転生したら、HEROになれるはず

再建

通知

しばらく後、怒りを抑えきれぬ表情でダートはやってきた。
｢遅れて、申し訳ない。｣
その言葉で裏腹にダートはリョーを睨みつけていた。
それを無視するかのようにリョーは。
｢明日、正式にＧＭとして認定されれば、グランへの制限は解除になる。グランへの参加は単独になるが、外部からのサポートをうちのメンバーにもしてもらう。｣
隣に居た虎丸やクルルは驚いた表情でリョーを見ていた。
｢主……グランに入れてくれないの？そんな意地悪言わないでよ、ちゃんと反省してるよ。｣
虎丸は悲しそうな目でリョーに訴えかけた。
｢別に入りたい訳じゃないけど、除け者にされる感じは嫌だな。｣
クルルは少し機嫌が悪そうな表情を浮かべていた。
少し二人を見た後、目の前に居た数名のグランメンバーに向かい、言葉を続けた。
｢前にも言ったが、このグランのＧＭを長く続けるつもりはない。このグランのＧＭを受けると同時に別グランの設立申請もした。｣
そこで一旦、言葉を切った後、二人に再び視線を向け。
｢あの新しいグランのメンバーに勧誘するつもりだったんだが、気に入らないのかな？｣
二人は大慌てで首が取れるんじゃないかって位に横に振った。
｢でも、私聞いてないけど。ギルドの担当は私だよね？｣
クルルは抗議するかのように。
｢この数日、そんな余裕なかったよね。だから、直にニッカにしといたんだよ。｣
クルルはそれでも納得出来ないようで、何か言いかけたが、ルドラがクルルの肩に手を置き。
｢それは後で話せばいい。今はうちの話じゃないだろ。｣
それが更に納得出来ないようで。
｢もしかして、ルドラは知ってたの？｣
その問いにルドラは頷いた。
｢裏切り者。そうやって、私を除け者にして。｣
クルルの抗議は続いていたが、それを無視して、リョーは話した。
｢戴冠式がいつになるか分からないので、あまりには遠出は出来ないが、明日よりグランメンバーを鍛え直す。………覚悟しておく様に。｣
そう言うと、リョーはニヤリと笑った後………ダートを見て。
｢その時、不満をぶつけてくれても良いから。楽しみにしてるよ。｣
ダートは先程まで怒りの眼差しを向けていたが、その笑みに悪寒を感じ、目を逸らしてしまった。