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四章
7 ルエラ目を覚ます
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「ひでえことしやがる」
今は空き部屋になっている本館の従者部屋で休憩をとっていたザイオスは、そこへ運ばれてきたルエラの姿を見て仰天した。
やはり休憩中の第一騎士団の衛兵が、いつものことだというように肩をすくめた。
「奥に救護室があるけど、今医者はいないぜ。伯爵の虫歯の治療をした時に殺されたからな。それに、伯爵付きの侍女なんて、毎日そんなもんだ。そんなだからここのところ、行儀見習いに小領主の娘が来なくなったんだろう。都市部や農村から募集した奉公娘たちに、付け焼き刃のマナーを教え込んだだけ。実はただの庶民が多いのさ。より一層、殺生与奪の権は領主にあるってわけだ。ご不興を買わなくても、たんなる八つ当たりで殺されることだってある」
領主が代わった最初の一年で、この地の有力者たちは、バスク伯がどんな性質の人物であるか悟ったのである。
なるべく穏便に、うまい汁を吸わせてもらいたがったが、娘が傷物ーーどころか亡き物ーーにされるのを恐れ、何かしら理由をつけて断っていた。
領城に、生贄をよこすようなものである。
ルエラの切れた唇の血を拭ってやりながら、ザイオスは首を傾げた。
せっかくイライザの癇癪から解放されたというのに、なぜこの娘は伯爵の肖像画まで描く気になったのだろう。
イライザの遺言など、黙っていればいいのに。
「交代だ」
クレトが入ってくるなり言い、衛兵はこっそり飲んでいた酒の瓶を名残惜しそうに置いて出ていった。
始終伯爵の護衛をしている衛兵たちも、いつ気まぐれで殺されるか分からない身の上なのだ。
クレトと二人だけになると、ザイオスは居心地が悪かった。
ザイオスはクレトを妙に気に入っていたが、いまだに疑いを持っている。
気まずい沈黙が流れた。
その沈黙を先に破ったのは、黒い帽子の方だった。
長椅子に寝かされた少女に気づいたのだ。
「この娘は?」
「え? ああ。伯爵の肖像画を描こうとしていて、よく分からんがこうなった」
「なんだそりゃ」
再び沈黙が訪れそうになったので、ザイオスの方から話題を振る。
「ところで、パルタクスのほうは?」
「暴れる前に連れ出したからな、ケガはない。目が覚めてからも暴れようとしたから、独房に入れられてる。もっとも、独房と言っても奴はいつもそこで生活していたらしい」
ザイオスはため息をついた。ルーマン帝国時代の支配者でありながら、貶められた民族。
帝国崩壊後、肌の色で差別されてきたルーマン人だが、残った彼らも未だに選民思想が抜けないという。
そして独自の文化を捨てない。
天父神を神とあがめてはいるが、その神の定義も少し違うらしい。
「けっこう優しいところがあるじゃないか」
「え?」
ザイオスはにやにやしてクレトの背中をたたいた。
「とっさにあいつを殴りつけたのは、あいつの命を救うためだろ? かっこよかったぜ!」
クレトは嫌な顔でザイオスを見つめた。
「一応、給料をもらってる。責務を果たしただけだ」
「だが、結果的におまえはパルタクスを救った」
ザイオスのにんまりした笑みを見て、クレトはこれ以上何を言っても無駄だと思ったのか、くるりと背を向けてしまった。
「う……」
少女が身動きした。痛みで気がついたのか、長いまつげが動き、薄く目を開いた。
「お目覚めかい?」
「ザイオスさん? 痛いっ」
目を見開いて喋った瞬間、切れた唇を抑える。
あちこちが痛むのか、涙目である。
「あれ? ここは?」
さ迷う視線。
ザイオスとその後ろの帽子男に目がいった途端、ぱっちりとその目がさらに開かれた。
「あ、あなたは! 痛っ」
起き上がった時、また腕を押さえて呻いた彼女に、ザイオスは慌てて駆け寄った。
「痛むのか。骨がいっちゃったかな?」
「だ、大丈夫です」
控え目に言ったが、実際はずきずきと体の節々が痛んだ。口の中は血の味がして何とも気持ち悪かった。
酷い状態だが、すぐに伯爵の部屋へ引き返さなければ、今度は何をされるかわからない。モデルを待たせるわけにはいかない。
ルエラは立ち上がると、ふらつく足取りで扉へ向かった。
目を丸くするザイオスが彼女を引き止めようとしたとき、ちょうど、ルエラを助けてくれた侍女が扉から入ってきた。
小さな素焼きのツボをいくつかトレーで運んできたのだ。
ルエラとぶつかりそうになり、トレーが傾く。
「きゃっ」
侍女が慌ててトレーを支えるが、壺が滑り落ちる。
「おっと」
ルエラが落ちてきた壺をキャッチした。
トレーに戻してから、脇腹を抑えて蹲る。悶絶しているようだ。
(いたたた、つい激しく動いてしまった)
「……でも割れなくて良かったわ」
「あら、あんたまだ休んでていいのよ。伯爵ならーーその、あの……また拷問室に行ったから」
侍女が気遣うような声色でそう言う。最後の方はゴニョゴニョよく聞こえなかった。
「え?」
「スラヴォミール卿を尋問するそうなの。しばらくモデルをできないから、休暇を取っていいそうよ」
なんとも気まずそうに言いながら、侍女は先程のトレーを持ち上げて見せる。
「はいこれ。街の工房から、調合済みの絵の具が届いたわ。あと傷を抑えるリネンも持って来た」
侍女はケガも気にしていたらしい。ルエラは感激する。
「あ、ありがとございます!」
「……」
侍女はじっとルエラを見つめる。ルエラは首を傾げた。
「私、ドリスって言うのだけれど、どこかで会ったこと無い?」
まじまじと顔を見られて、ルエラは顔を赤くする。
「え? わ、分かりません」
「どこで会ったのだったか……」
勘違いかしら? と考え込む侍女ドリス。
「でもこんなにキュートな顔、そんなに居ますかね?」
「そうね、たしかに可愛い――えええ?」
ルエラはしまった、とクレトにちらりと目をやる。実はあざとい女とばれたら嫌われてしまう。
「わたくしめのような、ぶちゃいく、そうそう存在しませんわ」
「卑屈になりすぎじゃない?」
ドリスはしばらく考えてから、まっいっか、と呟きルエラにねぎらいの言葉をかけた。
「力任せに殴られたり蹴られたり、あたしたちは慣れてるけど、あなたは大変だったわね。私は出身の荘園の小領主が似たようなタイプだったからさ、そんなものだと思っちゃうけど。打ち身があるなら蛭の瓶もらってくるわよ。瀉血とかしてみる?」
「ひぃい蛭っ! け、結構です」
慌ててトレーごと、絵の具の入った素焼きのツボをもらう。ぬるぬるも、虫も苦手。
「あ、そうだ。乾くともったいないので、自分の部屋で下塗りだけしちゃいます」
ありがたいことに、狭いとは言え作業場兼寝室の個室をあてがわれていた。窓もあるので、記憶を便りに細かい作業に没頭できる。
「ほんと、嬢ちゃんって仕事熱心だよな」
ザイオスが呆れて苦笑する。
ルエラはちょっと恥ずかしそうに顔を赤らめながら、トレーをテーブルに置き、侍女に頭を下げた。
「色々すみません。取り敢えず領主様のお部屋から画材を片付けてきますね」
少女が立ち去るのを見送ると、ザイオスは鼻の下を伸ばして思わず横のクレトに小声で囁いた。
「やっぱ、かわいいよなぁ。嫁にするならあんな娘がよくね?」
同意を求めるようにクレトを見上げると、彼は困惑の表情をその端正な表情に張り付けている。
え? 俺なんか変なこと言った?
「その壺」
クレトはテーブルの上に残された、6つの絵の具の入れ物に目をやる。
「え?」
「いや、よく一個も割らなかったな、と思って……」
再び、閉まったばかりの扉をじっと凝視している。
そんなことどうでもいいじゃねえか。同意してほしかったのは、可愛いよな、ってところで――。
ザイオスは呆れる。
(そうか、こいつには女の良さが解らないんだ。ホモだもんな……)
あんな可愛い子が近くにいるのに、もったいない、とこっそり心の内で彼を憐れんだ。
今は空き部屋になっている本館の従者部屋で休憩をとっていたザイオスは、そこへ運ばれてきたルエラの姿を見て仰天した。
やはり休憩中の第一騎士団の衛兵が、いつものことだというように肩をすくめた。
「奥に救護室があるけど、今医者はいないぜ。伯爵の虫歯の治療をした時に殺されたからな。それに、伯爵付きの侍女なんて、毎日そんなもんだ。そんなだからここのところ、行儀見習いに小領主の娘が来なくなったんだろう。都市部や農村から募集した奉公娘たちに、付け焼き刃のマナーを教え込んだだけ。実はただの庶民が多いのさ。より一層、殺生与奪の権は領主にあるってわけだ。ご不興を買わなくても、たんなる八つ当たりで殺されることだってある」
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なるべく穏便に、うまい汁を吸わせてもらいたがったが、娘が傷物ーーどころか亡き物ーーにされるのを恐れ、何かしら理由をつけて断っていた。
領城に、生贄をよこすようなものである。
ルエラの切れた唇の血を拭ってやりながら、ザイオスは首を傾げた。
せっかくイライザの癇癪から解放されたというのに、なぜこの娘は伯爵の肖像画まで描く気になったのだろう。
イライザの遺言など、黙っていればいいのに。
「交代だ」
クレトが入ってくるなり言い、衛兵はこっそり飲んでいた酒の瓶を名残惜しそうに置いて出ていった。
始終伯爵の護衛をしている衛兵たちも、いつ気まぐれで殺されるか分からない身の上なのだ。
クレトと二人だけになると、ザイオスは居心地が悪かった。
ザイオスはクレトを妙に気に入っていたが、いまだに疑いを持っている。
気まずい沈黙が流れた。
その沈黙を先に破ったのは、黒い帽子の方だった。
長椅子に寝かされた少女に気づいたのだ。
「この娘は?」
「え? ああ。伯爵の肖像画を描こうとしていて、よく分からんがこうなった」
「なんだそりゃ」
再び沈黙が訪れそうになったので、ザイオスの方から話題を振る。
「ところで、パルタクスのほうは?」
「暴れる前に連れ出したからな、ケガはない。目が覚めてからも暴れようとしたから、独房に入れられてる。もっとも、独房と言っても奴はいつもそこで生活していたらしい」
ザイオスはため息をついた。ルーマン帝国時代の支配者でありながら、貶められた民族。
帝国崩壊後、肌の色で差別されてきたルーマン人だが、残った彼らも未だに選民思想が抜けないという。
そして独自の文化を捨てない。
天父神を神とあがめてはいるが、その神の定義も少し違うらしい。
「けっこう優しいところがあるじゃないか」
「え?」
ザイオスはにやにやしてクレトの背中をたたいた。
「とっさにあいつを殴りつけたのは、あいつの命を救うためだろ? かっこよかったぜ!」
クレトは嫌な顔でザイオスを見つめた。
「一応、給料をもらってる。責務を果たしただけだ」
「だが、結果的におまえはパルタクスを救った」
ザイオスのにんまりした笑みを見て、クレトはこれ以上何を言っても無駄だと思ったのか、くるりと背を向けてしまった。
「う……」
少女が身動きした。痛みで気がついたのか、長いまつげが動き、薄く目を開いた。
「お目覚めかい?」
「ザイオスさん? 痛いっ」
目を見開いて喋った瞬間、切れた唇を抑える。
あちこちが痛むのか、涙目である。
「あれ? ここは?」
さ迷う視線。
ザイオスとその後ろの帽子男に目がいった途端、ぱっちりとその目がさらに開かれた。
「あ、あなたは! 痛っ」
起き上がった時、また腕を押さえて呻いた彼女に、ザイオスは慌てて駆け寄った。
「痛むのか。骨がいっちゃったかな?」
「だ、大丈夫です」
控え目に言ったが、実際はずきずきと体の節々が痛んだ。口の中は血の味がして何とも気持ち悪かった。
酷い状態だが、すぐに伯爵の部屋へ引き返さなければ、今度は何をされるかわからない。モデルを待たせるわけにはいかない。
ルエラは立ち上がると、ふらつく足取りで扉へ向かった。
目を丸くするザイオスが彼女を引き止めようとしたとき、ちょうど、ルエラを助けてくれた侍女が扉から入ってきた。
小さな素焼きのツボをいくつかトレーで運んできたのだ。
ルエラとぶつかりそうになり、トレーが傾く。
「きゃっ」
侍女が慌ててトレーを支えるが、壺が滑り落ちる。
「おっと」
ルエラが落ちてきた壺をキャッチした。
トレーに戻してから、脇腹を抑えて蹲る。悶絶しているようだ。
(いたたた、つい激しく動いてしまった)
「……でも割れなくて良かったわ」
「あら、あんたまだ休んでていいのよ。伯爵ならーーその、あの……また拷問室に行ったから」
侍女が気遣うような声色でそう言う。最後の方はゴニョゴニョよく聞こえなかった。
「え?」
「スラヴォミール卿を尋問するそうなの。しばらくモデルをできないから、休暇を取っていいそうよ」
なんとも気まずそうに言いながら、侍女は先程のトレーを持ち上げて見せる。
「はいこれ。街の工房から、調合済みの絵の具が届いたわ。あと傷を抑えるリネンも持って来た」
侍女はケガも気にしていたらしい。ルエラは感激する。
「あ、ありがとございます!」
「……」
侍女はじっとルエラを見つめる。ルエラは首を傾げた。
「私、ドリスって言うのだけれど、どこかで会ったこと無い?」
まじまじと顔を見られて、ルエラは顔を赤くする。
「え? わ、分かりません」
「どこで会ったのだったか……」
勘違いかしら? と考え込む侍女ドリス。
「でもこんなにキュートな顔、そんなに居ますかね?」
「そうね、たしかに可愛い――えええ?」
ルエラはしまった、とクレトにちらりと目をやる。実はあざとい女とばれたら嫌われてしまう。
「わたくしめのような、ぶちゃいく、そうそう存在しませんわ」
「卑屈になりすぎじゃない?」
ドリスはしばらく考えてから、まっいっか、と呟きルエラにねぎらいの言葉をかけた。
「力任せに殴られたり蹴られたり、あたしたちは慣れてるけど、あなたは大変だったわね。私は出身の荘園の小領主が似たようなタイプだったからさ、そんなものだと思っちゃうけど。打ち身があるなら蛭の瓶もらってくるわよ。瀉血とかしてみる?」
「ひぃい蛭っ! け、結構です」
慌ててトレーごと、絵の具の入った素焼きのツボをもらう。ぬるぬるも、虫も苦手。
「あ、そうだ。乾くともったいないので、自分の部屋で下塗りだけしちゃいます」
ありがたいことに、狭いとは言え作業場兼寝室の個室をあてがわれていた。窓もあるので、記憶を便りに細かい作業に没頭できる。
「ほんと、嬢ちゃんって仕事熱心だよな」
ザイオスが呆れて苦笑する。
ルエラはちょっと恥ずかしそうに顔を赤らめながら、トレーをテーブルに置き、侍女に頭を下げた。
「色々すみません。取り敢えず領主様のお部屋から画材を片付けてきますね」
少女が立ち去るのを見送ると、ザイオスは鼻の下を伸ばして思わず横のクレトに小声で囁いた。
「やっぱ、かわいいよなぁ。嫁にするならあんな娘がよくね?」
同意を求めるようにクレトを見上げると、彼は困惑の表情をその端正な表情に張り付けている。
え? 俺なんか変なこと言った?
「その壺」
クレトはテーブルの上に残された、6つの絵の具の入れ物に目をやる。
「え?」
「いや、よく一個も割らなかったな、と思って……」
再び、閉まったばかりの扉をじっと凝視している。
そんなことどうでもいいじゃねえか。同意してほしかったのは、可愛いよな、ってところで――。
ザイオスは呆れる。
(そうか、こいつには女の良さが解らないんだ。ホモだもんな……)
あんな可愛い子が近くにいるのに、もったいない、とこっそり心の内で彼を憐れんだ。
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