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反抗期篇
ギルドのカフェバーにて
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「次の食材は何にするかなー」
ギルドの依頼ボードを睨みつつ足をパタパタする冒険者。
どーも『パンツもぐもぐ』です。
目ぼしい討伐依頼はあっても勧誘されません、クソゴミスキルのせいです。
決して弱いわけじゃない・・・はずだよ?
夏場は魔物も人間も元気がなくなる。
つまり美味しくない、晩秋あたりが旨味爆発期だと思わないか?
そうだ猪豚狩りはまだやってないな、秋になったら山へ入ろう。
「また貴方ですか、食べる前提で探してもありませんよ?」
「えー」
「えーじゃありません」
看板受付嬢?こと眼鏡おばさんとのお決まり小芝居で今日も始まる。
「牧場や農場は繁忙期ですから、そういう手伝いはいかが?」
「内容次第かな」
「トウモロコシの積荷運びや雑草刈りです」
「えー」
「えーじゃありません」
そんなバカトークをしていたら背後からダミ声が聞こえた。
「おい、クソガキ。冷やかしなら退け」
巨大な体躯を揺らして、俺を見下ろしている武闘家と戦士が立っていた。
「はい、どうぞー」
触らぬノウキンに祟りなしだ。
モリモリブリブリな筋肉を膨らませてノシノシ歩く、ふうん解体し甲斐がありそうな体だ。
【美味しいかな?】
「「ひっ!?」」
悪寒が走ったノウキン二人が身を縮こませ、キョロキョロと見まわす。
***
こういう時は情報集めだ、ギルド内のカフェバーへ足を運ぶ。
カウンター越しに気怠げなお兄さんがグラスを磨いている。
「スプリッツァちょうだい」
「・・・へい」
ヤル気なさげなのに良く冷えて美味しいのを出す。
「美味しいね」と多めにチップを渡したら無言でナッツクラッカーをくれた。
さて、どこに座ろう?
全体を見回す角が空いていたので呆けるふりで聞き耳を立てた。
客は8人、昼から出来上がってる酔っ払いグループと女子3人の冒険者。
あとは一人で呑んでたり、寝ていたりとバラバラだ。
伸びをする体で壁に凭れた、壁板に耳をあてがう。
音は振動だ壁床から情報が伝ってくる、ガタガタギギィと椅子をこする音に混ざる人声を拾う。
補助スキル:耳ダンボる
スキル名が尽くクソダサイのはどうにかならんの?壁耳とかでいーじゃん!
ふん・・・集中だ。
・・・
・・
「で・・・しょう?」
「危なく・・・じゃないの」
・・・
「でよう、うちのかーちゃんが・・・でさ」
「あーそれ・・だよ。聞い・・ハゲ・・うぉい」
「おれは乳よりケツが・・・でよ」
・・・
「あたら・・・ダ・ジョンが出来て・・・」
「西山みゃ・・・ストロ村の・・・狩るなら今・・・」
「だっからオメ・・・だっつってんじゃん」
「・・砂浜を・・・たらキン・マ挟まれてよー」
・・
・・・
(ふうん、なるほど面白そうだ。所々どーでもいい愚痴が混ざってたけど)
「御馳走様」
空のグラスをカウンターへ置いた。
「・・・」無言でニコリとお兄さんが笑った。
なんだ意外と優しい?
ギルドの依頼ボードを睨みつつ足をパタパタする冒険者。
どーも『パンツもぐもぐ』です。
目ぼしい討伐依頼はあっても勧誘されません、クソゴミスキルのせいです。
決して弱いわけじゃない・・・はずだよ?
夏場は魔物も人間も元気がなくなる。
つまり美味しくない、晩秋あたりが旨味爆発期だと思わないか?
そうだ猪豚狩りはまだやってないな、秋になったら山へ入ろう。
「また貴方ですか、食べる前提で探してもありませんよ?」
「えー」
「えーじゃありません」
看板受付嬢?こと眼鏡おばさんとのお決まり小芝居で今日も始まる。
「牧場や農場は繁忙期ですから、そういう手伝いはいかが?」
「内容次第かな」
「トウモロコシの積荷運びや雑草刈りです」
「えー」
「えーじゃありません」
そんなバカトークをしていたら背後からダミ声が聞こえた。
「おい、クソガキ。冷やかしなら退け」
巨大な体躯を揺らして、俺を見下ろしている武闘家と戦士が立っていた。
「はい、どうぞー」
触らぬノウキンに祟りなしだ。
モリモリブリブリな筋肉を膨らませてノシノシ歩く、ふうん解体し甲斐がありそうな体だ。
【美味しいかな?】
「「ひっ!?」」
悪寒が走ったノウキン二人が身を縮こませ、キョロキョロと見まわす。
***
こういう時は情報集めだ、ギルド内のカフェバーへ足を運ぶ。
カウンター越しに気怠げなお兄さんがグラスを磨いている。
「スプリッツァちょうだい」
「・・・へい」
ヤル気なさげなのに良く冷えて美味しいのを出す。
「美味しいね」と多めにチップを渡したら無言でナッツクラッカーをくれた。
さて、どこに座ろう?
全体を見回す角が空いていたので呆けるふりで聞き耳を立てた。
客は8人、昼から出来上がってる酔っ払いグループと女子3人の冒険者。
あとは一人で呑んでたり、寝ていたりとバラバラだ。
伸びをする体で壁に凭れた、壁板に耳をあてがう。
音は振動だ壁床から情報が伝ってくる、ガタガタギギィと椅子をこする音に混ざる人声を拾う。
補助スキル:耳ダンボる
スキル名が尽くクソダサイのはどうにかならんの?壁耳とかでいーじゃん!
ふん・・・集中だ。
・・・
・・
「で・・・しょう?」
「危なく・・・じゃないの」
・・・
「でよう、うちのかーちゃんが・・・でさ」
「あーそれ・・だよ。聞い・・ハゲ・・うぉい」
「おれは乳よりケツが・・・でよ」
・・・
「あたら・・・ダ・ジョンが出来て・・・」
「西山みゃ・・・ストロ村の・・・狩るなら今・・・」
「だっからオメ・・・だっつってんじゃん」
「・・砂浜を・・・たらキン・マ挟まれてよー」
・・
・・・
(ふうん、なるほど面白そうだ。所々どーでもいい愚痴が混ざってたけど)
「御馳走様」
空のグラスをカウンターへ置いた。
「・・・」無言でニコリとお兄さんが笑った。
なんだ意外と優しい?
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