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トロール

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 俺は、テント前に転がるアザールの死体を見下ろしていた。

 そろそろアリスのパーティ仲間である二人が、ベップから目覚める頃だろう。
 話下手の彼女に、うまく状況説明できるかどうか不安だが、仲間同士で話し合ってもらうしかないだろう。

「じゃあ、これで」

 この場を去ろうとすると、アリスは急ぎテント内から背嚢と剣を引っ張り出し、俺の元へ駆け寄ってくる。

「何をしてる?」

「これからは…………ずっと一緒」

「は?」

 一体、何を言っているんだ?

「お前にはパーティの仲間がいる。俺にも、だ。第一、この状況でお前がいなくなったら、残された二人はどうするんだ?」

「そんなの、…………知らない。私は、ティムといるの」

 正に絶句。どうやら本気で言ってるらしい。
 しばらく説得してみたが無駄だった。さて、どうするか。

「ふぅ、出発は二人が起きてからにしようかな。お、俺からも説明したいし、ね」

「…………うん」


 それからしばらくして、アリスのパーティ仲間であるルカクとデ・ブライネ二人のベップが終わる。
 二人は、屍と化したアザールに驚き、そのアザールがアリスを襲った事に憤り、悪魔に殺された結末に嘆いた。
 三人は十年以上パーティを組んでいたらしい。ショックは大きいだろう。
 それでも、二人はアザールの蛮行を俺達に詫びた。

「アリス、ティム、すまなかったな」

「いえ、間に合って良かったです」

「…………」

 アリスは無言のまま、俺の側から離れようとしない。

「ともかく、これ以上探索は続けれん。ひとまず、クランへ戻り、団長に報告するとしよう。
 アリス、【帰還のスクロール】を出してくれ」

「…………私は、戻らない。ティムといる」

「それは駄目だと言ってるだろ。報告の義務がある。団規なんだから諦めろ」

「じゃあ、…………団は抜ける」

「抜けるとしても、だ!」

 なんて頑固な奴なんだ。
 仕方あるまい。【洗脳】して帰ってもらおう。
 俺と交わった者は、【淫力催眠術】で【洗脳】可能となる。
 ほんの少しの間、言う事を聞くようにするだけで、傀儡にする訳では無い。

「アリス、今は大人しくクランへ戻るんだ。分かったか?」

「…………分かった。戻る」

 その時、アザールの屍に黒い靄が纏わりついた。
 靄は身体全体をすっぽり包み込むと、瞬く間に地面の中へ透過するように沈んでいった。
 この地下迷宮ダンジョンでは、魔物であっても人間であっても、死体は一定時間経過すると、この地下迷宮ダンジョン自体に取り込まれるという。
 自浄作用なのか、魔力の糧としての捕食なのか、それとも、その両方か。
 それを知っていた俺は、アザールをわざと放置していたのだが、実際に見れてよかった。
 大体、三十分から一時間くらいで吸収するようだ。
 地下迷宮ダンジョンのメカニズムには、謎が多い。

「もうそんなに時間が経っていたのか!」

「早く聖布に包むべきだった」

 聖布とは、教会の魔導具で、遺体をそれに包めば、聖女の加護により、地下迷宮ダンジョンからの吸収を一定時間防ぐらしい。
 俺から言わせれば、判断が遅いと言わざるを得ない。
 残念な結果を迎えた彼らだが、ともかくさっさと退場願いたく、アリスが所持する魔導具【帰還のスクロール】により発動した魔法陣にて、聖堂へと【転移】していただいた。

 ————アリス攻略完了。

 ————————


 今夜はここまでにして、テントへ戻り、眠りにつこうかと思っていたが、インキュバス・ブルーから突然連絡が入った。
 魔力量が残り僅か。敵にやられたのか。

「…………お伝えしたき儀が御座います」

「何があった?」

 ブルーの話では、十九階層を探索中、ボス部屋を発見したが、そこで正体不明の何者かに襲われ、致命傷を負ったが反撃し、相手の首を斬りつけると、すぐに逃げていったという。

「そうか、ご苦労だった」

「恐れ……多く…………」

 報告を聞いた後、ブルーを繋ぐ魔力パスが切れた。つまり、消滅したのだ。
 仮面に残された映像では、全身黒づくめで判然としないが、確かに人間のようなシルエットに襲われている。
 我が従魔は、金等級ゴールドであっても、一対一で倒すのは困難であるし、そもそも十九階層を単独で行動できる人間がいるというのも怪しい。
 人間の姿に擬態した魔物や悪魔の可能性もある。
 即刻、グリーンへ合流するよう指示、ブルーの残したデータを共有し、ボス部屋へと向かう。
 道中、倒された魔物がまだ吸収されずに散乱していた。持って帰れば高く売れる貴重な素材があるのかも知れないが、今はどうでもいい。
 ボス部屋前に着くと、すでに到着していたグリーンが首を垂れて待っていた。

「お待ちしておりました」

「うむ」

 周囲を見渡すが、犯人に繋がる証拠は何も残っていない。
 当然ながらブルーを倒した犯人は、既に去った後だ。

「さぁ、戻るか」

「…………はっ、畏まりました」

 グリーンは何か言いたそうな顔をしていたが、地面に浮かび上がった魔法陣へと消えていった。
 主人がわざわざ従魔に配慮する必要など皆無なのである。

 ————————

 ————

 ようやくテントへ戻り、寝ている三人を起こす。
 さて、ローパーに操られていたという設定とはいえ、処女を奪い散々凌辱しまくった後だが、彼女達はどんな反応を見せてくれるか。
 出来れば【魅了】【洗脳】などの精神魔法は使いたくない。

「みんな、大丈夫か?」

 三人が顔を見合わせ、戸惑っている。
 何を言えばいいのか分からないといったところか。
 重い空気が流れるのを嫌い、たまらずナナリーが口を開いた。

「あのっ、わたしは、その大丈夫……、全然大丈夫ですぅ!」

 次いで、ロローネ、ステラが続く。

「あー、…………ティムさんが嫌じゃなければ、あたしは別に…………むしろ、望んでたっていうか…………」

「結果的に、魔物に襲われた私達を助けてくれたんすよね?この階層でまだ命があるってだけで、ティムさんには感謝しかないっす」

 だ……駄目だ…………まだ笑うな、こらえるんだ。

「ありがとう、そう言ってもらえて助かる。これからもよろしく」

 三人は笑顔でもって、温かく迎え入れてくれた。
 考えてみれば、彼女達は、俺とパーティを組んだおかげで銀等級シルバーに昇級できたのだ。
 更にこれから得るリターンやメリットを考えれば、離脱を選ぶ訳が無い。

「では、探索を再開しよう」

 ————————

 先程、既にボス部屋前まで行った訳だが、そんな事を彼女達に言える訳もない。
 だが、ボス部屋へは、なるべく最短で到達したい。
 そこで、再び召喚したインキュバス三人衆に先回りさせ、道中出現する敵をあらかじめ削らせておき、彼女達にとどめを刺させれば、いいレベリングが出来ると考えた。

 しかし…………

「何かいる!」

「蛇の魔物っすか?」

「蛇じゃない。って、これ何なの?」

 十五階層において、強敵の一角に数えられる鉱石に擬態した魔物、岩蜥蜴。
 それが、四肢が切り取られ身動きの取れない状態で横たわっていた。
 魔物であっても、その呻き声から苦しんでいるのが伝わってくる。
 インキュバス共には、敵がいたら殺さずに弱らせろと指示した。
 強敵を倒しやすく弱体化しておけば、レベルアップしやすくなるからだ。
 そうは言ってもこれは酷い。あまりにも不自然過ぎる。

「可哀想ですぅ」

「別の魔物にやられたのかもしれん。とどめを刺してやれ」

 意を決した三人は、瀕死の岩蜥蜴に対して一番強力な攻撃を放った。
 ステラの剣撃五発、ロローネの戦斧三発、ナナリーの氷槍二発で、岩蜥蜴はようやく絶命した。

「はぁはぁ、やっと倒せたぁ」

「硬いっすー」

「長く苦しめてしまいましたぁ」

「こいつがもし万全の時期だったら、かなりの苦戦を強いられただろう。各自、どうやったら強くなれるかをしっかり意識して戦うように」

「「はいっ!」」

 力強い返事から、彼女達の固い意思が伝わってくる。
 強敵との死闘を生き残る為には、リーダーを尊重し、団結する事が大事だと各々が理解したのだ。
 厳しく教育した甲斐があったとしみじみと思った。

 ————十六階層

「リーダー、ボス部屋が無い事もあるんですね」

「そのようだな。この先、何が起こるか分からん。各自、警戒を怠らぬように」

「「了解!リーダー」」

 若い子にリーダーと呼ばれるのは、すこぶる気分がいい。
 マスターと呼ばれるのに少し飽きていたので、新鮮な感じがしていい。

「リーダー、何かいます」

 次の敵か。
 あいつら、今度は上手くやってくれよ。

「多数の人影があります!」

 複数を相手にする時は、敵の位置を正確に把握する事が要求される。
 速やかに松明や光魔法のライトで周囲を照らした。
 そして、落胆した。

 確認出来たのは、五階層のボスとして出現したゴブリンロード六体。
 二メートル超級の体格なのに、小鬼種とはそれいかに。
 通常なら間違いなく苦戦するところだが、目の前にいるゴブリンロードは、手脚を切り落とされ、首を吊った状態で宙に浮いていた。

「ひぃっ!」

 あまりの残虐な光景に、ナナリーは悲鳴を上げ恐怖している。

「ナナリー、静かに!これをやったヤツがまだ近くにいるかもしれないんだぞ」

 ステラがナナリーの口に手を当て、周囲を警戒した。
 そんな心配は杞憂に過ぎない。
 これをしでかした奴等はもっと先にいるからだ。

 ————————


 インキュバス三人衆が何やら言い争っている。

「貴公らの仕事は些か杜撰に過ぎる」

「何を言うか、レッド。貴公こそ、瀕死の状態に近づけようとするあまり、何体も絶命させておるではないか!」

「ブルーの仕事も甘いと言わざるを得ぬ。先の蜥蜴だが、四肢を切り落としたとて、顎や尾による攻撃の猶予を残していた」

「その言や良し!あれでは、万が一にもご主人様ご一行に負傷の可能性がある。その点、我はいい仕事をしたな」

「片腹痛いわ、グリーン!獲物の首に縄を括り付けるは、不自然の極み!ご主人様はあくまで自然な形での弱体化を望んでおられる」

「ぬぅ、げに難しき。そこまで言うのであれば、レッドよ。貴公の技を示してみよ」

 このインキュバス達、歪み合っているようにみえて、実のところ、再び三体揃った事を喜んでいるようだった。

 ————————


 ————十九階層

「こんなに深いところまで辿り着いてしまった事に驚いていますぅ」

「ラッキーっすよねー、何故か死にかけの魔物としか遭遇しないなんて」

「そんな幸運なんて、あるのかな?怖いんだけど…………」

「その通りだ!何があるか分からんぞ!気合いを入れろ!」

「「はいっ!」」

 やり過ぎてしまったかもしれない。
 もう少しでボス部屋に着いてしまう。
 アホ共のお陰で、戦闘も無く十九階層まで来てしまった。
 一応、瀕死とはいえここまで多くの強敵を倒したので、三人のレベルは金等級ゴールド相当に到達している。
 だが、このままボス部屋へ入るには、連携や戦闘技術といった経験値が圧倒的に足りない。
 最後にもう一戦しておきたいところではある。

「ん?敵の気配を感じるな」

「リーダーの索敵、マジで神がかってるっすよねー」

「褒めても何もやらんぞ、ロローネ」

「もう前払いでいっぱい貰ってまーす」

「緊張感を持てっての!」

 ロローネの軽口に、ナナリーが顔を赤らめ、
 ステラが肘で小突く。
 あんな目にあった後でも、彼女達は仲がいい。
 岩だらけの狭い通路を抜けると、俺は記念にもならない五十回目の落胆をする羽目になった。

 十九階層における強敵の一角でもある背丈三メートルを超えた巨人トロールが、地面から深緑色の坊主頭だけ出して埋まっている。
 こんな状態の敵がいる訳ないだろう。
 ふと奥へ目をやると、落石にでもあったかのように、大量の岩に押し潰されて埋まっているトロールもいた。
 馬鹿の一つ覚えか、やはり岩群の隙間から頭部だけ露出している。
 ゴトリと鈍い音を立て、岩が崩れるとトロールの血塗れの顔がお目見えした。
 ご丁寧に両目が潰され、口いっぱいに石が詰められている。
 ともかく身動きの取れない頭部だけのトロールが、見渡す限りで十体は埋まっていた。
 あとはとどめを刺すだけと言わんばかりのお膳立て。サッカーで喩えるならばまさにごっつぁんゴール。

「なんて…………酷い」

 ナナリーが目を背ける。
 他の二人も言葉を失っていた。
 ここまでいくと、さしずめ斬首刑を処す死刑執行人と変わらないのではあるまいか。
 とはいえ、ここは死と隣り合わせの地下迷宮ダンジョン
 生き残る為、彼女達には、心を鬼にしてもらう必要がある。

「さぁ、倒すぞ」

「「は、はいっ!」」

「えっと、私、出来ないですぅ」

「…………ナナリー」

「リーダーの命令っすよ?」

 三人の中で一番従順だと思っていたナナリーが、異を唱えた。
 予想外の展開に、少しイラついている自分に気付く。
 落ち着け、俺。ティムならどうする?何を語る?

「この地下迷宮ダンジョンでは、魔物同士の戦闘も珍しくない。
 縄張り争いの見せしめや、食糧としての早贄など、色々考察する事は可能だが、それは学者のする事であって、俺は、魔物を討伐する為にここにいる。
 こいつらは、俺の敵なんだ!死んでいったみんなの仇なんだ!」

 この街で暮らす者は、自分に身近な誰かを必ず失っている。
 家族を村ごと滅ぼされたティムの真剣な言葉は、そんな彼女達の心を揺さぶった。

「あたしはやるよ、ナナリー」

「私もやるっす!」

「ティムさん、ごめんなさい。私、覚悟を決めました」

 ふぃー、チョロくて助かったぜぇ。
 まったく、あのアホ共め。余計な仕事を増やしやがって。

 そして、トロールの虐殺が始まった。
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