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転生ってもっと気の利くものだと思ってました
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「、、、、、、、、、、何故なんだ」
「いや、コッチが聞きたいし。早くこっから出てくれない?こんなんじゃ、出るものも出ないし」
突然、トイレの個室に転移させられた。何故トイレだと解るのかと問われれば、藤吉ユルリの向かいには下半身を露出させて座っている男性が目の前に居たからである。
訳が分からなかったのは、目の前にいる男性の衣服は一瞬何処かの民族衣装かと思われたが、どうにもその隣に異様な大きさの日常ではお目にかかれない様な無骨な大剣が立て掛けてあった事である。
「うおぉぉぉぉ!ち、ちん、おと、露出の男がぁぁぁぁぁぁ!!」
「落ちつけ!だから早く出てって俺も見られたくないから!」
突然の理解。と言うか一拍置いたことにより冷静さを取り戻し、いかに自分がおかしな状況に置かれているのか認知した瞬間から、藤吉ユルリは暴走した。
「嫌ぁぁぁ!お嫁に行けないぃぃぃぃ」
「こっちだって嫌だよ!人に用足す姿なんて見られたく無いからとっとと出てって!お婿に行けないからぁぁぁぁぁぁ!?」
こうして、藤吉ユルリはトイレを追い出された。男子トイレから出た時、小さく〝父さん母さんごめんなさい。アタシ汚れちゃいました〝と呟きながらようやく頭を上げると、見たことも無い世界が広がっていた。
広い天井、丸太で出来た壁に装飾品やテーブルや椅子までもが木で統一された、大人数が居てもパーティが出来る様な広々とした二階建てのログハウスの様な建物。
その中でゲームのコスプレ大会でもしているのかと思っていたが、どうにも不自然であった為、建物から出ると通行人や街の雰囲気までもが見たこともない場所で、むしろ此方が浮いている事に気がついた。
しかし、ユルリはそんな事よりも気にかかる事があった。それは残念ながら藤吉ユルリの異世界転生先は男子トイレの個室でした。って納得行くかあぁぁぁぁぁぁ!!?
まぁ、万が一。一般人である藤吉ユルリがテレビかなんかのドッキリにかかっている可能性は宝くじを買うより低いかもしれないが、無いこともないかもしれないと建物に戻り受付らしき女性の元に駆け寄った。
「あ、あ、あの!!此処ってドラマかなんかのスタジオですか?!と言うかそうだと言ってくれ美しきエルフっぽい耳を携えたセニョール!」
「はい?此処は大陸の果て。グレストと言う街のギルドになります。ちなみに私はエルフのクウォーターなので当たりといえば当たりですね」
「、、、、、、、、、デスヨネ」
意気消沈していたユルリの元に、一人の冒険者がやって来た。その顔には見覚えがあった、が出来れば他人のフリをしたかった。しかし来てしまったものは仕方ないと、恐る恐るそのご尊顔を拝見する。
「やっべ。激おこですわ。うっわー顔面某ビーフジャーキーの顔みたい、社会人的に平謝りしとこ。どうもこの度はスミマセンでした」
「何言ってんだかわからんが、この冒険者ギルド五指に入るスパーク様の、、、、か、か、か、下半身を見たからには、ただでは済まさんからな」
スパークは顔が真っ赤だった。ちなみにユルリもちょっと思い出して顔を赤らめていたが、咳払いして誤魔化した。
「まぁまぁ、ちっちゃい事は気にしないで。そんな立派な剣は女性に向ける為にあるんじゃないでしょ?」
「、、、、、うぐぅ」
どうやら、スパークは口のほうはあまり立たないらしく口論にすらならなかった。最悪、剣を向けられた瞬間に逃げる準備はしていたが、何とかその危機は回避できた様である。
「ところで魔法使い。何故あんな場所に転移魔法を使ったんだ。座標違いにも程があるだろうが」
「スミマセン、アタシ魔法使いでも何でもなく村人みたいなものです」
「馬鹿を言え、単体での転移は本人以外は出来ない筈だ。もしや大魔導師か王宮魔術師とでも繋がりでもあるのか?」
話を聞くと、他人を転移させる事が出来る魔法使いは限られているらしい。弟子の取れる様な名のある魔を導く師、つまりは魔導師クラス以外は他者を転移させる事など不可能なのだとスパークは語った。
「いえ、ですから。私の衣服を見てもらえれば解りますよねスパークさん。全然見た事ない素材とかでしょ?」
ユルリに言われスパークはマジマジとユルリのパジャマを見つめた。寝る前に異世界転生が行われたせいで、寝巻きのままずっとウロウロしていた事に今頃気がついていた。
「新手の法衣なんじゃないのか?それにアンタの腰には魔導書が装備されてるじゃないか」
「これには防御力なんて有りません!腰にって、、、、、、、、何だこれ」
ユルリはこの世界の衣服を見れば何となく察しがついたが、此方の世界の住人はユルリの寝巻きを見ても何も感じないらしい。いやむしろ、変な格好の奴くらいには思われているかもしれないが。
魔導書なんて自分が持っている訳がない為、腰の本を取り出すとそれはあの古い雑貨屋で手に入れた冒険の書であった。
「これ魔導書じゃなくて冒険の書。って何?」
自分で言っていて意味がわからなかった。そもそも冒険の書とは何なのかも分からず、スパークに思わず尋ねる程であった。
「マジかよ。冒険の書って言やぁ〝別名蘇りの書〝って言われる特級魔術道具じゃねえか、まさか生きてこの目で拝める事が出来るとは」
「え!?これって貴重な物だったのやっぱり」
「、、、、、、何で知らねぇんだよ!宝の持ち腐れじゃねぇか!冒険の書には赤い賢者の石が埋め込まれ、所有者には如何なる不幸が訪れても冒険者の歩みを阻む事は出来ないとされる、宝物庫からも見つかる事がなかなか無い特級魔術道具じゃねぇか」
「全然何言ってるか分からん。取り敢えず売るのは難しそうだな」
スパークは〝この女、こんなお宝売る気だったのか!〝と、信じられないとたじろぎながら呆れていると、冒険者達が冒険の書見たさに野次馬達が集まって来ていた。
「クソッ!一旦此処離れるぞ、これじゃ話もできない」
二人を取り囲んでいた野次馬達を無理矢理押し退けて、ギルドから一度離れ町の入り口付近にやって来た。町の外はガンマンでも居そうな荒野で砂と岩の他何もなく赤土の煙が巻き起こっていた。
「つまり、これって何?貴重な本ってのは分かったけど」
「それを持って居れば、何度冒険に倒れても決して死ぬ事はない最強のお守りだ」
いや、まず死ぬ様な場面に会いたくは無いんだが、など言えばまた説教じみたスパークの話が続くかも知れないとユルリは言葉を飲み込んだ。
「そうだ。ちょっとあの小屋で待ってろ、すぐに戻る。それとあまり歩き回らない様に」
そう言いスパークは一人町の方に戻って行った。ユルリはとりあえず小屋の方に向かいながらふと、遥か先の空に何か見える物がある事に気がついた。
「何だろ、巨大な建物?でもあの形は」
遥か先にあるそれは、雲と霞みがかったモヤのせいでハッキリとしたものは見えなかったが、巨大なその輪郭はボンヤリと捉えられていた。
暫くそれを眺めていると小屋にスパークが戻ってきた。手には何か持っているのが分かった。それをユルリに手渡すと、スパークが言ってきた。
「その格好は目立って仕方ないからな。それにさっきのギルドで冒険の書を持っている事がバレてるから、万が一を考えて着替える方が良いだろう」
手渡されたのは着替えであった。それも、冒険者が着る様な全身を覆えるフード付きローブの様な服で、見た目は魔法使いの様な格好であった。
「ありがとう。何か怖い人かと思ってたけど色々助かります」
スパークが小屋を出ると、すぐさまユルリは持ってきた服に着替えた。フードを被っている為、怪しさが普通では増すが異世界には沢山そういった人々が行き交う為、カモフラージュは成功している様に思えた。
外に出るとスパークが待っていた。服を貰えたのは嬉しかったが、何か下心でも有るのではないかと勘ぐっていると、それを遮る様に話しかけて来た。
「大丈夫そうだな、さっきも言ったが冒険の書は所有者にしか効果はない。だが、その価値から高値で取引される為、狙われる可能性は高い。実際、服を買いに行った際にお前を捜している奴等が4、5人は居たからな」
「そんな。アタシただの村人Aですよ!そんな危ない目に会いたくないし、簡単にやられちゃいますよ」
「、、、、、、、、だろうな。だから、俺と契約しないか?勿論、タダじゃねぇが暫くは一緒にパーティを組むだけでも良い」
「それじゃ、スパークさんにメリットは有りませんよ。それにアタシは出来れば元の世界に帰りたいだけですし」
「そうだな。まず俺のメリットについてだが、冒険の書はパーティが全滅した際、その恩恵はアンタ一人だけでなくパーティにも付与される。つまり復活代も手間もないんだ」
通常。パーティが全滅するとギルドに明記された遺体は、自動的に復活の泉か町の復活屋に転送される。しかし、パーティに冒険の書を持つものが居るだけで、その恩恵を受ける事が出来るとのことだった。
「いつも思うんだけど、異世界に死の概念ないの?」
「死ならある。ギルドに登録していない者、病気と寿命。復活には制限があるから、蘇りのできない場所だってある。万能じゃないんだ」
ただ、ユルリの持つ冒険の書によって通常の冒険者よりも蘇りの幅も広がる為、そう言った意味でもかなりの価値が生まれるとの事だった。
ーーーーーーーーその時だった。
町の中心地から爆発音が聞こえた。スパークはすぐさま小屋を飛び出すと、爆発音のあった方向に聞き耳を立てていた。
「あっちには行きつけの飲み屋があるってのに!!」
スパークはそれだけ言うとユルリを置いて町の中心地に向かって走って行った。残されたユルリはどうするかを考えてみたが、まだスパークに聞きたいこともあった為、追いかける事にした。
「いや、コッチが聞きたいし。早くこっから出てくれない?こんなんじゃ、出るものも出ないし」
突然、トイレの個室に転移させられた。何故トイレだと解るのかと問われれば、藤吉ユルリの向かいには下半身を露出させて座っている男性が目の前に居たからである。
訳が分からなかったのは、目の前にいる男性の衣服は一瞬何処かの民族衣装かと思われたが、どうにもその隣に異様な大きさの日常ではお目にかかれない様な無骨な大剣が立て掛けてあった事である。
「うおぉぉぉぉ!ち、ちん、おと、露出の男がぁぁぁぁぁぁ!!」
「落ちつけ!だから早く出てって俺も見られたくないから!」
突然の理解。と言うか一拍置いたことにより冷静さを取り戻し、いかに自分がおかしな状況に置かれているのか認知した瞬間から、藤吉ユルリは暴走した。
「嫌ぁぁぁ!お嫁に行けないぃぃぃぃ」
「こっちだって嫌だよ!人に用足す姿なんて見られたく無いからとっとと出てって!お婿に行けないからぁぁぁぁぁぁ!?」
こうして、藤吉ユルリはトイレを追い出された。男子トイレから出た時、小さく〝父さん母さんごめんなさい。アタシ汚れちゃいました〝と呟きながらようやく頭を上げると、見たことも無い世界が広がっていた。
広い天井、丸太で出来た壁に装飾品やテーブルや椅子までもが木で統一された、大人数が居てもパーティが出来る様な広々とした二階建てのログハウスの様な建物。
その中でゲームのコスプレ大会でもしているのかと思っていたが、どうにも不自然であった為、建物から出ると通行人や街の雰囲気までもが見たこともない場所で、むしろ此方が浮いている事に気がついた。
しかし、ユルリはそんな事よりも気にかかる事があった。それは残念ながら藤吉ユルリの異世界転生先は男子トイレの個室でした。って納得行くかあぁぁぁぁぁぁ!!?
まぁ、万が一。一般人である藤吉ユルリがテレビかなんかのドッキリにかかっている可能性は宝くじを買うより低いかもしれないが、無いこともないかもしれないと建物に戻り受付らしき女性の元に駆け寄った。
「あ、あ、あの!!此処ってドラマかなんかのスタジオですか?!と言うかそうだと言ってくれ美しきエルフっぽい耳を携えたセニョール!」
「はい?此処は大陸の果て。グレストと言う街のギルドになります。ちなみに私はエルフのクウォーターなので当たりといえば当たりですね」
「、、、、、、、、、デスヨネ」
意気消沈していたユルリの元に、一人の冒険者がやって来た。その顔には見覚えがあった、が出来れば他人のフリをしたかった。しかし来てしまったものは仕方ないと、恐る恐るそのご尊顔を拝見する。
「やっべ。激おこですわ。うっわー顔面某ビーフジャーキーの顔みたい、社会人的に平謝りしとこ。どうもこの度はスミマセンでした」
「何言ってんだかわからんが、この冒険者ギルド五指に入るスパーク様の、、、、か、か、か、下半身を見たからには、ただでは済まさんからな」
スパークは顔が真っ赤だった。ちなみにユルリもちょっと思い出して顔を赤らめていたが、咳払いして誤魔化した。
「まぁまぁ、ちっちゃい事は気にしないで。そんな立派な剣は女性に向ける為にあるんじゃないでしょ?」
「、、、、、うぐぅ」
どうやら、スパークは口のほうはあまり立たないらしく口論にすらならなかった。最悪、剣を向けられた瞬間に逃げる準備はしていたが、何とかその危機は回避できた様である。
「ところで魔法使い。何故あんな場所に転移魔法を使ったんだ。座標違いにも程があるだろうが」
「スミマセン、アタシ魔法使いでも何でもなく村人みたいなものです」
「馬鹿を言え、単体での転移は本人以外は出来ない筈だ。もしや大魔導師か王宮魔術師とでも繋がりでもあるのか?」
話を聞くと、他人を転移させる事が出来る魔法使いは限られているらしい。弟子の取れる様な名のある魔を導く師、つまりは魔導師クラス以外は他者を転移させる事など不可能なのだとスパークは語った。
「いえ、ですから。私の衣服を見てもらえれば解りますよねスパークさん。全然見た事ない素材とかでしょ?」
ユルリに言われスパークはマジマジとユルリのパジャマを見つめた。寝る前に異世界転生が行われたせいで、寝巻きのままずっとウロウロしていた事に今頃気がついていた。
「新手の法衣なんじゃないのか?それにアンタの腰には魔導書が装備されてるじゃないか」
「これには防御力なんて有りません!腰にって、、、、、、、、何だこれ」
ユルリはこの世界の衣服を見れば何となく察しがついたが、此方の世界の住人はユルリの寝巻きを見ても何も感じないらしい。いやむしろ、変な格好の奴くらいには思われているかもしれないが。
魔導書なんて自分が持っている訳がない為、腰の本を取り出すとそれはあの古い雑貨屋で手に入れた冒険の書であった。
「これ魔導書じゃなくて冒険の書。って何?」
自分で言っていて意味がわからなかった。そもそも冒険の書とは何なのかも分からず、スパークに思わず尋ねる程であった。
「マジかよ。冒険の書って言やぁ〝別名蘇りの書〝って言われる特級魔術道具じゃねえか、まさか生きてこの目で拝める事が出来るとは」
「え!?これって貴重な物だったのやっぱり」
「、、、、、、何で知らねぇんだよ!宝の持ち腐れじゃねぇか!冒険の書には赤い賢者の石が埋め込まれ、所有者には如何なる不幸が訪れても冒険者の歩みを阻む事は出来ないとされる、宝物庫からも見つかる事がなかなか無い特級魔術道具じゃねぇか」
「全然何言ってるか分からん。取り敢えず売るのは難しそうだな」
スパークは〝この女、こんなお宝売る気だったのか!〝と、信じられないとたじろぎながら呆れていると、冒険者達が冒険の書見たさに野次馬達が集まって来ていた。
「クソッ!一旦此処離れるぞ、これじゃ話もできない」
二人を取り囲んでいた野次馬達を無理矢理押し退けて、ギルドから一度離れ町の入り口付近にやって来た。町の外はガンマンでも居そうな荒野で砂と岩の他何もなく赤土の煙が巻き起こっていた。
「つまり、これって何?貴重な本ってのは分かったけど」
「それを持って居れば、何度冒険に倒れても決して死ぬ事はない最強のお守りだ」
いや、まず死ぬ様な場面に会いたくは無いんだが、など言えばまた説教じみたスパークの話が続くかも知れないとユルリは言葉を飲み込んだ。
「そうだ。ちょっとあの小屋で待ってろ、すぐに戻る。それとあまり歩き回らない様に」
そう言いスパークは一人町の方に戻って行った。ユルリはとりあえず小屋の方に向かいながらふと、遥か先の空に何か見える物がある事に気がついた。
「何だろ、巨大な建物?でもあの形は」
遥か先にあるそれは、雲と霞みがかったモヤのせいでハッキリとしたものは見えなかったが、巨大なその輪郭はボンヤリと捉えられていた。
暫くそれを眺めていると小屋にスパークが戻ってきた。手には何か持っているのが分かった。それをユルリに手渡すと、スパークが言ってきた。
「その格好は目立って仕方ないからな。それにさっきのギルドで冒険の書を持っている事がバレてるから、万が一を考えて着替える方が良いだろう」
手渡されたのは着替えであった。それも、冒険者が着る様な全身を覆えるフード付きローブの様な服で、見た目は魔法使いの様な格好であった。
「ありがとう。何か怖い人かと思ってたけど色々助かります」
スパークが小屋を出ると、すぐさまユルリは持ってきた服に着替えた。フードを被っている為、怪しさが普通では増すが異世界には沢山そういった人々が行き交う為、カモフラージュは成功している様に思えた。
外に出るとスパークが待っていた。服を貰えたのは嬉しかったが、何か下心でも有るのではないかと勘ぐっていると、それを遮る様に話しかけて来た。
「大丈夫そうだな、さっきも言ったが冒険の書は所有者にしか効果はない。だが、その価値から高値で取引される為、狙われる可能性は高い。実際、服を買いに行った際にお前を捜している奴等が4、5人は居たからな」
「そんな。アタシただの村人Aですよ!そんな危ない目に会いたくないし、簡単にやられちゃいますよ」
「、、、、、、、、だろうな。だから、俺と契約しないか?勿論、タダじゃねぇが暫くは一緒にパーティを組むだけでも良い」
「それじゃ、スパークさんにメリットは有りませんよ。それにアタシは出来れば元の世界に帰りたいだけですし」
「そうだな。まず俺のメリットについてだが、冒険の書はパーティが全滅した際、その恩恵はアンタ一人だけでなくパーティにも付与される。つまり復活代も手間もないんだ」
通常。パーティが全滅するとギルドに明記された遺体は、自動的に復活の泉か町の復活屋に転送される。しかし、パーティに冒険の書を持つものが居るだけで、その恩恵を受ける事が出来るとのことだった。
「いつも思うんだけど、異世界に死の概念ないの?」
「死ならある。ギルドに登録していない者、病気と寿命。復活には制限があるから、蘇りのできない場所だってある。万能じゃないんだ」
ただ、ユルリの持つ冒険の書によって通常の冒険者よりも蘇りの幅も広がる為、そう言った意味でもかなりの価値が生まれるとの事だった。
ーーーーーーーーその時だった。
町の中心地から爆発音が聞こえた。スパークはすぐさま小屋を飛び出すと、爆発音のあった方向に聞き耳を立てていた。
「あっちには行きつけの飲み屋があるってのに!!」
スパークはそれだけ言うとユルリを置いて町の中心地に向かって走って行った。残されたユルリはどうするかを考えてみたが、まだスパークに聞きたいこともあった為、追いかける事にした。
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