上 下
11 / 14

11話

しおりを挟む
私のもとにやってきた人物を見るとそれはお兄様だった。今度は何をしに来たのか、リリィは身の毛がよだつ思いをした。

「よくもさっきは俺に逆らったな!ここで叫んでも誰も助けに来ない。俺たち2人っきりだぜ?沢山楽しもうな?」
薄着み悪いイヤらしい笑みを浮かべている。
怖い。

お兄様は手に持っていた鍵で、鉄格子を開けて私と同じ空間にはいると、牢屋の壁に付いている手錠を私の腕にはめ、私は座り込んだまま腕をずっと上げている姿勢になった。

「よく顔みせろよ。今まで小汚いやつゴミだと思ってたけど、まさかこんな所に美味しいそうな女がいたとはな」
お兄様はポケットからナイフを取り出して、私が着ていた薄い洋服を真ん中から割き、私の身体を隠すものは無くなってしまった。

「お兄様どうして、こんなことを!」
「なんでって?お前は俺のものだから何してもいいだろ?」
「私はお兄様のものじゃないわ…」
「は?さっきも言ったけど俺らがいるおかげでお前は生きていけてるんだろ?それってもう実質、俺のいい事は絶対ってことだろ?奴隷じゃん。お前に拒否権はねぇーの」
やだ、助けて。気持ち悪い。心でそう叫んだ。

「ねぇ?お前さっきから強気なこと言ってるけど体は正直だぜ?この可愛いピンクのところ立ってるよ?俺に舐められたくて立ってるんでしょ?仕方がないなあ、舐めてやるよ」
お兄様は手で片胸の先をひねったりつねりながらして、もうひとつの方を音を立てながら舐めている。

本当に気持ち悪い。いやだ。今にも悲鳴をあげたい。
「やだっ!離して!!」

「ほら、舐めただけでこんなビンビンだぞ?こっちも舐めてやるよ。こんなに先っぽテカらせておっきくして、恥ずかしー」
「感じてないから!本当にやめて!」
「そんなに言うなら、俺がこれを引っ込ませてやるよ」
そう言って、今度は私の乳頭を指を2本使って押し込んでくる。

生理現象なのだから引っ込むはずがないのに。

「あれ?中々引っ込まないなぁ」
「もしかして、もっと触って欲しいのかな?」
「はぁっ!」
突然つねってきて、私はびっくりして声を上げてしまった。

「あれ?さっき感じないとか言ってたよね?」
お兄様は煽るように言いながら、その手をやめない。
「んんっ、やだっ、触らないでっ!もうやめてくださいっ!」
「あーもう、さっきからヤダヤダうるせぇな!従わないお前にはお仕置しなきゃいけないみたいだな!」

お兄様は地面に座り込んでいた私を壁に付き合わせ、お尻を突き出させるよう膝を着くように言った。腕は相変わらず鎖に繋がれていて、上に持ち上げられていて、体勢がキツかった。

「歯食いしばれよ?」
お兄様はそう言うと思いっきり私のお尻を手で叩いた。
「っっ!」
この人加減っていうものを知らないの?凄く痛くて、ひりひりする。きっと今の一撃だけで真っ赤になってしまうだろう。辛うじてショーツが残されていたのはまだ良かったのかもしれないがあまり変わらないような気もする。

「お兄様、お願いします。やめてください…」
私は涙を浮かべた目で、お兄様をみてそう言った。すると、この顔が効いたのか叩くのをやめた。

「仕方がねぇな、叩くのはやめてやるよ。その代わりに俺の綺麗にしろよ」
最悪だ。お兄様はズボンから自分のモノを四つ這いの私の顔の前に出した。変な匂いがするし顔に近づけたくないのに…。
「早くしろよ!」
お兄様はいきなり怒鳴ると、私の頭を捕まえて口をこじ開けさせると無理やり私の中にそれを捻りこんだ。苦しかった。思わず私は噎せてしまいそうになる。
「噛んだらどうなるか分かってるよな?」
私は黙って頷くと、必死に舌を動かした。それしか私に残された道は無いのだ。これ以上抵抗したら次はどんなことをされるか分からなくてただ、怖かった。どうして私はこんな目に合わなきゃいけないんだろう。ニックもここにはもう居ないし。誰も助けてくれる人はいない。苦しい。本当に苦しい。私は泣きながら、ただひたすらにお兄様の言いなりになるしかなかった。もう、お兄様の声すら耳に入ってこない。ただ、怒鳴られて。好き勝手に私の胸を揉まれ、いつしかその手は最もデリケートな部分に触れていた。惨めだった。気持ち悪いのに、身体が感じてしまう快感には逆らえない。何度も達し、その度に勝手にイクなと殴られたような気がする。私は反吐が出るような表情を浮かべている男のブツを咥え、出したくもない喘ぎ声とびちゃびちゃとなる音をこの地下に響き渡らせていた。顔を晒す前はこんなことにはならなかった。暴力を振られるぐらいで済んでいたのに。顔を晒さなければよかった?後悔が頭の中をぐるぐると駆け巡る。いくら家の中で卑下されようが、無視されようが、私は伯爵家の娘だというプライドを持って生きてきた。だから、今まで何があっても頑張ってこれたのだ。努力をすれば報われる。体に傷付けられた傷は魔法でも治すことができるし、実際に、彼らは私のことを痛めつけたあと治癒魔法で回復させていた。外の人間にそんな残虐非道な行いをしているとバレたくなかったのだろう。だが、性的暴力は、私が守ってきた自尊心をとうとう傷付け、精神的にもこの、男の手にのよって服従させられたのであった。もはや羞恥心など無い。恐怖に支配されそんなことを感じている場合では無かった。この腕にはめられた手錠のように鎖となって、私を恐怖で支配していたのだ。逃げる事などできない。助けもこない。やがて口の中に苦さが広がった。青臭い匂いと、お兄様の気持ち悪い声にも、勝手に私の身体を触ってくる手にも耐えた。もう解放してほしい。もう疲れてしまった。
「リリィ!!」
朦朧とする意識の中で私の名前が呼ばれているような気がした。



しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?

gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。 そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて 「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」 もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね? 3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。 4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。 1章が書籍になりました。

魔王の花嫁(生け贄)にされるはずが、隣国の王子にさらわれました

オレンジ方解石
恋愛
 シュネーゼ公国一の美姫、アレクシアは公子の婚約者だったが、公子は初恋の聖女と婚約。アレクシア自身は魔王に目をつけられ、花嫁となることが決定する。  しかし魔王との約束の場所に『問題児』と評判の隣国の第四王子ジークフリートが乱入、魔王に戦いを申し込み…………。

会うたびに、貴方が嫌いになる

黒猫子猫(猫子猫)
恋愛
長身の王女レオーネは、侯爵家令息のアリエスに会うたびに惹かれた。だが、守り役に徹している彼が応えてくれたことはない。彼女が聖獣の力を持つために発情期を迎えた時も、身体を差し出して鎮めてくれこそしたが、その後も変わらず塩対応だ。悩むレオーネは、彼が自分とは正反対の可愛らしい令嬢と親しくしているのを目撃してしまう。優しく笑いかけ、「小さい方が良い」と褒めているのも聞いた。失恋という現実を受け入れるしかなかったレオーネは、二人の妨げになるまいと決意した。 アリエスは嫌そうに自分を遠ざけ始めたレオーネに、動揺を隠せなくなった。彼女が演技などではなく、本気でそう思っていると分かったからだ。

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

魔王と囚われた王妃 ~断末魔の声が、わたしの心を狂わせる~

長月京子
恋愛
絶世の美貌を謳われた王妃レイアの記憶に残っているのは、愛しい王の最期の声だけ。 凄惨な過去の衝撃から、ほとんどの記憶を失ったまま、レイアは魔界の城に囚われている。 人界を滅ぼした魔王ディオン。 逃亡を試みたレイアの前で、ディオンは共にあった侍女のノルンをためらいもなく切り捨てる。 「――おまえが、私を恐れるのか? ルシア」 恐れるレイアを、魔王はなぜかルシアと呼んだ。 彼と共に過ごすうちに、彼女はわからなくなる。 自分はルシアなのか。一体誰を愛し夢を語っていたのか。 失われ、蝕まれていく想い。 やがてルシアは、魔王ディオンの真実に辿り着く。

殿下が恋をしたいと言うのでさせてみる事にしました。婚約者候補からは外れますね

さこの
恋愛
恋がしたい。 ウィルフレッド殿下が言った… それではどうぞ、美しい恋をしてください。 婚約者候補から外れるようにと同じく婚約者候補のマドレーヌ様が話をつけてくださりました! 話の視点が回毎に変わることがあります。 緩い設定です。二十話程です。 本編+番外編の別視点

幼妻は、白い結婚を解消して国王陛下に溺愛される。

秋月乃衣
恋愛
旧題:幼妻の白い結婚 13歳のエリーゼは、侯爵家嫡男のアランの元へ嫁ぐが、幼いエリーゼに夫は見向きもせずに初夜すら愛人と過ごす。 歩み寄りは一切なく月日が流れ、夫婦仲は冷え切ったまま、相変わらず夫は愛人に夢中だった。 そしてエリーゼは大人へと成長していく。 ※近いうちに婚約期間の様子や、結婚後の事も書く予定です。 小説家になろう様にも掲載しています。

旦那の真実の愛の相手がやってきた。今まで邪魔をしてしまっていた妻はお祝いにリボンもおつけします

暖夢 由
恋愛
「キュリール様、私カダール様と心から愛し合っておりますの。 いつ子を身ごもってもおかしくはありません。いえ、お腹には既に育っているかもしれません。 子を身ごもってからでは遅いのです。 あんな素晴らしい男性、キュリール様が手放せないのも頷けますが、カダール様のことを想うならどうか潔く身を引いてカダール様の幸せを願ってあげてください」 伯爵家にいきなりやってきた女(ナリッタ)はそういった。 女は小説を読むかのように旦那とのなれそめから今までの話を話した。 妻であるキュリールは彼女の存在を今日まで知らなかった。 だから恥じた。 「こんなにもあの人のことを愛してくださる方がいるのにそれを阻んでいたなんて私はなんて野暮なのかしら。 本当に恥ずかしい… 私は潔く身を引くことにしますわ………」 そう言って女がサインした書類を神殿にもっていくことにする。 「私もあなたたちの真実の愛の前には敵いそうもないもの。 私は急ぎ神殿にこの書類を持っていくわ。 手続きが終わり次第、あの人にあなたの元へ向かうように伝えるわ。 そうだわ、私からお祝いとしていくつか宝石をプレゼントさせて頂きたいの。リボンもお付けしていいかしら。可愛らしいあなたととてもよく合うと思うの」 こうして一つの夫婦の姿が形を変えていく。 --------------------------------------------- ※架空のお話です。 ※設定が甘い部分があるかと思います。「仕方ないなぁ」とお赦しくださいませ。 ※現実世界とは異なりますのでご理解ください。

処理中です...