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読書とステ振り
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宿屋の部屋で俺は硬い木の椅子に座って闇属性1の本を読むとする。
『結論から言えば元素属性の一つである闇属性とはこの世を破壊する属性である。しかし破壊とは光属性を学ぶような愚か者が想像するような見た目だけのものではない。マナを属性に変換し他者を攻撃し、破壊する。それは各元素属性の基本となるボール系魔法で既に行うことではあるのだが、闇属性は他の属性にはない特徴がある。闇属性のボール系魔法であるダークボールは、光属性の魔法であるライトボールが光源に利用され、その際、初心者が扱いを間違い、負傷するそんなふざけたものとは異なり、隠密性が高く他者を傷つける事はない。もちろん光源としても使えないがわざわざボール系魔法を光源に使う必要などどこにもない。話を戻して、ダークボールは基礎中の基礎の魔法である、だからこそ闇属性の真の破壊をもたらすという属性を確実に表しているのだ。真の破壊は、世を壊す事である。つまり世の理を壊す事であり、それは普通と呼ばれるものを須くを否定するということである。簡単に言えば闇属性は一見すると何も壊さないようでいて、確実に破壊するものだ。もっと簡単に言えば他者に異常を齎す属性なのだ……』
なるほど。
「闇属性は状態異常特化ということか……滲み出る光属性へのあてつけ。くぅ~この堕天使ネクアムの光を司る白い左目がこの本を読むのを拒む」
そう言って左目を閉じて左手を当てる。
「そして闇を司る黒い右目が疼くぜ」
そう言って右目を閉じて右手を当てる
「くっ! 流石闇の本、何も見えない何もできない……両手がッァ!」
本を読んでるだけでも楽しいのに、その本を読んで実際に魔法を使えるなんてめちゃくちゃ楽しいな。
早速魔法を習得する。
「我は破界者なり、その破界の力を右手に宿し、他者を破壊す『ダークボール』」
ー『ダークボール』を習得しましたー
手のひらから黒い球が出てきた。
暗いところだとこれはわかりづらいだろうな。
明るいところだと逆に目立つ。
今はこれの威力は試せないな。
どんな状態異常になるのやら……自分や召喚生物に撃つのは気が引けるしな。
よしっ、次は闇属性の召喚を試してみよう。
どんな奴になるかな。
「我は世界の闇を望む者、それは混沌であり異常である。異常なる小動物よ、我に降れ『サモン・スモールアニマル』」
紫の霞に黒の膜が出来る。
ホーリーラビットの時は白い膜だったから属性によって変わるのだな。
そんな門から次元を超えてやってきたのは骨の体を持ったネズミだった。
ー『スケルトン・ラット』を使役しました。ー
「骨だ……」
男なら誰しも一度は憧れたスケルトン、そのネズミ版だ。
「ネズミがあるなら人型もあるのだろう」
不老不死でダークでスケルトンってかっこいいよね。
いずれ召喚できる事がこの時点で確信を得られてテンションが上がった。
「チュ~」
「鳴き声は普通の鼠なんだな」
今時鼠の鳴き声なんて聞いたことないけれどネズミっぽい鳴き声だ。
大きさは手の平大ぐらいだから戦闘力は不安だな。
まぁ試すのは明日だな。
ここで試せるのは光属性と闇属性で召喚枠がどうなるかだ。
今の召喚属性は3だ。
公園で試した時はホーリーラビット3匹が召喚できた。
召喚方法も変えてみよう。
俺は動作で魔法を発動することにした。
指定されたタイミングで指を鳴らすのだ。
これもいいよね。
「いでよ、わがしもべよ」
パンパンパチンっと、
こんな感じでカッコつけられるのだから。
出てきたのは一体のスケルトンラット。
これをあと4回と……他にもクイズやダンスやらを試そ。
「良かった。被らなかったな、召喚枠」
結果からすればホーリーラビットとスケルトンラットを3匹ずつ召喚する事が出来た。
「お手……おお~。座れ、……お~」
命令もよく聞いてくれるので明日の戦闘も大丈夫そうだ。
モンスターをこの6匹で袋叩きにしてやるぜ。
その結果でレベルアップ分のステ振りを考えよう。
あと残す本は付与属性1と召喚属性3だ。
細かい話はまた時間のある時に読むとして、それぞれの魔法を習得するだけしておく。
付与属性は文字通り属性を付与する魔法が覚えられるようで『エンチャント』の魔法を覚える事が出来た。
これは触れた対象に数分間属性を込められるようだ。
効果は各属性異なるらしいし、この本は頑固な秘密主義の職人が書いたようで詳しい説明はなかった。
習得したら気になったので試しにホーリーラビットにライトエンチャント、スケルトンラットにダークエンチャントを施したら体がそれぞれ白と黒に輝いた。
それぞれ光るオーラを纏ったけどそれだけだった。
かっこいいけどね。
当然自分にもエンチャントをした。
しかし一個しかエンチャント出来ないようでライトとダーク両方をエンチャントする事は出来なかった。
「うーん、よくわからないな」
と思いながらホーリーラビットにダークエンチャント、スケルトンラットにホーリーエンチャントをしてみると目に見えてわかる結果が出た。
両方とも悲しそうな悲鳴をあげて紫の霞となって消えたのだ。
「ごめんよ……ごめんよ」
この結果から反対属性とも言えるものを施したら召喚生物の仮初の体が耐えられないと思われる。
そろそろ眠いので実験はこれまでだ。
召喚属性3の魔法は『オールサモン』という物で、今まで一体の召喚だった物を、召喚枠上限まで一度に召喚できる魔法だった。
これで二回の魔法発動で今の全戦力を召喚できる。
光と闇の6匹の軍勢を率いて堕天使ネクアムは再起を図るのだった……。
「なんてな……zzz」
『結論から言えば元素属性の一つである闇属性とはこの世を破壊する属性である。しかし破壊とは光属性を学ぶような愚か者が想像するような見た目だけのものではない。マナを属性に変換し他者を攻撃し、破壊する。それは各元素属性の基本となるボール系魔法で既に行うことではあるのだが、闇属性は他の属性にはない特徴がある。闇属性のボール系魔法であるダークボールは、光属性の魔法であるライトボールが光源に利用され、その際、初心者が扱いを間違い、負傷するそんなふざけたものとは異なり、隠密性が高く他者を傷つける事はない。もちろん光源としても使えないがわざわざボール系魔法を光源に使う必要などどこにもない。話を戻して、ダークボールは基礎中の基礎の魔法である、だからこそ闇属性の真の破壊をもたらすという属性を確実に表しているのだ。真の破壊は、世を壊す事である。つまり世の理を壊す事であり、それは普通と呼ばれるものを須くを否定するということである。簡単に言えば闇属性は一見すると何も壊さないようでいて、確実に破壊するものだ。もっと簡単に言えば他者に異常を齎す属性なのだ……』
なるほど。
「闇属性は状態異常特化ということか……滲み出る光属性へのあてつけ。くぅ~この堕天使ネクアムの光を司る白い左目がこの本を読むのを拒む」
そう言って左目を閉じて左手を当てる。
「そして闇を司る黒い右目が疼くぜ」
そう言って右目を閉じて右手を当てる
「くっ! 流石闇の本、何も見えない何もできない……両手がッァ!」
本を読んでるだけでも楽しいのに、その本を読んで実際に魔法を使えるなんてめちゃくちゃ楽しいな。
早速魔法を習得する。
「我は破界者なり、その破界の力を右手に宿し、他者を破壊す『ダークボール』」
ー『ダークボール』を習得しましたー
手のひらから黒い球が出てきた。
暗いところだとこれはわかりづらいだろうな。
明るいところだと逆に目立つ。
今はこれの威力は試せないな。
どんな状態異常になるのやら……自分や召喚生物に撃つのは気が引けるしな。
よしっ、次は闇属性の召喚を試してみよう。
どんな奴になるかな。
「我は世界の闇を望む者、それは混沌であり異常である。異常なる小動物よ、我に降れ『サモン・スモールアニマル』」
紫の霞に黒の膜が出来る。
ホーリーラビットの時は白い膜だったから属性によって変わるのだな。
そんな門から次元を超えてやってきたのは骨の体を持ったネズミだった。
ー『スケルトン・ラット』を使役しました。ー
「骨だ……」
男なら誰しも一度は憧れたスケルトン、そのネズミ版だ。
「ネズミがあるなら人型もあるのだろう」
不老不死でダークでスケルトンってかっこいいよね。
いずれ召喚できる事がこの時点で確信を得られてテンションが上がった。
「チュ~」
「鳴き声は普通の鼠なんだな」
今時鼠の鳴き声なんて聞いたことないけれどネズミっぽい鳴き声だ。
大きさは手の平大ぐらいだから戦闘力は不安だな。
まぁ試すのは明日だな。
ここで試せるのは光属性と闇属性で召喚枠がどうなるかだ。
今の召喚属性は3だ。
公園で試した時はホーリーラビット3匹が召喚できた。
召喚方法も変えてみよう。
俺は動作で魔法を発動することにした。
指定されたタイミングで指を鳴らすのだ。
これもいいよね。
「いでよ、わがしもべよ」
パンパンパチンっと、
こんな感じでカッコつけられるのだから。
出てきたのは一体のスケルトンラット。
これをあと4回と……他にもクイズやダンスやらを試そ。
「良かった。被らなかったな、召喚枠」
結果からすればホーリーラビットとスケルトンラットを3匹ずつ召喚する事が出来た。
「お手……おお~。座れ、……お~」
命令もよく聞いてくれるので明日の戦闘も大丈夫そうだ。
モンスターをこの6匹で袋叩きにしてやるぜ。
その結果でレベルアップ分のステ振りを考えよう。
あと残す本は付与属性1と召喚属性3だ。
細かい話はまた時間のある時に読むとして、それぞれの魔法を習得するだけしておく。
付与属性は文字通り属性を付与する魔法が覚えられるようで『エンチャント』の魔法を覚える事が出来た。
これは触れた対象に数分間属性を込められるようだ。
効果は各属性異なるらしいし、この本は頑固な秘密主義の職人が書いたようで詳しい説明はなかった。
習得したら気になったので試しにホーリーラビットにライトエンチャント、スケルトンラットにダークエンチャントを施したら体がそれぞれ白と黒に輝いた。
それぞれ光るオーラを纏ったけどそれだけだった。
かっこいいけどね。
当然自分にもエンチャントをした。
しかし一個しかエンチャント出来ないようでライトとダーク両方をエンチャントする事は出来なかった。
「うーん、よくわからないな」
と思いながらホーリーラビットにダークエンチャント、スケルトンラットにホーリーエンチャントをしてみると目に見えてわかる結果が出た。
両方とも悲しそうな悲鳴をあげて紫の霞となって消えたのだ。
「ごめんよ……ごめんよ」
この結果から反対属性とも言えるものを施したら召喚生物の仮初の体が耐えられないと思われる。
そろそろ眠いので実験はこれまでだ。
召喚属性3の魔法は『オールサモン』という物で、今まで一体の召喚だった物を、召喚枠上限まで一度に召喚できる魔法だった。
これで二回の魔法発動で今の全戦力を召喚できる。
光と闇の6匹の軍勢を率いて堕天使ネクアムは再起を図るのだった……。
「なんてな……zzz」
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