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ナナリー

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 アメリアの親父が暴れてくれたお陰で、パーティはお開きとなり、クランホームから避難する事ができた。
 別にパーティが嫌いという訳では無いが、それが長時間となると些か不自由を感じてしまう。
 冒険者は、自由であるべきだ。

「あのっ、い、痛い…………です」

「あ、ああ…………」

 俺は走るのを止め、掴んでいたナナリーの手を離した。
 彼女を庇いながら、ホームから逃げていたのだ。
 横に立つ彼女を見ると、ハァハァと息を整える小さな唇があった。
 高価そうな私服に窮屈そうに収まる大きな胸が、呼吸に合わせ上下している。

 あぁ、ムラムラするなぁ。誘ってんのかこいつ。俺が酔ってるからか?いや、酔ってなくたって一緒か。
 一回出してスッキリしておきたいな。

「ねぇ、今から俺ん家来ない?パーティの続きしようよ」

 小さな肩を掴み、耳元で囁く。

「え、…………二人でですか?」

「嫌なの?」

「嫌な訳無いです。行きますぅ!」

 ナナリーが目をキラキラさせ、胸を押し当てるように腕に絡みついてきた。
 あざとい仕草だと分かっていても、ドキリとさせられる。

「だよね?じゃあ、行こっか」

「はぁい!」

 今すぐベッドの上へ【転移】したい気持ちを抑えつつ、ティムが生前住んでいた家へと向かう。
 早くブチ込みたい、ブチまけたい。頭の中はそんな思考でいっぱいになり、ついつい歩みが早くなってしまう。
 次第と早くなる移動速度に、ナナリーは健気に歩幅を合わせて着いてくる。
 そんなにティムが好きか?それならたっぷりと可愛がってやろう。
 このテツオ様がな。フフフ。

 ティムの家は、農耕エリアの外れにポツンと建っていた。
 外観は、あばら家に近い木造平屋。
 間取りは、居間と寝室の二部屋のみ。
 狭くてボロい。
 とても金等級ゴールドが住んでいるようには見えない。

 軋んだ音を立てるドアを開き、ナナリーを家へと招き入れる。
 古びた漆喰の壁、埃をかぶった囲炉裏、使用済みの食器や瓶等で散らかったテーブル。
 客を招くには汚すぎたかと、軽く自省する。
 汚したのは俺では無く、生前のティムなのだが。
 戸惑う彼女の尻を押して、次の部屋へと誘う。

 ナナリーは、これから何をするのか一瞬で理解した。

 彼女の目に飛び込んで来たのは、部屋一面に広がる高級ベッドだった。
 実家である領主スナイデルの屋敷でも見た事の無い豪華で巨大なベッド。
 室内は薄暗いが、天然石の壁に間接照明が当てられ、その陰影がどことなく淫靡な雰囲気を演出している。
 ずっとお尻を掴んでいるティムさんの熱い手が、私のお腹の奥がキュンと締め付けられた。

 後ろに立っていたティムさんの唇が、私の口を塞いだその瞬間、身体がふわりと浮かび上がり、そのままベッドの上へ何の衝撃も無く寝かせられた。
 展開に頭が追い付かないでいると、服の上から胸を触られ、勝手に甘い声が漏れてしまう。
 期待してたのバレちゃうかな?

「可愛い服が皺になっちゃいけないね。脱がすぞ」

「あっ…………」

 金等級ゴールド冒険者の身体能力が高いのは知っているけど、ティムさんの動きは更に速い。
 気が付くと、既に私は服を脱がされた後だった。
 ティムさんが私の身体を舐めるように凝視している。
 私は恥ずかしくて、でもシーツの上に乗ってるから身体を隠すものが他に無くて、仕方無く両手で顔を覆う。
 彼は下着も脱がしてしまい、丸出しになった私の身体の隅から隅までいやらしい音を立てながら弄っている。

「リーダー、お祝いするんじゃなかったんですかぁ?」

「これが一番のお祝いだよ」

 一番。
 その一言で私はすっかりその気になり、舞い上がってしまった。
 挟めと言われれば、胸で彼のおちんちんをしごき、しゃぶれと言われれば、一生懸命に口でご奉仕する。
 初めてする事ばかりだったが、彼が喜ぶ事は全部してあげたかった。
 それでも、その間ずっと刺激を受け続けていた私の身体は、快感の波に飲まれ、どんどん力が抜けていく。
 身体が溶けていくみたい。

「もう限界みたいだな。そろそろ挿れようか。前は魔物に襲われたせいで無理矢理だったからね。今度は優しくするよ」

「あ、あぁ…………っ!」

 初めての時は魔物に捕まった恐怖でそれどころじゃなかったけど、エッチがこんなに気持ちいいものだったなんて!
 ティムさんの体温に全身を包まれ、あそこにもっと熱い刺激を受けながら、何度も何度も中に注がれ、いっぱいの幸せを感じていた。

「ずっとティムさんの側にいてもいいですか?」

「いいのか?領主の娘なんだろ?」

「今は一介の冒険者です」

「フフ、そうだな。冒険者は自由であるべきだ」

 ティムさんはそう言って優しく微笑み、私を引き寄せキスをし、再び私の中に入ってくる。

 ああ、こんな世界があったなんて!
 もう、離れられない。離れたく無い。
 そう思うのはわがままなのかな。

 ティムさんの動きが徐々に荒々しくなっていく。
 射精直前の激しいピストンは、頭がチカチカして何度も意識が飛びそうになる。
 少しでも長く幸せを感じていたかったけど、もうこれ以上は気を保つのは難しそうだ。

 ああ…………またイッちゃうよぉ…………

 ————————

 ————

 テツオは、ティムの家をよく見渡せる位置に監視カメラを取り付けていた。

 畑に囲まれたボロ小屋の周りを、六人の人影が取り囲んでいるのが分かる。

「ちょっと、何手間取ってるの?こんな粗末な小屋の扉なんて簡単に開けれるでしょう?」

 小声で話してはいるが、声の主はすぐに分かった。
 ナタリーお嬢様。領主スナイデルの娘で、ナナリーの姉だ。
 従者は純白の鎧に身を包んでいるが、身体のラインから全員が女性だと分かる。
 女性で構成された護衛らしき五人は、この家に侵入しようと、窓や扉を開けようとしていた。

「それが、この扉、思ったより頑丈でして」

「ただのひび割れた木板じゃない。貴女の剣は、木すら斬れないの?」

「も、申し訳ございません。ですが、これは何かしらの結界が施されているのやもしれません」

「このままじゃ、あの男に何をされるか分かったものじゃないわっ!
 あの子は貴族としての誇りすら失ったのかしらっ!ああっ、汚らわしいっ!」

 次第と声が大きくなっていくナタリーお嬢様。
 田舎は声がよく通る。
 これじゃあ近所迷惑だ。
 ナナリーは気絶してしまったし、どれちょっと注意しにいこうか。

「人ん家で何しとんじゃ!コラァッ!」

 扉を力強く開け放つ。
 扉に従者がぶつかり、後ろにいた従者を巻き込み、畑に向かって派手に吹き飛んだ。
 二人は作物にまみれながら気絶した。

「ナナリーを連れ込んでるのは分かっているのよ!って、なっ、なんて破廉恥なっ!」

 シャツとパンツだけの下着姿で現れた俺に、思わず目を背けるナタリーお嬢様。

「パーティメンバーと親睦を深めて何が悪い。怪我したくなければ、そこに転がってる奴を連れてさっさと帰れ!」

「ナナリーは私の妹よっ!妹の無事を確認するまで帰りませんわっ!」

「そうか、お前も俺と親睦を深めたいというわけだな」

「…………貴女達、あの汚らわしいケダモノに正義の鉄槌を下しなさいッ」

「ははっ!」

 咄嗟に三人の従者が主人の前に立ちはだかった。

「我らはボルストン直属軍護衛隊【戦乙女ヴァルキューレ】である!
 貴殿の身柄を拘束させていただく!」

「彼女達を甘く見ない方がいいわよ!金等級ゴールドだって倒せるくらい、とっても強いんだから!」

 純白の鎧と顔を覆い隠す兜を装備した護衛隊三人は、剣と盾を構え、ジリジリと距離を詰めてくる。
 その洗練された動きには、無駄も隙も無い。
 相当な修羅場を潜ってきたのだろう、圧力のかけ方もいい。
 ナタリーの言う通り、並の金等級ゴールドならば制圧されてしまうだろう。
 これが、天使の力を持つと言われる戦乙女ヴァルキューレか。
 だが、相手が悪かったと言わざるを得ない。

「いいだろう。稽古を付けてやる」

「ヤァッ!」

 下着男一人に、フル装備の騎士三人が襲い掛かる。

 三人は瞬時に攻撃対象ティムを取り囲むと、視界を盾で遮りながら、素早い円の動きで死角を作り出して攻撃を繰り出す。
 彼女達が得意とする戦法なのだろう。
 ところが、攻撃対象はいつの間にか持っていたシンプソン工房の印が刻まれたショートソードでもって、それらを全て遮った。
 その所作には余裕すら感じ、彼女達はこの男との力量差を思い知るまでに、一分も必要なかったようだ。
 だが、悲しいかな。分かってない者がその場に一人だけいた。
 ナタリーだ。
 令嬢は、てっきり護衛隊が押していると勘違いして、無意味な鼓舞を繰り返している。

「いけっ!やれっ!そのまま打ちのめしちゃえーっ!あら、私ったらつい下品な言葉を。ホホホ」

 引くに引けないのか、護衛隊三人は徒労とも呼べる攻撃を続けていた。

「筋はいい。褒めてやる。だがもう稽古は終わりだ。今なら五体満足で帰らせてやるぞ」

「笑止。命令がある以上、我々に降伏は無い」

 どこの世界でも、分からず屋はいるものだ。
時間遅行クロノスラグ】発動!
 急激に遅くなった時の中で、三人の鎧の部位、胸当て、肩当て、もも当てを剥ぎ取り、下着姿にする。
 兜、小手、脛当て、靴はそのままだ。
 畑の真ん中で、極限まで肌を露出した騎士というシチュエーションは、不自然でしかない。

「力量差は分かっただろう。たかが貴族の我儘に付き合って、命を落としてもいいのか?」

「そちらこそ貴族に歯向かうとは、命が惜しくは無いのか?」

「命が惜しくて冒険者が出来るか。
 さぁ、次は手加減しないぞ。どうする?」

「ぐっ…………!」

「何をしてるのよ。早くやっちゃいなさい!命令よっ!」

 苦悩する護衛隊に、容赦の無い檄が飛ぶ。
 騎士にとって、命令は絶対だ。

「うわあぁぁぁーッ!」

 護衛隊の一人が葛藤の末、叫びにも似た声を上げながら、半ばヤケクソ気味ともいえる特攻を仕掛けてきた。
 突き出した剣を、男は最小限の動きであっさりと躱す。
 男に背後を取られ、両手を掴まれた直後、身体の奥に衝撃が走った。
 あろうことか、男のイチモツが女の膣内へと突き立てられたのだ。
 戦いの最中だと思っていた。命のやり取りだと思っていた。
 それをなんという屈辱であろうか。なんという侮辱であろうか!

「貴様ッ!男ならば戦えーッ!」

 女は、もがき、足掻き、叫び、抵抗するが、男はびくともしない。

「手加減しないと言っただろうがっ!」

「ヒィーッ!」

 強烈な一突きが、身体の芯を貫く。
 勝手に腰が反り上がり、脚が内股になってしまう。
 はっきりと分からせられた。
 弱いメスは強いオスに抗う事が出来ない。
 本能から完全に屈服してしまったのだ。
 荒々しいピストンに、女は兜の中で涎を垂らしながらひたすら喘いでいた。

「あっ、ああっ、あぁっ、はくぅっ」

「顔が見えないってのも、割と乙なモンだな。鎧と裸…………、着衣エロとしては決して悪くはない」

 ナタリーと護衛二人は、暫く唖然としていた。
 人は信じられない光景を目の当たりにした時、動けなくなるという。
 それでも、常識的思考が脳を刺激し、我に帰ったナタリーは、怒りに駆られ叫んだ。

「こっ、こんな事許される訳ないでしょっ!
 貴女達、何をしてるの!ラニを早く助けなさいっ!
 殺したって構わないわっ!」

「へぇ、お前の名前ラニって言うんだ。お前の身体、なかなか気持ちいいぜ。
 よしっ……ラニ、イクぞ……!うっ!」

「あっ、ふぅぅんっ」

 ラニは名前を呼ばれながら、胸を揉まれつつ、精子を中に出され、悦び喘ぐ。
 その時、ラニの身体から玉のような光が抜けていく。
 この光の正体は、天使が分け与えた力である。天使の力が騎士の身体から抜けていったのだ。
 戦乙女ヴァルキューレに任命されるのは、その名の如し純潔の乙女のみ。
 処女で無くなれば、その資格を失うのは自明の理。

 蛮行を阻止せんと護衛二人は、ティムに接近する。
 それを見たティムは不敵に笑い、イチモツを抜く。迫る護衛の一人に、ラニの身体を放り投げた。
 倒れ込むラニを抱き抱えた女騎士は、ティムのイチモツを名残惜しそうに見つめているラニの頬を思いっきりはたく。

「どうしたんだっ!しっかりしろっ!」

「ネグナも抱かれたら分かるわ」

戦乙女ヴァルキューレでは無くなったんだぞっ!貴公はどうかしているっ!もしや精神干渉を受けてるのかっ!」

 ネグナと呼ばれた騎士は、何が起こっているのか理解できず混乱した。
 我々は、ボルストン直属軍【戦乙女ヴァルキューレ】である。
 聖女護衛の大任を拝命するエリート部隊なのだ。
 金等級ゴールド冒険者であろうが、決して遅れをとるものではない。
 授かった天使の加護は、精神干渉に対して極めて高い抵抗力を持つ。
 それが、あんな男一人に簡単にやられるとは信じられない。

「どっ、どこ?」

「ケネス!後ろだっ!」

「遅い遅ーい。ケネスちゃんの乙女な部分にどーん!」

 ティムと対峙していた騎士ケネスは、戦いの最中、ティムの姿を見失ってしまい、ラニと同じように背後から襲われ、敢えなくイチモツを挿入されてしまった。
 身動きを封じられた状態で、強制ピストンが開始。
 僅か十五秒で女は絶頂し、その場に崩れ落ちた。

「ああーっ!」

「ケネスちゃん処女だったのにぃ、即イキしちゃったんだぁ、弱々雑魚まんこ過ぎなぁい?」

「うっ、ううっ…………!天使様の、ご加護がぁ……」

 痙攣する女騎士の身体から、光の玉が抜け、空へふわふわと舞い上がっていく。
 ケネスは必死に手を伸ばしたが、無情にもその光はぽわんとかき消えた。

「乙女はさ、戦なんかより気持ちいい事覚えなきゃ」

「貴様、それ以上我らを侮辱するなよッ!」

「待てよ。俺は降り掛かる火の粉を払ってるだけさ」

 最後の騎士ネグナが吼えた。
 身体全体が薄っすらと光を纏っている。
 ティムはケネスからイチモツを抜き去ると、残り一人となった戦乙女ヴァルキューレへゆっくりと振り返り、自分が被害者であると訴えた。
 怒りが頂点へと達した女騎士は、敵を討ち倒さんと剣を構え、飛びかかる。

「主よ、この悪魔を祓う力をお授け下さいっ!」

 ティムに向かって、同時に五つの剣閃が放たれる。
 金等級ゴールドであれ人間の範疇を超える天使の御業。
 躱せる訳が無い。
 そして、手応えはあった。
 それなのに、男の身体には傷一つ付いていなかった。

「そ、そんな…………」

「試しに受けてみたが、まぁ、ちょっぴり痛かったよ。
 恐らく、対悪魔デモンならもう少し効果はあるんだろうな。
 つまり、俺は悪魔では無く人間って事が証明された訳だ。
 じゃ、次は俺のターン、ね」

 男は何かぶつぶつと独り言を呟きながら、身動きが取れずにいるネグナの下着を乱暴に剥ぎ取り、片足を持ち上げ股を開かせると、なんの遠慮も無く秘部にイチモツを挿入した。

「あ、あぐぅっ…………!」

「ふひぃ、気持ちええぇ…………何だよ戦乙女ヴァルキューレって。こんなん私処女ですよって言いふらしてるのと一緒じゃねーか、…………最高かよ!」

 犯され続ける戦乙女ヴァルキューレ達を前に、ナタリーは茫然自失となっていた。
 だが、男はこちらに背を向け、下劣な行為に没頭している。
 逃げるならば今がチャンスかもしれない。
 闇に紛れ、この場から立ち去り、人気のあるところまで辿り着けば、いくらこの男でも貴族である私に手出しする事は出来ないだろう。
 戦乙女ヴァルキューレを失った責任は重いが、私は領主の娘。何とでもなる。
 即断からの動きは早かった。
 冷静さを取り戻したナタリーは、魔石灯を消すと、腰を落とし、ゆっくり後ろへと退がっていく。
 少しずつ、少しずつ、確実に距離を取る。
 男の姿が徐々に闇にのまれ、遂に見えなくなった。

 やった!逃げ切った。
 いや、逃げる訳ではない。
 街へ戻り、兵を手配し、妹と戦乙女ヴァルキューレを救出しに行かねば。

 ナタリーは街へ向かって振り返ると、不意に誰かとぶつかってしまった。

「ごめんあそばせ。わたくし、急いでおりますので」

「そんなに急いでどうしたんだ、何かあったのか?」

「…………あっ、ああっ!」

 ナタリーは絶句する。
 私の両肩を掴み、いやらしい笑みを浮かべているのは、…………ティムだった。
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