16 / 51
これが力技
しおりを挟む
1日分の調査でわかった事。
ストーカーの名前は野田正樹。正確な年齢は不明だが恐らく30代の後半から40代前半。
自ら開業した法律事務所で働き、パラリーガルを含むアシスタントも3人程雇い入れている。
つまりは事務と2人って感じの個人事務所より少しだけ大きい。
専門は離婚調停などの民事が多いらしい。
3時間くらいの間、健二と二人で野田の事務所を見ていたが、途切れる事なく顧客らしき来客がある。弁護活動は繁盛しているようだ。
体型は中肉中背。
「モブ顔」と赤城は表現したが、言い換えるとそれは無難で普通って事だ。決してイケメンでは無いが不細工でも無いし、当たり前だけど変態っぽい雰囲気は無い。一般的に見ても合格ラインにいると思う。
高学歴で高収入、社会的地位も高い。
将来に安定を見込める弁護士と言う職業を考えれば、寧ろ好物件であると推測出来る。
「……健二さんはどう思います?」
「やっぱり赤城さんの気のせいかな……」
「椎名さんが説明してくれたように確率論で言えば黒なんですけど、逆に言えば100%じゃ無い限り偶然って可能性はありますね」
「どうだろうな」
「どうでしょうね」
2人揃ってうーんと唸った。
気が付けば健二と同じポーズになっている。
非常に嫌。
組んでいた腕を解くと健二も解く。
仕方が無いからもう一回腕を組むと、前触れも無く健二が立ち上がった。
「よっしゃ、こんな所でうだうだ推測しててもどうにもならない、葵、お前が直接聞いて来い」
「…………」
「どこに?何を?」
「不動産屋に決まってるだろ、野田がいつ今の部屋を借りたか聞き出して来い、もうこうなったら証拠を集めて野田に突きつけるしか無いだろ」
「……どうやって……ってか何で俺なんですか、健二さんが行けばいいでしょう」
「俺が行っても絶対に教えてくれないよ、椎名辺りが行っても無理だし銀二さんが行ったら通報される、相手の立場に立ってみろよ、葵ならどうする?俺に個人情報漏らすか?」
漏らさない。健二にしては的を得ている。
それにしても「銀二」が誰なのか聞かなくてもわかってしまった。
銀のスーツを着る「銀二」
ありもしないリゾート病院を勧める「銀二」
あまりにも「らしく」て驚いたくらいだ。生まれた時からチンピラの臭いがしていたのかと思うと笑える。
誰が行っても無駄だと思うけど、仕事なのだから上司(?)の健二が行けと言うなら行く。
作戦はこうだ。
──俺は以前から野田が今いる部屋、「グランメゾン誠」201号室に住もうと決めていた。そう思い込んでいたって設定。
何でって?
設定なのだから細かい事はいい、201に住みたかったのだ。
後は成り行きでアレンジ。
うん。絶対に無理だと思う。
「行け」と健二に背中を押されて、無理だと思いつつも行く。不動産屋の自動ドアをくぐると、満面の笑顔が迎えてくれた。
「いらっしゃいませ」と立ち上がった丸顔の不動産屋はいかにも反社会勢力の「鴨リスト」に乗っていそうだ。
これは行けるかもしれない……と安直な期待を胸に、店先に並んであったチラシをカウンターの上に乗せた。
「あの、このチラシにあるグランメゾン誠なんですけど聞きたい事があります」
「ああ、305号室ですね、内見に行かれますか?、ここから歩いて行けますし、今すぐご案内出来ますよ、条件を言ってくだされば他にも多数の物件をご紹介できますよ」
「いえ……僕は……」
僕………は非常に嫌だったが健二にこれは守れとしつこく説得された。「若く」見えるビジュアルを利用しろって事だと思う。
如何にも無害そうな印象操作は必至、それはわかる。
人の第1印象というのは、一度そう見えてしまうと覆すのは困難なのだ。
その中で言葉遣いは重要だ。
幾ら優しくされても、いつも笑っていても「腎臓を寄越せ」と言った椎名を信じたりは出来ない。
もし銀二が、頭を丸めて農作業をしてたら何かを企んでいるようにしか見えないだろう。
だから言わなければならない事はきちんと言うが、なるべく頼り無げな声を出す。
「僕は……305に住みたいんじゃないんです」
「では……この305号室と同じ様な条件の物件を何件かお探ししましょうか?同じ沿線がいいんですよね?」
「いえ……僕は……102号室に住もうと決めてるんです」
「ああ~ごめんね、102号室は今月の頭に別の人が入居しちゃったんですよ、でも305号室は角部屋だし一番上だから騒音も無いよ、一度見に行く?」
「僕は102がいいんです」
「いや、だから102はもう埋まってるから無理なんだよ」
「何故ですか?」
「え……と……悪いけど諦めて、ってか102に何があるの?何か大切な思い出かな?気持ちはわかるよ」
「僕の何がわかるって言うんですか、あなたが僕の何を知ってるって言うんですか」
「いやごめん、ごめん、何も考えないで返事しちゃったよ、ごめんね、でももう埋まっちゃたんだよ、ごめんね」
「僕が……僕があそこに住む為のお金を貯めている間に……」
「うん、ごめんね、でもこれだけは融通してあげられないんだ、その代わり君の希望に合った所を必ず探してあげるから……」
「こんなの変です102は僕の部屋です」
「だから102は……」
「102じゃないと嫌だっっ!!」
ドンッと叩いたカウンターの上で装飾の鉢植えが跳ねた。
「僕は102に住むんです!そう決めてるんです、おかしいです、何かがおかしい、何で邪魔するんですか、誰が邪魔したんですか、変でしょう、間違ってるでしょう!」
「困ったなあ……、、君、ご両親の連絡先を教えてくれないかな?」
「両親に何か関係が?僕の部屋です、お金も僕のお金です!」
「でもね、先を越されたんだから仕方ないだろう」
「僕が遅かったのが悪いって言うんですか?!2月分の家賃が前払いなんでしょう?!時給980円で毎日5時間とか6時間入っても2ヶ月かかるでしょう?!遅いと言われても無理でしょう!僕が悪いんですか?!」
「いや、悪いとは……」
「いつ?!いつなら間に合ったと?!」
「え~……と……」
「いつっ?!!」
「…………こ………ここ今月の2日……かな…」
「何時何分何秒っっ?!!!」
「秒って……」
「何秒?!!!」
「びょ……秒まではわからないけど……」
不思議だけど……何だろうこの気持ち。
どうしても102号室に住みたくなってきた。
どうしたと言われても住みたいのだ。
102しか嫌だ。
目が血走っていたと思う。
思いの丈を詰め込んだ力押しの迫力に、丸顔の不動産屋は男らしくポッキリと折れて何も言わずにパソコンを操作した。
漏らした情報を悪用しないと信用してくれたのは嬉しいけど、完全なメンヘラ扱いだ。
他の物件を勧められなかったのは早く帰ってくれって事だと思う。
怪しまれなかったのは童顔の勝利と言える。
「あ~もう……自分で童顔とか認めちゃったよ」
ンーッと唸った自動ドアが口を開けると、冷ッとする程涼しい。
知らない間に額も背中も汗で濡れていた。
そりゃ汗もかくよ。
長居は無用だ。
さっさと消えなければ…と健二を探すと、店舗の中からは見えない横側に長い体が転がっている。
健二だ。
一瞬、さっきの事故で体に異常でもあるのかと思ったら………
痙攣しながら笑っていた。
「……他人事だと思って……」
「だって……だって……葵……お前…」
ヒーヒー言ってる健二は起き上がろうとしないけど、多分丸顔の不動産屋は俺の姿が店の前から消えるまで出てこないと思う。
だからいいけど………血の滲んだTシャツ姿で声も無くクネクネされたら変な誤解をされて人口呼吸の準備をされそうだ。
AEDでも持ち出されたら目立ってしまう事この上ない。
「健二さん、そろそろ復活してください」
「無理……タクシー…タクシー呼んで……」
「それこそ無理です」
タクシー呼ぶなんてやった事ない。
その辺を走ってくれたら呼び止めるくらいは出来るけど、そんな気配は全然無いのだ。
「呼んでくれ……歩くの……無理」
「呼ぶって?叫べは来るんですか?」
「叫ぶ?…叫ぶってお前……」
駄目だ、笑いの威力が増した。
何かのスイッチが入って切れなくなってる。
震える手で番号を押して渡されたスマホを見ると、どこかにコールしている。
慌てて耳に当てると「配車センター」に繋がった。
どこと聞かれても場所は説明出来なかったが、不動産屋の名前を言うと見事にタクシーがやって来た。
笑い続ける長い体を車の中に押し込み、事務所に帰り着く頃になると健二はグッタリとしていた。
ストーカーの名前は野田正樹。正確な年齢は不明だが恐らく30代の後半から40代前半。
自ら開業した法律事務所で働き、パラリーガルを含むアシスタントも3人程雇い入れている。
つまりは事務と2人って感じの個人事務所より少しだけ大きい。
専門は離婚調停などの民事が多いらしい。
3時間くらいの間、健二と二人で野田の事務所を見ていたが、途切れる事なく顧客らしき来客がある。弁護活動は繁盛しているようだ。
体型は中肉中背。
「モブ顔」と赤城は表現したが、言い換えるとそれは無難で普通って事だ。決してイケメンでは無いが不細工でも無いし、当たり前だけど変態っぽい雰囲気は無い。一般的に見ても合格ラインにいると思う。
高学歴で高収入、社会的地位も高い。
将来に安定を見込める弁護士と言う職業を考えれば、寧ろ好物件であると推測出来る。
「……健二さんはどう思います?」
「やっぱり赤城さんの気のせいかな……」
「椎名さんが説明してくれたように確率論で言えば黒なんですけど、逆に言えば100%じゃ無い限り偶然って可能性はありますね」
「どうだろうな」
「どうでしょうね」
2人揃ってうーんと唸った。
気が付けば健二と同じポーズになっている。
非常に嫌。
組んでいた腕を解くと健二も解く。
仕方が無いからもう一回腕を組むと、前触れも無く健二が立ち上がった。
「よっしゃ、こんな所でうだうだ推測しててもどうにもならない、葵、お前が直接聞いて来い」
「…………」
「どこに?何を?」
「不動産屋に決まってるだろ、野田がいつ今の部屋を借りたか聞き出して来い、もうこうなったら証拠を集めて野田に突きつけるしか無いだろ」
「……どうやって……ってか何で俺なんですか、健二さんが行けばいいでしょう」
「俺が行っても絶対に教えてくれないよ、椎名辺りが行っても無理だし銀二さんが行ったら通報される、相手の立場に立ってみろよ、葵ならどうする?俺に個人情報漏らすか?」
漏らさない。健二にしては的を得ている。
それにしても「銀二」が誰なのか聞かなくてもわかってしまった。
銀のスーツを着る「銀二」
ありもしないリゾート病院を勧める「銀二」
あまりにも「らしく」て驚いたくらいだ。生まれた時からチンピラの臭いがしていたのかと思うと笑える。
誰が行っても無駄だと思うけど、仕事なのだから上司(?)の健二が行けと言うなら行く。
作戦はこうだ。
──俺は以前から野田が今いる部屋、「グランメゾン誠」201号室に住もうと決めていた。そう思い込んでいたって設定。
何でって?
設定なのだから細かい事はいい、201に住みたかったのだ。
後は成り行きでアレンジ。
うん。絶対に無理だと思う。
「行け」と健二に背中を押されて、無理だと思いつつも行く。不動産屋の自動ドアをくぐると、満面の笑顔が迎えてくれた。
「いらっしゃいませ」と立ち上がった丸顔の不動産屋はいかにも反社会勢力の「鴨リスト」に乗っていそうだ。
これは行けるかもしれない……と安直な期待を胸に、店先に並んであったチラシをカウンターの上に乗せた。
「あの、このチラシにあるグランメゾン誠なんですけど聞きたい事があります」
「ああ、305号室ですね、内見に行かれますか?、ここから歩いて行けますし、今すぐご案内出来ますよ、条件を言ってくだされば他にも多数の物件をご紹介できますよ」
「いえ……僕は……」
僕………は非常に嫌だったが健二にこれは守れとしつこく説得された。「若く」見えるビジュアルを利用しろって事だと思う。
如何にも無害そうな印象操作は必至、それはわかる。
人の第1印象というのは、一度そう見えてしまうと覆すのは困難なのだ。
その中で言葉遣いは重要だ。
幾ら優しくされても、いつも笑っていても「腎臓を寄越せ」と言った椎名を信じたりは出来ない。
もし銀二が、頭を丸めて農作業をしてたら何かを企んでいるようにしか見えないだろう。
だから言わなければならない事はきちんと言うが、なるべく頼り無げな声を出す。
「僕は……305に住みたいんじゃないんです」
「では……この305号室と同じ様な条件の物件を何件かお探ししましょうか?同じ沿線がいいんですよね?」
「いえ……僕は……102号室に住もうと決めてるんです」
「ああ~ごめんね、102号室は今月の頭に別の人が入居しちゃったんですよ、でも305号室は角部屋だし一番上だから騒音も無いよ、一度見に行く?」
「僕は102がいいんです」
「いや、だから102はもう埋まってるから無理なんだよ」
「何故ですか?」
「え……と……悪いけど諦めて、ってか102に何があるの?何か大切な思い出かな?気持ちはわかるよ」
「僕の何がわかるって言うんですか、あなたが僕の何を知ってるって言うんですか」
「いやごめん、ごめん、何も考えないで返事しちゃったよ、ごめんね、でももう埋まっちゃたんだよ、ごめんね」
「僕が……僕があそこに住む為のお金を貯めている間に……」
「うん、ごめんね、でもこれだけは融通してあげられないんだ、その代わり君の希望に合った所を必ず探してあげるから……」
「こんなの変です102は僕の部屋です」
「だから102は……」
「102じゃないと嫌だっっ!!」
ドンッと叩いたカウンターの上で装飾の鉢植えが跳ねた。
「僕は102に住むんです!そう決めてるんです、おかしいです、何かがおかしい、何で邪魔するんですか、誰が邪魔したんですか、変でしょう、間違ってるでしょう!」
「困ったなあ……、、君、ご両親の連絡先を教えてくれないかな?」
「両親に何か関係が?僕の部屋です、お金も僕のお金です!」
「でもね、先を越されたんだから仕方ないだろう」
「僕が遅かったのが悪いって言うんですか?!2月分の家賃が前払いなんでしょう?!時給980円で毎日5時間とか6時間入っても2ヶ月かかるでしょう?!遅いと言われても無理でしょう!僕が悪いんですか?!」
「いや、悪いとは……」
「いつ?!いつなら間に合ったと?!」
「え~……と……」
「いつっ?!!」
「…………こ………ここ今月の2日……かな…」
「何時何分何秒っっ?!!!」
「秒って……」
「何秒?!!!」
「びょ……秒まではわからないけど……」
不思議だけど……何だろうこの気持ち。
どうしても102号室に住みたくなってきた。
どうしたと言われても住みたいのだ。
102しか嫌だ。
目が血走っていたと思う。
思いの丈を詰め込んだ力押しの迫力に、丸顔の不動産屋は男らしくポッキリと折れて何も言わずにパソコンを操作した。
漏らした情報を悪用しないと信用してくれたのは嬉しいけど、完全なメンヘラ扱いだ。
他の物件を勧められなかったのは早く帰ってくれって事だと思う。
怪しまれなかったのは童顔の勝利と言える。
「あ~もう……自分で童顔とか認めちゃったよ」
ンーッと唸った自動ドアが口を開けると、冷ッとする程涼しい。
知らない間に額も背中も汗で濡れていた。
そりゃ汗もかくよ。
長居は無用だ。
さっさと消えなければ…と健二を探すと、店舗の中からは見えない横側に長い体が転がっている。
健二だ。
一瞬、さっきの事故で体に異常でもあるのかと思ったら………
痙攣しながら笑っていた。
「……他人事だと思って……」
「だって……だって……葵……お前…」
ヒーヒー言ってる健二は起き上がろうとしないけど、多分丸顔の不動産屋は俺の姿が店の前から消えるまで出てこないと思う。
だからいいけど………血の滲んだTシャツ姿で声も無くクネクネされたら変な誤解をされて人口呼吸の準備をされそうだ。
AEDでも持ち出されたら目立ってしまう事この上ない。
「健二さん、そろそろ復活してください」
「無理……タクシー…タクシー呼んで……」
「それこそ無理です」
タクシー呼ぶなんてやった事ない。
その辺を走ってくれたら呼び止めるくらいは出来るけど、そんな気配は全然無いのだ。
「呼んでくれ……歩くの……無理」
「呼ぶって?叫べは来るんですか?」
「叫ぶ?…叫ぶってお前……」
駄目だ、笑いの威力が増した。
何かのスイッチが入って切れなくなってる。
震える手で番号を押して渡されたスマホを見ると、どこかにコールしている。
慌てて耳に当てると「配車センター」に繋がった。
どこと聞かれても場所は説明出来なかったが、不動産屋の名前を言うと見事にタクシーがやって来た。
笑い続ける長い体を車の中に押し込み、事務所に帰り着く頃になると健二はグッタリとしていた。
3
お気に入りに追加
141
あなたにおすすめの小説
身の程なら死ぬ程弁えてますのでどうぞご心配なく
かかし
BL
イジメが原因で卑屈になり過ぎて逆に失礼な平凡顔男子が、そんな平凡顔男子を好き過ぎて溺愛している美形とイチャイチャしたり、幼馴染の執着美形にストーカー(見守り)されたりしながら前向きになっていく話
※イジメや暴力の描写があります
※主人公の性格が、人によっては不快に思われるかもしれません
※少しでも嫌だなと思われましたら直ぐに画面をもどり見なかったことにしてください
pixivにて連載し完結した作品です
2022/08/20よりBOOTHにて加筆修正したものをDL販売行います。
お気に入りや感想、本当にありがとうございます!
感謝してもし尽くせません………!
好きな人が「ふつーに可愛い子がタイプ」と言っていたので、女装して迫ったら思いのほか愛されてしまった
碓氷唯
BL
白月陽葵(しろつきひなた)は、オタクとからかわれ中学高校といじめられていたが、高校の頃に具合が悪かった自分を介抱してくれた壱城悠星(いちしろゆうせい)に片想いしていた。
壱城は高校では一番の不良で白月にとっては一番近づきがたかったタイプだが、今まで関わってきた人間の中で一番優しく綺麗な心を持っていることがわかり、恋をしてからは壱城のことばかり考えてしまう。
白月はそんな壱城の好きなタイプを高校の卒業前に盗み聞きする。
壱城の好きなタイプは「ふつーに可愛い子」で、白月は「ふつーに可愛い子」になるために、自分の小柄で女顔な容姿を生かして、女装し壱城をナンパする。
男の白月には怒ってばかりだった壱城だが、女性としての白月には優しく対応してくれることに、喜びを感じ始める。
だが、女という『偽物』の自分を愛してくる壱城に、だんだん白月は辛くなっていき……。
ノンケ(?)攻め×女装健気受け。
三万文字程度で終わる短編です。
魔法菓子職人ティハのアイシングクッキー屋さん
古森きり
BL
魔力は豊富。しかし、魔力を取り出す魔門眼《アイゲート》が機能していないと診断されたティハ・ウォル。
落ちこぼれの役立たずとして実家から追い出されてしまう。
辺境に移住したティハは、護衛をしてくれた冒険者ホリーにお礼として渡したクッキーに強化付加効果があると指摘される。
ホリーの提案と伝手で、辺境の都市ナフィラで魔法菓子を販売するアイシングクッキー屋をやることにした。
カクヨムに読み直しナッシング書き溜め。
小説家になろう、アルファポリス、BLove、魔法Iらんどにも掲載します。
無愛想な彼に可愛い婚約者ができたようなので潔く身を引いたら逆に執着されるようになりました
かるぼん
BL
もうまさにタイトル通りな内容です。
↓↓↓
無愛想な彼。
でもそれは、ほんとは主人公のことが好きすぎるあまり手も出せない顔も見れないという不器用なやつ、というよくあるやつです。
それで誤解されてしまい、別れを告げられたら本性現し執着まっしぐら。
「私から離れるなんて許さないよ」
見切り発車で書いたものなので、いろいろ細かい設定すっ飛ばしてます。
需要あるのかこれ、と思いつつ、とりあえず書いたところまでは投稿供養しておきます。
三度目の人生は冷酷な獣人王子と結婚することになりましたが、なぜか溺愛されています
倉本縞
BL
エルガー王国の王子アンスフェルムは、これまで二回、獣人族の王子ラーディンに殺されかかっていた。そのたびに時をさかのぼって生き延びたが、三回目を最後に、その魔術も使えなくなってしまう。
今度こそ、ラーディンに殺されない平穏な人生を歩みたい。
そう思ったアンスフェルムは、いっそラーディンの伴侶になろうと、ラーディンの婚約者候補に名乗りを上げる。
ラーディンは野蛮で冷酷な獣人の王子と噂されていたが、婚約者候補となったアンスフェルムを大事にし、不器用な優しさを示してくれる。その姿に、アンスフェルムも徐々に警戒心を解いてゆく。
エルガー王国がラーディンたち獣人族を裏切る未来を知っているアンスフェルムは、なんとかそれを防ごうと努力するが……。
弱すぎると勇者パーティーを追放されたハズなんですが……なんで追いかけてきてんだよ勇者ァ!
灯璃
BL
「あなたは弱すぎる! お荷物なのよ! よって、一刻も早くこのパーティーを抜けてちょうだい!」
そう言われ、勇者パーティーから追放された冒険者のメルク。
リーダーの勇者アレスが戻る前に、元仲間たちに追い立てられるようにパーティーを抜けた。
だが数日後、何故か勇者がメルクを探しているという噂を酒場で聞く、が、既に故郷に帰ってスローライフを送ろうとしていたメルクは、絶対に見つからないと決意した。
みたいな追放ものの皮を被った、頭おかしい執着攻めもの。
追いかけてくるまで説明ハイリマァス
※完結致しました!お読みいただきありがとうございました!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる