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63話

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「それじゃあ次は僕のプロフィール作成だね」

ナツが自分のスマホを操作する。

「名前は【白夜】ナツで、その後どうしようか」

「騎士?」

とレオナ。

「武芸者?」

と僕。

「私も騎士かなぁと思います……」

「うーん……」

ミオは考え中のようだ。

「タケルは?」

ナツの問いに、タケルは無表情で

「ユイの彼氏」


『おっと……』


『タケル……お前も懲りないな……』


『タケル……お前のことは忘れないよ』

タケルの発言で、空気が一瞬で冷えたような気がした。

ナツもユイもレオナも不敵に笑っているのが逆に怖い。

「タケルはグングニルの効果を知ってるかい?」

ニコニコしながら言うナツの右手には、レベル7ダンジョンソロ攻略時に見せた槍が握られていた。

あ……。

「ナツさん?その手に持ってるものを戻してもらってもよろしいですか??」

「グングニルは北欧神話に出てくる主神、『オーディン』の槍でね。狙った獲物を捉えるまで追尾するんだ」

タケルの言葉を無視してナツは続ける。

「まあこれは紛い物だから、追尾するのは相当な魔力がいるんだけど、僕はこれを矢文として応用できるんだよね」

レオナがタケルに手を向けると、タケルの身体が光の輪で拘束される。

さらにユイが手を合わせて祈るポーズになると、タケルの体が白く染る。

「レオナ、屋根に」

「分かったわ」

シュンッと、レオナ、ナツ、タケルの姿が光に包まれて消えた。


「皆さん、外を見ましょう」

ユイが僕らをリビングへと誘導し、窓を開けた。

窓からマンションなどの風景が映り、身バレの危険性があるけど、ユイの結界が作動しているため、分かってもここには来れなくなるらしい……。


「飛んでこーい!」

「ぎゃあああああああああああああ!!!!!」


タケルの絶叫が聞こえ、少し巨大化したグングニルに巻き付けられたタケルが、飛んでいくのが見えた。


「…………」

「どこ……行ったの」

ミオも表情には出ていないけど、目が見開かれている。

『( 'ω')ファッ!?』


『タケルwww』


『何やってんだあれ……』



「ふぅ」

「ふぃ~」

レオナとナツが戻ってきたため、経緯を聞く。

「ドラゴン〇ー〇を読んでて、石の棒に乗って動くシーンを見たんだけど、あれをやった」


『桃白〇かよ‪w‪w‪w‪w‪w‪』


『再現すな笑笑笑』

「タケルは調子に乗ってるから、頭を冷やした方が良いわ。ってことでちょっとレベル6ダンジョンがある所まで飛ばして貰ったわ」

「グングニルは魔力を込めるとその分巨大化するから、縛り付けるのにピッタリだったよ」

「ユイの祈りで、空気抵抗とか落下時のダメージを結界で抑えてるし、あの程度なら死ぬことはないわ」

「それでレオナの重力軽減と、軌道を考えて、僕が投げたってこと」

『頭おかしい……』


『レベル6って、確かロシアにあった気が』


『そこはユイちゃんの結界があるから大丈夫……なのか?』


『まあタケルだから死ぬことはないだろうけど』


「えっ!?ロシアまで飛ばしたの?」

「「「うん」」」

「「おぅ……」」

僕とミオは、ただただ驚いてばかりだった。


「じゃあ作成に戻ろうか。シオンの武芸者って結構良いと思ったから、『【白夜】ナツ@武芸者』にするよ~」

プロフィール作成に普通に戻った。

いつもこんなもんなのかな?
絶対皆を怒らせないようにしよう。


「よし、一言文とかも書いたし、あとはアイコンだけど、どうしようか」

「これ……」

残るはアイコン作成、という時にミオが自分のスマホの画面を見せる。

「ははははは!!めっちゃ良いじゃん!」

僕は画面を見て吹いた。

ユイもレオナも笑ってる。

「ほんとにこれにするの?」

「「「「うん」」」」

「まぁ、良いんだけど……」

アイコンはさっきのシスター姿のユイに悶絶する写真になった。

「視聴者さんには皆がプロフィールを作り終えてから是非自分の目で確認してみてくださいね」

と期待させておいた。


「じゃあ次は私ね」

次はレオナの番だ。
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