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5.月華
48話
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――まずい、と思ったときには遅い。
暗闇のなかで風を鋭く切り裂く音とほぼ同時に、脳天に貫く衝撃。打撃がもろに頭へ入ったことにより意識がぶれる。
視界がチカチカとはじけて、体が僅かに浮き上がり、壁へとたたきつけられる。
熱のような激痛が頭から全身に伝染するが、手すら動かせない月音には、うめくしかできなかった。
痛いと口にしないよう、唇をかみしめてこらえる。
「さて、お前の言い分はわかった。それに答える義務はないがな」
目の前の奴らが何者か、それすら憶測だ。
相手は素性について明かすつもりはないらしい。
期待などしていなかったが、どうにも面倒だ。
虎沢の手下ではない、というのは明らか。
選択肢は月花の裏切り者の集まりか、凪之か。
しかし月音にとって、奴らが誰かというのは大事ではない。
必要な情報は『奴らは敵か』どうかだけだ。
幸い、そこはしっかりしている。
間違いなく、月音が最も大事で何を犠牲にしても守るべき命、約束を奪うものである。
「お前は想像以上にやかましく、何より生かしていると面倒なのも理解した。さっさと口を閉ざしてもらおう」
「——ッッ」
ぶわりと前進に駆け抜ける怒りと殺意。
痛みが麻痺して、視界が真っ赤に染め上がる。
獣のような息づかいが己の口から聞こえる。
それを男が嫌悪感をあらわに見下してくる。まるで汚物でも見るかのような態度。人間としてすら認識していない。
歯を食いしばり、激情に流されぬよう必死に己を諫める。落ち着け、と言い聞かせて努めて冷静になろうとする。
男が連れて行かれたあとも、どうにか喋り続けて時間を引き延ばしたが限界だ。
そもそもさっさと殺すつもりだったらしい奴らに、命乞いは無意味だろう。土下座して泣きわめけば助けてくれるなら、躊躇うつもりはない。
役にも立たないプライドなど月音にはない。
ならば、残されたのは交渉だが。
月音は何も持っていない——はず、だった。
「なぁ」
目の前の男が、ふと空気を和らげた。
手負いの獣に慈悲を与えるかのように、甘露をしたらせた声で月音に語りかける。
わざわざ片膝ついて、優しく頭をなでる。
己が蹴った患部を労るように触れて、まるで情けを与えてやると言わんばかりに。
「もし、お前が月花泰華を籠絡させて、我々に差し出せるのなら、その命を保護してもいい」
それは地獄の囁きである。
どくりと心臓が鳴る。
息が詰まり、一瞬何を言われたのか理解が遅れた。
瞬きも忘れて、吐息すら触れるほど近づいた男を凝視する。
暗闇に目は慣れて、男の顔をしっかり認識する。
ゆらりと蝋燭の光が近づいた。誰かがそばに移動させた。
ぬくもりが頬に当たり、男の優しい笑みが浮かび上がらせている。
生きる。生きなければならない。
何を犠牲にしても。
それこそ、生きる意味を、生きる術を、糧を犠牲にしても。
——本当は、死にたいのだろう。
そうだとも。
本当は、母親を苦しめたものすべて。
虎沢も、母の両親も、月音の存在も、すべて惨たらしく殺してやりたい。
それでもそうだとしても。
それは母の願いではない。月音の願いだ。
月音は母の願いを叶える装置であると、心に誓った。
母の願いは『月音の生存』それだけ。それしか知らない。
装置は、それだけのために作動しなければ。
よみがえる思考。
つい先ほど自覚した思い。
それは月音にとって色彩。
だとしても。
——生きる。色を、失おうとも。すべて犠牲にしても。
月音の口が開く。声が詰まる。
睫を震わせて、瞼を下ろした。
暗いなか。逡巡ののち。声が、こぼれた。
無意識に、まるで掬った水があふれるように。
「あなたは、何も理解してない」
「は、」
口端をつり上げて笑う。
奥底にある迷いを断ち切り、悟られないように華のごとく優雅に咲いて見せる。
自分に語りかけて今までの彼の華を思い返した。
「私、生きるためならば何でもできる。何を犠牲にしても、この心を破壊してでも。死にながらでも生きる」
「ならば」
「だから」
強い語調で遮る。
目をそらさず、男を睥睨した。
嘲笑いも優美な華のように。
「だからこそ。私はあなたの手を取らない。生存確率が低いものに縋る気なんてさらさらない。愚の骨頂だもの」
そうだ。
どれだけ男が甘言をよこしても、心を揺らがせる必要はない。
男の行く末は、華を敵にまわした時点で決まっているのだ。
破滅。
そんなものに付き合う必要はない。
月音の道も地獄だが、終わりではない。
終わりよりも苦しい、生き地獄を選ぶ。
この先で心が壊れて、色が失われようとも——決して死なない。
生きて、生きて、生きて。死にたくなるほど生きるのだ。
「華は、あなたごときでは枯れません。踏み荒らせない」
男の顔に動揺が広がり、はっと何かに気がつく。
勢いよく立ち上がり、警戒心を露わに辺りを見渡す。
静かな場所。先ほどと違うのは、倉庫の外。
異様なほどに、先ほどまではかすかに聞こえた人の声と気配が妙に静まっていること。
月音は目を細める。
がたん、と大きな音がしてがらがらと扉が開く。
大きなシャッターが上へと上がり、まるで舞台の幕が開けるごとく。月光がスポットライトのように、照らし出す。
月を背負うは、
「俺の月を、助けにきた」
この世で、最も美しく咲く、死の訪れを知らせる華だ。
暗闇のなかで風を鋭く切り裂く音とほぼ同時に、脳天に貫く衝撃。打撃がもろに頭へ入ったことにより意識がぶれる。
視界がチカチカとはじけて、体が僅かに浮き上がり、壁へとたたきつけられる。
熱のような激痛が頭から全身に伝染するが、手すら動かせない月音には、うめくしかできなかった。
痛いと口にしないよう、唇をかみしめてこらえる。
「さて、お前の言い分はわかった。それに答える義務はないがな」
目の前の奴らが何者か、それすら憶測だ。
相手は素性について明かすつもりはないらしい。
期待などしていなかったが、どうにも面倒だ。
虎沢の手下ではない、というのは明らか。
選択肢は月花の裏切り者の集まりか、凪之か。
しかし月音にとって、奴らが誰かというのは大事ではない。
必要な情報は『奴らは敵か』どうかだけだ。
幸い、そこはしっかりしている。
間違いなく、月音が最も大事で何を犠牲にしても守るべき命、約束を奪うものである。
「お前は想像以上にやかましく、何より生かしていると面倒なのも理解した。さっさと口を閉ざしてもらおう」
「——ッッ」
ぶわりと前進に駆け抜ける怒りと殺意。
痛みが麻痺して、視界が真っ赤に染め上がる。
獣のような息づかいが己の口から聞こえる。
それを男が嫌悪感をあらわに見下してくる。まるで汚物でも見るかのような態度。人間としてすら認識していない。
歯を食いしばり、激情に流されぬよう必死に己を諫める。落ち着け、と言い聞かせて努めて冷静になろうとする。
男が連れて行かれたあとも、どうにか喋り続けて時間を引き延ばしたが限界だ。
そもそもさっさと殺すつもりだったらしい奴らに、命乞いは無意味だろう。土下座して泣きわめけば助けてくれるなら、躊躇うつもりはない。
役にも立たないプライドなど月音にはない。
ならば、残されたのは交渉だが。
月音は何も持っていない——はず、だった。
「なぁ」
目の前の男が、ふと空気を和らげた。
手負いの獣に慈悲を与えるかのように、甘露をしたらせた声で月音に語りかける。
わざわざ片膝ついて、優しく頭をなでる。
己が蹴った患部を労るように触れて、まるで情けを与えてやると言わんばかりに。
「もし、お前が月花泰華を籠絡させて、我々に差し出せるのなら、その命を保護してもいい」
それは地獄の囁きである。
どくりと心臓が鳴る。
息が詰まり、一瞬何を言われたのか理解が遅れた。
瞬きも忘れて、吐息すら触れるほど近づいた男を凝視する。
暗闇に目は慣れて、男の顔をしっかり認識する。
ゆらりと蝋燭の光が近づいた。誰かがそばに移動させた。
ぬくもりが頬に当たり、男の優しい笑みが浮かび上がらせている。
生きる。生きなければならない。
何を犠牲にしても。
それこそ、生きる意味を、生きる術を、糧を犠牲にしても。
——本当は、死にたいのだろう。
そうだとも。
本当は、母親を苦しめたものすべて。
虎沢も、母の両親も、月音の存在も、すべて惨たらしく殺してやりたい。
それでもそうだとしても。
それは母の願いではない。月音の願いだ。
月音は母の願いを叶える装置であると、心に誓った。
母の願いは『月音の生存』それだけ。それしか知らない。
装置は、それだけのために作動しなければ。
よみがえる思考。
つい先ほど自覚した思い。
それは月音にとって色彩。
だとしても。
——生きる。色を、失おうとも。すべて犠牲にしても。
月音の口が開く。声が詰まる。
睫を震わせて、瞼を下ろした。
暗いなか。逡巡ののち。声が、こぼれた。
無意識に、まるで掬った水があふれるように。
「あなたは、何も理解してない」
「は、」
口端をつり上げて笑う。
奥底にある迷いを断ち切り、悟られないように華のごとく優雅に咲いて見せる。
自分に語りかけて今までの彼の華を思い返した。
「私、生きるためならば何でもできる。何を犠牲にしても、この心を破壊してでも。死にながらでも生きる」
「ならば」
「だから」
強い語調で遮る。
目をそらさず、男を睥睨した。
嘲笑いも優美な華のように。
「だからこそ。私はあなたの手を取らない。生存確率が低いものに縋る気なんてさらさらない。愚の骨頂だもの」
そうだ。
どれだけ男が甘言をよこしても、心を揺らがせる必要はない。
男の行く末は、華を敵にまわした時点で決まっているのだ。
破滅。
そんなものに付き合う必要はない。
月音の道も地獄だが、終わりではない。
終わりよりも苦しい、生き地獄を選ぶ。
この先で心が壊れて、色が失われようとも——決して死なない。
生きて、生きて、生きて。死にたくなるほど生きるのだ。
「華は、あなたごときでは枯れません。踏み荒らせない」
男の顔に動揺が広がり、はっと何かに気がつく。
勢いよく立ち上がり、警戒心を露わに辺りを見渡す。
静かな場所。先ほどと違うのは、倉庫の外。
異様なほどに、先ほどまではかすかに聞こえた人の声と気配が妙に静まっていること。
月音は目を細める。
がたん、と大きな音がしてがらがらと扉が開く。
大きなシャッターが上へと上がり、まるで舞台の幕が開けるごとく。月光がスポットライトのように、照らし出す。
月を背負うは、
「俺の月を、助けにきた」
この世で、最も美しく咲く、死の訪れを知らせる華だ。
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