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62話

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「はいじゃあ質問コーナー行きます。まずは僕が選ぶよ~」

ナツが画面をスクロールしていく。

「お、『【白夜】の皆さんは、【白夜】でTwitterのアカウントがありますが、個人個人でアカウントを作ったりしないんですか?』だって、これいい質問じゃないかな~?」

「あ、それ僕も気になった。そろそろ作ってもいいんじゃないの?」

「確かに……フォローするのに」

「なんでだっけ?」

「「「「めんどくさい」」」」

「そんな理由!?」

「何呟けばいいか分からん」

「僕も最初はちゃんと呟くかもしれないけど、何日かで呟くのしないかも」

「私もですねぇ、あんまり呟かないかもです……」

「私もよ」

「そうだった……」

配信の挨拶から適当だから、呟くのが面倒くさくなるんだろうな。

「そう……だよね」

ミオもコクコクと頷いてる。

あ、そういえばミオのTwitterも、動画投稿した旨を呟くか、僕の呟きを即RTかいいねするぐらいしかなかったんだった。

『シオン以外面倒くさがりだという事実』


『確かにシオンだけよな。まともに呟いてるの』


『【白夜】は下手すると配信してることすら呟かないもんな』


『もっと呟け定期』


『いっそ面白いから個人アカウント作れば?』


『それ~、偽物多すぎて困ってた』


『【白夜】ってだけで期待して呟く人もいるもんね』


「あー、確かに僕らを自称するアカウントが増えてるって聞くね」

「そこまで需要ないかと思ったけど、変なサイトとかに誘導とかされるかもしれないわね」

「コメントであったように、私達も一応作っておけば少しは対策になるかもしれませんね」

「作るか!」

「「「「どうするシオン?」」」」

「肝心なとこを僕に任せないでよ!?それは自己判断出来るでしょ!」

「「「「「「どうするシオン?」」」」」」

ミオまで面白がって言ってるし……。
確かに、悪質な偽アカウントは皆も困るだろうし、作っておくのも良いかもしれない。

こういう配信の時に作って周知させておけば、視聴者さんも探しやすいだろうし。

「じゃあみんな作っておこう!」

「「「「合点!」」」」

というわけで、【白夜】の個人アカウント作成の時間となった。

当然ながら、Twitterのトレンド入りとなっていた。

すごい、全部【白夜】とミオ関連だ。

「どうせならみんなでプロフィール考えていこうか」

ということで、視聴者さんと協力してアカウント作成を行うことになった。

まずはユイから。

「名前は『【白夜】ユイ』にしますね」

「『@ナツの彼女』は付け加えなくていい……ぐはっ!!」

ナツの目にも止まならない腹パンが決まった。

ユイもしっかり頬を膨らませて怒りを表している。
ミオとレオナはめちゃくちゃ笑ってるし。

「せめて『聖女担当』なら入れても良いんじゃない?」

僕の提案に、ナツとユイの顔が輝く。

「最高だよシオン!」

「タケルもシオンさんを見習ってください」

「す、すぴぱぜん」

殴られたお腹が痛むようで、まだ悶絶していた。

「ということで、名前は『【白夜】ユイ@聖女担当』になりました。皆さんどうですか?」

設定画面を映しながらユイが言うと、爆速でコメント欄が流れていく。


『採用』


『最高』


『ついにTwitterに【白夜】が降臨するのか……』


『偽垢さん終了のお知らせ』


「プロフィールは4人共通にしておきたいから後で書くとして……アイコンの写真どうしようかな」

「今から撮るわよ」

「今ですか?」

「今からだな」

「今からだね」

「今……から……」


『めっちゃ楽しみ』


『シスターのコスプレ希望』


「シスターのコスプレ……良いわね」

「コメント欄のせいでレオナちゃんがやる気になってます……」

「じゃあ準備に行くわよ」

「そんなぁ」

ユイはレオナに半強制的に連れて行かれてしまった。

「……じゃあプロフィールの一言文でも考えようか」

「ん……」

ただ待っておくのもなんだし、共通のプロフィール一言文を考えておこう。

「【白夜】の〇〇です。は確定で置いといて、担当も置いておきたいな」

「ユイは聖女担当でいいとして……レオナは?」

ナツの問いに、

「魔法使い担当」

これは僕。

「お姉ちゃん……担当」

これはミオ。

「んー、無難に僕も魔法使い担当かな?」

これはナツ。

「破壊神」

おいタケル!?


『草』


『タケル……お前レオナちゃんが居ないことをいいことに……』


「だって破壊神って響き良いだろ……」

「レオナが帰ってきてどう思うかだね……もう僕らは何も言わないことにするよ……」

「レオナだったら絶対気に入るだろ」

僕らは考えることをやめた。


「おまたせ!」

もう準備が出来たのか、すごい勢いでレオナが隣の部屋からやってきた。

「もう、何を恥ずかしがってるの!」

「やっぱり恥ずかしいです……」

「ナツ、引っ張ってきなさい」

「はいはい」

なかなか入ってこないユイに痺れを切らすレオナ。

迎えに行ったナツがユイの姿を見たのか、バタンと倒れた。

「「ナツぅぅぅぅ!!??」」

「あかん……可愛い」

可愛さに悶絶してる。

「うぅ……」

羞恥心で顔を真っ赤にしたユイが登場すると、確かにナツが倒れるのも分かる可愛さだった。

普段が大人しいユイのシスター姿。

修道服姿のユイは、正しく聖女みたいな格好だ。
ペール状の頭巾、ゆったりとした丈のトゥニカ。

ロザリオはないけど、手を組んだ姿は神々しさも感じさせられる。

「めっちゃ良い!!」

「そうよね!たまたま持ってて良かったわ!」

「なんで持ってんだよ」


『めっちゃ可愛い!!』


『まじ聖女!!』


『やっば!!』

コメント欄も大歓喜だ。

ミオなんか、無心で連写してるし。

「そのまま手を組んで……そう、そこ!タケル、あんた背が高いんだからそこでライト持って!」

「おう」

レオナ監修のもと、ユイの撮影が始まる。

「そうそこ、そしてミオに撮影を任せて……ユイはそのポーズキープ!よしっ、行くわよ!」

レオナのやる気が凄すぎる。

僕はやることがないため、倒れてるナツの傍でボーッと撮影を眺めていた。


「凄くいいわ!これをアイコンにするわね!」

写真に納得がいったのか、撮った写真をアイコンに設定する。

『まじか……神々しい』


『レオナ、プロかよ』


『・`ω・)ス…スゲェ…』


「ふぅ、疲れたわね…。次はナツのプロフィールを決めましょうか」

「そうだね」

「えっと……私はもう着替えても良いですか?」

「「「「「続行」」」」」

「そんなぁぁ」

次はナツのプロフィール作成へと移る。
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