月のカタチ空の色

ろくろくろく

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第2章 やり直し2

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空が明るくなり8時を過ぎても倒れ込んで寝入ったまま神崎はピクリとも動かない

どう見ても出社時間までに復活しそうにないが、神崎は一昨日は勝手に仕事を抜けて昨日は予定通り会社を休んでる、急な発注の多い今の時期は仕事の緩急が激しくてきっとデザイン部は混乱してる

放置する事は出来なかった



「あれ?清宮さん…………来週まで休むんじゃなかったんですか?」

「うん、そうなんだけど今日は神崎の代わり…あいつのやる事美咲はわかるか?」

「はい、二人で分けてやってましたから……」

「予定表は?作ってある?」

山内からプリントアウトを受け取り中身を確かめると予想通り手書きで割り込む書き足しが多い

「どれが進行中?終わってない分俺に回してくれ」

「神崎さんはどうしたんですか?」

「ごめん美咲、今日は神崎が来れないから俺が来たんだ」

「何かトラブルか病気ですか?」

「いや………酔いつぶれて起きないだけ、毛布でぐるぐる巻にしたら息してるミイラみたいで面白かったぞ」

「ミイラ…ですか………」

……………今清宮の着ている大きめのパーカーが神崎の物だと見てすぐに気が付いた

………何故そうだと断言出来るのかと言えば、同じ時期に買ったものが神崎と被りお互い二度と会社に着て来なくなったから………


「結局二人でいるんだ」

「ん?何?聞こえなかった」

「何でもないです、神崎さんがやりかけてた仕事は俺がやりました、清宮さんはイベントの入場チケット3種類作ってくれますか?」

「わかった、迷惑かけて悪いな」

「迷惑じゃないです」


久しぶりに会った清宮はどこか手触りが固く、辞める準備をしているのかと本気で心配したが今は清宮を包む空気がどことなく穏やかになってる


意地でも否定したいが………

もう認めるしかない………二人の仲を…………



FMラジオがランチタイムを告げる頃、物凄い皺を眉間に刻んだ神崎が歩くのも危うい足取りで出社した

呻き声にしか聞こえない挨拶は途中でゴニョゴニョ途切れ、落ちるように椅子に崩れた

「来なくていいのに」


「ソンナ………ワケニモ………イカナイデショウ……」

「喋らなくていいからそこで寝てろ、ほら水」

ポイッとペットボトルを投げると受け取る気力も反射もない神崎の肩にボンっと跳ねて床に転がった

「せめて受け取る素振りくらいしろよ」

「ナゲナイデ……クダサイ……」

床に落ちたペットボトルを拾おうと同時に手を伸ばしたが………椅子に座ったままでは二人共床まで手が届かない

暫く筋肉を使わないと起き抜けに味わった鈍痛がまた手足に戻り立ち上がる気にもなれない

足で掬えないかゴロゴロペットボトルを転がしていると山内が不思議そうに顔を傾け拾ってくれた

「何やってるんですか、動きが変ですよ」

「筋肉痛で………体が曲がらない」

「筋肉痛?清宮さんが?珍しいですねスカッシュやってもバスケやっても平気なくせに何をやってたんですか?」

「いや……ちょっと遊びが過ぎちゃって普段使わない筋肉を………」
「え"っっ?!」

蛙が上げた断末魔のような美咲の声にパタリと会話が途切れた

「何?今の声………」

「美咲……馬鹿………」

パッと顔を赤くした山内は昼休憩に行きますと美咲の襟を引っ張ってデザイン部を出ていってしまった


「なんだあれ?」

「ナンデモイイ………、ハルヒトサンモ…オヒルイッテ」

「神崎は?何か食べる?」

「クエマセン………」

「………だろうな………」

どうせ仕事にならないなら帰って寝てればいいって言ってるのに神崎は眉間の皺と一緒に発注書を眺めてる、そんなに時間がかかる程内容は厚くないが50ギガのファイルを扱う古いMacのように読み込みが遅くて笑えた


それにしても「清宮」宛の電話が無いだけで仕事はサクサク進む、元々予定に入っていなかったせいで夕方にはデザイン部でする事は綺麗になくなってしまった


「清宮さんが入ると仕事が早い」

「もうやる事もないし、まだ6時になってませんが神崎さんを帰した方が良くないですか?もう機能してませんよ」

「そうだな………タクシーにでも放り込むか、美咲と山内も下まで運ぶの手伝ってくれるか?俺もちょっと事情があって早目に帰りたいんだ」

神崎は分けた発注書分を終えると机に突っ伏してうだうだしていた

一日中頭を抱えていたせいでいつもきちんとしている髪がグシャグシャになってあっちこっちピンピン跳ねてる

「神崎……立てるか?」

ポンと肩に乗せた手に伝わった熱にギョッとした
セーターの上からでも熱い

「神崎? 」

「俺は………一人で帰れます………春人さんは来週から来るんですよね」

「お前なんか熱くない?」

突っ伏して空いた首に頬を当てるとやっぱり熱い、美咲達にも見てもらおうと振り向くと何故か二人共抱き合うように腰を引いていた

「なんでそんな逃げてんだよ、なぁこれどうしたらいい?」

「どうしたらって……清宮さんってこんな時は末っ子って感じですね」

「末っ子って今何か関係あるのかよ」

「俺の妹もそうなんですけどね、見てもらう事が当たり前で誰かの面倒みるのは出来ないんですよね………あれ?神崎さん本当に熱い」

山内が熱湯に用心するように神崎の首に手の甲を当てて物凄く冷静に分析した


しくじった………

清宮に言われて初めて気付いたが二日酔いにしてはちょっとおかしい
顔を持ち上げるだけで吐き気がむせ上がり身体の節々が痛い

ずっと続いていた寝不足と食べずに暴飲を続け体力が落ちていた所に昨夜は暖房も付けずに寝入っていた

完全にアウト………

「最悪……俺病院行ってきます、怠いのは二日酔いと筋肉痛だと思ってました」

「え?!…………病院?………病院行く気か?」


………今の清宮の顔に字幕を付けると

「死刑台に行く気か?」

くらいの台詞が当てはまりそうだ


「春人さんじゃあるまいし病院くらい行きますよ、一人暮らしなのに動けなくなるとヤバいでしょう」

「歩けますか?何なら俺が付き添いますけど?」

「いや、一人で行けるよ……悪いな山内」

誰でも一人暮らしを始めてから一回目の体調不良で家族の有難さを実感する、動けなくなってから食べ物も飲み物も薬もない事に困り果て、救急車を呼んでみようかな……なんて迷ったりする、山田以外は全員一人暮らしで清宮のように30分で来れる場所に実家もない

早目に病院に行くのは当たり前だ

片付けを美咲達に任せてデザイン部を出ると清宮が後ろから付いてきた

「春人さんは実家に帰るんでしょう?俺はタクシーで病院行くから見送らなくていいですよ」


立って歩くと床が柔らかい、従業員用の通路はいつもに増して暗く感じて真っ直ぐ歩けているのか不安になる

清宮は駅の方向に行かずにムッツリ口を結んだままくっついて来てタクシーを止めると何故かチョンと隣に座った


「……何してるんですか」

「俺も行く」

「大っ嫌いな病院に?山内の言った事を気にしてるんですか?」

「違う……危ないかもしれないじゃないか」

病院に行くだけなのに危ないなんて心配の方向性が明後日を向いている………ちょっと支えてくれるくらいしてくれてもいいのに山内の言ったとおりそれは考えつかないらしい


「ハルに心配される日が来るなんて……何の天罰なんだ………」

「自分の胸に聞いてみろ………」

「鳩の呪い?……」

「!!………まさかお前………」 

「何ですか………」

「………殺害犯?」

「………………馬鹿…………家に帰ってなまこでも食ってろ」

「あ、俺なまこ結構好き」


熱に浮かされ迷走する会話はタクシーに乗っている間中続き、病人だと言うのに最終的に殴られたりもした


散々待たされた末の診察は酒の匂いがまだ残っていた事もあり血液検査の結果が出る前から飲み過ぎだと苦笑い付きの説教を食らった

何もしないくせに側を離れない清宮はそんなに嫌ならせめてロビーで待っていればいいものを、診察室から処置室まで付いてきてシャツを引っ張り、付き添いと言うより邪魔をしにきただけ……

点滴の針を刺す時にはギュウッと爪を立てられ何か未確認生物に噛まれたような謎の歯型を腕に付けられてしまった

「頭からダラダラ血を流しても平気な顔してるくせに小さな針を刺すくらい何ですか」

「俺なら腕を切り落とす方がマシに思える」

「怖い事言ってないでもういいですよ、点滴は一時間くらいかかるし、多分これ終わったら治ってます、家に帰らないと困るんでしょう?来週から会社に来てくれるって信じて待ってます」

「そんな早く治らないだろ」

「点滴の威力知らないんですね」

「針が刺さったまんまで痛くない?」

「痛くないですよ」

小さな容器の中で、生まれては落ちていく薬剤の雫はもどかしいくらいゆっくりでボソボソと声を潜めた話し声が漂う処置室は時間が経つのが遅い

風邪を引くのも発熱するのももう何年も覚えがない

インフルエンザではなかったものの、曖昧な記憶の中で、各種色んな体液の交換をした清宮に移してしまったかもしれない


もし移っていれば……自分が肺炎になるより厄介な事になる

清宮を病院に連れて行く方法にうなされながらうつらうつらとしていると怯えた子供のように張り付いていた清宮はいつの間にか姿を消していた


タクシーでマンションまで帰り着きエレベーターの中で部屋の鍵を出そうとすると鞄に入ってない

会社で出した覚えはないし、そもそも泥酔状態で部屋を出た昼の記憶が曖昧で鍵を締めたかどうかもわからない

開けっ放しか、最悪なのは鍵を無くして締め出し………

フロアに着いて恐る恐るドアノブを回すとやっぱり…………開けっ放しだった

ドアを開けると灯りまでつけっぱなし、ガシャンと何かを落としたような音が聞こえて、空き巣と鉢合わせしたのかと部屋に飛び込んだ


「春人さん?!……何やってるんですか…」

「おかえり、どう?治った?」

「俺は大丈夫ですよ……それより……」

てっきり実家に帰ってしまったと思っていた清宮が台所を散らかして鍋を火にかけていた


「家に電話して色々聞いたんだ、お前寝てろよ」

「寝てろと言われても……」


台所で爆発事故を起こす危険人物がコンロを使って何やら怪しい実験をしている、寝てろと言われてもそうしますなんて呑気な事は言えない

「何を作っているんですか?」

「お粥、母さんに作り方を聞いた」

清宮のお母さん……

世には温めたらいいだけのインスタントも売ってるんですよ、何作り方指導してるんですか……

ありがたいが人には役割がある
器用ではあるが箱入り坊っちゃんの清宮は一般常識のスキルが低すぎる、だいたいお粥と言いながら何故鍋の中身がピンク色をしている


「春人さん俺なら大丈夫ですから…後は自分でやります」

「いいから任せて寝てろって」

どんなものが出て来ても、例え後で吐こうが全部食べる、食べてみせるが……どうしてもピンクなのが気になってよくよく観察するとトマトを切っている…………言い方を変えればただ潰してる


「わ…切れん」

どうやらメニューはトマト粥らしい……

………お母さん……「炊いた米を水で煮る」それだけで充分な筈、何で凝ったものを指導してるんだ、息子のスキルに合ったアドバイスをして欲しい

先に水で米を煮ていたらしくそこに豆乳をドボドボ入れてトマトは切るのを諦め丸のまま鍋に放り込んでしまった

「米は煮えたから多分もう食べれるよ」

「今トマトを追加した所ですよね………」

「トマトは生でも食べるじゃないか、お前は心配しないで寝てろったら」

本当に病人だとわかっているのかドンッと胸を突いた清宮の手首に線状の赤い痣がある、何をどう失敗したらそんな傷が出来るのか考えもつかないが相手は清宮だ、何でもあり得る


「春人さん、手首…どうしたんですか?まさか料理しながら何かで怪我でもしたんですか?」

「………………」


清宮は何も答えず、怪しむような視線でジロリと睨んで何でもないと鍋に視線を戻してしまった

「春人さん?ちゃんと言ってください」

「うるさいな、お前顔が赤いぞあっち行ってろ」

ドカッと台所を蹴り出され仕方なく待ってる事にしたが台所の様子がわからないにベッドに行くのは怖くてソファに座った

「ここで寝てますけど何かあったら………何かある前に!…呼んでくださいね」

「後は煮るだけなんだから何もないよ」

「そうでしょうけど………」

ここはぐっと我慢………せっかく清宮が自分にできる事をやろうとしているのに邪魔は出来ない

清宮はまさかとは思うが料理する為に台所に立つのは初めてなんじゃないだろうか?

前にシチューを作った時の手つきはちょっとでも料理を囓った形跡がなかった


…………後は煮るだけ………

その割に突発的な音がする


今落としたのは多分包丁………

「熱っ!!」

………今味見をして舌を火傷した

これ何の拷問だ………

叫び声と一緒にカチャーンと鍋の金属音………

もう!……任せろって言ったって無理だろう

 
「待て!!来るな!大丈夫だから」  

ソファから怠い体を持ち上げると清宮がバッと台所から飛び出てきて安全順調をアピールした

「今火傷しましたよね」

「してない、鍋が溢れただけだ、蓋が熱かったんだよ」
「見に行ってもいいですか?」

「駄目!」

見なくてもコンロがどうなっているかは想像がつく

もうすぐ26、一人暮らしを始めて丸5年、デザイン部だけでなく、半分販売促進に足を突っ込み会社を引っ張っていく社会的には立派な男に湧き上がるこの庇護欲………

仁に似ていると言われると表現しようもないくらい腹が立つが、清宮と一緒にいると誰でも仁に似てくるのではないかと思う


「神崎?起きてる?」

はっきり言って安心して眠れる程神経は太くない

「起きてますよ」

「お粥食べれるか?」

「勿論食べます、春人さんがせっかく作ってくれたんですから何が何でも食べます」

「起きなくていい!持ってくるから待ってろよ」

清宮は平たい皿にトマト粥をよそい、いつの間にか作っていた杏仁豆腐とスポーツドリンクまで運んできてくれた

「至れり尽くせりですね」

「山内の言う通り俺はいつも誰かにやってもらってたからな、たまにはいいだろ」

「スリル満点ですけどね」

サーモンピンクのお粥と杏仁豆腐はどちらも美味しく清宮はテーブルに頬杖をついて食べている所をずっと見ていた

食後に飲んだ薬のせいで起きているのが難しくなり片付けを清宮に任せてベッドに入ると、風呂に入って髪がびしょびしょに濡れたままの清宮が隣に潜り込んできて……

静かな静かな幸せな夜を運んできてくれた
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