地平線のかなたで

羽月蒔ノ零

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第二章

ミュー

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「過去視能力、時間停止能力、そして俺の未来視能力、これで3つの能力が揃ったわけだけど、さて、これからどうすればいいかな?」

「とりあえず、やっぱりもっと能力者を集めるべきなのかもしれない。ねえ咲翔、なんか他にいい方法ないかな? もうパンダになるのはごめんだよ」

「んー、そうだなあ……。あ、そういえば、『ミュー』っていう雑誌あったよね。超常現象とかを専門に取り扱ってるやつ」
「『ミュー』……、そういえばあったなあそんなの」
「あの雑誌を読んでみれば、もしかしたら何か手がかりが掴めるんじゃないかな?」
「なるほど。よし、早速読んでみよう!」
 
 3人は喫茶店を一時退出し、近くの書店でミューの最新号を購入して、再び喫茶店へと戻ってきた。

「ん~、UFOに宇宙人に未確認生命体かあ。私たちが欲しい情報とは少し違うね」
「ミューの出版社へ直接問い合わせて聞いてみるのはどうでしょう?」
「お、いいねそれ。やってみよう! 誰が問い合わせる?」
「優莉でいいんじゃない?」
「私はあまりそういうのは得意じゃないんだ。よし、こうなったらジャンケンで決めよう。負けた人がミューの出版社に超能力者についての問い合わせをすること。よいな? では、いざ!」

 最初はグー! ジャンケンポン!



「――あ、すいません、私、『ミュー』を見てご連絡させていただきました、鈴木と申しますが……」
「お電話ありがとうございます。どのようなご用件でしょうか?」
「えっとですね、実は今、超能力者を探しておりまして。なんでもいいので何か超能力者に関する情報が手に入らないかなと思ってご連絡させていただいたのですが……」
「超能力ですね。少々お待ちください」

 ということで、少々待つことになった。受話器からは保留音が流れているが、これはXJAPANの『紅』だ。好きなんだろうか。

「お待たせいたしました。申し訳ございませんが、ただいま超能力担当の山形が出張で岩手へ行っておりまして」
「そうなんですか。何かの取材ですか?」
「はい。たしか、滝に打たれても寒くならない方法を知っているおじいさんがいるということで、その取材です」
「……なるほど。そうなんですかあ(なんじゃそりゃ)」

「もしスズキさんたちの活動を取材させていただけるということであれば、記事にして誌面に載せることも可能です。そうすれば、色々な超能力者を発見できるかもしれません」
「なるほど。誌面に。ぜひよろしくお願いします」
「かしこまりました。では後日記者を派遣いたします。スズキさんのご連絡先を教えていただいてもよろしいでしょうか」
「あ、はい。えーっと、891……」
「ありがとうございます。では記者にスズキさんへ連絡するよう伝えておきますので、よろしくお願いいたします」
「はい。こちらこそよろしくお願いいたします」


「ということで、ミューが俺たちを取材してくれることになった。俺たちの記事を載せてくれるらしい。これで一気に能力者探しが飛躍しそうだぞ」

 すると、早速電話がかかってきた。

「もしもし、鈴木です」
「あ、はじめまして。わたくし雑誌ミューの記者をしております、齋藤さいとうと申します」
「ああ、ミューさん!」
「超能力者探しを取材させていただけるとのことですが、いつ頃うかがえばよろしいでしょうか?」
「いつでもいいですよ。都合がつけば、明日にでも」
「そうですか! では明日、取材に伺います。何時頃がよろしいでしょうか?」
「では、13時頃でお願いします。新宿のアルタ前で待ち合わせましょう」
「かしこまりました! よろしくお願いします」
「こちらこそよろしくお願いします。では失礼いたします。はい~」


「ということで、早速明日から取材してくれることになった」
「遂に私たちが雑誌に載るのかあ。楽しみだなあ。じゃあみんな、明日も頑張ろうね!」

 明日また新宿で待ち合わせをする約束をして、その日も解散した。
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