地平線のかなたで

羽月蒔ノ零

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第二章

5人目

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 俺たちは簡単に自己紹介を済ませたあと、玲子さんから色々と話を伺ってみることにした。

「実は数日前に、咲翔君と優莉ちゃんの2人が、新宿駅前で『特殊能力者を探しています』と書かれた紙を持って立っているのを見たんです。気にはなったのですが、その時は別の用事があったので話しかけることができませんでした。けれど今日、咲翔くんと優莉ちゃんが、あの時にはいなかった誠志郎君とミューちゃんと一緒に歩いているのを偶然見かけて、今度こそコンタクトを取ってみようと思ったんです。ただ、能力を人に明かすのにはやはり抵抗があったので、まずは咲翔君の能力を確かめてから自分の正体を明かすことにしたんです。あんな風にいきなりテレパシーで話しかけてしまってごめんなさい」

「いえいえ、最初はみんなそうでしたよ。玲子さんだけじゃなく、僕も含めて、優莉も誠志郎もミューも、みんな最初は能力を明かすのには抵抗がありました」

「なるほど。咲翔はさっきからレーコさんと話してたのか。てことはレーコさんの能力っていうのは……」

「ええ。私が使える能力は、テレパシーです。実際にやってご覧にいれます」
「――私のカバンを見てください――」
 4人の視線が、玲子さんのカバンに集まった。

「お、なんか、私のカバンを見てくださいって聞こえた。みんなはどうだった?」
 
 俺もそう聞こえた。
 誠志郎もミューも、同じ言葉が聞こえたようだ。
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