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反抗期篇

魔物狩りとハイエナ(微グロ注意)

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農場まで1時間ほど、そろそろ移動用に俊足な魔物が欲しい。
馬は駄目だ、臆病だし狩場では食われる可能性が高い。


テイマーに依頼すれば良いが高額なんだよな。
そんなわけで体力作りを兼ね、今日も俺は走って移動する。


数メートル遅れて着けてくるのがいる、さっきのアホ魔法使いだ。
すいすい風移動している、楽そうだが魔力の無駄遣いだよ。


民家がまばらな先に農場が見えた、食い荒らされた葉野菜が散らばっていた。
依頼人にギルドカードを提示した、茂みに隠れているアホを気にしていたが無関係だと言った。


「ああ、ハイエナ冒険者ですか。さいきん多いですな」
「手伝うふりして厄介だよ、あしらうのが面倒で」
「ご心配なく、雇ったのは貴方だけとギルドへ一報しますから」


挨拶を済ませて早速退治だ、畑の傍の林に巣喰っているコカトリスを探す。
出入りしてる箇所はわかりやすい、アイツは飛べないからデッカイ足跡を残す。
Dランク3人で狩るのが安全だけど、ノウキン戦士は食えなくしてしまう。


「やーマジで、あの時の戦士を殴りたかった」
素材がとれないほどミンチにして悦にいる、己の剛腕を誇示することしか頭にない。


補助スキル:ド突いて叩いて

名称くそダサイがこれでいつも仕留める、急所攻めは得意だからボッチでも余裕。
まあ、相手によるさ……。
飛行型はちょっと無理、道具を作ってスキルアップもしないと。


足跡を辿ると不格好な巣があった、食い散らかした野菜が転がって腐ってた。
「たく、食べ物粗末にしやがって!」


コカトリスは昼寝中らしく丸くなっていた。
でっかい鶏に見えなくもない、真っ黒な嘴と蛇尻尾がなければ。


俺は前世の記憶持ち(元料理人)とはちょっと語弊、実家が定食屋をしてたから手伝っていた。
食材を無駄にすることを前親父は煩かった。
玉葱の皮やキャベツの芯、ピーマンの綿種など、みんな食えると教えてくれた。

一般的じゃないから嫌う人もいたけど。
「よく料理番組にケチつけてたな」ハハハッ。



***



《狩場で笑うなんて、呑気なやつ。バカっぽいしヤバそうなとこをサポートすりゃ肖れそう》
木の上から様子を覗う魔法使いの女はほくそ笑む。
丸ごと掻っ攫うのも良いが依頼金は貰えない、人里に出る程度の魔物なんて売っても安い。
恩を売って金子を貰うほうが楽だしギルドも文句言えない。


「んじゃいきますか」

背負っていた大剣、もとい包丁を2丁ギラリ抜き構える。
狙うは尻尾、根元に包丁を突き刺した。
「ゴギャアアアア!」と不意を突かれたコカトリスはけたたましく哭いた。

「はい煩い」
鳴くとき鳥ってのはなんで首を上にするかね、実に斬り易い。
ザンッ!とあっけなく落とされた頭、ただし体の方は生きていてバタバタ暴れる。


足を斬り動きを鈍くした、蛇尻尾は丈夫でまだ繋がったままなので縛り逆さに木に吊るす。
ボタタと赤い液体が滴り血抜きが始まる。


その様を見てた木上にいた魔法使いがえずく、正直良い眺めではない。
オレはその間に落とした頭を袋に詰める、戦利品として見せる為だ。


それからブチブチと羽を毟っていく、もちろん素材として持ち帰る。
それらを束ね魔法バッグに詰めていく。


いよいよ我慢できなくなった魔法使いは退散した。
《おええええ!!なにアイツ!気持ち悪い!おええええ!》


魔法使いは解体などしない、火魔法で焼いてしまうか氷漬けにして持ち帰る。
PTを組んでも大体そうして処理する、誰だって面倒はしない。
そんな雑だから買取が安いのだが。


血抜きを終えた俺は包丁を再び構えた。


補助スキル:解体


スパパパパッ!
モモ、ムネ、ササミと素早く部位を切り分け革袋に詰めた、魔法バッグがそれを吸い込むように収納する。

「上出来!」
意気揚々と依頼人の元へ向かう。


ギルドから報酬金貨5枚、素材買い取り金貨1枚。
肉は全部俺が持ち帰った、肉屋がモモ肉を依頼してると請われたが断った。


「美味しく調理するのは俺だ!」

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