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アビー視点(王妃の茶会の記憶)
なんでも持っていて、いつも余裕顔の従姉アレンティナが憎らしい。
家も伯爵家でお金持ち、お屋敷も私の家の3倍くらいある。
先週の王妃主催の茶会に行くとき土壇場でいつものお強請りをした、ペラペラな安物ドレスしか持っていない私は「ちょうだい!」と彼女のドレスを欲しがった。
渋っていたけどなんとか奪い取ってやったわ!
ピンク色の可愛いドレスは背が高いアレンティナより小柄で可愛い私にピッタリよ!
でも変ね、身長が違うのに誂えたようにサイズがしっくりした。
わからないけど、きっと私が可愛いから似合うのよね!
着替えてきたアレンティナのドレスは青と紫のグラデーションの地味なものだったわ。
「ぷぷー!地味なのが良く似合あうわー!最初からそれを着てたらいいのよ!」
そう笑ってやったら顔を顰めて私のお母様を睨んでいた。
なんて性格悪いのかしら?
それから上機嫌の私はいつも通り馬車に相乗りさせてもらって会場についた。
でも……
「貴女を招待した覚えはなくってよ?」
可愛く挨拶した私に対して、王妃はそう言い放ったの。ひどい!どうしてそんな意地悪を言うの!?
アレンティナの従妹なんだから同伴くらい良いじゃないの!ケチ!
下位貴族は参加できない?
なによそれ!
王妃主催の茶会は男子禁制の為、招待客は全員女子だった。
すごくつまらなくて、せっかく可愛い姿で来たのにカッコイイ男子がいないなんて時間の無駄だと思った。
それに、みんな意地悪い視線を向けてくるしイライラしたわ。
アレンティナの周囲にはたくさんの令嬢が集まって楽しそうに談笑していた。
みんな口々に褒めている、なんで?
「さすがアレスティナ様、流行りをいち早く取り入れるなんて!」
「落ち着いた色に銀糸の刺繍、それに散りばめた小さなダイヤが夜空の星のように美しいわ」
はぁ?
あんな地味ドレスが流行りですって?信じられない!世間の価値観を疑うわね!
透明なダイヤなんてつまらない、私ならエメラルドかルビー、サファイヤをつけるわよ!
見なさい、この可愛いピンクのドレスを!
妖精みたいでしょ!
そう思って会場の真ん中でクルクルと回転して、みせつけてやったわ!
ヒラヒラと揺れる長めのレースが美しい蝶のようでしょ?
なのに!
「なにあれ?気が触れたのかしら」
「茶会で踊るなんて正気じゃないわね」
「あのドレスデザインは子供用じゃなくて?恥ずかしいこと!」
クスクスといやらしい嘲笑と無遠慮な言葉が私を貶してきたわ。
可愛い私に嫉妬するなんて、令嬢ってほんとロクなやつがいないわね!
なによりアレンティナの侮蔑の目が許せなかった。
奪っても奪ってもめげない澄ました顔が大嫌いよ。
***
「でもきょうの夜会で一番大切なモノを奪ってあげる!そうしたら流石に澄ました態度はとれないでしょうね」
アレンティナ姉弟が出かけてから10分後、私を迎えにとある馬車が到着したとメイドが知らせにやってきた。
「まぁ、アビーに良い人なんていたの?教えてくれなきゃ困るわ、紹介してちょうだいね!」
すぐにお母様が食いついた。
「ええもちろんよ、とても素敵で良い人なの!お母様たちもきっと気に入るわ!ウフフフ♪」
なんでも持っていて、いつも余裕顔の従姉アレンティナが憎らしい。
家も伯爵家でお金持ち、お屋敷も私の家の3倍くらいある。
先週の王妃主催の茶会に行くとき土壇場でいつものお強請りをした、ペラペラな安物ドレスしか持っていない私は「ちょうだい!」と彼女のドレスを欲しがった。
渋っていたけどなんとか奪い取ってやったわ!
ピンク色の可愛いドレスは背が高いアレンティナより小柄で可愛い私にピッタリよ!
でも変ね、身長が違うのに誂えたようにサイズがしっくりした。
わからないけど、きっと私が可愛いから似合うのよね!
着替えてきたアレンティナのドレスは青と紫のグラデーションの地味なものだったわ。
「ぷぷー!地味なのが良く似合あうわー!最初からそれを着てたらいいのよ!」
そう笑ってやったら顔を顰めて私のお母様を睨んでいた。
なんて性格悪いのかしら?
それから上機嫌の私はいつも通り馬車に相乗りさせてもらって会場についた。
でも……
「貴女を招待した覚えはなくってよ?」
可愛く挨拶した私に対して、王妃はそう言い放ったの。ひどい!どうしてそんな意地悪を言うの!?
アレンティナの従妹なんだから同伴くらい良いじゃないの!ケチ!
下位貴族は参加できない?
なによそれ!
王妃主催の茶会は男子禁制の為、招待客は全員女子だった。
すごくつまらなくて、せっかく可愛い姿で来たのにカッコイイ男子がいないなんて時間の無駄だと思った。
それに、みんな意地悪い視線を向けてくるしイライラしたわ。
アレンティナの周囲にはたくさんの令嬢が集まって楽しそうに談笑していた。
みんな口々に褒めている、なんで?
「さすがアレスティナ様、流行りをいち早く取り入れるなんて!」
「落ち着いた色に銀糸の刺繍、それに散りばめた小さなダイヤが夜空の星のように美しいわ」
はぁ?
あんな地味ドレスが流行りですって?信じられない!世間の価値観を疑うわね!
透明なダイヤなんてつまらない、私ならエメラルドかルビー、サファイヤをつけるわよ!
見なさい、この可愛いピンクのドレスを!
妖精みたいでしょ!
そう思って会場の真ん中でクルクルと回転して、みせつけてやったわ!
ヒラヒラと揺れる長めのレースが美しい蝶のようでしょ?
なのに!
「なにあれ?気が触れたのかしら」
「茶会で踊るなんて正気じゃないわね」
「あのドレスデザインは子供用じゃなくて?恥ずかしいこと!」
クスクスといやらしい嘲笑と無遠慮な言葉が私を貶してきたわ。
可愛い私に嫉妬するなんて、令嬢ってほんとロクなやつがいないわね!
なによりアレンティナの侮蔑の目が許せなかった。
奪っても奪ってもめげない澄ました顔が大嫌いよ。
***
「でもきょうの夜会で一番大切なモノを奪ってあげる!そうしたら流石に澄ました態度はとれないでしょうね」
アレンティナ姉弟が出かけてから10分後、私を迎えにとある馬車が到着したとメイドが知らせにやってきた。
「まぁ、アビーに良い人なんていたの?教えてくれなきゃ困るわ、紹介してちょうだいね!」
すぐにお母様が食いついた。
「ええもちろんよ、とても素敵で良い人なの!お母様たちもきっと気に入るわ!ウフフフ♪」
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