6 / 37
第一章
澄野優莉
しおりを挟む
澄野優莉さんの能力が開花したのは、小学生の頃だったそうだ。
ある日の朝、ルービックキューブをしていた澄野さんだったが、あと少しで6面すべてを揃えることができそうなのにも関わらず、学校へ行かなければならない時間が来てしまった。
――時間が止まれば、6面全部揃えられるのに!――
彼女がそう強く念じたその瞬間、ピタリと時間が止まったのだという。
彼女は時間が止まったことに大変驚きつつも、とりあえずルービックキューブの完成を優先させたそうだ。そうしたのは、心を落ち着かせるためでもあったらしい。
そして、人生で初めて自分の力だけで6面を完成させた彼女は大喜びし、そこからようやく周りの状況を詳しく調べ始めたそうだ。
時計を見てみたが、やはりまったく時間は進んでおらず、家族もみんな止まっていた。蛇口から出る水も、外を走っていたはずの車も、風も、雲も、すべてが止まっている。
しかし、そのすべてが止まった世界の中で、彼女だけが、自由に動き回ることができた。
やはり、自分が時間を止めてしまったようだ。ルービックキューブを完成させたいからといって、世界を止めてしまった。さすがにこれはやりすぎだ。どうやったら元に戻せるのだろう……。
彼女は悩み、そして、
――また時間が動き出してほしい!――
そう念じると、すぐにまた世界が動き始めたらしい。
心に強く思うことで、時間を止めたり、元に戻したりできるのだそうだ。
そして高校卒業後、東京の大学へ進学するため、兵庫県から上京してきたのだという――。
ある日の朝、ルービックキューブをしていた澄野さんだったが、あと少しで6面すべてを揃えることができそうなのにも関わらず、学校へ行かなければならない時間が来てしまった。
――時間が止まれば、6面全部揃えられるのに!――
彼女がそう強く念じたその瞬間、ピタリと時間が止まったのだという。
彼女は時間が止まったことに大変驚きつつも、とりあえずルービックキューブの完成を優先させたそうだ。そうしたのは、心を落ち着かせるためでもあったらしい。
そして、人生で初めて自分の力だけで6面を完成させた彼女は大喜びし、そこからようやく周りの状況を詳しく調べ始めたそうだ。
時計を見てみたが、やはりまったく時間は進んでおらず、家族もみんな止まっていた。蛇口から出る水も、外を走っていたはずの車も、風も、雲も、すべてが止まっている。
しかし、そのすべてが止まった世界の中で、彼女だけが、自由に動き回ることができた。
やはり、自分が時間を止めてしまったようだ。ルービックキューブを完成させたいからといって、世界を止めてしまった。さすがにこれはやりすぎだ。どうやったら元に戻せるのだろう……。
彼女は悩み、そして、
――また時間が動き出してほしい!――
そう念じると、すぐにまた世界が動き始めたらしい。
心に強く思うことで、時間を止めたり、元に戻したりできるのだそうだ。
そして高校卒業後、東京の大学へ進学するため、兵庫県から上京してきたのだという――。
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
忘却の艦隊
KeyBow
SF
新設された超弩級砲艦を旗艦とし新造艦と老朽艦の入れ替え任務に就いていたが、駐留基地に入るには数が多く、月の1つにて物資と人員の入れ替えを行っていた。
大型輸送艦は工作艦を兼ねた。
総勢250艦の航宙艦は退役艦が110艦、入れ替え用が同数。
残り30艦は増強に伴い新規配備される艦だった。
輸送任務の最先任士官は大佐。
新造砲艦の設計にも関わり、旗艦の引き渡しのついでに他の艦の指揮も執り行っていた。
本来艦隊の指揮は少将以上だが、輸送任務の為、設計に関わった大佐が任命された。
他に星系防衛の指揮官として少将と、退役間近の大将とその副官や副長が視察の為便乗していた。
公安に近い監査だった。
しかし、この2名とその側近はこの艦隊及び駐留艦隊の指揮系統から外れている。
そんな人員の載せ替えが半分ほど行われた時に中緊急警報が鳴り、ライナン星系第3惑星より緊急の救援要請が入る。
機転を利かせ砲艦で敵の大半を仕留めるも、苦し紛れに敵は主系列星を人口ブラックホールにしてしまった。
完全にブラックホールに成長し、その重力から逃れられないようになるまで数分しか猶予が無かった。
意図しない戦闘の影響から士気はだだ下がり。そのブラックホールから逃れる為、禁止されている重力ジャンプを敢行する。
恒星から近い距離では禁止されているし、システム的にも不可だった。
なんとか制限内に解除し、重力ジャンプを敢行した。
しかし、禁止されているその理由通りの状況に陥った。
艦隊ごとセットした座標からズレ、恒星から数光年離れた所にジャンプし【ワープのような架空の移動方法】、再び重力ジャンプ可能な所まで移動するのに33年程掛かる。
そんな中忘れ去られた艦隊が33年の月日の後、本星へと帰還を目指す。
果たして彼らは帰還できるのか?
帰還出来たとして彼らに待ち受ける運命は?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる