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二章

1 美少女画家、領都へ

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 一台の荷馬車が、砂埃をあげて西の城門へと向かっていた。

 乗っているのは、荷馬車の持ち主でもある御者一人である。見ればまだ少女だ。

 身なりはそこらの農村から出てきた田舎娘そのものである。

 しかし、被っていたラシャの頭巾ウィンプルが風に煽られて背中に払われると、道行く人が振り返った。

 零れ落ちたのは、陽光に透けてしまいそうな金色の髪。透けるようなと言うよりは、雪のようなという形容があてはまる白い肌。

 晴れた空の色をした薄い水色の瞳が印象的な、とても美しい娘だ。

 
 少女──ルエラ・アンドロシュは若干十七歳だが、腕のいい絵描きだった。

 荷台には今までに描いた作品が積まれている。彼女はそれらを、比較的富裕な都市の住民に売って、生計を立ててきた。
 
 放浪者のようにあちこち転々としていたが、ある商家の依頼で領都ドルトンにやってきたのである。

 城壁にある市門を通ることを考えると、その愛らしい顔が曇った。

 各関所で嫌というほど通行税を取られた。さらに、難癖をつけられて袖の下まで要求され、お財布はますます軽くなっている。

 ふと、街道沿いの宿屋で耳にした話を思い出した。

「ここ三年、バスクの税がやたら高いのは知ってたさ。けど、ここまでなんて思ってもみなかった」

 酔って、くだを巻く行商人。

「国道や橋だけじゃねえ。橋の使用料がべらぼうに高いもんだから、浅瀬を荷馬車ごと渡ったら、浅瀬税をふっかけられたぞ。まるでひい爺さんの時代に戻ったみたいじゃねぇか。しかも管理費とってるくせに、ろくすっぽ整備されてない道なんだぜ? おかげで車輪が石に乗り上げて、荷馬車がひっくり返っちまった」

 行商人はついにはむせび泣きだした。

「うぅうう、役人が来てよぉ、助けてくれるのかと思いきや『国道に落ちた荷物は領主のものだから』って全部取られたんだぜ? 俺もう、こんなところ二度と来ねぇわ」

 他の領地からやってきて無一文になった商人を、皆気の毒そうに見ていたっけ。

 ルエラも気を引き締めて、荷馬車をひっくり返さないよう、かつ急いでロバを走らせる。

 市門が見えると少女はため息をついた。

 都市の通行税はさらに高額だ。しかもドルトンの市門は日に三度しか開かないらしい。

 丘の上の領城を含め、ここは古代帝国時代、属州拡大の要の城塞として活躍していたという。

 南東部の国境が含まれるため、今でも出入りは厳重だ。

 三時課(午前九時)、九時課(午後三時)、そして挽課(午後六時)を過ぎると、一定時間で閉門になる。

 ルエラは転覆を恐れず、少し乱暴に馬車を走らせた。

 挽課まで待つつもりはない。

 顧客との約束の日まではまだ間があるが、その前にドルトン市内に住む友人を訪ねておきたかった。

 カザックで情報を仕入れ、やっと居場所が分かったのだ。

 ようやく市門が見えてきて、少しほっとした。どうやらまだ中には入れそうだ。


 ところがルエラがそこへたどり着くと、すでに落とし格子は閉ざされていた。まだ九時課の鐘も鳴っていないはずなのだが……。

 首を傾げながら馬車を降りると、門の前の行列に近づいた。やけに屈強な男たちが多い。

 もうすぐ大市の時期だ。行商が多いのは分かるが、なぜこんな厳ついコワモテばかり?

 同業者組合が石工職人でも募集しているのだろうか。領城の改築は概ね完成したと、風の噂で聞いたのだが……。


「ご苦労だね、じょうちゃん」

 最後尾の太った中年の女が、渋い表情でルエラに言った。

 行商人らしく、後ろに何台もの大きな荷車や幌馬車を従えていた。商売仲間の男たちが、やはり渋い顔で荷にもたれ込んでいる。

 ロバやラバではなく、りっぱな馬に荷を引かせているところを見ると、そこそこ儲かっているのだろう。

 もっとも、積み荷すべてに税金がかかってしまうのだが。

「あの、この列は一体……」 
「通過に時間がかかってるんだよ。いつものさ──課税品の徴税に加えて、身元も細かく調べてんだ。最近、カザック市の方で貴族が殺されたのを、あんた知らないのかい?」
「え?」

 ルエラは水色の目を丸くした。そこから来たばかりだ。

「どうやら、白夜が出たらしいんだよ」
「まぁ……」
 

 今や白夜の名を知らぬものはなかった。

 バスクでは農村部を含め、貴族だけをねらった殺人が多発していた。

 それらはすべてメーベルナ教徒の修道士の仕業だという。

 いつしか人々はその殺人鬼を、地母神復活伝説になぞらえて、白夜と呼ぶようになったのである。地母神は終末期と再生期に、北の蜃気楼の大陸からやってくる。

 その時、世界から夜が無くなるという。

 ルエラは困り果てて眉毛を下げる。

 なんかカッコいい名前を付けられているが、ちょっと迷惑だ。犯人が捕まるまで街を閉鎖するつもりなのだろうか。

「困ったわ」
「まあ、今役人が一人一人調べている。何でも白夜はね、真っ赤な瞳をしているらしいんだ。血のような不吉な色……。だからあたしらなんてすぐ通してもらえるよ」

 行商の女は、自分の茶色の目を指さしてみながら笑った。

 ルエラは頷く。たしかに、そんな特徴をしているなら、その犯人はすぐに捕まってしまうだろう。

 彼らの仲間で、いちばん若そうな青年が荷馬車から身を起こすと尋ねてきた。

「『白夜』には高額な賞金がかけられてんだぜ。それ目当てに、賞金稼ぎのような輩が湧いて来てる。それが混雑に拍車を掛けてるってやつだ。──君、急ぎの旅なのかい?」

 先ほどから、異様にぎらぎらした目でルエラを見つめていた若者だ。

「仕事で……」
「なんの仕事?」
「画家なんです」

 物静かに答える少女に、青年はますます興味を持ったようだった。

「名前、なんて言うの? 俺、ゲイジってんだ。ここで会ったのもなにかの縁……」 
「およしっ、このばか。娘さんが怖がってるだろう? まったく、美人を見るとすぐこれだ。鏡と相談してから声かけな」
「ひっでーなぁ。それが息子に言うせりふかぁ?」

 ルエラはくすくす笑った。

「あら、やっだぁ。美人だなんて……」

 よく言われますけど、と小声で付け足す。謙遜しているようでちょっとどや顔の少女を見て、女は苦笑しながら言った。

「あんた見かけよりあざといね。気に入ったよ。あたしゃゼノス村出身の行商で、マーシャと言うんだ。よろしく」
「ええ? あざといってなんですか? 私はルエラ・アンドロシュ。──生まれは北部の……セレオン市です」
「……サントーメ州の人かい?」

 サントーメ国の先祖は北海の向こうに浮かぶ、島群からの移民だと言う。

 同じ白色人種でも、その肌の色が他のセルディアンの民と微妙に違っていた。

 一番高級な製紙や、まっさらな雪の『白』だ。

「サントーメ州! どうりで色白。先祖が北海諸島の住人ってほんと? 天父神の恩恵を受けてない移民なんだろ?」

 ゲイジは気にした風もなく、だが無神経に聞いてくる。

 ルエラは困ったように俯いた。

 ルーマン人でなくても『箱庭』の外の民族だったというだけで、差別されることはよくある。

 北海諸島は蜃気楼の大陸メーベルナに近いと言うのに……。むしろ神の国に近いのだから、もっとありがたがられても良さそうなのに……。

 だから他のサントーメ出身者たちと同じく「ちょっと色白なだけですぅ」と、ごまかしたりもする。

 特に仕事の請け負い先などでは。

 正直に生まれを話してしまったことを後悔するルエラ。育った場所の方を言えば良かった。

「ああ、気にするこたぁないよ。ご先祖がどうだろうが、ほとんど血が混じってわかりゃしない。あの地の人々が大陸の外から来たなんて、誰が分かるってんだい? センタール島のエペニャドル人と一緒で、血が混じっちまえばもう新しい人種なのさ」

 今のエペニャドル人などは元を辿れば、最初に東の海から渡ってきた異教徒だ。

 混血が進んで、東の異教徒とはまるで顔立ちが違うが、人種的には東の民の方が近いのかもしれない。

「そうだけどさ、かーちゃん。前のサントーメ州って、地母神教徒が多かったって話は本当だろ? 異端認定されてほとんど改宗させられた今でも、隠れ教徒は多いって話じゃん?」

 マーシャが息子の腹を殴る。ごふっと声がして、それきり青年は黙りこんだ。腹を抑えてうずくまっている。

「行商人が異端だ異教だなんて、いちいち気にしてられないんだよ。神の恩恵を受けてない民族なんて、神に背いたルーマン人だけで充分だ。しかし……若い娘さんが、そんな遠くから一人旅をしてきたとはねぇ、疲れたろ」

 ちらっと長い行列を見て同情したように聞かれる。

「あ、いえいえ、育ったのは南壁の外の村なんです」

 ここぞとばかりにサントーメ州は関係ない、をアピールしてみる。

「それにもうバスクの領地には入っていたんですよ。今日はカザックの工房から来ました」
「外壁の外から!? それはそれで、カザックにだってよくたどり着いたと思うよ」

(よけい驚かせてしまった)

 壁の外は他国の領地との境界が曖昧である。よって、遊牧系騎馬民族が白人の村を襲っても、国境警備の州軍は助けにきたりしない。

「そこから一人でここに?」

 マーシャはどう見ても旅慣れていなさそうな、その少女を見つめて目を瞬かせる。こんなどんくさそうな娘が──。

 ルエラは無邪気に笑って見せる。

「最近までサントーメのハプラン市で徒弟をやってました。ふふ。だから旅には慣れてるの」

 あ、けっきょくサントーメって言っちゃった。

 サントーメ州は芸術に造詣が深い都市が多い。職人の組合は業種を細分化し、より専門分野を学べるよう工夫してある。

 画家であるルエラにとって、ハプラン市で徒弟をしていた経験は、仕事をする上で箔付けになるのだ。

 焦るルエラを、マーシャは恐ろしいものを見るような目で見つめた。

 サントーメは新しい州侯が赴任しているが、治安は良くないと聞く。

 ゲイジの言う通り、無理やり改宗させられたツケか、州境の森にはまだ弾圧を逃れてきた異端が隠れ住んでいるというではないか。

 彼らは盗賊化していて、もし出くわしたらロバも積み荷ごと奪われていたことだろう。

「けっきょく北から来たんじゃないか。さぞ危なかっただろうね。せめて聖地巡礼者を保護する宗教騎士団に守ってもらえばよかったんだよ。東のやつらが占領した内海の島に行くのにさ、巡礼のための街道があるじゃないか」

 セルディアン王国が建国される前から、東の海の向こうから来た異教徒たちと、内海に浮かぶ最大の島を取り合っている。

 そこは経典では地母神がルーマン人以外を救うために設けた土地だと言われているが──面倒くさいことに、太陽神をあがめる東の大陸の遊牧民からしても、予言の地と呼ばれているらしい。

 つまりは、新教、旧教、異端、異教徒にとっての聖地なのだ。

 現在、聖地は異教徒によって占領されていた。しかし、税金させ払えば巡礼してもいいことになっている。要は富だ。

 新教徒であるセルディアン王国の民も例外無く巡礼が許可されていて、そのための道が北から南まで切り開いてあるのだ。

 ただし、巡礼道も常に整備してあり、そのうえさらに修道会の騎士が巡回している。壁内も壁外も同じく、管理費、警備費諸々かかり、通行税がバカ高い。

「北島の民や、サントーメの民なら改宗したところで、根っこは地母神崇拝だろうさ。心の中までは変えられない。だけど表面上すっとぼけて天父神教徒だと言っておけば、他の巡礼者と一緒に途中までは送ってくれただろうさ。使えるものは使うんだよ」
「そんな、地母神教徒じゃないですよ」

 ルエラは慌てた。すっかり隠れ地母神教徒だと思われているようだが、少なくともルエラは違う。

 マーシャも各地を回る行商だけあって、危険な目には遭ってきたのだろうか。マーシャの母親のような口調に微笑しながら、ルエラは答えた。

「でも、使えるものは使いましたよ。途中まで、大きな隊商についていきましたから。今回の大市にも来ると思うのですが、北海同盟ベルザの隊商です」
「……ああ、あそこは武装してるからね。宗教騎士団より──騎士修道会より頼もしいわ」

 マーシャは鼻を鳴らした。北の海の交易を独占していた行商人たちが、お互いの保護のために結成した商人同盟だ。

 が、彼らは今や各地方──それこそ異教の地まで──に勢力を伸ばし、あちこちの都市に支部を置いている。

 聖地巡礼なんてしおらしいことを言っている北部の商人たちだが、内海に浮かぶ島々の珍しい産物や、聖地に溢れる異国の商品が目当てなのだろう。

 そんなベルザ同盟、サントーメ州の都市には多かった支部だが、州侯が変わって少し商売がしにくくなったようである。

 今度は南東の──エスペランス州の都市を傘下に入れはじめた。

 おかげでエスペランス州の直轄領の都市部は、物であふれているらしい。

「今度はバスク領の都市と提携を結ぶつもりかね。今のところ市参事会と接触してるって噂は聞かないけど……。まったく、私ら零細行商からしたらやりにくいったらないよ」

 組合と提携してその都市の特産をごっそり仕入れ、別の都市や国外へ運ばせる彼ら。代わりに各国の珍しい素材を置いていくため、身元はどうあれ組合や市民たちからは歓迎されている。

 割を食っているのは、国内の都市や農村のみを回っている小規模の行商だ。

 各職人組合は、北海ベルザ同盟の商人たちのために一定数の在庫を揃えていなければならない。それで同盟の支部のある都市の市場や倉庫は常に品薄か、ベルザ同盟が買った後の売れ残りで質が悪かったりする。

「でもよ、かーちゃん。ドルトンに支部を作ったところで、あいつらの目に叶うものなんて売ってないけどな。ここの職人たちの腕なんてたかがしれてらぁ」

 なんとか立ち上がったゲイジが、再び口を開いた。

「しっ、でかい声で言うんじゃないよ」

 どうやら、本当にデリカシーのない息子のようだった。他の行商のメンバーにも小突かれている。考えずにしゃべるタイプなのだろう。

「それにしても、白夜かぁ……困りましたね」

 ルエラは遅々として進まない列を見てうんざりする。

 今までよく捕まらなかったものだと感心はするが、どれだけ待たされるのだろう。実に迷惑極まりない。

 マーシャは重々しく頷く。最初は誰もがすぐ捕まると思っていた。

 貴族を手に掛けた罪は重い。

 白夜はきっと火あぶりか車輪刑だろう、どこかの愚か者が無謀なことをしたものだ、と人々は呆れていたが……。

「白夜は今じゃ人気者だよ。貧民層の奴等なんか救世主だと思っているらしい。地母神教徒でもないのにね。白夜を崇める発言をした者たちが何人も捕まっちまった」

 ゲイジが再び大きな声で割り込む。単に、地の声が大きい若者のようだ。

「俺だってファンだぜ。かっこいいじゃん。民を苦しめる悪者どもを、ばっさばっさと斬り捨てる。まさにヒーローだね。そいつに勝てるのは、あの有名な、槍試合連勝の青騎士か、黒鋼のクラウスか……あっ、片目の傭兵や盗賊紅蠍のボスもいけるかも。でも、いちばん強くてかっこいいのは、白夜だよな!」
「だから、おっきな声出すんじゃないよ。もうっ! いい年齢していつまでも若僧みたいにはしゃいで。そこの警吏に聞こえたら、連れて行かれて縛り首だよ!」

 マーシャが慌てふためいてあたりを見渡す。なにせ役人に取り入って、小金をもらおうとする輩も少なくないのだ。一瞬マーシャが盗み見るように自分を見たので、ルエラは首を傾げた。


 そうこうしているうちに、牛歩の勢いとは言え列は短くなっていった。

 余剰作物の現物を売りに来た農民代表の荷車が通過し、やっとルエラたちの順番がめぐってきた。

 マーシャの率いる行商人一行は金を払い、何事もなく検問を通過できた。それもそのはず、彼らはいつも領地内の荘園や都市を行き来していたからだ。

 それに布や毛皮を大量に扱うマーシャの行商は、領主自ら店舗を貸し出している。
 まだベルザ同盟の傘下に無いここでは、それなりの待遇で迎えられるようだ。大市までに準備が間に合わなければ、逆に役人の首が跳ぶというものである。


 一方ルエラは足止めをくらった。

 ルエラがたとえ北の諸島群の人間であっても、その他の外国の人間であっても、実はそれほど問題にはならない。

 古代ルーマン帝国という巨大帝国の礎のおかげもあり、元帝国の属州をはじめ、蛮族の侵入していない大陸の半分は、言葉も通貨も共通なのである。

 帝国が瓦解し、小国が争っていた時代にできた新たな通貨も、両替商が共通通貨に変えてくれる。

 しっかりした身分証明書や旅券、それと通行税さえ払えば、諸国をめぐることはたやすいのだ。

 特に領地間の移動となれば、袖の下を要求されることはあっても、金さえ払えば揉めることなどあまりない。

 金さえ払えば……だが。

(足りるかしら……)

 積み荷は課税対象である。

 荷馬車を振り返って不安になるルエラをよそに、役人はなぜか下卑た笑みを浮かべた。そして憲兵に命じて上官を呼んでこさせた。

(えぇぇ、なんで?)


 市門脇の掘っ建て小屋から出てきた男は、目つきの悪い頬っ傷の男だった。

 黒の袖なしシュルコサーコートの胸に赤い雄鶏が刺繍されている。袖からは高価な鎖帷子が覗いていた。

 ルエラは思わず目を丸くした。

 それは、バスク領騎士団の紋章だったのだ。

「なるほど……これは上玉だ」

    
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