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飛竜

山頂へ

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しどろもどろになりながら、ごまかそうと考えているようだ。
「ほんとに飛竜を探しに行くのか?」
色々、考えたようだが、いい案が出なかったのか、諦めたのか。そう尋ねてきた。
「とりあえず、依頼のモノを探しに行かないとね。心配しなくても、ヤバいと思ったら逃げるよ。」
だが、その言葉を聞いても、顔色が曇ったままであった。
曇ったままの表情で近づいてきて、手をかざしてきた。
かざされた部分から温かくなり、身体全体が温かくなってきた。
「お前が本当に山、登るならここでお別れだ。餞別代わりだ……ボスには内緒だぞ。」
その言葉を寂しそうに呟いた。

コボルト達は穴から出ていったが、その去り際に聞こえるか、聞こえない声で。
「飛竜に見つかれば、逃げるなんてほぼ不可能なのに………そんな事も知らないとは。」
えっ?それ、先に教えてくれてたら、行くなんて言わなかったのに。
そう思いながら、体を動かすと……スムーズに動く。
先程の行為が治癒魔法だったんだなって。

とりあえず残った肉を持って、山を登ることにした。
しばらく進み、周りを伺ったが、本当に付いてきてる気配はなかった。
山を少しずつ登りながら、空を何度も見上げた。
山を登っていくと、どんどん周りが暑くなってきて、体力が奪われていった。
飛行系のモンスターは出てこなかったが、大トカゲやアルマジロみたいなモンスターが定期的に現れてきた。
強さ的にはそれ程ではなかったが、ただ火を吐いてきたり、燃えていた。
更に暑さにやられてきた頃、遠くで聴いたことのないような腹に響く様な雄叫びが聞こえてきた。
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