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新天地
フェルメールから
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その日、オードは俺を見ると。
「小僧………今日でお前はクビだ。」
何となく気付いてはいたが、ショックだった。
「………そうですか、お世話になりました。」
「明日の朝、出て行けるように準備しとけ。」
無償で一年以上お世話になっただけでも、有難かった。
何も理由を聞かなかったのは、オードの顔があまりにも辛そうだったから、デュードが言う様に何かあるんだろう。
翌朝、身支度をし、出ていこうと外に出ると、オードが立っていた。
「小僧、その………なんだ、元気でいろよ。」
空気的にフェルメールからも旅立つ感じになっていた。
オードは革袋とショートソードを差し出した。
「ほら、これ……今までの賃金だ。」
それを受け取り、門まで見送られた。
門の外に出る時、門の役人がプレートを一瞥し。
「通っていいぞ。」
いつもと違い、何の審査もなく、出れるらしい。
不思議そうな顔をしてると。
「そこの一文がある限り、フェルメールへの出入りに細かい審査は免除される。」
そう言われて、プレートを見ると、師の項目があり、名工オードと書いてあった。
よく聞くと、オードは鍛冶としての功績で貴族らしい。
だが、ここを出て、何処に行こうか迷ってると、役人は素朴な疑問を投げかけてきた。
「でも、商業ギルドに入ってないんだね。フェルメールで入ってけば?」
そう言われて、戻ると、去ろうとしてたオードはなんで戻って来たんだって目で見てきた。
「いゃ、ギルドだけに登録しとこうかなって。」
「あっ、そっか……小僧、入ってなかったんだな。」
オードは帰っていった。
だが、ギルドの前で悩んだ。
商業ギルドは直ぐに決まったんだよ。
冒険者ギルド前の看板を見て。
冒険者ギルドは有効範囲がいくつかに分かれていた。
国内のみ、登録連盟内の二種類。
更に国のギルドか自由ギルドの二種類。
とりあえず何処に行くかも決めてないので、登録連盟内を選び、国所属を選択しようとしたら。
「あっ、師いないんだったら、これだけだね。」
プレートを置いた瞬間、差し出された紙には。
〔登録連盟内自由ギルド、ランクH〕
ランクH?確か、一番下はGだって聞いてたんだけど。
受付の男性はめんどくさそうに。
「普通、師もいないのに冒険者になろうなんて思わないし、居ても破門されたとかの理由でしかないから。次はこれに触れてみて、それで適正職種が出るから、それで登録するのを選べば、登録料出るから。」
言われるまま、半円形のモノに手を載せてみた。
画面には………。
すべて、登録しとこう。
受付の男性は画面を見ずに、二枚の紙を差し出し。
「これであっちの装置にプレートを置いて、振り込んで。」
渡された紙を持って、装置に入れた。
画面に表示される金額は………金貨2枚。
最近、貨幣価値が分かってきたが、金貨は10万くらいっぽい。
かなり高価だよな………まぁ、仕方ないか。
プレートを置き、振り込んだ。
画面にはプレートに表示する主な職種を選んでくださいとの文字が。
“剣士”を選び、プレートを持って、門へ。
「ランクH………本当に一人で行くのか?」
役人は心配して、確認してきた。
力強く頷くと、役人は憐れむような目でオレを見送った。
〈よぉ、久しぶり。〉
あの文字が浮かんできた。
【最近、何してたんだよ?】
〈最近、忙しくてさ。〉
忙しいって………まぁ、いいや。
とりあえず何処に行こうか、迷っていた。
この近くで一番大きいのはフェルメールなので、他はここより小さい。
他に大きな街に行くか、この近くの街………。
〈思い切って、他の国に行ってみるか?〉
他の大きな街へ向かうより、国境を越えて、他国へ行くのも有りだなって。
悩んだ末、行くところを決めた。
「小僧………今日でお前はクビだ。」
何となく気付いてはいたが、ショックだった。
「………そうですか、お世話になりました。」
「明日の朝、出て行けるように準備しとけ。」
無償で一年以上お世話になっただけでも、有難かった。
何も理由を聞かなかったのは、オードの顔があまりにも辛そうだったから、デュードが言う様に何かあるんだろう。
翌朝、身支度をし、出ていこうと外に出ると、オードが立っていた。
「小僧、その………なんだ、元気でいろよ。」
空気的にフェルメールからも旅立つ感じになっていた。
オードは革袋とショートソードを差し出した。
「ほら、これ……今までの賃金だ。」
それを受け取り、門まで見送られた。
門の外に出る時、門の役人がプレートを一瞥し。
「通っていいぞ。」
いつもと違い、何の審査もなく、出れるらしい。
不思議そうな顔をしてると。
「そこの一文がある限り、フェルメールへの出入りに細かい審査は免除される。」
そう言われて、プレートを見ると、師の項目があり、名工オードと書いてあった。
よく聞くと、オードは鍛冶としての功績で貴族らしい。
だが、ここを出て、何処に行こうか迷ってると、役人は素朴な疑問を投げかけてきた。
「でも、商業ギルドに入ってないんだね。フェルメールで入ってけば?」
そう言われて、戻ると、去ろうとしてたオードはなんで戻って来たんだって目で見てきた。
「いゃ、ギルドだけに登録しとこうかなって。」
「あっ、そっか……小僧、入ってなかったんだな。」
オードは帰っていった。
だが、ギルドの前で悩んだ。
商業ギルドは直ぐに決まったんだよ。
冒険者ギルド前の看板を見て。
冒険者ギルドは有効範囲がいくつかに分かれていた。
国内のみ、登録連盟内の二種類。
更に国のギルドか自由ギルドの二種類。
とりあえず何処に行くかも決めてないので、登録連盟内を選び、国所属を選択しようとしたら。
「あっ、師いないんだったら、これだけだね。」
プレートを置いた瞬間、差し出された紙には。
〔登録連盟内自由ギルド、ランクH〕
ランクH?確か、一番下はGだって聞いてたんだけど。
受付の男性はめんどくさそうに。
「普通、師もいないのに冒険者になろうなんて思わないし、居ても破門されたとかの理由でしかないから。次はこれに触れてみて、それで適正職種が出るから、それで登録するのを選べば、登録料出るから。」
言われるまま、半円形のモノに手を載せてみた。
画面には………。
すべて、登録しとこう。
受付の男性は画面を見ずに、二枚の紙を差し出し。
「これであっちの装置にプレートを置いて、振り込んで。」
渡された紙を持って、装置に入れた。
画面に表示される金額は………金貨2枚。
最近、貨幣価値が分かってきたが、金貨は10万くらいっぽい。
かなり高価だよな………まぁ、仕方ないか。
プレートを置き、振り込んだ。
画面にはプレートに表示する主な職種を選んでくださいとの文字が。
“剣士”を選び、プレートを持って、門へ。
「ランクH………本当に一人で行くのか?」
役人は心配して、確認してきた。
力強く頷くと、役人は憐れむような目でオレを見送った。
〈よぉ、久しぶり。〉
あの文字が浮かんできた。
【最近、何してたんだよ?】
〈最近、忙しくてさ。〉
忙しいって………まぁ、いいや。
とりあえず何処に行こうか、迷っていた。
この近くで一番大きいのはフェルメールなので、他はここより小さい。
他に大きな街に行くか、この近くの街………。
〈思い切って、他の国に行ってみるか?〉
他の大きな街へ向かうより、国境を越えて、他国へ行くのも有りだなって。
悩んだ末、行くところを決めた。
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