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友人にひかれている俺

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りょう!俺はアルファの恋人を探す事にした!」

次の日の放課後。いつものように亮と2人で教室に残っている。
そして俺は、亮に向かって高らかに宣言した。

「…」

亮は何も言わない。というか俺の方を見てもいない!
いつものように携帯をいじりながら紙パックのジュースを飲んでいる。

「せめて一言でもいいから反応下さい」

「ガチャで限定キャラきた」

「マジ?どれ?」

「ほら」

「本当だ。限定のやつじゃんおめでとう」

「ども」

「亮…俺の先ほどの話聞いてくれてた?」

「英語の小テストやばかったってやつ?」

「それも言ったけど、それじゃない。俺、アルファの恋人を探す事にした!」

俺は亮に向かって改めてはっきりと言った。
亮は俺を見て、特に驚きもせず答える。

「うん。まあそうなるよな。頑張れ」

「おう!頑張る!…何を頑張ったらいいんだっけ?」

「え?恋人が欲しいんでしょ?」

「欲しいんだけど…恋人ってどうやって出来るんだっけ?」

「難しい問だな。俺は頑張れとしか言いようがない」

「え?詰んだ?えっと…そう!恋人を作るんだから、まず好きな人!好きなアルファの人を見つける!」

「どうやって?」

「えっと、どうしよう…まずアルファを探すだろ?あれ?アルファってどこにいる?誰がアルファだろう?」

れん、まさかとは思うけれど、初対面の人にアルファですか?なんて聞かないよな?」

「さっ、さすがにそれは…」

「それは?」

「…しません」

「絶対するなよ」

「うん…。でもちょっと待てよ…恋人作るのもどうすれば良いのか分からないのに、その相手がアルファじゃなかったら、首の衝動止められないじゃん!」

「首の衝動を止めるために恋人欲しいってのも、すごい動機だよな」

「大丈夫。ちゃんとイチャコラしたいとも思っている」

「開き直ってるー」

俺はゆっくりと、机に伏せた。
本当にどうすれば良いのか分からない。
今の世の中、相手がアルファかベータかオメガかを聞くのは、相手に年齢や体重を聞くよりももっとデリケートな事だ。
亮のように仲良くなった友達に聞くのは大丈夫だけれど、親しくない人に聞くのはマナー違反だ。

「今のご時世…アルファを探すのも大変なのに…出会ったとしても、相手を好きになるか、恋人になれるかも分からないし…」

「蓮…」

うつ伏せになりながり呟く俺に、亮が少し心配しているような声で話しかける。

「…やってやろうじゃん!!!難易度高い方が、やる気出るじゃん!!!」

俺は勢いよく頭を上げた。
そして俺を心配してか、顔を近づけていた亮と思いっきりぶつかった。

ほんとごめん。
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