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宣告

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「また例の発作か。よし、見てみよう」
「も、申し訳ございません……」
「謝らなくていいさ。で、今度はどこがどうなってるんだ?」
「こ、今度は、胸がまた……痒いのと、気持ちいのが、同時に……んッ!」

はぁはぁと荒い息に、上記した頬、潤んだ若草色の瞳で、自分の着ているシャツのボタンをはずしていくウェル。その指先はぎこちなく、わずかに震えている。
……しかも、シチュエーションはベッドの上と来た。ほとんど男を誘っているようなウェルの姿に、思わずそのまま押し倒してしまいたくなったが、ガマンだガマン。でも、押し倒された方がウェルのためにはいいのかな。俺、それよりももっとひどいことをウェルにするつもりだし。

「っ……」

はだけられたシャツの下から出てきたのは、ピンク字に黒レースのブラジャーだった。ウェルは最初よりも慣れた手つきで、そっとそれを外していく。
……うーん。しかし、ウェルも最初の頃よりこういう状況にちょっと慣れてきたな。今だって女物の下着を着けている姿を恥ずかしがって入るが、前よりも恥ずかしがっている度合いが低くなったように思う。なら、今日はちょっと趣向を変えてみるか。

「んぅ……」

ブラジャーを外した瞬間、布が擦れる刺激に、ウェルの肩がぴくりと跳ねた。布がこすれるだけの刺激にすら、快楽を感じているようだ。
ブラジャーの下から出てきたのは、まさに熟しきった果実だった。乳首は真っ赤に尖りきって、ピンと上を向いて勃ちあがっている。
先日、夜から朝までずっと乳首が疼くという俺にとっても事故のような事態が発生したが、その時にウェルはずっと自分の乳首を夜中の間中ずっと愛撫し続けていたのだろう。そのせいで、初めて見たころよりも二回りほど大きく育っていた。そこはもはや女の乳首そのもの、いや、牝の乳首そのものだった。

「ふむ……最初に見た時より、ずいぶん大きくなったように見えるな」
「……っ……!」

俺の言葉に、かぁと一気に顔を真っ赤にして、俯いてしまうウェル。その手が一瞬自分の胸元を庇おうとしたが、胸に触れる寸前でその手は止まった。治療の最中に、患部を隠してはダメだと思ったのだろう。あるいは――胸を手で庇ってしまったら、手のひらによる刺激で自分があられもない姿をさらすことになると分かったのか。
ふふふ、がぜん面白くなってきたな!

「ウェル、お前はどう思う? 自分の乳首を見て、最初の頃よりどうなったと思うか言ってみてくれ」
「なっ……!」
「自分の身体のことなんだ、お前ならちゃんと分かるだろう? もしも乳首が大きくなっているのであれば、患部の腫れという症状が今回の一過的なものではないと分かる」
「……ぅ……」

さらにうつむいてしまったウェル。もう、俺の位置からはウェルのつむじが見えるほどだ。だが、正直に言わないと俺はいつまでだって待つ覚悟だぞ、ウェル? というか全然待てちゃうぞ! こんなおいしい環境なら何時間だってずっと待ってられるぞ!
俺に引く気がないのが空気で分かったのだろう。ウェルは両手でベッドの上のシーツをぎゅっと握りしめ、ふるえる唇で答えた。

「は、はい……ロスト様のおっしゃる通りです」
「それだけじゃ分からないな。もっと具体的に言え」
「っ……わ、私の胸は……確かに、最初の頃よりも大きくなっています」
「胸、だけじゃ正確じゃないな。どこの部分なのか詳細にして、もう一度説明してみろ」
「……ッ、わ、私の乳首は……たしかに、最初の頃よりも大きくなりました……っ!」

肩をふるわすウェルの頭を、俺は「よし、よく説明できたな」と言いながらなでる。いやぁ、なでやすい位置にウェルの頭があるとついなでたくなるな。というか、ウェルの頭をなでるのが好きなんだな俺。丸くてやわらかくて、どことなく日向の匂いがするのだ。

「なるほど……では、発作による身体的な影響は一過性のものじゃないんだな。なら、今度もヘタなことをすると、ウェルの身体に影響が出てしまうかもしれないか」
「……ロスト様?」
「よし、ウェル。ちょっとベッドに寝てくれないか?」
「は、はい」
「ありがとう。で、手はこうしてくれ」
「は、はい……」

俺の命令を疑うことなく、すんなりと両手を差し出してくるウェル。うーん、文句なしにかわいい。でもウェル、ちょっとは人を疑ってもいいんだぞー?

「あ、あのロスト様……一体、何をなさってるのでしょうか?」
「見てわからないか? ウェルの手を縛ってるんだが」
「それは分かりますが! あ、あの、なぜ私の手を縛られてるんでしょうか……?」

俺はここに来る前に用意していたリボン紐をウェルの手首にまきつけると、そのままベッドの上部にあるヘッドレストの部分にくくりつけた。
つまり今、ウェルは両手をまとめられた姿勢で、手を上部にあげた姿勢をとらされている状態だ。紐の長さには余裕があるから、つらい体勢ではないはずだ。つい昨日はウェルを筋肉痛にさせちゃったからな、学習しましたよ!

「わからないか、ウェル? つまり、ここ数日の発作の発生により、お前の身体は劇的に変化をしはじめている」
「は、はぁ……」

よくわかってない感じで俺を見つめ返すウェル。そんな顔をされると、俺も思わず正気にかえってしまいそうだ。

「これはよくない。これからウェルの身体にどんな悪影響があるか分からないし、そもそも腫れ・肥大化している患部をさらにいじるのは良くないことだ」
「……あの、まさか」

俺の言わんとしていることが段々と分かってきたのだろう。ウェルは先ほどまで真っ赤にしていた顔を、血の気がひいたようにさーっと青ざめさせた。

「だから今日は我慢をしてみよう、ウェル。それに、いつも発作が起きたら患部をいじってばっかりで、触らないとどうなるのかというのは試してなかっただろう? もしかしたら、触らない方が早く治まるのかもしれないしな」
「……そ、そんな」

俺がそう告げた時のウェルは、死刑宣告を受けた時の人ってこんな感じなのかなー、と思わせるような表情でした。
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