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トラブルプランツ スタンピード篇
暴走の原因を探れ!
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討伐が開始して五日目のこと、魔植物のスタンピードが収束に向かった。
獣王国だけではなく、隣接する西側の国グランソレイからも冒険者が討伐に参加したからだ。
グランソレイ国は”太陽こそが神”という信仰がある、陽を浴びて育つ植物を神の恵みとしている。
それゆえ害成す魔植物は神からの試練にして最大の敵と認めていた。
隣国参戦による成果は著しい。
「あと三日もすれば完全収束になると踏んでいる、カレーおかわり!」
「へいへいほー」(棒)
王都からやってきたギルマスことインドラが、どういうわけかレオ達の焚火前でカレーを食べていた。
陣中見舞いと言っているが労われてる気がしないレオであった。
大鍋カレーがみるみる空になり、もう一つを慌てて温めているところだ。
作り置きしておいたレオは嬉しいやら悲しいやらである。
安価にできる蕎麦屋カレーは、冒険者キャンプで大人気になり毎夜列が出来ていた。
いままさに大盛を追加注文したインドラは5杯目に匙を入れたところである。
「そんなに食べて平気ですか?玉葱が入ってますよ」
「平気だが?俺は腹壊したことがないぞ!心配するなレオ!ガハハハハッ!」
「かははは……」
さりげなくインドラを”どないや?”したが弱点なしの兵だった。
「お金払ってくれれば文句ないでーす」
「うむ、これで足りるか?カレーおかわり!」
インドラが革袋ごと渡した中には金貨が50枚以上入ってた。
「バリラ!こちらの御仁にカレー大盛!それから取って置きの角煮をトッピングしてさしあげろ!」
「任せろ!カレー大盛、角煮どっかん!」
”ぐっ!”と互いに親指を立てていい顔をするレオとバリラである。
***
ベースキャンプからはすでに撤退組も出てきて来た。
十分に戦果をあげた連中はホクホク顔で荷造りしている。
そんな彼らを癒そうとティルは治癒して歩いている。
ベースキャンプの女神と称された彼女は大人気で、毎日のように求婚されているという。
「て、ティル様!結婚してください!」
「ごめんなさい」ニッコリ。
「レオぉ!私達も撤収するぅ?」
昨日倒したオバケ葡萄を袋に詰めながらフラが問う。
「そうだな、長居してもあれだしな。あ、フラ!葡萄を一粒くれ!」
「はぁーい」
サッカーボール大の巨大葡萄がドゴン!とレオの腹に直撃した。
「ぐえっ」
「ごめん!」
「ご主人様~!ギルド職員の人がギルマスと一緒に出張所へ来るようにと!」
ジェイラが串焼きを頬張りながらやってきた。
「ギルドが?」
「はいです、屋台に並んでたら職員さんが青い顔して呼び止めてきて、ずいぶん慌ててましたよ」
もしゃもしゃと呑気に咀嚼するジェイラからは緊急性があまり感じないが、レオは一応と言ってカレー皿を離さないインドラを引っ張り簡易ギルドへ急いだ。
到着すると人払いがされ、出張していたサブマスターが声を潜めて話す。
「食事中申し訳ありません!事情がありまして」
「うむ、かまわん。報告せよ」
インドラはカレーを食べながらドカリと椅子に座った、レオも倣って横に座る。
「早速ですが、暴走の終息を目前に来て妙な動きがございました」
「なんだと!?」
「どうも此度のスタンピードは人災……確定ではありませんが魔道具が悪用された可能性が出てきました」
サブマスターが壊れた箱状のものをテーブルに置いた。
一見は宝石箱のようなそれには、焼け焦げたような跡があり中には複雑な絡繰りが入っていた。
「これが?俺の国で見る魔道具とだいぶ違うかも」
レオが感想を述べると、ギルマスが怒りの唸り声をあげた。
「これは、獣王国の魔法工学省が開発したものだ……この緻密な絡繰りは違いない」
「え!?」
獣王国だけではなく、隣接する西側の国グランソレイからも冒険者が討伐に参加したからだ。
グランソレイ国は”太陽こそが神”という信仰がある、陽を浴びて育つ植物を神の恵みとしている。
それゆえ害成す魔植物は神からの試練にして最大の敵と認めていた。
隣国参戦による成果は著しい。
「あと三日もすれば完全収束になると踏んでいる、カレーおかわり!」
「へいへいほー」(棒)
王都からやってきたギルマスことインドラが、どういうわけかレオ達の焚火前でカレーを食べていた。
陣中見舞いと言っているが労われてる気がしないレオであった。
大鍋カレーがみるみる空になり、もう一つを慌てて温めているところだ。
作り置きしておいたレオは嬉しいやら悲しいやらである。
安価にできる蕎麦屋カレーは、冒険者キャンプで大人気になり毎夜列が出来ていた。
いままさに大盛を追加注文したインドラは5杯目に匙を入れたところである。
「そんなに食べて平気ですか?玉葱が入ってますよ」
「平気だが?俺は腹壊したことがないぞ!心配するなレオ!ガハハハハッ!」
「かははは……」
さりげなくインドラを”どないや?”したが弱点なしの兵だった。
「お金払ってくれれば文句ないでーす」
「うむ、これで足りるか?カレーおかわり!」
インドラが革袋ごと渡した中には金貨が50枚以上入ってた。
「バリラ!こちらの御仁にカレー大盛!それから取って置きの角煮をトッピングしてさしあげろ!」
「任せろ!カレー大盛、角煮どっかん!」
”ぐっ!”と互いに親指を立てていい顔をするレオとバリラである。
***
ベースキャンプからはすでに撤退組も出てきて来た。
十分に戦果をあげた連中はホクホク顔で荷造りしている。
そんな彼らを癒そうとティルは治癒して歩いている。
ベースキャンプの女神と称された彼女は大人気で、毎日のように求婚されているという。
「て、ティル様!結婚してください!」
「ごめんなさい」ニッコリ。
「レオぉ!私達も撤収するぅ?」
昨日倒したオバケ葡萄を袋に詰めながらフラが問う。
「そうだな、長居してもあれだしな。あ、フラ!葡萄を一粒くれ!」
「はぁーい」
サッカーボール大の巨大葡萄がドゴン!とレオの腹に直撃した。
「ぐえっ」
「ごめん!」
「ご主人様~!ギルド職員の人がギルマスと一緒に出張所へ来るようにと!」
ジェイラが串焼きを頬張りながらやってきた。
「ギルドが?」
「はいです、屋台に並んでたら職員さんが青い顔して呼び止めてきて、ずいぶん慌ててましたよ」
もしゃもしゃと呑気に咀嚼するジェイラからは緊急性があまり感じないが、レオは一応と言ってカレー皿を離さないインドラを引っ張り簡易ギルドへ急いだ。
到着すると人払いがされ、出張していたサブマスターが声を潜めて話す。
「食事中申し訳ありません!事情がありまして」
「うむ、かまわん。報告せよ」
インドラはカレーを食べながらドカリと椅子に座った、レオも倣って横に座る。
「早速ですが、暴走の終息を目前に来て妙な動きがございました」
「なんだと!?」
「どうも此度のスタンピードは人災……確定ではありませんが魔道具が悪用された可能性が出てきました」
サブマスターが壊れた箱状のものをテーブルに置いた。
一見は宝石箱のようなそれには、焼け焦げたような跡があり中には複雑な絡繰りが入っていた。
「これが?俺の国で見る魔道具とだいぶ違うかも」
レオが感想を述べると、ギルマスが怒りの唸り声をあげた。
「これは、獣王国の魔法工学省が開発したものだ……この緻密な絡繰りは違いない」
「え!?」
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