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67.脆剣
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「う……冷た……いや、暖かい、ここは?」
キリカが目を覚ましたのは二人は眠れるほど大きなベッドの上。
ふかふかの心地を確認して、周囲を確認する。
ここはどこかの部屋、内装を見る限り高貴な人間が住まう建物だろう。
自分の装備は部屋のタンスに立てかけてある。
あれ、何この服装、自分の装備じゃない、パジャマみたい。
「窓……」
ベッドから腕を上手く使い端っこに行く、膝が直角になったところで手を当てて、立ち上がる。
ひたひたと足音を鳴らして窓に向かった。
「どこ……ここ」
窓に無意識に手を当てていた。
高所の風景は街を見下ろす。
遠くの途切れた世界は生者を阻んでいるだろう。
空は青を失って、ここが別の世界ということが分かった。
「変なとこね、まるで……」
「まるで?理想郷よ」
部屋のドアが開けられた、立っているのは自分を襲ったシロカミの女性、自分の今までを思い出して身構えた。
「あなた……!」
「まぁそう構えるな同胞よ、こちらに攻撃意思はない」
「信じられないけど?」
「それもそうか……よし、外出の準備をしろ、キリカでよかったか?」
「えぇ、私はキリカ、隠す名はない……貴女は?」
シロカミの女性は腕を組み、ドアフレームに背中をかけて笑みと共に自己紹介をした。
「我はシロカミの『クリア・エスタロッドレシア』クリアでいい同胞よ」
「どっちも持ってるか……」
「ん?」
「別に……」
ファーストネーム、ラストネーム、名前苗字、どちらも持っている人間は珍しい。
「じゃあこの部屋を出て階段を探せ、降りてエントランスを目指すといい、そこで待ってる、くれぐれも我を待たせるなよ?こう見えてもここの王なのでな、権威とかな」
キリカは装備を身に着けて、刀を腰に着ける。
自分は先の戦闘で敗北した、負けた、それなのに生きている。
ここ最近の記憶が無い、自分がどれだけ眠っていたのか分からない。
クリアという女性に斬りかかっても勝てる保証が無い以上、無為な戦闘は避けよう。
ということで、エントランスに向かう、迷ったのは内緒だ。
「お待たせ……」
「待ったぞ、そんなに剣を構えるな!子供たちが怖がる!」
「子供たち?」
「そうだ、我が国民というべきか、かわいいぞ!」
外に出ると、自分が居た建造物は城だと分かる、アバンドグローリーにでも来た気分だった。
そう言えば、同胞とはどんな意味で言っているのだろうか、髪の色かな?
「ねぇ、どれくらい歩く?いや、同胞はどんな意味なの?」
「……はぁ、せっかちな同胞よ、今は辛抱せよ、後でちゃんと教える」
約束を交わしたところで、30分歩いた。
人気のない民家を抜けて、噴水のようなものを見た。
枯れていた。
「皆の衆!我々の同胞が一人増えた!喜べ!」
「な、何を!」
クリアの大声と共に、全方位からシロカミの子供たちが民家からダッシュしてくる。
その無垢な輝きは懐かしい兄妹を思い出した。
自由とはこのことだと体現しているようであった。
「新しい人だ!」
「新しい人?」
大勢の子供たちにキリカは腕や服を引っ張られて、子供たちの力強さを体感する。
「ねぇクリア、これは?」
「ハハハ!愉快だ!しかし、我を呼び捨てとは……まぁいいか。どうだ、子供たちは可愛かろう?」
「否定はできない……そうじゃなくて、なんなのこれ!」
子供たちは絶え間なくキリカに興味津々で群がる。
流石にキリカでも子供を振り払う勇気はなかった。
「まぁ子供たちよ、キリカを離してやれ」
クリアが諭すと、子供たちは素直にキリカから離れた。
「キリカねぇちゃんだ!」
「きりかーよろしくよー」
「どうだ、ここは理想郷だと思わないか?」
「え?どういうこと?り、理想郷?」
クリアは子供たちに箱を渡して、こちら向いて微笑んだ。
殺気はナシ、戦闘をしていた人間には見えなかった。
「ここには我の妹を除き、全員がシロカミだ。外では我々は迫害される。それはキリカも知っているだろう?そう、ここは他人に侵されることのないシロカミのための理想郷『イデアル』なのだ」
言葉が詰まった、自分のような人間は見たことがなかったから面食らったというのもあるが、それ以上にそんな場所があったらどれだけ素晴らしいだろうかと思った。
「君もこれまで大変だっただろう、それもここまでだ、ここには君の痛みをわかる人間がほとんどだ、ここで暮らすがよい」
「……」
シロカミが幸せに暮らせる場所、そんな場所がここにあった。
現実が少しわからなくなっていた。
「一週間程ここにいればわかる、ここの人間の暖かさとかな」
「うん……でも……」
キリカは当たらないハンドガンを構えてクリアの額に突き付けた。
「ほー」
「オトメ君を殺さなかったから、私も君を殺さないことにする。完全敵じゃないし、クリアは、その……いい人だし……」
そうしてハンドガンをストレージにしまって「ゴメン冗談!」と誤った。
普通冗談で済まされないが、クリアは許しをくれた。
「ようこそ同胞よ、我らの理想郷へ」
ーーーーーー
「おねぇちゃん、どお?キリカちゃんは」
「元気さ、気持ち悪いほどにね」
「私たちは私たちしか理解できない……イデアルはそういう理想郷なんだよね?よくキリカちゃんはこんなにすぐ適応したね」
「そうだな、やはりあのパーティメンバーに洗脳されていたのかもしれないな」
「きっとそうだよ!おねぇちゃんのすることに間違いはない!」
「フフフ、ありがとうマグナ。そうそう、外の世界との時間速度を変更した。キリカがイデアルに順応できるようにこちらを速めた。およそ1時間で一週間だ。ただそれ以上は魔力が足りなかったから解除する。外に出る時は気を付けるようにな」
「了解!じゃ今度キャッチボールしよ」
「えぇ?マグナかなりヘタクソだっただろ。あまり乗り気じゃない」
「えぇええ」
「……そうか」
城の廊下から、玉座での会話を盗み聞きしていたキリカは、暫くの間はここで生活しようと決めた。
彼らもこちらから刺激しなければ手を出したりしないだろう。
「オトメ君、暫く会えないや」
ーーーーーー
オトメはノウェと家で話をしていた。
僕は極力警戒されないように、剣を机に立てかけた。
「ええと、ノウェさんに訊きたいんですけど、キリカのことなんですけど、どこにいますか?」
「かなり直な質問ですね!そうですねぇ……私が口にできる範囲には限りがあります、なにせオトメさんはクリア王女にお会いして、住民として認められていませんもんね」
「それはそうなんですよね……でも、どうしてもキリカに会わないといけないんです!」
僕は口が上手くないから、必死さで伝えた。
初対面だから、口には気を付けなければ。
「……ヒントです」
「おおぉ!」
喜びで立ち上がってしまった。
「ここの城、イデアルの城です、とりあえずそこにクリア様と妹様のマグナ様がいらっしゃいます、きっとそこにいけば何かわかると思います……なのでええと、その剣であまり彼女達を傷つけないでくださいね?」
「……!」
この人は僕が何者か、何しにここへ来たのか、どうしたいのか、推測出来ているのであろう。
たぶんそういう人の行動と中身を見る才能がある人だ。
だから、噓は通じない。
「約束は……ごめんできない、です」
「うっ……そうですよね……」
「で、でも!善処します!」
「……おねがいしますね」
出してもらったお茶をすすった。
「あの、もう一つ訊きたいことがあって」
「はい?私に言えることと、出来ることであればなんでも、キリカさんの友人なら助ける理由になります」
「(どうしてだろう?)再生水って知ってます?こう、失った体の一部すら再生できる奇跡の水」
「いいえ、それは知らない物質ですね、でもそんな貴重なものが存在するなら素晴らしいですね」
僕は一瞬、ノウェさんの笑顔にノックアウトされるところだった、危ない。
キョウスケに会いたい。
ところで再生水はノウェさんでも知らないとなると、やはりあの姉妹に訊くしかないだろう。
「ノウェさん、情報をありがとう、僕はこれから城に向かう。この恩は必ず仇では返さない……や、約束します」
僕は早急に家を出て、城を睨んだ。
今度は負けない、容赦はしない、全力をもって潰す。
命は取らない。
むしろ取られる側の人間なんだ、全てを持ってして戦わなければ。
「あのっオトメさん!」
「ん?あー僕って不愛想でごめんなさいね、今は余裕なくて、今すぐ行きたいんだ」
「これっ!」
ノウェさんが渡したのは、僕が忘れた剣だった。
これは申し訳ない、武器を置いていくなんて馬鹿か僕は……ってえ?
イノセントが光ってる!?
「どうしたイノセント!」
「白い美しい剣ですね」
ノウェさんに触れたイノセントはオーラのような白い光をぼんやりと纏っていた。
何が起こっているんだ?
こんな時にキョウスケがいてくれれば。
「ノ、ノウェさん、これはどういう?」
「私はですね、白魔石に感応するスキルが備わっていまして、いわゆる強化スキルなんですけど……」
ん?どうして目をそらす?
「それは本当か!?嬉しいぜ、カルマでもできなかったことをこうも……!」
「それと……武器によって固有技を会得できる場合があるそうです。そもそも備わっていれば可能らしいですが。あぁそう、封印を開放するという表現が正しいですね」
「よくわからないけどありがとう、というかイノセントは白魔石で出来ていたのか……」
イノセントの覚醒と一緒に城に向かう、カエデは既に向かっているだろうか。
「待ってろ!」
ノウェさんに別れを告げて走り、そう、走ろうとしたとき、城から爆発音と、爆撃を視認した。
完璧にカエデだと分かった。
キリカが目を覚ましたのは二人は眠れるほど大きなベッドの上。
ふかふかの心地を確認して、周囲を確認する。
ここはどこかの部屋、内装を見る限り高貴な人間が住まう建物だろう。
自分の装備は部屋のタンスに立てかけてある。
あれ、何この服装、自分の装備じゃない、パジャマみたい。
「窓……」
ベッドから腕を上手く使い端っこに行く、膝が直角になったところで手を当てて、立ち上がる。
ひたひたと足音を鳴らして窓に向かった。
「どこ……ここ」
窓に無意識に手を当てていた。
高所の風景は街を見下ろす。
遠くの途切れた世界は生者を阻んでいるだろう。
空は青を失って、ここが別の世界ということが分かった。
「変なとこね、まるで……」
「まるで?理想郷よ」
部屋のドアが開けられた、立っているのは自分を襲ったシロカミの女性、自分の今までを思い出して身構えた。
「あなた……!」
「まぁそう構えるな同胞よ、こちらに攻撃意思はない」
「信じられないけど?」
「それもそうか……よし、外出の準備をしろ、キリカでよかったか?」
「えぇ、私はキリカ、隠す名はない……貴女は?」
シロカミの女性は腕を組み、ドアフレームに背中をかけて笑みと共に自己紹介をした。
「我はシロカミの『クリア・エスタロッドレシア』クリアでいい同胞よ」
「どっちも持ってるか……」
「ん?」
「別に……」
ファーストネーム、ラストネーム、名前苗字、どちらも持っている人間は珍しい。
「じゃあこの部屋を出て階段を探せ、降りてエントランスを目指すといい、そこで待ってる、くれぐれも我を待たせるなよ?こう見えてもここの王なのでな、権威とかな」
キリカは装備を身に着けて、刀を腰に着ける。
自分は先の戦闘で敗北した、負けた、それなのに生きている。
ここ最近の記憶が無い、自分がどれだけ眠っていたのか分からない。
クリアという女性に斬りかかっても勝てる保証が無い以上、無為な戦闘は避けよう。
ということで、エントランスに向かう、迷ったのは内緒だ。
「お待たせ……」
「待ったぞ、そんなに剣を構えるな!子供たちが怖がる!」
「子供たち?」
「そうだ、我が国民というべきか、かわいいぞ!」
外に出ると、自分が居た建造物は城だと分かる、アバンドグローリーにでも来た気分だった。
そう言えば、同胞とはどんな意味で言っているのだろうか、髪の色かな?
「ねぇ、どれくらい歩く?いや、同胞はどんな意味なの?」
「……はぁ、せっかちな同胞よ、今は辛抱せよ、後でちゃんと教える」
約束を交わしたところで、30分歩いた。
人気のない民家を抜けて、噴水のようなものを見た。
枯れていた。
「皆の衆!我々の同胞が一人増えた!喜べ!」
「な、何を!」
クリアの大声と共に、全方位からシロカミの子供たちが民家からダッシュしてくる。
その無垢な輝きは懐かしい兄妹を思い出した。
自由とはこのことだと体現しているようであった。
「新しい人だ!」
「新しい人?」
大勢の子供たちにキリカは腕や服を引っ張られて、子供たちの力強さを体感する。
「ねぇクリア、これは?」
「ハハハ!愉快だ!しかし、我を呼び捨てとは……まぁいいか。どうだ、子供たちは可愛かろう?」
「否定はできない……そうじゃなくて、なんなのこれ!」
子供たちは絶え間なくキリカに興味津々で群がる。
流石にキリカでも子供を振り払う勇気はなかった。
「まぁ子供たちよ、キリカを離してやれ」
クリアが諭すと、子供たちは素直にキリカから離れた。
「キリカねぇちゃんだ!」
「きりかーよろしくよー」
「どうだ、ここは理想郷だと思わないか?」
「え?どういうこと?り、理想郷?」
クリアは子供たちに箱を渡して、こちら向いて微笑んだ。
殺気はナシ、戦闘をしていた人間には見えなかった。
「ここには我の妹を除き、全員がシロカミだ。外では我々は迫害される。それはキリカも知っているだろう?そう、ここは他人に侵されることのないシロカミのための理想郷『イデアル』なのだ」
言葉が詰まった、自分のような人間は見たことがなかったから面食らったというのもあるが、それ以上にそんな場所があったらどれだけ素晴らしいだろうかと思った。
「君もこれまで大変だっただろう、それもここまでだ、ここには君の痛みをわかる人間がほとんどだ、ここで暮らすがよい」
「……」
シロカミが幸せに暮らせる場所、そんな場所がここにあった。
現実が少しわからなくなっていた。
「一週間程ここにいればわかる、ここの人間の暖かさとかな」
「うん……でも……」
キリカは当たらないハンドガンを構えてクリアの額に突き付けた。
「ほー」
「オトメ君を殺さなかったから、私も君を殺さないことにする。完全敵じゃないし、クリアは、その……いい人だし……」
そうしてハンドガンをストレージにしまって「ゴメン冗談!」と誤った。
普通冗談で済まされないが、クリアは許しをくれた。
「ようこそ同胞よ、我らの理想郷へ」
ーーーーーー
「おねぇちゃん、どお?キリカちゃんは」
「元気さ、気持ち悪いほどにね」
「私たちは私たちしか理解できない……イデアルはそういう理想郷なんだよね?よくキリカちゃんはこんなにすぐ適応したね」
「そうだな、やはりあのパーティメンバーに洗脳されていたのかもしれないな」
「きっとそうだよ!おねぇちゃんのすることに間違いはない!」
「フフフ、ありがとうマグナ。そうそう、外の世界との時間速度を変更した。キリカがイデアルに順応できるようにこちらを速めた。およそ1時間で一週間だ。ただそれ以上は魔力が足りなかったから解除する。外に出る時は気を付けるようにな」
「了解!じゃ今度キャッチボールしよ」
「えぇ?マグナかなりヘタクソだっただろ。あまり乗り気じゃない」
「えぇええ」
「……そうか」
城の廊下から、玉座での会話を盗み聞きしていたキリカは、暫くの間はここで生活しようと決めた。
彼らもこちらから刺激しなければ手を出したりしないだろう。
「オトメ君、暫く会えないや」
ーーーーーー
オトメはノウェと家で話をしていた。
僕は極力警戒されないように、剣を机に立てかけた。
「ええと、ノウェさんに訊きたいんですけど、キリカのことなんですけど、どこにいますか?」
「かなり直な質問ですね!そうですねぇ……私が口にできる範囲には限りがあります、なにせオトメさんはクリア王女にお会いして、住民として認められていませんもんね」
「それはそうなんですよね……でも、どうしてもキリカに会わないといけないんです!」
僕は口が上手くないから、必死さで伝えた。
初対面だから、口には気を付けなければ。
「……ヒントです」
「おおぉ!」
喜びで立ち上がってしまった。
「ここの城、イデアルの城です、とりあえずそこにクリア様と妹様のマグナ様がいらっしゃいます、きっとそこにいけば何かわかると思います……なのでええと、その剣であまり彼女達を傷つけないでくださいね?」
「……!」
この人は僕が何者か、何しにここへ来たのか、どうしたいのか、推測出来ているのであろう。
たぶんそういう人の行動と中身を見る才能がある人だ。
だから、噓は通じない。
「約束は……ごめんできない、です」
「うっ……そうですよね……」
「で、でも!善処します!」
「……おねがいしますね」
出してもらったお茶をすすった。
「あの、もう一つ訊きたいことがあって」
「はい?私に言えることと、出来ることであればなんでも、キリカさんの友人なら助ける理由になります」
「(どうしてだろう?)再生水って知ってます?こう、失った体の一部すら再生できる奇跡の水」
「いいえ、それは知らない物質ですね、でもそんな貴重なものが存在するなら素晴らしいですね」
僕は一瞬、ノウェさんの笑顔にノックアウトされるところだった、危ない。
キョウスケに会いたい。
ところで再生水はノウェさんでも知らないとなると、やはりあの姉妹に訊くしかないだろう。
「ノウェさん、情報をありがとう、僕はこれから城に向かう。この恩は必ず仇では返さない……や、約束します」
僕は早急に家を出て、城を睨んだ。
今度は負けない、容赦はしない、全力をもって潰す。
命は取らない。
むしろ取られる側の人間なんだ、全てを持ってして戦わなければ。
「あのっオトメさん!」
「ん?あー僕って不愛想でごめんなさいね、今は余裕なくて、今すぐ行きたいんだ」
「これっ!」
ノウェさんが渡したのは、僕が忘れた剣だった。
これは申し訳ない、武器を置いていくなんて馬鹿か僕は……ってえ?
イノセントが光ってる!?
「どうしたイノセント!」
「白い美しい剣ですね」
ノウェさんに触れたイノセントはオーラのような白い光をぼんやりと纏っていた。
何が起こっているんだ?
こんな時にキョウスケがいてくれれば。
「ノ、ノウェさん、これはどういう?」
「私はですね、白魔石に感応するスキルが備わっていまして、いわゆる強化スキルなんですけど……」
ん?どうして目をそらす?
「それは本当か!?嬉しいぜ、カルマでもできなかったことをこうも……!」
「それと……武器によって固有技を会得できる場合があるそうです。そもそも備わっていれば可能らしいですが。あぁそう、封印を開放するという表現が正しいですね」
「よくわからないけどありがとう、というかイノセントは白魔石で出来ていたのか……」
イノセントの覚醒と一緒に城に向かう、カエデは既に向かっているだろうか。
「待ってろ!」
ノウェさんに別れを告げて走り、そう、走ろうとしたとき、城から爆発音と、爆撃を視認した。
完璧にカエデだと分かった。
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