水嶋さん

ろくろくろく

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イライライライライラ

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高くて高くて……薄っすら雲がかかって天辺が見えないくらい高かった障壁。嫌なのに、越えたくないのに気が付けば随分高い所まで登っていた。もう引き返したりは出来ないと、ヤケクソで乗り越えた筈が……振り返ればそこはいつもの平坦な道だった。

とんでも無い所に行き着くような気がしていたが越えててみると何でもない。

条件や容姿……ついでに性別で好きになる人を選べる人って凄いと思う、尊敬できる。

気が付いたら陥っていた。
どこで落ちたのか、いつからこんな感情を持っていたのか、無意識に選んでしまった相手は、多少…かなり、随分……我ながら趣味が悪いとは思う。

性別の難を超える程水嶋のどこがいいのか、何に惹かれたのか……

平日は乱暴で横暴、休日は床に押し潰された水風船。落ち着いてから改めて水嶋をよく見ても女っぽい要素はやっぱりゼロだった。本当に普通の男だ。

何故あんな極端な行動に走ったのかを考えても残念な事に何も出てこないのに、佐倉のように段階すら踏まず、行く所まで行っちゃったのは暴走だったと認めるが、酔いが覚めても、時間が経っても………どうしても間違いだったとは思えないのだ。

好きだと思ってしまったのだから仕方がない。

………そこは納得出来たのに次の壁がこれまた高い。

えーえーわかってました。

わかってたけど思った通り水嶋はやっぱり手強い。

水嶋が大人しく「愛」を語る相手になるなんて妄想の中ですら成り立たないけど、もうちょっと……こう……柔らかくなってくれないか、なんて淡い期待をしていた。

しかし、水嶋の頭の中は相変わらず仕事でいっぱい……ってか仕事しか無い。

あっという間に未払金の回収を終えた水嶋が何も言わずにまた組んでくれた事にはホッとしたが、使用前使用後とで基本的な関係性の変化はほぼ無かった。

「ほぼ」ね。
ほぼ。

……1つだけ変わってしまった事がある。
週末になればまた酔っぱらって雪崩れ込んでくるかとアパートで待っていたのに来なかった。
その次の週はわざわざ誘ってみたが「死ね」が返事。

仕事以外の話をしようとすると「死ね」
「美味しいですね」にも「死ね」
「夕焼けが綺麗」にも「死ね」

そんな死ね死ねを連発してもし本当に死んだら後悔するくせに(意外とチキン)それでもやめない。
何でわかるかって水嶋はそういう人だって知ってる。知ってるからこそ好きなのに本当に厄介だ。

毎日がそんな状態なのに油断するとニヤついてしまうのは俺が馬鹿だからでもMだからでも無い。

水嶋の態度は、拒否とか嫌悪とか大っ嫌いとか顔も見たく無いとか……(これ以上並べるとそれこそ死にたくなるからやめておく)それは無いのだ。とにかく簡単に言えば照れているだけだと解釈してる。
我ながら前向きで楽天的だと思うが……やめろとか死ねとか言いつつ、あの時の水嶋は全力で性感に身を委ねてた。

感度がいいって凄いのだ。
漏れ出る声を罵倒で誤魔化し、手に、体に……繋がった秘部から肉を伝い血管を駆け巡る血液が教えてくれた。

いくら予備知識と多少の経験があったとしても男なのだ。本当に嫌しか無いならいくら泥酔していたとしても噛むなり蹴るなりもっと強烈な拒否反応を示す。気持ちがあるとまで言わないが、ある程度の許容が無ければあんな事は絶対に成り立たない。

「おい……何をニヤついてる」

妄想に浸っていたらあの夜とは打って変わった水嶋が睨んでいた。
仕事の話と「死ね」以外で何か言うのは久しぶりだ。ニヤつきが倍増した。

「いや……あの…水嶋さんが好きなだけです」
「死ね」

「もう……冷たいな…」
「……はい!水嶋です」

「え?」

電話かよ。

水嶋は四六時中、歩いている時も携帯を離さない。電話が掛かってくるとワンコールも待たずにブラインドタッチでボタンを押す携帯の達人なのだ。
話が噛み合わないな、と思ったらいつの間にか電話をしてるって事もよくあった。
死ぬと言ったその口でよく切り替えが出来るものだと感心する。

「ちょっと……水嶋さん、危ないですよ」

歩く速度が周りと違うのに携帯で話しながらズンズンと早足で歩いて行ってしまう。
ドスドスぶち当たる人混みの防波堤になろうと肩を掴むと「触るな」と口パクで拒否された。

水嶋は何があってもマイペースなのだ。
それが水嶋だ。そして、そんな水嶋を好きになった。
教わる事は椀子蕎麦みたいに次々投入され、頑張って食っても消化しないうちにまた増える。
後をついて行くしか出来ないが今はそれで十分だった。

「ちょっと!待ってください」

見失いそうで駆け寄ろうとすると突然反転して向かってきた。

「え?…わっ!」

怒られるのかと条件反射で身構えるとドアを押すように押しのけられまた行ってしまう。
追いかけて電話が終わるのを待った。話しをするチャンスとも言う。

「水嶋さん?どうしたんですか?」
「どうしたもこうしたものない、キサンタンガムの代わりにグアーガムを納品したらバレた」

「……何ですか?それ」

何とかガム……それはロッ○?味覚○?
どっちにしても美味しくはなさそうだ。

「$\>$…ガム?…って?」
「アホ、勉強しろ。うちの製品だ。水に溶かすともちゅっとする奴だ」
「もちゅ……って何ですか」
「餅らしい食感とかゼリーとか色々……纏めるともちゅっとする奴」

「もちゅっと……ね」

水嶋の話には独特の擬音が多い。
道の説明などは聞けたものでは無いのだ。
つまり食品に入れる増粘剤の事らしいが普通はモチモチとかトロ味とか表現すると思う。

そして忙しい時や何かに夢中になっている時は独り言が多くなる。「どうする?先にキサンタン手配するか……どうすんだ…」と身振り手振りの多い「水嶋劇場」を往来でやられると注目を集めて恥ずかしい。すれ違う人がみんな振り返ってる。

これは……逃げだした方がきっと得だろう、このトラブルからは"入るな危険"の立て札が見える。

もう逃げないけどね。

「つまりは…納品を間違えたって事ですか?」
「間違えるかアホ、キサンタンガムが無かったからグアーに差し替えたと今説明しただろ、因みにキサンタンガムはグアーガムの倍は高い」
「それはわかっててやったって事?詐欺ですか?」
「詐欺って程じゃねえよ、普通ならバレない。妙にデキる製品管理部の誰かがいつもと食感が違うって見破ったらしい、お前は一旦会社に戻れ。俺はこのまま誤魔化しに行く」

「は?嫌です」

水嶋一人で行かせるとどうせロクな事にならない。
もう後悔するのは嫌だった。

「俺も行きます」
「アホ、どうなるかわからん、お前がいたら邪魔だ」
「尚更水嶋さん一人には…」
「帰れ、これは命令だ。お前まで来たら会社ぐるみの印象が強くなる、間違えた、手配ミスだと言い張るには俺一人の方がいい」
「じゃあ俺は水嶋さんの代わりに出来る事をやります、何でも言ってください」
「帰れ」

携帯の操作をしながらもうこっちを見ない水嶋は、止める間もなく道路に飛び出てタクシーに乗ってしまった。
行き先どころかどこの会社なのかもわからない。

水嶋の事だ、ただ単に利益を優先させたのでは無く何か事情があったのは間違いない。
そしてそのどれも、これも、いつもの如く会社に報告せず自分で背負ってしまうのだろう。

「こんな時の為に俺がいるのに……」

水嶋がまずやる事は「キのつくガム」、高い方の在庫があるか調べて手配の準備をする。
そして、そんな時頼るのは恐らく「つぶらな瞳」のデカマッチョだ。

運送部は遠方じゃ無い限り午後は事務所に戻ってる筈だ、出てくれと神様にお願いしながら運送部の事務所に電話をかけてみた。

「はい?誰?」

「関口さん?江越です。今…この数分前に水嶋さんから何か連絡無かったですか?」
「今日の話か?無いけど、何だよ…また何かやらかしたか?」
「いえ、あの最近……多分…今週だと思うんですけど「グ」の付くガムをどっかの会社に納品してませんか?」

「…………グ?」
「……グの付く……ガム……製品がもちゅっとする奴……」
「グ……ガム…もちゅ?…何の事だ」

うん、そうなるよな。
しかし、商品の名前は全く覚えてない。

生きていく上で全く耳にしない音を並べられても覚えられるわけ無い、いっその事商品の名前は全部品番にしてくれたら20桁でも30桁でもそっちの方が覚えやすい。
「グ」は間違いないが何か強そうな音からのイメージしか残ってないから取り敢えずそれを伝えてみた。

「グ……グオーみたいな……名前です」
「ああ、それは多分グアーガムだな、お前ちょっとは勉強しろ。出てると思うけど俺は知らんな、調べようか?」
「お願いします!」

一旦電話を切れば良かったと後悔するくらい、長い間待たされて関口が教えてくれたのは30件あまり。
遠方を除いて、宅配出来るくらいの小口も除いて残ったのは「森長工業」一件だった。

もし当てが外れて他府県の会社だったら行っても無駄足になる。
水嶋は「タクシーで行ける範囲」だと限定出来るような人じゃ無いのだ。飛行機や新幹線よりタクシーの方が早ければ沖縄までだってそのままいく。早ければ泳ぐ。
何にしても手掛かりは森長工業しか無いのだ、このまま何もしないではいられないから取り敢えずは関口に聞いた工場まで行ってみる事にした。

「突撃する前に何か理由作った方がいいよな…」

水嶋が来るなと言ったのはそれなりの理由があるからだ。邪魔になってしまっては元も子もない。

こっそりと荷物を運ぶ手配をしてないって事はこのまま突っ切るつもりらしい。そんな時の水嶋は自らの体を差し出してしまうのだ……それこそ色んな意味で…。
全然知らなかった体《てい》で間に入って手伝うか、もしくは止めなければならない。


「何て言おう…」

"サンプルをお持ちしました"って何のサンプルを持っていけばいいのか知識が無いからわからない。
「何かご用は無いですか?」と言うのも担当は水嶋なのにそれは変だ。
突然お伺いして"何か手伝います"って詐欺か産業スパイを疑われそう。

色んな案を検討したが何も思いつかないまま電車に揺られ、意外と近かったからすぐに着いてしまった。

森長工業は主にスーパーのレジ前などに並ぶ安価な和菓子を作っている……とネットに出ていた。

今回の注文数も少量だ。一見すると全部弁償しても大した額にはならないように見えるがそれは甘いと水嶋に教わった。もう出来てしまった商品や卸した商品を回収するとなれば結構な額になる。

「水嶋さんいるかな…」

また外で荷下ろしとかをしてるとか工場に入り込んで手伝ってるとか……何か見えないかと何気ないフリで門の前を通り過ぎてみたが情報は何も無し。
小型のトラックでも切り返しは出来そうも無い狭い敷地には人っ子ひとり見えなかった。

この際だから入っていきたいが、問題は水嶋が森長工業に来ていると明確な確信がない事だ。

不審者そのものだが、もう一度門を横切ってみると……ビンゴだ。
水嶋が髭を生やしたキザな男と二人で歩いてくる。慌てて通り過ぎ、門柱の影に隠れた。

タイミングを測ってからそっと覗き見ると、怒られたり謝ったりしている様子は無く、二人は親しげに寄り添い和やかに話をしている。

それはそれで良かったが物凄く気になったのは水嶋にくっ付いている相手の男だ。年は50を過ぎたくらいだろうか。
安い和菓子を作る小さな工場の関係者にしてはベスト付き、ダブルのスーツはそぐわない。撫で付けた髪がテラテラ光り、触ると硬そうに見える。
つまり、妙にお洒落な伊達男である訳だが、ニコニコ笑っている顔はむしろニヤニヤしているように見えて、何よりも水嶋の腰に回した腕は何なんだ。

どこに行くのか、後を付けるか、飛び出してシラっと合流するか……迷っていると黒塗りのセダンが滑り込んできた。他に誰もいないのだからその車は二人が乗り込むのは当然だった。

「あ……」

厳重に隠れ過ぎていた。飛び出してみたが二人が滑り込んだ黒塗りセダンは走り出し、あっという間に見えなくなった。

「何あいつ何あいつ何あいつ」

急いで水嶋の携帯に電話を掛けてみたが電源は切れている。まさか森長工業に入って「水嶋と誰だか知らないキザなおっさんがどこに行ったか知らないですか?」……とは聞けない。

もう後を追う術が無い。
出来る事は一つ、水嶋の指示通り本社に帰ってイライラと連絡を待つしかなかった。
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