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悪役令嬢は悪徳商人に拐われる
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長い間国境の守備を担ってきたレアード領では、間者を厭って、重要機密のやり取りには鳥を使う。
「おうおう、ヴィンセントが結婚したってよ。あいつの粘り勝ちだな」
「水臭いぜ、兄弟。祝い事の二つが三つになったって構いやしねぇだろ。呼び戻せよ」
「そうだな。それがいい、そうするか」
レアード商会の印の入った黒い封筒を手に、男たちはにやりと笑った――。
***
メイヴィスの顔を両手で包み、唇を合わせる。
「ぅん」
ちゅっちゅっとかわいらしい音を立てて唇を吸ってから、頬を撫でられ顎を開けるよう促されて、するりと器用な舌が忍び込んでくる。
「メルの舌は小さいな。口の中も小さい」
「んっ、んく、ん」
ぺろぺろと口内を舐め回されて、ぬくぬくと舌を擦りつけ出し入れされる。口での交接はどんどん複雑になって、メイヴィスは溢れる唾液を飲み込み、懸命に受け入れた。
「ふ…っ、ん、んん……んっ」
かくん、と力が抜け、首を後ろに倒した拍子にざらりと上顎の弱いところを舐められる。
「おっと」
ヴィンセントは逞しい腕で危なげなくその背を支えて、脱力したメイヴィスにまたちゅっと軽く口づけた。
「大丈夫か?」
「は…っ、はあ、だめ、待って……」
ヴィンセントは止まらない。
再び深く唇を合わせて、今度は喉の奥まで舌を伸ばされる。
「んぐ……ん…っ!」
口蓋の奥の柔らかいところが気持ちいいなんて、ヴィンセントとこんなキスをするまで、メイヴィスは到底知識としてでも知らなかった。
身体的な事情が露見してから、ヴィンセントとマヤはメイヴィスの憂いを慮り、やさしく気にかけて、これまでよりいっそう甘やかしてくる。
けれど夜の時間はヴィンセントの独擅場だった。
月事が明けるまでは身体を繋げることはできない。それでもキスとハグは常にあり、ずっとヴィンセントの体温が身近にあった。
不出来な交合より唇だけの交わりの方がもっと濃厚で、その雄々しさを身をもって知ってしまった。
枷が外れて欲が抑えられなくなるのは互いに同じ。
「あ…っ、あぁ、あん……っ!」
全身くまなく口づけられて、甘い熱に翻弄されて、メイヴィスは身を捩る。
細く白い腿に手をかけられ大きく左右に開かれると、すでにとろとろになった蜜口がひくひくと震えて雄を待ち望んでいた。
「ヴィンス、ヴィンス…っ…!」
「ああ、メル……」
ぬくりと濡れた花唇を熱塊で割り開かれると期待にぞわぞわと背筋が震えた。細い指がヴィンセントの広い肩に縋りつく。
「ひぅ…っ、う、ん―――……っ!!」
蜜壺に押し入られる衝撃で、メイヴィスは白い腹を引き攣らせてふるふると震えた。
ヴィンセントは「は…っ」と熱い息を溢す。
「すっかりイき癖がついた」
ふうふうと荒い呼吸を繰り返す唇に軽く口づけて、雄味を増したヴィンセントがのし掛かる。メイヴィスも腕を広げて自ら引き寄せた。
「ん。入口、感じるね」
「あぁっ、あ……っ!」
「でも、今日は奥も柔らかい。このまま…」
「んっ、んっ、入りそう…?」
いつもより深くまで入っているようで、メイヴィスは下腹を指先でなぞり「…重たい…」と小さく呟く。
「ぅん……っ!?」
ずんっと衝撃が走り、奥が鈍く痛んだ。
「ぜ、全部、入った…?」
「まだ、あと少し」
唇を震わせたメイヴィスの問いにヴィンセントは細い手を取り、接合部に触れさせて示す。
「メル、もっと足開いて」
ぐっと膝を左右に押し広げられて、メイヴィスは小さく悲鳴を上げた。ヴィンセントの逞しい腰を挟む形になって閉じられない。
またさらに雄茎が深く沈んだ気がした。
膝をついて体勢を整えたヴィンセントが、白い胸の膨らみに手を伸ばす。
中央に集めるように左右から押し潰されて、正面を向いた紅色の尖りを親指の先で両方かりかりと引っかかれる。艶やかな声を上げるのと同時に雄を食んだ中がうねって、これはまずい――とメイヴィスは咄嗟に思った。
「ヴィンス、待っ、あぁ……っ!!」
ずるり、と腰を引かれて瞼の裏がばちばちと明滅する。
「待てない」
発情した雄の獣がぎらぎらと見下ろしていた。
ベッドの反動も使いなめらかに腰を遣われ、甘い悲鳴が迸る。足を閉じることもできず、大きな快感を真正面から受け止めてメイヴィスは何度か不規則に下肢を震わせた。
「ずっとイっててかわいい…。ああ、メルは抜くときの方が気持ちいいんだ?これは…?」
「やあぁ……っ!!」
角度や緩急を変えて攻め立てられ、その夜、メイヴィスはひたすら甘く咽び泣かされた。
「おうおう、ヴィンセントが結婚したってよ。あいつの粘り勝ちだな」
「水臭いぜ、兄弟。祝い事の二つが三つになったって構いやしねぇだろ。呼び戻せよ」
「そうだな。それがいい、そうするか」
レアード商会の印の入った黒い封筒を手に、男たちはにやりと笑った――。
***
メイヴィスの顔を両手で包み、唇を合わせる。
「ぅん」
ちゅっちゅっとかわいらしい音を立てて唇を吸ってから、頬を撫でられ顎を開けるよう促されて、するりと器用な舌が忍び込んでくる。
「メルの舌は小さいな。口の中も小さい」
「んっ、んく、ん」
ぺろぺろと口内を舐め回されて、ぬくぬくと舌を擦りつけ出し入れされる。口での交接はどんどん複雑になって、メイヴィスは溢れる唾液を飲み込み、懸命に受け入れた。
「ふ…っ、ん、んん……んっ」
かくん、と力が抜け、首を後ろに倒した拍子にざらりと上顎の弱いところを舐められる。
「おっと」
ヴィンセントは逞しい腕で危なげなくその背を支えて、脱力したメイヴィスにまたちゅっと軽く口づけた。
「大丈夫か?」
「は…っ、はあ、だめ、待って……」
ヴィンセントは止まらない。
再び深く唇を合わせて、今度は喉の奥まで舌を伸ばされる。
「んぐ……ん…っ!」
口蓋の奥の柔らかいところが気持ちいいなんて、ヴィンセントとこんなキスをするまで、メイヴィスは到底知識としてでも知らなかった。
身体的な事情が露見してから、ヴィンセントとマヤはメイヴィスの憂いを慮り、やさしく気にかけて、これまでよりいっそう甘やかしてくる。
けれど夜の時間はヴィンセントの独擅場だった。
月事が明けるまでは身体を繋げることはできない。それでもキスとハグは常にあり、ずっとヴィンセントの体温が身近にあった。
不出来な交合より唇だけの交わりの方がもっと濃厚で、その雄々しさを身をもって知ってしまった。
枷が外れて欲が抑えられなくなるのは互いに同じ。
「あ…っ、あぁ、あん……っ!」
全身くまなく口づけられて、甘い熱に翻弄されて、メイヴィスは身を捩る。
細く白い腿に手をかけられ大きく左右に開かれると、すでにとろとろになった蜜口がひくひくと震えて雄を待ち望んでいた。
「ヴィンス、ヴィンス…っ…!」
「ああ、メル……」
ぬくりと濡れた花唇を熱塊で割り開かれると期待にぞわぞわと背筋が震えた。細い指がヴィンセントの広い肩に縋りつく。
「ひぅ…っ、う、ん―――……っ!!」
蜜壺に押し入られる衝撃で、メイヴィスは白い腹を引き攣らせてふるふると震えた。
ヴィンセントは「は…っ」と熱い息を溢す。
「すっかりイき癖がついた」
ふうふうと荒い呼吸を繰り返す唇に軽く口づけて、雄味を増したヴィンセントがのし掛かる。メイヴィスも腕を広げて自ら引き寄せた。
「ん。入口、感じるね」
「あぁっ、あ……っ!」
「でも、今日は奥も柔らかい。このまま…」
「んっ、んっ、入りそう…?」
いつもより深くまで入っているようで、メイヴィスは下腹を指先でなぞり「…重たい…」と小さく呟く。
「ぅん……っ!?」
ずんっと衝撃が走り、奥が鈍く痛んだ。
「ぜ、全部、入った…?」
「まだ、あと少し」
唇を震わせたメイヴィスの問いにヴィンセントは細い手を取り、接合部に触れさせて示す。
「メル、もっと足開いて」
ぐっと膝を左右に押し広げられて、メイヴィスは小さく悲鳴を上げた。ヴィンセントの逞しい腰を挟む形になって閉じられない。
またさらに雄茎が深く沈んだ気がした。
膝をついて体勢を整えたヴィンセントが、白い胸の膨らみに手を伸ばす。
中央に集めるように左右から押し潰されて、正面を向いた紅色の尖りを親指の先で両方かりかりと引っかかれる。艶やかな声を上げるのと同時に雄を食んだ中がうねって、これはまずい――とメイヴィスは咄嗟に思った。
「ヴィンス、待っ、あぁ……っ!!」
ずるり、と腰を引かれて瞼の裏がばちばちと明滅する。
「待てない」
発情した雄の獣がぎらぎらと見下ろしていた。
ベッドの反動も使いなめらかに腰を遣われ、甘い悲鳴が迸る。足を閉じることもできず、大きな快感を真正面から受け止めてメイヴィスは何度か不規則に下肢を震わせた。
「ずっとイっててかわいい…。ああ、メルは抜くときの方が気持ちいいんだ?これは…?」
「やあぁ……っ!!」
角度や緩急を変えて攻め立てられ、その夜、メイヴィスはひたすら甘く咽び泣かされた。
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