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4話
しおりを挟む「リアー!」
「なっなに!なんで追いかけてくるの!」
そうま、がさっきから私を追いかけてくる。捕まる訳にも行かないから、必死に逃げるが、そうまの足が速い。このままじゃ追いつかれてしまう…。
「捕まえたぞ!」
気づいた時には既に遅かった。私はそうまの腕の中に捕まってしまっていた。
「離してよっ」
「やっだねぇーー!悪いことしたやつには罰を下さなきゃいけないんだぞ!」
「何をしたっていうのよ」
「昨日、俺達が学校にいる間、幸子さんと2人でアイス食べただろ!」
「別に悪いことしてないじゃん…」
「しらねぇー!くすぐりの刑を実行する!」
そうまが私の脇腹、脇下を手でくすぐってくる。私は何故か分からないけれど、人よりくすぐりに敏感だった。
「んっ!だめっ!たすけてっ」
「ダメだな反省するまでやり続ける」
そうまは、ニヤっと悪い微笑みをした。
幸子さんに嫉妬でもしてるのか!
「あっっ…!」
「早く謝らないと一生やりつづけるぞ」
「ごめなさいっ!だから、手どけて!」
「仕方ねぇーな!今度悪いことしたら、もっとするからな」
それだけ言い残して、そうまはどこかに行ってしまった。
はぁ…疲れた…。私なんにもしてないでしょ。
とぼとぼ自分の部屋に戻ると、鬼の形相をした、ここあが待っていた。
「ねぇ、リア。私がそうまくん好きって知ってるよね。なんで、さっきあそこで抱きついてたの?」
「あれは、そうまがいきなり、くすぐってきただけで」
「は?そうまがリアに構うわけないじゃん。私知ってるよ。リアは親が誰か分からない捨てられた子って。ここにいるほとんどは、親は誰かわかってるのにね。とりあえず、そうまくんに近づかないでね」
「分かったけど、なんでそこで親の話がでてくるの?」
「リアは、親が誰かすらも分からなくて、その親に捨てられた可哀想な子ってことを分からせるためだよ」
あれ…私の親。って誰だろう。
私が孤児院に来る前は何してたんだっけ…。確か、私が死にそうなところを男の人が助けてくれて、気づいたらここにいたんだっけ。
じゃ、その前は。その前は私どこに居たんだろう…。おかしい、記憶が無い。
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