地平線のかなたで

羽月蒔ノ零

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第二章

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 翌日の午後、4人はすっかり行きつけとなった喫茶店に集まり、作戦会議を開いていた。

「要は、俺の未来視能力がしっかり機能すれば、何の問題もないんだ。なんとかして力を強めることができれば、きっと未来がはっきりと見える気がするんだけど」
「力を強めるかあ。でもどうやって?」優莉に尋ねられた。
「んー、それが問題だ」


「――あなた方は、特殊能力をお持ちなんですか?――」
「え?」
「ん? どうした咲翔?」
「え? いや、 聞こえない?」
「――他の人には聞こえません。あなた1人に話しかけています――」
「『聞こえない?』って、何が?」
「なんか、女の人の声……」
「は!? なんやそれ!? こわ! やばいやばい」
「――あなた方が特殊能力者であるという証拠が見たいです――」
「証拠、証拠といっても……」
「――では、私が今どこにいるか当ててみてください。できますか?――」
「……ええ、できると思います」

 俺は目を閉じ、未来を見た。
 数分後、このテーブルに女性が1人やって来る。髪は黒くて長めで、眼鏡をかけている。黒いコートを着て白いマフラーを巻き、緑のスカートを穿いてグレーのブーツを履いている。そしてその女性は今、俺たちから7メートルほど離れたテーブルに1人で座っている。

 俺は立ち上がり、その女性の方をじっと見た。
「――あなたは今、白いマフラーをした女のことを見つめていますが、それは『私の正体がその女だ』という合図ですか? それともただ見ているだけですか? もし合図であるならば、右手に飲み物を持ってください――」

 俺はその声の言うとおり、右手にアップルジュースを持った。
 すると、その女性はするりと立ち上がり、俺たちのもとへやって来た。

「試すようなことをしてごめんなさい。私は宮園玲子みやぞのれいこと申します。もしよかったら、私も仲間に入れてくれませんか?」
 
 どうやら、5人目の特殊能力者が見つかったようだ。
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