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トラブルプランツ スタンピード篇
狩るぞ!
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歩を進めるごとに怒号や剣で戦う音が大きくなってくる、討伐の手前でバリケードを張る獣王国の兵士達が盾を構えていた。
「冒険者パーティです今日から討伐に参加します、リーダーのレオニードです。」
ギルドカードを提示するレオ。
「おお!獅子王に肉料理を振る舞った方ですな!」
虎型の兵士がレオの手をとってブンブン振った、アワアワと振り回されて吃驚する。
それから討伐の状況を大まかに伝えて貰い、討伐へ参加する。
聞けば、押して引いての繰り返しらしく殲滅とはほど遠いようだった。
「皆、気を引き締めて!無理だけはするな」
レオの声に皆が頷く、討伐開始だ。
最初に対峙したのは白い蕪のような魔物の団体だった。膝丈ほどのそれは目算で30匹ほど。
「フポポポポポッ」
甲高い声をあげてレオ達を挑発してくる、見た目は丸くて円らな瞳が可愛いが小馬鹿にする態度が憎たらしい。
「まずは前衛の俺が斬り崩す、後衛3人は援護を徹底!打ち漏らしは頼む、バリラは背後を護ってくれ」
「「「はい!」」」
「みんなの背中はまかせな!」
ダイヤ型に陣を組んだレオ達は、気合十分で戦闘についた。
「デヤッ!」
前衛の前に横一列に並んだ白い蕪たちが一閃で倒れた、あまり手応えがないとレオは思う。
いっきに10匹ほど倒した。
仲間をやれれ蕪たちが「フポポポポポッ」と鳴いた、怒っているのだろうか。
頭の先についていた葉っぱを飛ばしてレオ達を攻撃してきた。
肉厚のそれが当たると地味に痛い。腕や足にぶつかり痣ができた。
半分以上切り倒した所で、剣がネバネバで切れ味が落ちた。
そこでフラとジェイラが援護に入った、氷と風魔法の合わせ技で氷の渦が蕪を襲う。
バキベキとそれが蕪の集団を粉々に砕いて散らした。
「やった!全滅……あれ?一匹残ったな」
レオは最後の一回り大きな一匹を袈裟懸けに斬ろうと構えた。
しかし、それを素早く躱されドカリと大地に剣先が刺さる。
「チッ打ち漏らした、ごめん。剣の手入れする」
レオは少し下がって襤褸切れでベタベタの汁を拭う。
「レオ、洗浄しますわ。それから少し回復を」
ティルが浄化とPT全体に緩く回復をかけた。
急に軽くなる身体、そして剣がキラキラと研磨されたように輝いた。
態勢を整えて再び斬りかかるレオ、今度はど真ん中に決まって手ごたえを感じた。
「良し!退治おわ……え!?」
頭部が凹んだらしいソレが再び「フポポポポポッ!」と甲高く哭いた。
黑いなにかを口から噴き出した、こちらを攻撃するかと全員が身構えたが違った。
地に落ちたそれはムクムクと膨れて、先ほど倒した蕪たちが元の倍の数になって立ちはだかった。
フポポポポポポッ!フポポポポポポッ!フポポポポポポッ!
「冒険者パーティです今日から討伐に参加します、リーダーのレオニードです。」
ギルドカードを提示するレオ。
「おお!獅子王に肉料理を振る舞った方ですな!」
虎型の兵士がレオの手をとってブンブン振った、アワアワと振り回されて吃驚する。
それから討伐の状況を大まかに伝えて貰い、討伐へ参加する。
聞けば、押して引いての繰り返しらしく殲滅とはほど遠いようだった。
「皆、気を引き締めて!無理だけはするな」
レオの声に皆が頷く、討伐開始だ。
最初に対峙したのは白い蕪のような魔物の団体だった。膝丈ほどのそれは目算で30匹ほど。
「フポポポポポッ」
甲高い声をあげてレオ達を挑発してくる、見た目は丸くて円らな瞳が可愛いが小馬鹿にする態度が憎たらしい。
「まずは前衛の俺が斬り崩す、後衛3人は援護を徹底!打ち漏らしは頼む、バリラは背後を護ってくれ」
「「「はい!」」」
「みんなの背中はまかせな!」
ダイヤ型に陣を組んだレオ達は、気合十分で戦闘についた。
「デヤッ!」
前衛の前に横一列に並んだ白い蕪たちが一閃で倒れた、あまり手応えがないとレオは思う。
いっきに10匹ほど倒した。
仲間をやれれ蕪たちが「フポポポポポッ」と鳴いた、怒っているのだろうか。
頭の先についていた葉っぱを飛ばしてレオ達を攻撃してきた。
肉厚のそれが当たると地味に痛い。腕や足にぶつかり痣ができた。
半分以上切り倒した所で、剣がネバネバで切れ味が落ちた。
そこでフラとジェイラが援護に入った、氷と風魔法の合わせ技で氷の渦が蕪を襲う。
バキベキとそれが蕪の集団を粉々に砕いて散らした。
「やった!全滅……あれ?一匹残ったな」
レオは最後の一回り大きな一匹を袈裟懸けに斬ろうと構えた。
しかし、それを素早く躱されドカリと大地に剣先が刺さる。
「チッ打ち漏らした、ごめん。剣の手入れする」
レオは少し下がって襤褸切れでベタベタの汁を拭う。
「レオ、洗浄しますわ。それから少し回復を」
ティルが浄化とPT全体に緩く回復をかけた。
急に軽くなる身体、そして剣がキラキラと研磨されたように輝いた。
態勢を整えて再び斬りかかるレオ、今度はど真ん中に決まって手ごたえを感じた。
「良し!退治おわ……え!?」
頭部が凹んだらしいソレが再び「フポポポポポッ!」と甲高く哭いた。
黑いなにかを口から噴き出した、こちらを攻撃するかと全員が身構えたが違った。
地に落ちたそれはムクムクと膨れて、先ほど倒した蕪たちが元の倍の数になって立ちはだかった。
フポポポポポポッ!フポポポポポポッ!フポポポポポポッ!
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