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果実
しおりを挟む仕留めたアースワイバーンを運びやすい大きさにさばき、俺の持つアイテムバッグに保管をしてから、今日は屋敷に帰還することにした。
アイテムバッグというのは、空間収納魔法のかけられたバッグであり、モンスター討伐には必需品だ。見かけは布製のなんてことないポシェットなのだが、アースワイバーンのような大きなモンスターが楽々と入ってしまう。入れられる物の量や大きさに制限はあるが、俺の持っているアイテムバッグは伯爵家ゆかりのものなので、かなりの容量があるものだ。アースワイバーンなら十匹は余裕で入るだろう。
ちなみに、俺が討伐にあたって伯爵家から授かっているマジックアイテムはこれ以外にもいくつかある。アイテムバッグ以外で常時身に着けているのは、魔力を常時微量回復させる指輪と、毒性耐性の加護をつけてくれるブローチだ。特に指輪の方は、魔眼を使用すると魔力を消費するのでとてもありがたい。
そんな便利グッズのアイテムバッグにアースワイバーンをしまい込んだ後、屋敷に帰る道すがら、ここに来た時以上に俺はもんもんとしていた。
先ほどの、ウェルの態度と言葉。
……あれは、俺を嫌っているような人間がする態度と言葉じゃなかった。本当に、心の底から俺を心配し、気にかけてくれているものだった。
けど……ウェルが俺のことを好きなはずがない。
嫌っている、というのが俺の勘違いだったのだとしても、よくて無関心か、好きじゃないけど嫌いじゃない、ぐらいのレベルじゃないだろうか。
だって、そうじゃなきゃおかしい。そうでなきゃ今までの態度に説明がつかないし。
それに、俺のことが嫌いじゃないなら、少しでも好きでいてくれるんなら、「あのこと」について言ってこないのはどうしてなんだろう? それとも、何年も前のことだから、もうすっかり忘れてしまったんだろうか……?
……あー、くそ! 考えていてもらちがあかないな!
うん、今日はここまでにしよう。難しいことは後回しだ。
だって! この災いの森にウェルと二人で来たのは、ウェルから冒険者の知識を教えてもらうためとか、朝食の時の空気を変えるためとか、いろんなことがあるが、本当の目的は別にあるのだ!
ようやく帰途につき、災いの森の浅いところ……つまり安全なとこまで抜けることができたので、俺の真なる目的を果たすには今がベストタイミングである!
「っ……!?」
「どうした、ウェル。なにかいたか?」
「あ……いえ、なんでもありません。ちょっと、小枝がひっかかっただけのようです……ん、っ、」
俺の前を先導して歩くウェルが、急に肩をびくりと跳ねさせ、押し殺したような声をあげた。
効いているようだな。俺は今、魔眼で「快楽」の感覚をウェルに対して発生させたのだ。それも両方の乳首に、かなり強めの感覚を発生させている。
恐らく今、ウェルは乳首がシャツの布にあたるだけでも、喘いでしまうような快楽を感じていることだろう。
「っ……」
後ろからちらりとウェルの様子を窺うと、ウェルは顔を真っ赤にし、賢明に歯をくいしばっていた。漏れ出そうになる喘ぎ声を、必死に抑えているのだろう。
「っ、ロスト様。森を抜けましたので、転送陣を使いましょう」
災いの森を抜けると、ウェルがそんな提案をしてきた。
転送陣とは、魔法転送陣のことだ。その名前のとおり、ワープ機能が備わっており、転送陣の間で人間や物を転送させることができる。俺も一つ持っており、これを使えば、屋敷内にある転送陣が設置された場所にまでワープができる。
しかし、護衛騎士であるウェルが「転送陣を使おう」と言うのはなかなか珍しいことだ。というか、俺の持ち物を「使おう」なんて、護衛騎士の立場で言えば、厳しい主人の元では処罰の対処になるだろう。俺はウェルが可愛いから、言われればホイホイ使っちゃうけどね。だが、いつもはそこの所をわきまえているウェルがそんなことを言いだすなんて、よほどガマンが出来そうにないのだろう。
「そうだな。俺も汗をかいたし、早く家に帰りたいしな」
ウェルの提案にのって、転送陣をアイテムバッグから起動させ、屋敷までの転送を展開する俺。ウェルが見るからにホッとした様子で、安堵の息をついた。
だが、残念ながら俺はウェルをここで解放してやるつもりはない。
転送陣で飛んだ先は伯爵家の敷地内だ。何を隠そう、この前、ウェルに淫らな実験をさせたばかりの倉庫が立ち並ぶ一角である。この前とは別の倉庫だが、その中に俺とウェルは戻ってきていた。
「ウェル」
「は……はい、なんでしょう」
倉庫に戻ってくるなり、俺は先手を打つため、ウェルに声をかけた。
アースワイバーンの時と同じだ。攻撃は先手必勝が肝心である。
「いや、今日はお前のおかげで色んなことを知ることができたよ。ありがとう」
「いえ、もったいないお言葉です」
「礼と言うわけじゃないが、そのプレートメイルだと一人で脱ぐことができないだろう? 俺が手伝ってやるから、ちょっと貸してみろ」
「…………え?」
ウェルの愕然とした顔。
その顔に、思わず舌なめずりしそうなるのとぐっとこらえる。
「い、いえ、結構です。そんなこと、ロスト様に、させるわけには……くっ!」
「いいから、遠慮するな。ほら、横をむけよ」
「あっ……!」
そう、今日のウェルは、一緒に森にモンスター討伐にいったのでプレートメイルを服の上に着こんでいる。このプレートメイルは、自分では脱ぎ着ができないので、誰かに脱がしてもらわないといけないのだ。
そう、これを俺は待っていたのだ!
「……っ!」
まずは下半身の方のプレートメイルの横にある紐をとき、下の部分のプレートメイルをはずす。ウェルの顔は今や真っ赤で、若草色の瞳からは、今にも涙がこぼれそうだ。
下半身のプレートメイルを脱がす際に、俺の手が上半身のプレートメイルにあたったのだ。その振動がシャツに伝わり、そしてシャツの布にこすれた乳首に、刺激がはしったのだろう。
下半身のプレートメイルを脱がしきれば、ズボン越しに、ウェルの陰茎が勃ちあがっているのがわかった。だが、今はそれには気づかないふりをする。
「さて、次は上のほうだな」
「あっ、ロストさま、ちょっと、まってくださ、」
ウェルの懇願を無視し、上半身のプレートメイルのベルトをとく。両脇にあるベルトをほどけば、プレートメイルすっかりと外しきることができた。
瞬間――、俺はプレートメイルをウェルから外した弾みを装い、爪を立てた人さし指を、ウェルの尖り切った左の乳首の先端をひっかいた。
「あっ、ぁあぁっ!」
今の今まで我慢していたウェルだったが、予想外の強い刺激に耐えきれなかったのだろう。
ウェルは甲高い悲鳴をあげると、直立したままがくがくを腰を揺らした。その焦点はあっておらず、口からは、ぴんと真っ赤な舌がのばされている。
「あっ……ぁ、あ……」
立っていられなくなったのだろう、ウェルはよろよろとその場に座り込んでしまった。そのズボンの中央に、じわりと広がるシミと、雄臭い匂い。ウェルは見事、俺に乳首をひっかかれただけでイってしまったらしい。
「ウェル、どうした?」
「あっ…………ぁ、ロストさま、すみません、またおれ、こんな……」
「もしかして、例の症状か? 今度はどこが痒いんだ、ここか?」
「ひっ!」
「両方とも痒いのか? 俺が掻いてやるから教えてくれ、ウェル」
「あっ、ぁあ! 違うんです、ロストさまぁ……! こんど、こんどは痒いんじゃなくて……っああぁ! だめ、です、そんなに強く、いじんないでくださっ……!」
ほとんど悲鳴に近い嬌声をあげるウェル。若草色の瞳から、幾筋も涙がこぼれていく。
そんなウェルの悲鳴を無視し、俺はシャツ越しにウェルの乳首を爪でかりかりとひっかき、指でつまみ、もみしだき、また爪先でひっかく。その度に、ウェルは身体がビクビクと跳ねさせ、喉をのけぞらせて喘ぐ。
「今度は乳首が痒いのか、ウェル。よし、俺にみせてみろ」
「あっ、だめ、みないでください、こんなっ……!」
ウェルが必死に俺を止めようとするが、もはや手に力が入らないようだ。そんなウェルに有無をいわさぬ勢いで、俺はウェルのシャツのボタンを引きちぎるようにして脱がせた。
シャツの向こうからあらわれた、ウェルの胸の頂き。
そこにある二つの乳首は、熟しきった果実のようだった。真っ赤に熟れ、ぴんと尖り切り、ふるふると震えている。
「っ……ぅ……こん、な」
ウェルも、自分の露わになった胸を見て、自分の変わりきった身体に目を見開き、ついで、ほとんど泣き出しそうな顔になった。
そんなウェルの頭をよしよしと撫でながら、俺はウェルを安心させるように微笑みかけてやる。
「大丈夫だ、ウェル。怖がらなくていい、俺が助けてやるから」
「っ、ロスト様……あの、違うんです、おれ、」
「ほら、ここが痒いんだろ?」
「ひっ!」
ビクンとウェルの身体が跳ねる。俺が両手で乳首をつまんでいなければ、そのまま飛び上がっていたかもしれない。
俺はウェルの真っ赤になった乳首をそのまま人さし指と親指でつまみながら、ぐにぐにと揉みしだく。
「ひぃっ! っあ、あああぁっ! ろ、ろすとさま、それだめ、だめですぅっ……!」
ウェルが舌ったらずな悲鳴を上げる度、腰にぞくぞくとしたものが奔る。だめ、とかそんな可愛い声で言われても。そんな言い方は、俺を煽るだけだってわかってないんだろうなぁ、この騎士サマは。
「ああ、悪い。そんなに痒かったのか。これじゃあ刺激が足りないんだな?」
「っァ、あああぁっ!」
ウェルの胸に唇をよせ、その尖り切ってヒクヒクと震えている右胸の乳首に、かしりと歯を立てる。そのまま、乳首をくわえた前歯にコリ、と力を加えた瞬間、ウェルが甲高い悲鳴を上げ、全身をびくびくと痙攣させた。
「っあ、ぁ……うそだ、そんな……おれ、胸だけで……こんな、二回も」
びくびくと震える内腿に、揺れる腰。
虚ろな声に、見れば、ウェルの下腹部は今まで以上にじっとりと濡れていた。乳首だけの刺激で、二度目の射精を行ったらしいようだ。ウェルはそんな自分が信じられないのだろう、しばらく呆然とその場に座り込んでいたのであった。
……うーむ、この世界にカメラがないのが非常に悔やまれるぜ!
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