重さ的には大差ない。
「よし、出来た!」
アーロンのからそんな声が聞こえた。
「一度魔法を使ってみてくれ腰に下げてるだけでも、作用するようにしたが」
短剣を持ち空中にシャボン玉のように浮かぶ球を浮かべた
「水球」
五つの水の球が浮かびたコロコロと空中を自由に転がると店に置かれていたたらいにバシャリと弾けた。
「前より発動がしやすい」
「ならよかったぜ」
「切れ味も使いやすさも保証する。何かあれば相談してくれ。新しく見繕う。あと手入れもやるから面倒だったり、苦手だったりするなら持ってこい」
「ありがとうございます」
モーガンを通して出会った人は人情が厚いらしい。自由で気ままに生きて少しめんどくさ狩りのマリにはありがたい。
代金は金貨4枚と銀貨23枚をセリックに金貨2枚と銅貨12枚をアーロンに払った。
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